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Channel: ~星の欠片~
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カゲキな彼女 36

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(チェギョンside)

退院を許された私と赤ちゃんは、迎えに来たシン君と共に東宮に戻った

私の部屋はすっかり子供を育てるための部屋に様変わりし、私は赤ちゃんのベッドと隣り合わせで休むことを

命じられた

育児に慣れた乳母が三人、私と赤ちゃんの面倒を見てくれている

三陛下とシン君は代わる代わる私の部屋を訪れ、日々成長していく赤ちゃんの様子に目を細めた

東宮に戻ってから数日後、シン君は目を輝かせて私の元を訪れた

『チェギョン・・・親王の名前が決まった。』
『なんていう名になったの?』
『ギョムだ。イ・ギョム・・・いい名前だろう?』
『うん。すごくいい名前ね。』

赤ちゃんはギョムと名付けられ、たくさんの視線を受け手を煩わせ成長していく

でも・・・日を追うごとにギョム自身に自我が芽生えてきたのか、ぐずった時いくら乳母たちがあやしても

泣き止まなくなった

つまりそれは・・・母である私を求めているのだ

私の胸に抱かれれば、その大きな泣き声はぴたりと止み健やかな寝息を立て始めるのだ

そんな様子を度々目にするようになったシン君は、半ば呆れ顔で眠ったギョムの頬を突いた

『こいつ・・・いくらチェギョンが好きでも、独占欲強すぎだろう?』

あら・・・パパにそっくりだと思うけど?くすくす・・・私はそんな事を胸の中で呟いた

生後一カ月を過ぎた頃・・・なんとなくギョムを産んだ痛みも治まってきた私はストレッチを再開した

もちろんそれはギョムが眠っている間に限る

シン君からは寝室を一緒に・・・との要望が出ていたけれど、さすがにこの身体じゃあね・・・

それに伸び切ったお腹や大きくなったお尻を何とかしないことには、男装も決まらない

だけど・・・乳母が三人もいるというのに私の疲れはピークに達してしまったみたい

ストレッチしていたところまでは記憶があるんだけど、その先は目の前が真っ白になってしまい

気が付いたらシン君の部屋のベッドに寝かされていた






(シンside)

東宮にチェギョンとギョムが戻って来てから一か月程経った頃・・・チェギョンはストレッチ中に倒れてしまった

乳母がいるといってもチェギョンがあやさなければ、眠らず泣き続けるギョムだ

チェギョンの疲労も相当のものだったのだろう

ひょっとしてチェギョンの出産への褒美で企画した仮面舞踏会は、逆にチェギョンの負担に

なってしまったのではないか?

そんなことを考え俺はチェギョンを自室に寝かせ、夜は育児を離れゆっくり休むことを命じた

『でも・・・シン君、ギョムは私が抱いてあげないと眠らないの・・・』
『いや・・・そんなことはない。乳母たちではダメだが一人だけギョムを寝かしつけることのできる人間を
俺は知っている。』
『えっ?誰?・・・そんな人がいるの?』
『あぁ。君の目の前に・・・』

俺は自分自身を指差した

実は先ほど試してみたんだ

チェギョンが倒れてしまい眠り続けている間、ギョムはまた大泣きをし始めた

乳母たちはギョムを交互に抱き、必死にあやしていたがそれでもギョムは泣き止もうとしない

見かねた俺は試しにギョムを抱いてみたんだ

ギョムは一瞬にして泣き止み、俺の顔をじっと見つめた

いつもチェギョンに抱かれたときのように、口を開き嬉しそうな顔ではない

一種・・・恐怖におののいた者の顔つきなのかもしれない

ちっ・・・俺は忌々しそうにギョムに話しかけた

『ギョム…お母様が倒れたじゃないか。お前のせいだぞ!寝なさい!!』

しばらく身動きしないまま俺の顔を見つめたギョムは、やがて諦めに似た表情で目を閉じた

まぁ・・・半ば脅しのような寝かしつけ方だが、俺も少しくらいは育児に参加しないとな

おかげでチェギョンとの時間は持てるようになったし、いいこと尽くめだ

乳母たちもギョムの夜のお世話に手を焼いた時には、静かに俺の部屋をノックする

少し俺が寝不足気味なのは・・・仕方がない。我慢しよう

チェギョンとの甘い時間はまだ再開できていない

なぜなら再開してしまったら、第二子を作ってしまう可能性が大きいからだ

もう少し・・・仮面舞踏会が済むまでは俺の忍耐の日々が続きそうだ

だが、愛する妻チェギョンと共に眠りその寝顔を見守れる日々は、それだけで俺を十分満足させていた





そうしてチェギョンは出産後三カ月ですっかり元通りの体型に戻ったかのように見えた

俺は早速ギョンとガンヒョンさんの都合を聞いて、仮面舞踏会の日取りを決め若い王族達に招待状を出した

若い王族達は全員が≪出席≫の返事を東宮に送ってきた

チェギョンはというと、俺から見たらすっかり元通りに見える体型も少し以前とは違っているらしく

男性用スーツを新調した

俺のセンスで選んだ男性用スーツだ

きっとチェギョンは以前のような胸をときめかせる≪男装の麗人≫に扮するに違いない

その日が楽しみで仕方がない俺だった



イメージ 1

(画像は薔薇の奥様ことkakoさんからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。)


針葉樹って・・・葉っぱは腐葉土にならないし
枝は朽ちないしいやだわ・・・
今日は45リットルゴミ袋に三つ
成敗しましたの。
(でもまだ半分以上残っている。)
少しは二の腕に筋肉がついたかなぁ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!


なお 【カゲキな彼女】は40話までに完結させていただきます。
もうしばらくお付き合いくださいね❤

その後は、お盆休みまでは≪涙の雫≫を
進めたいと思っています。
新しいお話のスタートはお盆休み明けということで
どうぞよろしく♪




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