Quantcast
Channel: ~星の欠片~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1451

カゲキな彼女 4

$
0
0

(チェギョンside)

今日は公演がお休みの日・・・劇団員は全員揃って衣装の綻びや舞台装置の破損などをチェックしていた

些細な欠陥が大きな怪我に結びつくからだ

もちろん本来はお休みの日なのだから、それぞれに用事がある人は先に帰っていく

私とガンヒョンは本日ギョン君からのご招待で、お食事に行く♪

なので最後まで残って点検をしていた

そしてチャン航空副社長のギョン君が、自ら車を運転して登場~♪

さすがお金持ちだけあってリムジン横付けよ。ガンヒョンも大変な人に好かれたものだわ

劇場前で待っていた私達は、いそいそとギョン君の車に向かった

ところが・・・トップスターになった私達でさえ滅多にあり付けないご馳走の匂いを嗅ぎつけたのか

ヒョリンとヒスンが私達の後を付いて来たの・・・

えぇ~~~っ・・・私一人でも人数が増えて恐縮しているのに、それはちょっとなぁ・・・

でもヒョリンやヒスンは堂々と私と一緒に後部座席に乗り込んだ

ん~~二人共悪い子じゃないんだけど、御曹司に弱いのよね

特にヒョリンは≪目指せ玉の輿≫と明言している子だから、こんな機会を逃す筈ない

ギョン君から素敵なお相手を紹介して貰おうと思っているんじゃないかしら・・・

ヒョリンもヒスンも、ギョン君はガンヒョン一筋だって知っているから、ギョン君狙いじゃない事だけは確かね

『あ~そう言えばチェギョン・・・スニョンは退団後どうしているの?』

唐突にヒョリンが問いかけてくる

スニョンというのは私達と同期の元私の相手役だった子で、後輩のヒスンに娘役を奪われていたたまれず

劇団を退団し女優になった子だ

歌劇団出身者は基礎がしっかりしている。その上声量もあれば滑舌もはっきりしている

いわば舞台向きに仕上がってしまっている

故に・・・テレビドラマの女優としては、敬遠されることもあったりする

制作者サイドは名実を兼ね揃えたアラサー女優より、話題性のある新人女優を好むのだ

『スニョンは・・・制作プロダクションの社長と結婚するって言ってたわ。』
『そうなの・・・』

こんな時本当に空しさを感じる

ソウル歌劇団トップ女優の先に・・・一体何があるのだろう

なんとなく車内の空気がしんみりとしてしまった

そんな時必ず飛び出すのはギョン君のこのセリフ

『ガンヒョンは女優なんかに成らずに、俺と結婚しちゃえばいいのさ~♪』

正直言って保険のあるガンヒョンが少し羨ましくなっていた



予約されているいつもの場所≪チャン航空ホテル展望レストラン≫に向かうと、私達四人は談笑を始めた

ギョン君は≪ちょっと電話を入れてくる≫と言って席を外した

程なくしてギョン君が戻ってきたと思ったら、とんでもない人をその部屋に招いた

皇太子殿下イ・シン・・・あぁぁ・・・ヒョリンとヒスンの目がハート方になっているじゃないの

というか・・・私は≪女性の姿で逢う事を断った≫ことへのバツの悪さから、彼から目を逸らし彼の方を

見るない様努力した

あぁ・・・先日男前な私を演じたばかりなのに、何も知らないで普段の私でここに来ちゃったわ

これは反則だわ

彼が話し掛ける隙を作らない様必死に身構えている私・・・でもな~~んにも心配はいらなかった

だって≪玉の輿狙い≫のヒョリンとヒスンが、彼を質問攻めにしているもの

よし!!このまま逃げ切ろう

一言も交わさないまま食事会がお開きになろうとした時、彼はテーブルの下で私の手を強く握り締めた

えっ?なにっ?

