新入生歓迎コンパの日以来飲み会の誘いに応じることはなく、チェギョンは作品を描くことに没頭した
そして創立記念パーティーを一週間後に控えた日、ようやく作品を完成させた
『やった~~♪』
『チェギョンできたの?』
『はいぃ~♪イ・ユル助教授♪』
『どれどれ見せてごらん~♪・・・これは・・・すごい大作だね。』
『でもぉ・・・こんなに大きな絵を描いちゃってどうやって運んだらいいのか・・・』
『それだったら僕に任せてよ。僕もどうせ創立記念パーティーに招待されているし・・・何よりこういった絵画は
専門の業者に任せて運ばせるのが一番だよ。』
『えっ・・・業者さんに頼むのですか?』
『そうだよ。自分で運ぶなんて無茶だ。破損したらどうする?』
『そうですよね・・・』
『僕に任せておきなさい♪』
『でもぉ・・・それじゃあ申し訳ないです。』
『可愛い教え子の作品だもん。申し訳ないなんて言わないで。』
『すみません~~!!』
『さてと・・・絵も仕上がったことだし、シンに連絡して祝賀会でもする?』
『えっ?イ・ユル助教授・・・そんなのダメですよ。私・・・ただでさえ最近お義母様に家事を任せっきりなんです。
絵が完成したので今日からはお義母様のお手伝いしなくちゃ~♪』
『はぁ~チェギョンは本当にいい子ちゃんだね。わかったよ。部室の鍵をかけて帰るから、君はもう帰りなさい。』
『はいっ!!ではイ・ユル助教授、お先に失礼しまぁ~す♪』
リュックサックを背負い颯爽と部室からチェギョンが出ていった後、ユルはチェギョンの絵をじっと見つめ
感嘆の溜息を吐いた
『こんな逸材が身近にいたとはね。シン・・・お前の可愛い嫁さんはすごいな。』
その時背後に人の気配を感じたユルは、驚いて振り向いた
『コン。ジョンイ・・・君か。誰かと思った。声くらいかけたらどうだ?』
『すみませんイ・ユル助教授。・・・チェギョンの絵、完成したのですね?』
『うん。素晴らしい出来栄えだろう?君もコン画伯の血筋なんだから、この価値はわかるだろう?』
『もちろんです。あの・・・この絵はコンクールに出品しないんですか?』
『チェギョンはそんなこと望んでいない。この絵は叔父さんに贈るそうだ。』
『イ財閥の創立記念パーティーで公開するのでしょうか?』
『ああそうだよ。名誉なことにこの僕がプレゼンターを申し付かったさ。ふふふ・・・』
『そうですか。でしたら父の目にも留まるでしょう。父にも見せてあげられます。』
『ん?コン画伯も招待されているの?』
『はい。イ会長とは親しい間柄だとかで・・・。この絵を父に見て貰えるとわかって安心しました。』
『ふふふ・・・そんな悠長なことを言っていていいの?君は御父上の元で画伯を目指すんでしょう?』
『いえ・・・私は少し考えるところがありまして、イ財閥の面接を受けるつもりです。』
『ええっ?一体どうして・・・』
『あのシン・チェギョンを虜にしたイ・シンという人を知りたくなったんです。』
『ん?君はまさか・・・チェギョンが好きなの?』
『はい。』
『やめた方がいいんじゃないの?従兄弟の僕が言うのもなんだけど、シンは君が敵う相手じゃないよ。』
『わかっています。でも・・・だからこそ自分が納得する理由をイ・シンという人から見つけないと
諦めきれないんです。』
『シンとチェギョンは結婚しているんだよ。それも承知の上だよね?』
『はい。承知の上です。承知した上で私の環境の方が、彼女に合っているような気がして・・・』
『はぁ・・・(厄介だな。)だったら頑張ってイ財閥に入って、シンの下で働いてみたら?
きっと納得のいく理由が見つかると思うから・・・』
『そうします。ではイ・ユル助教授失礼いたします。』
部室から出ていくコン・ジョンイ・・・その後ろ姿を見送りながらユルは深い溜息を吐いた
(確かにコン画伯の家は代々有名画家を輩出している家系だけど・・・だからって合うも合わないもあるか?
折角上手くいっている新婚さんに波風立てようなんて・・・無粋な男!!
