朝の通勤電車の中・・・すし詰め状態で電車の揺れに身を任せながら、女は半ば諦めの気持ちで溜息を吐いた
(もうあれから二カ月・・・あの人は引っ越しちゃったのかな・・・)
あの人とは毎朝同時刻同じ車両で乗り合わせていた背の高い男の事だ
汗ばんだ肌が他人と触れることに嫌悪し夏でも長袖着用の女は、右手に持ったタオルハンカチで
額の汗を拭った
女が気にかけていた男がいつも乗り込んできた駅で、大勢の乗客が電車内になだれ込んでくる
(ぎゅ~~~~っ・・・・)
必然的に女は人の波に押され、反対側のドアまで追いやられた
あわや倒れそうになった女・・・その腕を誰かが掴んで支えた
『あ・・・失礼。大丈夫ですか?』
その声に支えてくれた人を見上げた女・・・
支えてくれた人は二カ月ぶりに見る背の高い青年だった
『あ・・・大丈夫です。あの・・・この電車に乗るの久し振りじゃありませんか?』
思い切って女はその男に話しかけた
女が自分の存在を覚えていたことに驚いた男は、人の波から女を守るように立つと微笑みかけた
『ええ。そうなんです。実は仕事で失敗しちゃって、二か月間支社に飛ばされていたんです。くくっ・・・』
『そうだったんですか。でもこの電車に乗っているということは・・・元の部署に戻れたんですね。
おめでとうございます。』
『ありがとうございます。あの・・・次の駅が降りる駅でしたよね?』
自分の降りる駅を知っていたことを非常に嬉しく思った女は、満面の笑みで答えた
『ええ。そうなんです。歩いて五分のところに会社があるんです。』
『そうですか。あの・・・不躾ですが、今日は七夕だというのに私は一緒に食事をする人がいないんです。
今夜は良く晴れてとてもきれいな星空が眺められそうです。よかったら・・・食事しませんか?』
『えっ?食事ですか?』
唐突な食事の誘いに戸惑う女
男は慌ててポケットの名刺入れから自分の名刺を女に差し出した
『あ・・・失礼いたしました。私はこういう者です。』
手渡された名刺を手に取り安堵した女は、自分もバッグの中から名刺を一枚出し男に手渡す
『イ・シンさんと仰るんですね?』
『はい。シン・チェギョンさん・・・ですか。可愛いらしい名前だ。』
『待ち合わせはどこがよいですか?』
『南山タワーの一階入り口で19時・・・はいかがですか?』
『構いません。ではまた今夜。』
『ええ。今夜。』
女は電車から降り扉が閉まる寸前に振り向き、男に向かって微笑みかけた
(ねえ・・・一目惚れだって言ったら信じる?)
すると男は同じように微笑みかけ胸の前で小さく手を振った
(あぁ。俺も同じだから・・・)
電車の扉は閉まり男を乗せた電車は風を巻き起こしながら走り去っていく
女は男から受け取った名刺を大事そうにバッグにしまい、それから極上の笑みを浮かべオフィスへと急いだ
今夜・・・満天の星空の下・・・流れ星を眺めながら
きっとひとつの恋が生まれることだろう
あはは~~七夕のお話の用意がなかったので
短いですが今朝思いついたお話を
書いてみました(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
たまには・・・こんなどこにでもいる二人もいいかなって(爆)
一応コメント欄は開けておきますが
お返事は明日一括ということで
お許しください~~❤
短いですが今朝思いついたお話を
書いてみました(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
たまには・・・こんなどこにでもいる二人もいいかなって(爆)
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お返事は明日一括ということで
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