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Channel: ~星の欠片~
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陽の当たる場所 13

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レストランの一番いい席で、シンとチェギョンは向かい合った

ワインで乾杯をし豪勢な食事を堪能する

『ピョルの分・・・勿体なかったわね。』

チェギョンがそんなことを呟くとシンは含み笑いをしながら答えた

『いや・・・どうも母さんが、事前にキャンセルを入れたみたいだ。食事も宿泊も・・・』
『えっ?そうだったの?』
『あぁ。飛行機代だけは無駄になったけどな。ピョルにはこれから、どこにでも行きたいところに
連れて行ってやれる。』
『そうね。私がお店をしているから、あの子・・・あまり旅行に連れて行って貰えなかったの。
シン君が連れて行ってくれると嬉しいわ。』
『はぁ?何を言っているんだ?君も一緒に行くんだよ。』
『えっ?でも私にはお店が・・・』
『その時には母さんに店番を任せればいいだろう?母さんなら喜んで引き受けてくれるさ。』
『そんな図々しい・・・』
『母さんはそのくらい、君やピョルを想っている筈だ。俺と同じように・・・』

テーブルの上に置かれたチェgyンの手を、シンは強く握りしめた

『とてもありがたいわ・・・』

見つめ合う二人・・・10年前の焦がれるような切なさこそないが、今は穏やかに包み込むような

愛おしさが互いの胸にこみ上げる

あの頃は人目を避けるようにしか逢えなかった

もう今は違う

誰に遠慮することも誰に咎められることもない、二人はれっきとした夫婦となった

『そろそろ行こうか?』
『ええそうね。』

席を立った二人・・・

妙に照れ臭く無言のまま部屋に戻り部屋の扉が閉まると同時に、どちらともなく二人は抱き合った

肌に触れる手の温もりも香りも・・・何ら変わっていない

今は隠れるように抱き合う必要はどこにもない

愛し合っていることを大声で堂々と世間に言える・・・


チェギョンはピョルという温かい愛娘の体温を常に感じていた

いつ抱き締めてもそれに応えてくれる可愛い娘・・・

だがシンには何もなかった

温もりも愛情も・・・話しかけた時に答えてくれる人さえいなかった

前妻との無駄な10年間、シンは愛することに・・・愛されることに飢えていた

誰かの温かい腕に包まれることに飢えていた

チェギョンを抱きながら心まで抱き締められている充足感に満たされながらも、それでもなお飢えは収まらず

久し振りに重なった身体に飽きることを知らず求め続けた

『シン君もぉ・・・』

体力の限界を感じたチェギョンは、うわ言のように呟く

『あ?あぁ・・・』

チェギョンが意識を手放す寸前であることを知り、漸くチェギョンを胸元に抱き穏やかな眠りに落ちるのを見守った

(ピョルと・・・約束したんだ。弟か妹を土産に持って帰るって・・・
まぁ・・・結果が出るのは当分先だがな・・・)

あの幼いくせにどこか大人びたピョルの愛くるしい笑顔がシンの脳裏に浮かぶ

思わず頭の中のピョルに向かって微笑みかけ・・・シンも眠りに落ちていく

父親として初めての贈りものは・・・やはりピョルの一番望むものになりそうだ





その頃イ家では・・・

『さぁ~ピョルちゃん、グランマと一緒に寝ましょうね~♪』

ピョルと手を繋ぎ客間に向かおうとする妻を、ヒョンは咎めた

『母さん・・・君はピョルちゃんとお風呂も一緒に入って、寝室まで独占するつもりなのか?』
『えっ?あなたピョルちゃんとお風呂に入りたかったんですか?やだわ・・・さすがに女の子ですわよ。
9歳ともなればそんなこと嫌がりますわ。』
『だったらせめて寝室だけでも・・・。私達のベッドは広い。真ん中にピョルちゃんを寝かせたらいいだろう?』
『ですがあなた、狭いって文句言いません?』
『いいません!』

その真剣な眼差し…物言いが可笑しくて、ミンは仕方がなくピョルに問い掛けた

『ピョルちゃん、グランパもピョルちゃんと一緒に寝たいんですって。いいかしら・・・?』
『もちろん~♪私は寝相がいい方なので、大人しく寝ますから~♪』
『そう。じゃあそうしましょうか。』