奴が卒業するまでは・・・見張り番しなきゃダメかもね・・・。)
何かと張り合ってきた従兄弟のシだからこそ、相手の凄さを知っているユル
そしてそのシンを見くびられることが・・・従兄弟として我慢ならないユルだった
『お義母様~~ただいま戻りました~♪』
玄関を入り大きな声で帰宅の挨拶をするチェギョン・・・義母ミンはいそいそと玄関に駆け付けた
『あら~チェギョンちゃん今日は早いのね♪』
『はいぃ~ようやく絵が完成したんですぅ♪これからは毎日早く帰ってこられますぅ~♪』
『あら・・・まぁ❤それは嬉しいわ。さぁ・・・食事支度をしてしまいましょう。』
『はい~♪』
キッチンに並んで立ちながら、ミンはチェギョンに話しかけた
『あ・・・そうそう!!チェギョンちゃんが忙しかったから、私が勝手にパーティードレスを用意してしまったわ。』
『えっ?そうなんですか?すみません~~~!!』
『すんご~~く可愛いドレスなのよ。きっと気に入ってくれると思うわ。』
『お義母様・・・どんな感じのドレスですか?』
『そうね~~♪ヒラヒラの~フワフワの~ブリブリって感じ?』
『えっ?ヒラヒラの~フワフワの~ブリブリっ?・・・お義母様~~私の描いた絵・・・すごくミスマッチかもですぅ。』
『まぁっ!!大人っぽい絵を描いたの?』
『ん~~大人っぽいっていうか情熱的?な感じです。』
『まぁ~~~❤情熱的なの?あぁ…真っ赤なドレスにすればよかったかしら・・・』
『ミスマッチになってしまうでしょうか・・』
『や~ね~~平気よ♪なんたってチェギョンちゃん自身がヒラヒラの~フワフワの~ブリブリなんだから~♪』
『そ・・・そうなんですか?』
『そうよぉ~♪今のうちしか可愛いドレスなんて着られないのよ。情熱的なドレスは・・・ほら・・・
赤ちゃんを産んでからだっていくらでも着られるわ。』
『あ///はいぃ///そうですね。』
『あ~~パーティーが楽しみだわ~♪』
『はい!とっても楽しみですぅ♪』
チェギョンにしてみれば以前自分を見下した冷たい視線を、見返してやりたかったのだが・・・
見る人が見ればわかる作品を完成させたチェギョンは、もうそんな視線さえ臆することはないと自信を持った
その夜・・・小さな家に戻ったシンとチェギョンは、義父に贈る絵が完成した祝杯をあげた
初めて飲む酒に顔を真っ赤に染めながら、チェギョンは興奮状態でシンに報告をする
『オッパ・・・すごい絵が完成したんです。』
『そうか。じゃあ当日運ばないとな。』
『それが~~絵のサイズがあまりにも大きくて、イ・ユル助教授が業者さんを頼んで運んでくれるそうです。』
『何っ?ユルが?』
『はい。普通の車なんかじゃ運べないし、破損したら大変だからって・・・』
『そうか。あとで俺からも礼を言っておくよ。』
『はいぃ~♪』
『チェギョン・・・』
『はい?』
アルコールで赤味を増した唇をシンは何度も啄んだ
『オッパぁ///』
『いやか?最近お前はとても忙しかったから、我慢していたんだが?』
『いやじゃないですぅ~///』
チェギョンはシンの首元に抱きつき、真っ赤に染まった頬をシンの首筋に押し当てた
『くっ・・・酔っ払い・・・』
『酔ってなんか~ないですぅ・・・』
シンはチェギョンを抱き上げ、寝室に向かっていく
リビングに掛けられていたヒラヒラ・フワフワ・ブリブリな濃いピンクのドレスは、寝室に消えていく二人の姿を
揺れながら見守っていた
次は・・・創立記念パーティーです(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
ユル君…すごくいいやつ❤
今夜から明日にかけて、雪の予報で
アタクシ・・・多肉ハウスにプチプチと発泡スチロール板で
防寒対策しましたよ~~!!
寒い地方にお住まいの皆様・・・足元にどうぞ気を付けてね❤
ユル君…すごくいいやつ❤
今夜から明日にかけて、雪の予報で
アタクシ・・・多肉ハウスにプチプチと発泡スチロール板で
防寒対策しましたよ~~!!
寒い地方にお住まいの皆様・・・足元にどうぞ気を付けてね❤