(チェギョンside)
その日チェ尚宮さんや女官さんに伝統ある衣装を着付けられ、私はこの国の皇太子の花嫁となった
しかしそれにしても重い
重い衣装に身を包むことに慣れている私でさえ重いと感じるのだ
歴代の王妃や世子嬪はどんなに大変だっただろう
この衣装の重みは自分にかかって来る責任の重さ・・・皇太子妃という立場の重さだろう
しっかり気を引き締めこの婚礼の儀式を務めあげなければ・・・
舞台慣れしている私だけど、さすがに緊張しているようだ
だけど娘の花嫁姿を見て感動し涙するどころか、緊張で泣きそうになっている両親の顔を見たら
逆に肝が据わってしまった
この場所は私を待っていたのだ
彼が望んだからでも自分が決断したからでもなく、この場所はずっと私を呼んでいた私の為の皇太子妃の座
そんな風にさえ思えてくる
略式で執り行われた親迎の礼・・・彼はこのような歴史ある衣装も大変よく似合う
気品を漂わす微笑みを浮かべそして私に囁いた
『チェギョン・・・今日は格別美しいな。』
『シン君こそ・・・』
互いに褒め合い仄かに頬を染める
今日からこの人が夫だと思うと、なんだか妙に気恥しい
『昨晩部屋に行ったんだが、チェ尚宮に止められた。』
知ってる
『でも・・・今日からは誰も邪魔できない・・・そうでしょ?』
『あ?あぁ///』
ますます頬を染めるシン君。シン君という人が遠い存在だった頃に抱いていたクールなイメージは
今やどこにもない
『さぁ国民が待っている。パレードに出かけよう。』
『うん。』
シン君に手を取られオープンカーに私が乗り込むと、車は徐行しながら宮殿の外に出て行った
すごい歓声・・・私たち二人は大きな拍手と歓声に包まれながら、沿道で祝福してくれる国民に手を振った
その国民の中に一種独特な集団を見つけた私は、ハッと息をのんだ
あれは・・・ソウル歌劇団の劇団員やOBだ
その中にはもちろん親友のガンヒョンも私に向かって手を振っていた
思わず涙がこみ上げる
でもそれを必死に堪えて私は長い間お世話になった皆に手を振った
きっと以前から今日のために時間を空けてくれたのだろう
皆の友情をひしひしと感じながら、私達の乗ったオープンカーはソウル歌劇団員の前を通り過ぎた
皆に祝福され見守られての婚礼パレード
これから私は皇太子妃として、ソウル歌劇団出身の名に恥じないようしっかり努めていこう
(シンside)
なんて綺麗なんだろう・・・
皇室に代々伝わる婚礼衣装を身に着けたチェギョンを見た時、俺は一気に体温が上がるのを感じた
滞りなく済んだ婚礼の儀式
チェギョンは立派に婚礼の儀を務めあげた
その後俺達は婚礼パレードに出発した
沿道では俺達の婚姻を祝福する国民で溢れていた
そんな中でソウル歌劇団の面々を確認したチェギョンは、一瞬言いようのない表情をし瞳に涙を溜めた
公演で忙しい劇団員たちが揃って祝福に駆け付けてくれたのだ
チェギョンの胸はまさに感無量だっただろう
ふと・・・視線を向けた反対側の沿道に、俺は見覚えのある男が女性と一緒に立っているのを目にした
誰だ?確かに見覚えがある・・・あぁっ!!
そうだ!舞台に上がってチェギョンに切り付けたあの男だ!!
一瞬背中に冷たいものが走った
だがよく見るとその周辺は皇室警察署員がしっかり警備しており、男も監視されているようだった
その男は俺が自分を見ていることに気が付くと、直角に腰を折り頭を下げた
隣にいた女性も一緒に頭を下げた
つまり・・・チェギョンの晴れ姿を一目見ようとやって来たということか?
俺はその男と女性に向かって微笑み、≪二度とこんなことはしないように≫と心の中で呟きながら頷いた
男は何度も何度も俺に頭を下げ、隣の女性はチェギョンの姿をカメラに収めた
憧れのチェギョンの晴れ姿を写真に残したかったのだろう
それからもうしばらく車が進んだ時の事だった
沿道に・・・男装の麗人が並んでいる?あれはどう見てもチェギョンだろう?
驚いた俺はチェギョンに話しかけてみる
『チェギョン・・・あれを見てみろ。』
『あっ!!私がいっぱい・・・しかも衣装やポーズが全部違う。』
『なんなんだ?あれは・・・』
『私にもよくわからないけど、恐らく私の等身大フィギュア?』
『なっなにっ?そんなものがあるのか?』
『いや・・・恐らく個人で作った物だろうと思う。ほら・・・フィギュアの裏に人が。』
よく見ると男装チェギョンの裏に大勢の男女が立っている
両手を大きく振っている者もいれば、号泣している者もいる
『俺の奥様は・・・人気者だな。』
チェギョンの大ファンたちに手を振りながら、内心≪それ・・・一体私に譲ってくれないか?≫と思う自分がいて
非常に恥ずかしくなる
無事婚礼パレードを終え義愛閣へと入った俺達は、着替えを済ませ同牢の礼を行った
固めの杯を酌み交わし渋々チェ尚宮の世話を受けた
早く二人になりたかったが、しきたりが俺達の邪魔をする
だが・・・俺達二人の前に置かれた薬湯を≪喉が渇いた≫と言ってチェギョンが飲み干してしまった後
チェ尚宮は慌てて部屋から退出した
俺でさえ飲んでいないというのに・・・チェギョンは・・・
ただでさえ待ち焦がれていたこの日だ
薬湯を飲んでしまったチェギョンから誘惑されたら、俺などひとたまりもないだろう
ええいままよ!
俺もその薬湯を一気に飲み干した
(画像は我が家の多肉植物ベビーサンローズの花)
暑くて・・・暑すぎて頭が回らず
家事に逃げたアタクシです。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
さて無事合房といくのでしょうか♪
暑くて・・・暑すぎて頭が回らず
家事に逃げたアタクシです。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
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