私はコお兄さんと計画した案をその場にいる全員に話した
どうやら敵は挑発にすぐ乗ってくるタイプであることも、すでに証明済みだ
『本当にそんなことを実行するつもりなのか?』
不安そうに問いかけるシン君に私は頷いた
本心は・・・一か八かの賭けだったのだけど・・・
何もしないよりした方がいい・・・このままシン・チェギョンであることを隠して生きていくなんて、
私には到底無理だった
翌日の昼休み、私はギョン君とガンヒョンに計画を話し、その日に手伝って貰う指示書を渡した
『チェギョン・・・ここに書かれている通りにライトを照らせばいいんだな?』
『うん。そうだよ。』
『だけどこっそり人を出入りさせるのに無音って言うのは・・・・難しくないか?』
『じゃあ・・・風の音を効果音として流してくれる?』
『わかったよ。』
『ちょっとチェギョン・・・この風で扇ぐって言うのは?』
『あ~~扇風機みたいなので扇いだんじゃあ風が強すぎるの。もっとそよそよと静かな風を送ってほしいんだ。』
『つまりアタシに扇子や団扇を使って手で扇げと?』
『う・・・うん。大変な作業だけど・・・・』
『ふっ・・・仕方ないわね。他でもないアンタの頼みだから聞いてあげる。』
『ありがとう~ガンヒョン♪備品は・・・』
『それはアタシが用意するから、アンタは怪我をしないように気を付けな!』
『うん~♪あとは・・・証人を集めたいんだけど・・・』
それに関してはシン君が引き受けてくれた
『それなら人望に厚い親友のファンに一役買って貰う。あいつは生徒会長だからこの役割にピッタリだろう。
後は信頼できる皇室警察署員と、一般の警察署員を連れてその場に行ったらいいんだな?』
『うん。そうだよ。生徒の証人はできる限りで構わない。くれぐれもミン・ヒョリンさんには知られないよう配慮して。』
『あぁわかった。』
危険な掛けになる・・・でも済州島に隠遁生活を余儀なくされている両親の為にも、
私は今こそ立ち上がらなければならない
昼休みに皇太子ルームから帰っていくとき、毎日ミン・ヒョリンは私を待ち伏せし因縁をつけて来るが
私は金曜日までは無視を決め込んだ
なぜなら散々私に無視されて鬱憤が溜まったところで、彼女の時限スイッチを押す予定だから・・・
その一方で私は同じ美術科に通っているホン・ジュソンに近づいていった
ホン・ジュソンって誰?それは・・・私をむち打ちにした彼よ!
彼は私に相当負い目を感じているらしく、私に対してとても丁寧な対応だ
決行の金曜日・・・私は彼の元を訪ねた
『ホン・ジュソン君お願いしたいことがあるんだけど・・・』
『俺にできる事なら何でもするよ。あの時のお詫びに・・・』
『今夜7時半にミン・ヒョリンさんに電話をしてほしいの。≪話したいことがあるから8時に学校の体育館ステージに
来てほしい。≫って・・・。』
『だけどミン・ヒョリンが俺の呼び出しになんか応じるかな・・・。』
確かに主従関係で結ばれているんだもの、その不安はもっともだ
『シン・チェギョンのことで・・・って付け加えたら、絶対に応じるわ。』
『シン・チェギョン?それは一体誰?』
『ホン・ジュソン君もこっそりその場所に来たらいい。あ・・・体育館の隅でこっそり見ていてね。
そうしたらすべてがわかるわ。』
『うん。なにか・・・ありそうだね。』
『とんでもないことが起こるわ。でもホン・ジュソン君の生活は変わらない様・・・私が手配する。
だから力を貸して!』
『わかった。チェ・チュナ・・・君に従うよ。その代わり・・・君に怪我をさせたことを許してくれ。』
『もうそんなの治っちゃったわ。あはは~♪』
大丈夫・・・この人はもう私の味方に付いた
後は時限スイッチを押すだけ・・・
昼休みが終わった時・・・いつものように私に因縁をつけて来るミン・ヒョリンさんに、私は小声で囁いた
『ミン・ヒョリンさん・・・皇太子妃の座がそんなに欲しいんですか?
