(チェギョンside)
ガンヒョンの引退公演は、やはり翌日の新聞やテレビで大きなニュースとなった
だってお相手は天下のチャン航空副社長だもの当然ね
経済界の大物でチャン家との縁組を望んでいた人達は、軒並みガンヒョンの事を愚弄するような
コメントを発表した
でもそんな失礼な人達を許すギョン君じゃなかった
引退公演から二週間後・・・テレビではギョン君とガンヒョンの婚約式の様子が流れた
ガンヒョンは今まで見たことがないほど美しく、ギョン君の隣で微笑んでいた
その場で行われたインタビューで、結婚式は三か月後に決まっていると知った
私はもちろん行けるはずない
ちょっと寂しさが募る
でもそんな私の元にその夜ガンヒョンから電話がかかってきて、私は嬉々としてその電話を取った
『チェギョン?アタシよ。』
『うん。ガンヒョン婚約おめでとう。テレビで見たよ。』
『ふふふ・・・どうもありがとう。千秋楽にも来てくれたんだって?ありがとう。逢えなくて残念だったわ。』
『シン君がね・・・ギョン君に負けた気がするらしく、二人の退場する姿に愕然としていたよ。』
『アタシだって愕然としたわよ。でもギョンがあそこまでやっているのに・応えないわけにいかないでしょ?
だけど後であの風船を回収するのが、すごく大変だったみたい。』
『あ~~・・・確かにそうかも~くすくす。ガンヒョン・・・結婚式まではのんびりできるの?』
『とんでもない!それがさ・・・チェギョンちょっと聞いてよ。ギョンったらアタシをチャン航空の
イメージキャラクターにするって息巻いてるの。』
『イメージキャラクター?』
『そう。チャン航空内のポスターとかCMにアタシが起用されたの!!
毎日のように撮影よ。花嫁修業なんかしている暇もないわ。』
『くすくす・・・ギョン君らしいね。てか、ギョン君はガンヒョンが何もしなくても、
ただ傍にいてくれるだけで十分幸せなんじゃない?会社でもポスターでガンヒョンの顔が眺められるもの。』
『全く困った男だわ。』
『引退して少しはゆっくりできるかと思ったんだけど、それどころじゃないわね。』
『ええ。その通りよ。でも忙しくしているほうが、アタシの性に合っているわ。
おかしなバッシングも鎮まりつつあるしね。』
『あぁ・・・経済界の大物のコメントね。でも私の時にはそんなの出なかったのに、
なぜガンヒョンはそんな事されたんだろう。』
『そりゃあアンタのお相手が皇太子だからよ。おかしなことしたら重罪に問われるわ。
でもギョンはまだ付け入る隙があるってことよ。』
『つまりチャン航空副社長の妻の座は、かなり魅力的だって事なのね・・・』
『皇太子妃ほどじゃないけどね。ふふふ・・・ひとまず騒動は収まりがついたわ。
婚約式を挙げたらだれも何も言わないもの。
あとは挙式までの間、受けちゃった仕事を頑張るわ。』
『ガンヒョン・・・大変ね。』
『アンタだって大変だったでしょ?婚礼まではお妃教育で・・・』
『あ~そうだった。すごく苦労したわ。』
『アタシもいつかそんな風に言える日が来るわ。とにかく元気にしているから安心して。また電話するわ。』
『うん。待ってる。』
婚約してすごく充実しているガンヒョンの声に、私は安堵しその夜はシン君にその電話の事を報告しながら
楽しく食事をした
気分がよかったせいかもしれないけど、いつもより食欲旺盛で何でも美味しくて・・・シン君に呆れられた
だって~美味しくて仕方がないんだもん♪
(シンside)
『ん~~最近食べ過ぎかなぁ・・・』
ギョンとガンヒョンさんの婚約会見がテレビで報道されてから三日・・・食後にチェギョンは胃の辺りを摩っている
『だから食べ過ぎるなと言っただろう?胃もたれでもしたのか?』
『うん。そうかも・・・』
『胃腸薬でも飲むか?』
『ううん。それほどじゃない。』
食後のお茶を飲みながらそんなことを話していた俺達の元に、チェ尚宮はいそいそと近づいて来る
『殿下・妃宮様・・・あの・・・差し出がましいようですが・・・』
『なんだ?申してみろ。』
『妃宮様にお尋ねしたいのですが、月のものは・・・順調に・・・』
『つきのもの?・・・あぁっ?』
何やら指を折り数えているチェギョンにチェ尚宮は窺うような視線を向けた。
『先月はしっかり・・・予定通りきましたが・・・今月はまだです。あれっ?遅れている?』
遅れている?ひょっとして懐妊の兆候ありということか?
