(チェギョンside)
侍医様の診察を受け懐妊していることを知った私は、その夜入浴を済ませてからいつもの通りに
シン君の部屋に向かった
<トントン>
『シンく~~ん♪』
薄く扉を開けそこから顔だけ出し覗き込んでみる
彼はもうすでにパジャマに着替え、ソファーに座って本を読んでいた
これはいつもの事だ
『お仕事終わったの?』
いそいそと私はシン君の背後に回り、その首に腕を回し抱きつくと彼の顔に頬を摺り寄せた
仄かに彼が使っている男性用化粧水の香りがする
お髭も剃ったのね・・・痛くない
『チェギョン・・・』
『ん?』
『明日は王立病院へ行くのだろう?早く休まないと・・・』
『うん♪』
シン君は部屋の明かりを落としベッドにもぐりこむ・・・私もそのあとを追う
えっ?なぜそっぽ向くの?いつもなら腕枕してそれからキスしてくれるのに・・・
『シン君?』
私の問いかけに答えてくれない背中
私はなんだか不安になってしまった
『ねえ?ひょっとして妊娠したことを怒っているとか?』
でもそれは私だけの責任じゃない・・・あっ!やっとこっちを向いてくれた
『あぁっ?まさか・・・怒るはずないだろう?』
『じゃあどうして背中を向けるの?』
『それは・・・』
『いつもは腕枕をしてくれるし、キスだっていっぱいしてくれるのに・・・』
『だから・・・明日は早いんだろう?』
『いつもと同じよ。』
『っつ・・・』
シン君は私の問い詰める視線に困り果てたようだ
『君が妊娠したから夫婦別室を勧められたんだ。』
『えっ?誰に?』
『チェ尚宮にだ。』
『なぜ・・・』
『なぜってそれは・・・』
ますます口ごもるシン君
私の追及する視線に屈し、ようやくシン君は重い口を開いた
『つまり・・・妊娠初期は一番大切な時だ。寝室を一緒にしていて、俺が不埒な考えを起こさないようにと・・・』
『そんなのシン君にだってわかるでしょう?』
『あぁ?』
『妊娠初期が大切なことなんか、チェ尚宮さんに言われなくてもわかっているでしょう?』
『あぁもちろんだ。』
『だったらいつも通り腕枕とお休みのキス♪』
せがむ様に私が首をもたげると、彼は私の首の下に腕を差し入れ腕枕してくれた
そして優しいキスもくれた
いつも通りだ♪懐妊と言われ、少し気分が高揚していた私だったけど安心して眠ることができた
(シンside)
あぁわかっているさ。チェ尚宮に言われなくても、妊娠初期が大事な時ということくらい・・・
だが・・・いったん触れてしまえば、そのままチェギョンに溺れてしまいそうで怖くて背を向けたのに
チェギョンときたら≪チェ尚宮さんに言われなくてもわかっているでしょう?≫と軽く俺を窘め
いつも通りの就寝スタイルを要求する
なんて残酷な女なんだ
そう思いながらもそれを拒めずその要求に応じ、自分の首を絞めることとなる
いや・・・本当にわかっているさ
だが男の本能は頭で理解していることと別の次元で自分自身を追い込む
むくげの花が・・・いくつ咲いたことだろう
幸せそうに眠る妻の顔を、少し恨めしく思いながら夜が明けた気がする
翌日チェギョンはチェ尚宮に付き添われ王立病院に向かった
そして晴れて≪懐妊≫の診断を受け意気揚々と宮に戻ってきた
三陛下はそれはもう手放しで喜びチェギョンを褒め称えたが・・・
半分は俺の手柄だということを忘れていないか?
とにかく安定期に入るまでは懐妊発表を待つことにし、それまでは公務も控え
チェギョンはゆったりと過ごすことになった
もちろん俺の忍耐の日々は続くのだ
男役で名をはせたチェギョンでも、さすがに≪妊娠中の妻を持つ男心≫まではわからないようだ
ん?待てよ?公式発表ができるのは、ギョンとガンヒョンさんの結婚式が終わった頃になるんじゃないか?
その頃はマスコミ各社も何かと忙しくなりそうだな
まぁギョンとガンヒョンさんのめでたいニュースの邪魔にならないよう、発表の日程を少し先延ばしにしてもいい
それからは俺の忍耐且つチェギョンの戸惑いの日々が過ぎていく・・・
チェギョンは今まで経験したことのない体型の変化に、非常に困惑しているようだ
少しふっくらしてきたお腹を見つめ、溜息を吐いている時がある
ひょっとしたら胸であればいくらでも締め付けることができたが、中に胎児が宿っているお腹を
締め付けることはできず≪もう男装はできないかも・・・≫とか思っているんじゃないか?
そんなことを俺は勝手に想像し、チェギョンを慰めるように言ってみる
『生まれてしまえば元通りに戻る。』
『そうかな・・・本当に戻るのかな?』
『あぁ。だがもう男装の機会はないかもしれないな。』
『いつかシン君が、宮殿で仮面舞踏会でも開いてくれれば話は別♪』
仮面舞踏会?それは面白いかもしれない
そうだ!!チャン・ギョン夫人となったガンヒョンさんも招いたら、さぞ王族の娘たちは喜ぶだろう
チェギョンが出産し体調が戻った時には、チェギョンへのご褒美にそんな催しを企画するのも
面白いかもしれないな
そんなことを思い俺は一人悦に入っていた
だがきっと一人の母になったチェギョンであっても、俺がそのようなことを催した折には
喜んで男装をするのだろうな
そして・・・俺は王族の娘と踊る男装の妻を見て嫉妬する夫?あぁぁ・・・なんだかとても痛々しい
まだ当分先の事なのに、俺は一人で赤くなったり青くなったりしていた
そして公務などにチェギョンを同伴しなくなった俺に、マスコミは常にチェギョンの事を質問してくる
『本日妃殿下はご一緒ではないのですか?』
『ええ。彼女は東宮で執務をしております。』
『ご懐妊・・・ではないかという噂が流れておりますが・・・?』
探るような視線のインタビュアーにも俺は平然と嘘を吐く
『早くそんな日が来るとよいのですが・・・。』
俺がそう答えるとインタビュアーはそれ以上聞いてくることはできないのだ
失礼に当たる発言になったら、自身の進退問題に拘わる
それ以上チェギョンの事は聞いてこないという、なかなか都合のよい返答だ
まだ今はお腹の中でじっくり育てている期間
騒ぎになることは避けたい
幸せ且つ俺の忍耐を強いられる日々は、あと少しで終わる
(画像は薔薇の奥様ことkakoさんからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。)
子供産んですぐ体型が戻ったら
苦労ないしっ!
下手をしたらその上塗りで
むーみんになるし・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
昨日は朝からDさんのライブを観に富士北麓に言っていました。
すごくいいお天気で・・・日に焼けたよぉ。
いっそのこと全身網タイツで
焼き豚になってしまえばよかったなぁ・・・
子供産んですぐ体型が戻ったら
苦労ないしっ!
下手をしたらその上塗りで
むーみんになるし・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
昨日は朝からDさんのライブを観に富士北麓に言っていました。
すごくいいお天気で・・・日に焼けたよぉ。
いっそのこと全身網タイツで
焼き豚になってしまえばよかったなぁ・・・