だったら私も消せばいい。シン・チェギョンにしたように・・・』
『なっ!何を言っているの?あなたは・・・』
『何も知らないと思っているんですか?あなたのしたこと・・・。
堂々とお日様の下を歩いてらっしゃるけど、月はすべてを見ていたんです。今に月の裁きが下るわ。』
『あなた!何を言っているの?ちょっと待ちなさいよ!』
ミン・ヒョリンが引き止めるのも聞かず私は不敵に微笑むとその場を立ち去った
ほら・・・相当焦りまくっているみたい
ミン・ヒョリンが迎えの車に乗って帰っていくのが教室の窓から見えた
さて・・・思った通りに動いてくれるかな
動いてくれないと困っちゃうんだjけどな
大勢の人を巻き込んだ私の作戦は、順調にスタートを切ったかのように思われた
いつものようにあの質の悪そうな男が、あとを付けてくるはずだったから・・・
ところが・・・今日は誰もついてこない
少し離れて後ろを走っているのは、ハンイギサさんの車だけだ
作戦失敗・・・かな・・・どうしよう困ったな
そんなことを思っていた時、コお兄さんが叫んだ
『チェギョン様・・・作戦を決行します。敵は前方からやってきました。』
見ると対向車線を走っていたタンクローリー車が、こちらの車線に突っ込んできたのだ
そしてこの車目がけてスピードを上げて来る
『チェギョン様、準備はいいですか?』
『はい!!』
『飛び降りてください。今です!』
『はいっ!』
コお兄さんと私は同時に右側のドアを開け車外に飛び降りた
今日に限ってコお兄さんが見慣れない右ハンドルの車に乗ってきた理由がよくわかった
脱出しやすいようにだったのだ
ゴロンゴロンと受け身を取ったけど、あ・・・いたた・・やっぱあちこちぶつけたよ
その瞬間<ドーン!>という音と共に車はタンクローリー車と激突・・・炎上した
『チェギョン様、危険ですから離れましょう。』
『はい。』
炎上した車を見て逃げ出す運転手・・・車内では二体のマネキンが私たちの身代わりに燃えている
きっとその運転手はミン・ヒョリン・・・もしくはミン家の人間に≪始末した≫と報告することだろう
後からついてきたハンイギサさんの車に乗り込んだ私たちは、救急車と消防車・・・そして味方の警察官に
事情を説明した
消防車は炎上した車両の消火に当たり、救急車は焼け焦げたマネキン二体を搬送していった
本当にたくさんの人を巻き込んでしまったのだから、気を引き締めてかからなくちゃ・・・
ここからが勝負だもの・・・
『さぁチェギョン様・・・参りましょう。』
『はい!』
あちこち破れてしまった制服・・・泥だらけの顔や手足
後は仕上げをすれば・・・私の一世一代のステージメイクとなる
ハンイギサさんの車に乗り込み、私たちは決戦の舞台である学校に向かっていった
チェギョンの乗った車がタンクローリー車と正面衝突し炎上したとの知らせを聞き、
俺はいてもたってもいられなくなった
だがその報告の直後チェギョンから連絡が入った
『シン君・・・準備は万端?』
『っつ・・・チェギョン無事なんだな?』
『無事に決まってる。三年間コお兄さんに鍛えられたから車から脱出するなんてお手の物よ。』
『はぁ・・・』
『だから~準備は万端かと聞いているの!』
『あぁ。もう体育館でスタンバイしている。』
『静かにしていてよ。悟られたら拙いからね・・・』
『あぁ。』
『今そっちに向かてる。』
『そうか。ギャラリーも息を潜めて体育館倉庫で待機している。』
『ありがとう。最後まで気を抜かないでね。ちゃんと録画もしておいてね。大事な証拠だからね。』
『あぁ。既にビデオカメラは回っている。』
ステージ上だけ明かりが灯った体育館・・・そこはヒョリンをおびき出すための明かりだった
やがて事故現場から駆け付けたチェギョンは、ステージ脇でメイクを済ませ出番を待っているようだ
ギョンも照明器具の前に立ち、ガンヒョンもチェギョンの後ろで待機していた
8時を少し過ぎた頃・・・ミン・ヒョリンが体育館に現れた
『ちょっと!ホン・ジュソン・・・どこにいるの?私を呼び出すなんていい度胸じゃない?