ミンは寝室に向かっていき、キングサイズのベッドの真ん中に小さな枕を置いた

『ピョルちゃん・・・どうぞ~♪』
『うわぁ~大きなベッドだぁ・・・。』

すかさず横になったピョルは、ミンとヒョンの間に挟まれた

『お布団もフカフカ~♪あったか~~い♪』

ひとしきり二人の間でおしゃべりを続けた後、まるで電池が切れたかのように寝息を立て始めたピョル

その健やかな寝息を聞きながら、ヒョンとミンはピョルの頬に触れ髪を撫でた

『なぜ私達はシンが最初の結婚する前に、≪好きな女性がいないか≫もう一度確認しなかったのだろう。
それさえしていたら、この子に寂しい想いなどさせなかったのに・・・』
『あなた・・・あの時もし、あなたがそれをシンに問い掛けたとしても、シンは≪いない≫と答えたでしょう。
今更そんな事を言っても始まらないのですから、これからたくさん・・・ピョルちゃんを可愛いがりましょう。』
『そうだな。今更後悔しても遅い。だが・・・私達には挽回のチャンスがあるんだ。
そのことをありがたく思おう。』
『ええそうですわ。あなた・・・』

ピョルの温もりを感じながら二人はいつになく心地よい眠りに引き込まれていった





翌朝・・・シンが目覚めると、チェギョンはバスローブを身に纏ったままソファーに座り、自分の携帯を

見つめていた

『もう起きたのか?』
『ええ。ピョルのことが気になって・・・でもバツが悪くて電話できなくて・・・』

確かにチェギョンにしてみれば、イ家の人間と話のは非常にバツが悪いだろう

ミンは気づいていたとはいえ、はっきり自分の孫だと証明していたなんて思ってもみなかったのだ

『くっ・・・そうか。じゃあ俺が掛けよう。』
『ええ。お願いできる?』
『あぁ。』

シンはチェギョンの横に腰を下ろし、自分の携帯でイ家に電話を掛けた

この時間なら・・・普段はメイドが電話を取るはずだ

ところが・・・

『はい、イでございまぁ~す♪』

電話の向こうから聞こえてきたその声は、紛れもなくピョルのものだった

『ピョル・・・か?』
『あぁ~~っ!パパだ~♪』
『あぁ。いい子にしているか?』
『はい~とってもいい子にしてますぅ~♪今日はね、グランパとグランマが
動物園に連れて行ってくれるんだよ~♪』
『そうか。それは楽しそうだな。パパも行きたかった。』
『また今度連れてってくださぁ~い!』
『あぁ。そうしよう。』
『パパ・・・ママは?』
『ママならここにいる。今代わるよ。』


シンから電話を受け取ったチェギョンは、少し緊張しながら携帯を耳に当てた

『ピョル?』
『ママ~~♪あのね・・・昨日はねグランパがすっごーーーーいご馳走を食べに連れて行ってくれたの。』
『そう、よかったわね。美味しかった?』
『もうね~~ほっぺが落ちそう~~!』
『良かったわね。あのねピョル・・・パパの事、黙っていてゴメンね。』
『いひひ~~♪ずいぶん前から知ってたしぃ~♪ピョルはパパが、本物のパパで嬉しいよ。』
『良かった。いい子にしている?』
『もちろん~~すごくいい子にしているよ。あ・・・ママ、グランマがママと話したいって!』
『えっ?そ・・・・そうね・・・』

電話の向こうで何やら話し声が聞こえ、その後ミンの声が響いた

『チェギョンさ~~ん♪楽しんでいるかしら~?』
『あ・・・はい。お義母様・・・あの・・・』
『あ~~ごめんなさいね~♪勝手に親子鑑定なんかしちゃって・・・でもピョルちゃんが、
どうしても知りたいって言って・・・私も絶対に知りたかったしね♪』

電話の向こうでピョルの声がする

『ピョルがグランマにお願いしたの~♪』

『お義母様・・・折を見て真実を打ち明けるつもりだったのですが・・・』
『もうね~~いいのよ。ピョルちゃんはシンの娘。それだけで十分なのよ。とにかくね~あなた達は
この10年の埋め合わせをしっかりしてくるのよ。ピョルちゃんは私達が舐めるように可愛がっていますからね。
どうぞご心配なく~♪じゃあね~~動物園に行ってくるわね~♪』

電話は切れてしまった

『切れちゃったわ。』
『なんだか楽しそうだったな。母さん・・・』
『お義父様もピョルを受け入れてくれたかしら・・・』
『問題ないだろう?舐めるほど可愛がってるって言っていたじゃないか。』
『そうね。』
『俺達も両親の厚意に甘えて10年分デートしよう。』
『ええそうしましょう。』

朝食を済ませたシンとチェギョンは、手を繋ぎ観光名所を歩いた

頬に当たる風がどんなに冷たくても、二人寄り添って歩けば寒くない

時々家族に目についた土産物を買いながら、二人は夫婦となった喜びを噛みしめていた




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いや・・・だからね
環境的にも体力的にも
無理だったんすよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

北海道方面では、台風が再上陸だとか・・・
こちらも昨晩はすごかったけど、
今はピーカンで風だけが少し強いです。
北国にお住いの皆様・・・どうぞお気を付けくださいね。

お話の方の季節は1月なので
季節感ズレていてすまぬ・・・

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