チェ尚宮は頬を染めてチェギョンに話しかけた
『妃宮様・・・何日遅れていらっしゃいますか?』
『10日ほど・・・』
『ひょっとしてご懐妊かもしれません。すぐに侍医のところで診察を受けましょう。』
『そうでしょうか・・・』
『はい。殿下、妃宮様を侍医のところにお連れしてもよろしいですか?』
『あぁ。私も・・・同行しよう。』
『いえ、殿下は執務室でお待ちください。』
なぜだ。俺が一緒に行ってもよいではないか
チェギョンの一大事なのだぞ。それに俺だってその件に関しては当事者なのに・・・
チェ尚宮にチェギョンを連れていかれ、俺は少し不満そうにコン内官と執務室に向かう
コン内官はそんな俺を諭すように笑顔を向けた
『殿下・・・妃宮様の一大事ですから、女性同士の方が何かとよろしいかと・・・』
『そうだな。』
俺は執務室の自分の椅子に深く腰掛け、何も手につかないままチェギョンがやって来るのを待っていた
するとほどなくしてチェギョンが扉をノックする
<トントン>
『シン君♪入ってもいい?』
『あぁ。侍医は・・・なんと言っていた?』
『懐妊の可能性が大きいそうだよ。もちろん侍医室には正確な検査ができるわけじゃない。
明日、王立病院に行って確認してくる~♪』
『俺も一緒に行こう。』
『いやいや・・・いいって!シン君と私が揃って王立病院の産婦人科を訪ねたら、
あっという間に噂が広まっちゃう。
チェ尚宮さんと一緒に行ってくるよ。』
『そうなのか?』
俺は少し寂しい気持ちになった
共同責任の筈なのに、なぜか俺だけが蚊帳の外にいるような気がして納得がいかないのだ
『じゃあシン君、私・・・シン君のお仕事が終わるまで、自分の部屋でのんびりしているね。』
『あぁ、』
普段であれば執務が終わるまで、ソファーに腰かけて本を読んだり好きなことをしているチェギョンだが
今日は自分の部屋に行ってしまい、俺は置いてきぼりにされた気分が大きい
そんな俺の元にチェ尚宮が訪ねて来る
<トントン>
『殿下・・・お邪魔してもよろしいでしょうか?』
『あぁ。入れ。』
チェ尚宮は部屋の入り口でお辞儀をすると扉を閉め、俺のデスクの前まで歩み寄った
『殿下・・・明日妃宮様のご懐妊がはっきり致しますが、恐らく間違いないものと思われます。
それでご提案したいことがあるのですが、しばらく妃宮様と寝室を別になさった方がよろしいのではないかと・・・』
なっ・・・なんだと?婚姻まではいつも引き離され、ようやく同じ部屋で眠ることができるようになったのだぞ!
俺は憮然とした気持ちを隠すことなくチェ尚宮にぶつけた
『婚姻まで散々我慢してきたというのに、なぜ寝室を別にしなければならないいのだ?』
『殿下・・・妊娠初期というものは、非常にお子が流れやすい時期にございます。
今後も妃宮様と同室で、殿下ご自身が耐えられるでしょうか?』
チェ尚宮・・・人を獣のように言うな
俺にだって理性はある
『つまり妃宮と一緒に過ごしても節度を守ればよいのだろう?私にもそのくらいの心得はある!
心配は無用だ。』
『あ・・・さようでございましたか。殿下がそう仰るのでしたら安心いたしました。』
大見得を切ってチェ尚宮を撃退した俺だったが、その夜から自分に課した試練に苦しむことになるとは
その時点で俺は気が付いていなかった
(画像は恐らく・・・姫ちゃんからお借りしたサボテンのお花。)
今日は次男君の三者懇談でした。
あぁぁ・・・次男君。頑張らないと
希望大学に行けないぞぉ・・・
しかし本当にお天気が変です。
晴れと豪雨の繰り返し・・・
でも夜は過ごしやすくてよく眠れるから嬉しいかな❤
今日は次男君の三者懇談でした。
あぁぁ・・・次男君。頑張らないと
希望大学に行けないぞぉ・・・
しかし本当にお天気が変です。
晴れと豪雨の繰り返し・・・
でも夜は過ごしやすくてよく眠れるから嬉しいかな❤