あなた・・・私の家にどれだけ世話になっているのか知ってる?』
慇懃な態度でステージ上にミン・ヒョリンが上がった時・・・ステージの明かりが消えた
真っ暗闇の中・・・ヒョリンの声が響いた
『ホン・ジュソン・・・明かりを点けなさい!!』
その声を聞いて、ギョンはヒョリンにスポットライトを当てた
恐らくヒョリンにスポットライトが当たるのはこれが最後だろう
ギョンが風の音を効果音として流し始めた
その音は次第に大きくなっていく
よし!今だ!俺はファンに指示を出し、ファンの集めた生徒たちを体育倉庫から移動するよう命じた
大音量で流れる風の音・・・
ミン・ヒョリンは相当腹を立てたらしく、必死に声を荒げた
『ホン・ジュソン!!いい加減にしなさい!!』
その時・・・舞台の袖からスモークが漂い始めた
それを合図にギョンは効果音を徐々に小さくし、蒼いライトをチェギョンに当てた
げっ!な・・・何だ?あれは・・・
蒼いライトを浴びていてもわかるくらい血だらけのチェギョンだ
あぁ・・・もちろん血糊を頭からかぶったのだろうが・・・遠目で見ている俺ですらギョッとするくらいだから
チェ・チュナが死んだと思っているミン・ヒョリンは相当怖いだろう
『ミン・・ヒョリン・・・』
エコーのかかったチェギョンの声が体育館中に響いた
『ひっ・・・チェ・・・チュナ・・・』
『あなたのおかげで・・・私はこんな姿になってしまった・・・』
『何を馬鹿なことを・・・私のせいじゃないわ。私を恨むのはお門違いよ。』
『じゃあなぜ・・・私の姿を見て驚くの?あなたが殺したから?』
『ち・・・違うわ。』
『いいえ違わない。あなたが差し向けた刺客なんでしょう?あなたを・・・恨むわ。』
『私を恨むなんてお門違いよ。迷わず成仏して頂戴。』
『成仏?成仏って言うのは悔いなく生きた人間のすることよ。私には悔いがありすぎる・・・
なぜならあなたに二度も殺されたんですもの・・・』
『二度?何を言っているの?』
『シン・チェギョン・・・覚えているでしょう?
三年前の事故の日、私に電話を掛けたわ。あなた言ったでしょう?
≪身の程を知らないあなたに罰を与えるわ。≫って・・・。あの声は確かにあなただった。』
『だから何だというの?それが事故と何の関係が?』
『あなたの家が宮に送り込んだイギサが、ブレーキに細工をした。
あなたの家は皇室警察署長まで抱き込んで、事件の真相を隠蔽した。』
『そんなの・・・いいがかりよ。』
なかなか白状しないヒョリン・・・チェギョンの迫真の縁具は続いた
『ふふふ・・・末代まで祟るわ。あなたの家が滅亡するように・・・』
チェギョンはヒョリンに向かって一歩足を踏み出した
その瞬間ヒョリンは一歩退いた
やはり怖いのだろう
『あなたの望みは何?どうしたら成仏してくれるの?』
『シン・チェギョンの殺害を企てたことを認めるのね・・・
でなければあなたもこちらの世界に来てもらう・・・』
『やめて!私は死ぬわけにいかないのよ。皇太子妃になるんだから・・・。
そうね・・・私が認めることによってあなたが成仏できるなら認めてあげる。
あの時電話を掛けたわ。ブレーキに細工をしたイギサを送り込んだのも、確かに私の家のしたことよ。』
『そう・・・認めるのね・・・』
チェギョンがまた一歩ヒョリンに近づいた
『認めるわ。認めるからこっちに来ないで!!』
ヒョリンがそう叫んだ瞬間・・・体育館内の明かりがすべて灯された
なんと・・・チェギョンの作戦とは
幽霊となってヒョリンを追い詰める・・・でした(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
みんなお疲れ様❤
てか・・・風邪から来たのか内耳縁になってしまったらしい
明日は耳鼻科に行って来るかな・・・
今日はあまり体調がよくないので
お返事・・・お許しください。
幽霊となってヒョリンを追い詰める・・・でした(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
みんなお疲れ様❤
てか・・・風邪から来たのか内耳縁になってしまったらしい
明日は耳鼻科に行って来るかな・・・
今日はあまり体調がよくないので
お返事・・・お許しください。