(チェギョンside)
徐々に大きくなっていくお腹に、私は日々動揺していた
出産後ちゃんと戻るのかしら?母に電話して聞いたら『あなたの努力次第ね。』と言う
努力かぁ・・・自分の努力で何とかなるのなら、きっと大丈夫と私は安堵する
でもやはり戸惑う気持ちは隠せなくて、時折シン君に励まされる
出産後に体調が戻ったら、王族のお嬢さんたちやガンヒョンを招いて≪仮面舞踏会≫を開こうなんて言う
つまり・・・ガンヒョンと私には、久々に男装する機会が与えられたということだ
だけど私はそこで疑問に思った
王族のお嬢さんたちと私とガンヒョン?どう考えてもダンスパートナーの男性陣が足りない
シン君とギョン君は男装の妻がいる前でお嬢さんたちと踊らないだろうし、それって私とガンヒョンで全員の
ダンスの相手をしろっていうこと?
『シン君・・・それってすごく大変じゃないの?私とガンヒョン・・・。王族のご子息も招いたらどう?』
『いや・・・そんなことをしても、王族の娘の目当ては君とガンヒョンさんになってしまうだろうから
きっと男たちが壁の花になってしまう。
そうなった時に君に反感を持たないとも限らないからな。』
呆れた・・・
『シン君、そんなことあるわけないよ。王族だってもしかしたら出逢いを求めているかもしれないでしょう?
家柄が釣り合う者同士がもし意気投合したら、これ以上の良い結果はないんじゃないの?
ねっ♪王族のご子息もお招きして♪』
『君がそういうなら・・・』
なんとなく渋々納得した感のある彼・・・なぜ王族のご子息を招くのが嫌なのか、さっぱりわかんない
そんな風に楽しいことを思い浮かべながら、私のマタニティーライフが過ぎていきギョン君とガンヒョンは
晴れて結婚式を迎えた
実はまだガンヒョンに、妊娠したことを告白していない私は早く話したくてたまらない
テレビのニュースに映ったギョン君とガンヒョンの姿を眺め、その夜落ち着かない気持ちで携帯を握りしめた
『チェギョン・・・まさかガンヒョンさんに電話する気なのか?』
『うん。一言おめでとうと言いたくて・・・』
おめでたいついでの話をしたかったのも事実
『いや、二人はハネムーンに出かけるだろう。帰って来てからでいいんじゃないのか?』
『そっかぁ・・・』
がっくりと肩を落としたその時、私の携帯が鳴り響いた
ガンヒョンだっ!!
私は慌てて電話を取った
『ガンヒョン~~♪結婚おめでとう。綺麗な姿をテレビで見たよ。』
『ふふふ・・・どうもありがとう。アンタに結婚報告しないで旅行に行くのは片手落ちの気がして電話したわ。』
『うん~~~嬉しいよ~~♪私も本当は参列したかったな。』
『アタシも本当はアンタに来て欲しかった。でも仕方ないわよ。
アンタと皇太子を呼んだら大変なことになっちゃう。』
『だよね。それに今・・・まだマスコミの前に出られないし。』
『えっ?なぜ?・・・そういえば最近テレビでアンタのニュース見ないわね。』
『うん。宮に引き籠っていたからね。実は私・・・妊娠しているの。』
『えっ?本当に?やったわね~~おめでとう。今何カ月?』
『妊娠五カ月過ぎたところ・・・』
『えっ?なんですって?』
『実はガンヒョンが婚約した頃に発覚したの。』
『なぜもっと早く言ってくれないのよ~~!』
『落ち着いたら話そうと思って・・・。だってガンヒョン、すごく忙しかったでしょう?』
『確かにそうだけど、それでももっと早く知りたかったわ。』
『うん。マスコミ発表の前に私も言いたかったんだ。』
『当り前よ。アンタの妊娠をニュースで知るなんて冗談じゃないわ。順調・・・なんでしょう?』
『もちろん♪』
『公式発表はいつ?』
『ギョン君とガンヒョンの結婚のニュースが下火になったらって思ってる。』
『すぐに国民に知らせなさい。アタシ達の結婚を待っている必要なんかなかったのよ。』
『いや~~そんなことしたらギョン君に恨まれる~くすくす。
わかった。シン君に話して発表の日取りを決めるよ。』
『お土産・・・あぁ・・・ベビーのものなんか考えていなかったわ。考えなくっちゃ・・・』
『くすくす。公式発表があるまでギョン君と二人の秘密にしてね。』
『わかったわ。』
『じゃあガンヒョン・・・気を付けて行ってきてね。』
『ええ。お土産山ほど買ってくるから待ってなさいよ。』
『うん~~♪』
漸くガンヒョンに妊娠報告ができた~♪
そろそろ胎動を感じる時期に入り、私とシン君はますます愛を深めていった
(シンside)
チェギョンが妊娠五カ月を迎えた頃、俺はチェギョンに出産のご褒美≪仮面舞踏会≫の話をしてみた
チェギョンは久しぶりに男装できると聞いて目を輝かせた
だが・・・王族の娘だけでなく、子息も呼べという
