『アンヨは~じょうず~♪アンヨは~じょうず~♪ハヌル~~こっちだよ~♪』
『ピイ~♪』
よちよち歩きのできるようになったハヌルは、週末になると芝生の生い茂った庭でピョルに遊んで貰う
『ピイ~じゃなくてピョル!』
「ピイ~♪』
一生懸命ピョルの元に歩いていこうとするハヌル・・・だが自分の歩みの遅さにじれったくなってくる
しまいには芝生の上に両手と両膝を着き、満面の笑みのままハイハイダッシュで駆け寄った
『ピイ~♪』
ピョルの元に到着したハヌルは、褒めて貰おうとピョルの顔を見上げた
ピョルがハヌルを抱き起こすと、嬉しそうに満面の笑みウを浮かべた
そんなハヌルを見てピョルは笑う
『もぉ~ハヌルったら、顔はパパそっくりなのに、笑うとママによく似てる~♪
なんだか不思議~あはははは~♪』
それを見ていたミンは、ハヌルの手をタオルで拭きながらピョルに教えた
『ピョルだって顔はママにそっくりだけど、左利きだし~手足の長さはパパ似よ~おほほほほ~♪』
『あ~グランマ確かにそうかも~!中学生になる頃にはママを越しているかもしれない。
でもどうしよう。』
『どうしたの?ピョル・・・何か悩み事でも?』
『グランマ・・・ピョルが好きになる男の子は、ピョルより身長が低いんですぅ。
だからね~背が高いことをからかわれちゃって・・・』
『まぁ~なんて見る目のない子なの?ピョルはこんなに可愛いのにからかうなんて・・・
でもねピョル・・・その年頃の男の子って、好きな女の子には意地悪するものなのよ。
それにピョルは背が高いから・・・もしかしたらその子は劣等感を持っているのかもしれないわね。』
『劣等感?』
『そうよピョル。背が高いのは個性だもの、変えようがないわ。
きっとピョルはすごく素敵なレディーになるわ。そうなった時に素敵なナイトが現れるから心配しなくていいのよ。』
『本当?グランマ~♪』
『本当ですとも~あなたのような可愛い子を、放っておけるイケメンはいないわ。
グランマが太鼓判を押しちゃう。おほほほほ~♪』
『良かったぁ~♪』
楽しそうに笑っている一卵性祖母孫・・・自分が話題の中にいないことを知ったハヌルはぐずりだす
『ピイ~・・・あ~~んあ~~ん!!』
『あ~あ・・・ハヌルったらすっかりご機嫌斜めになっちゃった。』
『ピョルが男の子の話なんかするから、きっとヤキモチ妬いたのね。ほら・・・見てみなさい。ほほほ・・・』
ハヌルは涙に濡れた顔をピョルの胸元に擦りつけ、必死に自己主張している
『大丈夫。ハヌルが一番好きだから~♪』
『ピ?ピイ~♪』
また笑顔を浮かべたハヌル
どうやらハヌルはピョルが大好きで仕方がないようだ
そんな風に週末の昼下がりを楽しんでいるイ家・・・
シンとヒョンはチェギョンの店が少しでも快適に過ごせるよう、試行錯誤を繰り返していた
今日も朝からチェギョンの店を訪れ、ガラスを二重にしたりあらゆる防音対策を試していた
『お義父様・シン君・・・折角のお休みなのにすみません。』
『何を言うんだね?チェギョンさんやスタッフが快適じゃなきゃ・・・お客さんが集まらないだろう?』
『いえ、お二人がこの店に顔を出して下さるだけで、売り上げ倍増なんです。』
『えっ?』
『ほら…来た♪』
入り口を見ると、シンが来ていることが噂になっているのか・・・総合病院の産婦人科看護師が三名
ナース服のまま店に現れたのだ
『こんにちは~♪あっ・・・イ・シンさん❤』
『いらっしゃいませ♪いつもありがとうございます。』
チェギョンは隣りに立っているシンに小声で呟いた
『ほら・・・産婦人科の看護師さん達よ。見覚えがあるでしょう?』
『ない。』
『ひぃ・・・覚えていないの?』
『覚えていないが話くらいは合わせられる。俺に任せてくれ・・・』
シンはにこやかな営業スマイルを浮かべ看護師達の前に立つと問い掛けた
『今日はどんなものをお探しですか?』
『あ・・・❤結婚退職する同僚にお祝いを・・・』
『そうですか。新居で使える物・・・この陶器の花瓶などはいかがですか?
新居がとても華やかになると思いますが。』
『あ・・・でも人数が・・・』
『もし予算をオーバーしているのでしたら、こちらなどもお勧めです。』
シンは先ほど提示した花瓶の下の段にある花型をしたナイトランプを指差した
こちらの方が値段的にも安価なのだ
『あ…いえそうではなく、人数が多いのでっもう少し金額の高い物を・・・♪』
『でしたらこちらのクリスタルの花器などはいかがですか?
とても高級感溢れるデザインになっておりますので、プレゼントされた方に喜んでいただけると思いますが・・』
『それを・・・いただきます❤』
『ありがとうございます。』
ラッピングするよう手渡されたクリスタルの花器
これだけ値の張る物が売れるのは久し振りだったチェギョンは驚きを隠せない
(シン君って・・・販売の才能もあるんだ。しかし・・・シン君目当てのお客様が増えると大変だわ・・・)
高額商品が売れることはとても嬉しい
だが・・・今回の看護師達のように、シンがチェギョンの夫であることを知っているのならよいのだが
そうでない場合は非常に厄介だ
(シン・チェギョンの夫って名札でも付けておこうかしら。くすっ・・・)
チェギョンの店の隣のビルが漸く完成した頃、シンとチェギョンは一年も住むことのなかったマンションを手放し
イ家にすべての荷物を運んだ
その頃にはピョルも思春期となり、ミンやヒョン…そしてシンと寝室を共にすることもなくなった
チェギョンはシンの部屋にベビーベッドを持ち込み、シンは漸くハヌルに妻を返して貰った形となった
会社も店も経営は順調だ
それから半年後ピョルは小学校を卒業した
中学校はシンの通っていた私立に進むこととなり、いよいよシンが何かと心配になる年齢となっていった
ピョルは中学の入学祝いに祖父母から新しいスマホと自転車をプレゼントされた
そんなピョルがある夜シンに小声でおねだりをする
『パパ・・・私パパから小学校の卒業祝い貰ってないけどぉ?』
『あぁそうだったなピョル。何か欲しいものがあるのか?』
『うん。ある!あのねパパ・・・私、今度は妹が欲しいなぁ~♪』
『なっ・・なにっ?///』
今までピョルにおねだりされたのは、あの結婚式の時・・・≪妹か弟は欲しい≫と言われたきりだった
(妹・・・?し・・・しかし・・・あぁ・・・)
『ぴょ・・・ピョル・・・ママに相談してみるから。』
『うん~~お願いね♪パパ❤』
さてシンはこの目に入れても痛くない愛娘ピョルの願いに、再び応えるのだろうか・・・
さて~シン君とチェギョンの決断は?
しかし妹って断言されちゃうと
大変よね~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
久し振りに晴れ間が覗きましたね❤
でももう・・・雨になりそうな空模様。
また当分雨なのね。
キノコ生えるかも(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!