その日チェギョンは大学の講義が午前中のみで、義母ミンと午後のティータイムを楽しんでいる時のことだった
メイドの一人が郵便物を持ってリビングに現れたのだ
『チェギョン様に郵便が届いております。』
手渡された郵便物の差出人を見て、チェギョンは大慌てでミンの座るソファーの隣に駆け寄った
『お・・・お義母様、大変です!!これ・・・』
ミンはその差出人の名前が、自分が以前探してきた絵画コンクールの主催者からだと知りチェギョンを急かした
『チェギョンちゃん・・・早く!早く開けてみましょう。』
『そ・・・そ・・・そうですね・・・。え~~でもぉ・・・なんだか怖いですぅ。お義母様が~開けてください~~!』
『えっ?私が開けて・・・いいの?』
『は・・・はい~~お願いしますぅ。』
ミンは指先が震える思いでペーパーナイフを使いその封書を開いた
『え~~っと・・・ん?授賞式のご案内?』
『あ・・・本当です。』
『きっとチェギョンちゃんの絵が受賞したのよ~~♪』
『えっ?でもお義母様・・・ここよく見てください。』
案内状の下に小さい文字で≪このご案内は参加者全員に発送しております。≫と書かれていたことに
気が付いたチェギョンは、落胆の表情を浮かべた
『お義母様・・・すみません・・・。普通上位入賞者には、特別な何かが入っている筈。
それがないってことは・・・』
『何を言っているのチェギョンちゃん!まだ勝負はついていないでしょう?
めいっぱいおめかしして授賞式に参加しましょう!!』
『は・・・はいぃ~~!!』
自分が描いたガンヒョンのお腹に宿った命への想いは、精一杯表現できたと思いながらも・・・
それが受賞に結び付くとはどうしても思えないチェギョン
その夜もシンにその授賞式の案内状を見せながら困惑の表情を浮かべた
『オッパ・・・授賞式なんて~~受賞した人だけ呼べばいいと思いません?
なんか・・・すごく当てつけがましいですぅ。』
『いや・・・チェギョン、お前は端っから受賞できないと思い込んでいるが、まだわからないだろう?
それに他の作品に触れられるいいチャンスだとは思わないか?』
『あ~確かにそうです。周りに抽象画を描く人もいませんし・・・』
『きっといいことがある。そう思って授賞式に行こう。』
『えっ?オッパも一緒に行くんですか?』
『あぁ?当然だろう?俺は君の夫だ。くくっ・・・』
『ん~~お義母様やお義父様も行くっていってらっしゃいました。どうしよう・・・』
さすがの熱風娘も自分が思うまま熱風を巻き起こした後始末は、非常にバツが悪い様だ
それからしばらくして・・・チェギョンに届いた案内状の、コンクール授賞式の日がやってきた
イ家の面々はシンの運転する車に乗り込み、会場であるホールに向かった
ホール内に入って行くとそこは随分広い場所で、コンクールの規模の大きさをうかがわせた
『チェギョンちゃん・・・前の方の席に行きましょう。』
『いやいやいやいやお義母様・・・一番後ろにしましょう。』
『な~~にを言っているの?一番後ろだったら、名前を呼ばれた時に前まで行くのが大変でしょう?
しかしチェギョンちゃん・・・もうちょっと目立つスーツにしたらよかったのに・・・』
本日チェギョンハ濃紺のスーツを身に纏っていた
義母ミンの言うままに派手な衣装でやってきた時・・・入賞さえもできなかったら恥をかくと思ったからだ
それでもイ家の嫁にふさわしく、パールのネックレスと指輪だけはつけてきたのだが・・・
周囲に座っているご婦人方の派手さに比べたら、輝く若さを持っているチェギョンも敵わないほどだった
チェギョンの要望を受け入れちょうど真ん中の中央辺りに座った四人
壇上ではたくさんの絵画が白い布で覆われ、その布が取られる時を今か今かと待っている
チェギョンはステージの端の方でひとつに纏められている、恐らく落選作品だろうと思われるものを見つめ
心の中で呟いた
(ん~~落選だけは・・・避けたいんだけどなぁ・・・)
弱気になってくるチェギョン・・・あのひと纏めにされた作品の中に、自分の作品があったらどうしよう・・・
そんなことを思うと胃の痛くなるチェギョンだった
(いやいや・・・今までだって入賞は逃したことなかったよね?きっと大丈夫。
上位には居なくても入賞している筈。している筈。していますように~~~!!)
しまいには祈るような気持ちでステージ上を見つめていた
いよいよ結果発表が始まった
ステージ上には有名な画伯が並び・・・その中には抽象画家ではないがコン画伯の姿もあった
そのコン画伯の弟子入りを拒んだチェギョンは、益々緊張を募らせた
審査に私情は挟まないと思うが、それでも自分の事を快く思ってはいないだろうと推測したチェギョンである
そしてとうとう・・・このコンクールの受賞者の名前が発表された
司会進行役の男性は声高らかに入賞社の名前を読み上げる
【受賞者の発表です。今年度のソウル抽象画コンクール・・・第五位は
≪秋の静寂≫を描かれたユン・サンウさん!
どうぞステージ上にお越しください!!】
つまり・・・たくさんの絵が布を被っているにも拘らず、入賞は五位までということになるのだ
ステージ上に並んだたくさんの作品・・・また日の目を見ることのない隅に置かれた作品の膨大さを考えると
いくら抽象画に力を入れたコンクールとはいえ、チェギョン自身入賞できる期待は薄くなってきてしまった
(帰りたい・・・穴があったら入りたい・・・ひぃ~~~!!)
胃はしくしくと痛みだしその顔は徐々に項垂れていく
『チェギョン?』
そんな様子に気が付き、シンがチェギョンン表情を窺ったその時だった
【第三位の発表です。≪魂の輝き≫を描かれたシン・チェギョンさん!!
どうぞステージにお越しください!!】
てっきり落選だと思い込んでいたチェギョンは、俯いたまま司会者の声を聞いた
『チェギョン!!三位入賞だ!!』
『えっ・・・?本当に?』
『ステージを見てみろ。あの絵はお前の絵だろう?』
チェギョンはステージ上に顔を向けた
そこには確かに・・・神々しく塗られた背景に、小さくひらめく赤ちゃんの手が描かれていた
チェギョンの描いた絵は・・・赤ちゃんの手だったんです。
この先の素敵な運命を案じさせる
絵・・・・の筈。
というyことで黄色や黄金色を背景に
手が描かれている・・・そんなイメージで
よろしく❤(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
後は丸投げ~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
この先の素敵な運命を案じさせる
絵・・・・の筈。
というyことで黄色や黄金色を背景に
手が描かれている・・・そんなイメージで
よろしく❤(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
後は丸投げ~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!