男は・・・呼びたくないのだ
なぜなら妻チェギョンの新しい魅力の虜になる男が、王族に出てきてしまったら厄介で仕方がない
娘だけじゃなく子息までとなったら、俺も頭が痛い
だが・・・そんな場所で起こるかもしれない運命的な出逢いを、チェギョンは期待しているようだった
皇族ほどではないが狭い世界で生きている王族達
縁を取り持つのも皇太子の役目か?仕方がないな・・・子息も頭に入れるか
俺は渋々自分を納得させた
安定期に入りようやく禁欲を解くことができた俺は、今まで以上にチェギョンに優しく接するようになった
チェギョンのお腹の中で日々育っていく胎児を、労わるように抱き合った
ひとまず俺の悶々と過ごす日々は終わりを告げたわけだ。くくっ・・・
ギョンとガンヒョンさんが挙式した日・・・チェギョンは俺に告げた
『シン君・・・お腹の赤ちゃんの事、発表しようか。』
『もう少し後でもいいんじゃないか?』
『いや~そろそろ私も安定期に入ったし、公務も再開したいよ。
そのためにはマスコミに発表しないとダメでしょう?
ガンヒョンも早く公式発表してくれって言ってたよ♪』
『そうか?だったら・・・そうしようか。』
俺は早速陛下の元へ行き、発表するのに相応しい日を選んだ
何事も縁起の良い日を選ぶのは習わしだ
その日・・・俺は東宮にマスコミ関係者を招いた
マスコミ関係者の間でも、チェギョンがさっぱり姿を見せないことが話題の中心であり
中には不穏な想像をしている者もいるらしく、集まった面々の表情がやけに硬い
俺はマスコミ関係者の前に立ち、軽く会釈をすると口を開いた
『今日皆さんにお集まりいただいたのは、妻のチェギョンの事についてご報告があるからです。』
中には喉を鳴らすほど緊張している者もいる
すまないな・・・心配かけてしまって・・・
『最近マスコミの前にさっぱり姿を現さなかった妻ですが、実は妊娠しております。』
『『『おぉ~~~っ!!』』』
マスコミ関係者は皆一様に目を見開き、表情を緩めた
『安定期に入るまでは発表を控えておりました。なので妃宮はこの東宮で安静にしていたと言えます。』
一人のマスコミ関係者が俺に質問してくる
『殿下!!安定期ということは・・・すでに妊娠五カ月を過ぎていると・・・言うことでしょうか?』
『はい。』
『『『おぉ~~~~!!』』』
ますます顔が緩むマスコミ関係者たち。きっと話している俺が一番・・・顔が緩んでいるのだろうがな
『元気な姿をお見せいたしましょう。チェギョン!!』
俺はチェギョンを呼んだ
チェギョンは照れくさそうに頬を染めてゆっくり俺の元に歩いて来る
久しぶりのチェギョンの姿をカメラに収めようと眩しいほどのフラッシュがチェギョンに向けられた
チェギョンはマスコミ関係者の前で一礼し、マイクに向かって話し始めた
『すっかり公務に出ることもなく、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
この通り元気にしております。』
『妃殿下・・・少しお腹が目立ってきていますね。もう胎動は感じられたのですか?』
『はい。よく動いてくれます。とても元気なお子です。』
嬉しそうなチェギョンに負けないほど嬉しそうな表情をするマスコミ関係者たちはチェギョンを質問攻めにした
それが一段落した頃、俺はその会見を締めくくることとした
あまり疲れさせてしまってはいけないからな
『あと四カ月足らずで皇孫が生まれてまいります。妃宮は今後、積極的に公務にも復帰することになりますが
どうか出産まで温かく見守ってやってください。本日はお集まりいただきありがとうございました。』
マスコミ関係者たちはその場から退出する俺達に、口々に祝いの言葉をかけてくれた
これからはまたチェギョンと揃って公務に出かけられる
もちろんチェギョンが疲れない程度に・・・
こうして仲の良い皇太子夫妻の揃った姿は、ギョンとガンヒョンさんの挙式の時以来の大きなニュースとなった
(画像は薔薇の奥様ことkakoさんからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。)
いやいや~~今日は長男と一緒に
美容室に行ってきたんだす。
ボブにしろ!と長男に言われたけど
そんなに切れなかったよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
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ボブにしろ!と長男に言われたけど
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