必死にその手を御振り解いた時、掌の中に紙片が残されていることに気が付いた

普通の男なら何も気が付かない振りをしてその場に紙片を捨てて帰りたいところだけど

相手は恐れ多くも皇太子殿下よ。それもできない

私は右手をぎゅっと握り締め、マンションの自分の部屋に入った時漸くそれを目にした

その小さな紙片を開くとそこには彼の名前と携帯番号が書かれている名刺だった







(シンside)

普段のシン・チェギョンと隣り合わせに座ることが出来、天にも昇る気分の俺だったが

なかなか話すことが出来ず悶々としていた

顔をチェギョンに向けそっと口を開こうとすれば、向かいに座る女は余計な事を聞いて来る

『皇太子殿下・・・最近ニュースでお妃問題が取り沙汰されていますが、本当のところはどうなのですか?』
『自分なりに思案中だ。』
『でしたら私などいかがです?私は娘役でも評判がいいんですよ♪』

あぁ?自分を売り込んでくる厚かましさに、俺は驚いてその女を凝視した

娘役?・・・シン・チェギョンの方が娘役に相応しいんじゃないか?そう思えるほどその女は女性的魅力が

欠落していた

『いや・・・私の好みとは違うようだ。くくっ・・・』
『でしたか皇太子殿下は、どのような女性が好みなんですか?』

そうか!本人と話せないのであれば、さりげなくここで彼女に気持ちをアピールしてみよう

『好みの女性か?凛として前を向いている女性。男に媚びない女性だ。』

抽象的すぎる。これでは本人に伝わらない・・・だが、あまりあからさまでも彼女に嫌われてしまうだろう

そんな恐れのあった俺はそのまま口を閉ざした

俺からのテレパシーは伝わっている筈だ

時折彼女が視線を漂わせるのを俺は感じていた

話せない・・・全く話せない

苛立ちがピークに達した時、食事会はお開きとなり彼女は立ち上がる気配を見せた

俺はすかさずスーツのポケットの中に一枚だけ入れてきた名刺を手に取るとその場で四つに折りたたみ

彼女の手を握り締めそれを握らせた

おかしいな・・・シン・チェギョンの呪縛から解放されるつもりでやってきたというのに、なぜ名刺などポケットに

入れてきたのだろうか

結果的に俺はシン・チェギョンの呪縛から解放されるどころか、益々シン・チェギョンに熱を上げてしまったわけだ





東宮に戻った俺はスマホの画面を見つめ、いつその電話が鳴るかと胸を高鳴らせ待っていた

どこに行くにもスマホを持参した

もし入浴している最中に電話があり出られない・・・なんて失態があってはならない

なかなか鳴らない電話。その電話が鳴り響いたのは日付が変わる三分前だった

『もしもし・・・シン・チェギョンですが・・・』

はぁ・・・なんてことだ。警戒されているのか?プライベートの声ではなく男役の時の声だった

『あぁ。プライベートにその声色はやめてくれないか?』
『解りました。皇太子殿下・・・こう言うの困るんです。』
『俺も本当ならこんな手段は使いたくなかった。だが君が逢ってくれないからだろう?』
『なぜ私に逢いたいんです?舞台女優と噂になったら皇太子殿下も無傷じゃいられませんよ。』
『傷つくことを恐れていたら恋などできない。』
『こ・・・い?あの・・・皇太子殿下は私のどこが、そんなに気に入ったと仰るんです?
数回しかお逢いしていませんよね?』
『どこがって、もちろん内面は知らない。見せて貰えないからな。現時点では外観だけだ。』
『それだけで恋をしたと?』
『あぁ。それで十分だろう?後は君次第だ。』
『一体私とどうなりたいのです?』
『恋人になりたい。』
『恋・・・人?皇太子殿下の恋人ですか?それはリスクが大きすぎます。
悪いことは言いません。それなりの方と恋をしてください。
もう二度とお逢いしません。』
『いや・・・また逢うさ。俺から電話する。』
『着信拒否します!』
『拒否解除させる。』

そんなことが出来るのか知らないが俺は精一杯のハッタリを言ってみる

折角電話で話せたんだ。これで終わりにして堪るものか!

『そんなこと・・・できるんですか?』
『あぁ。俺にできないことはない。とにかくシン・チェギョン、食わず嫌いは良くないな。
俺という人間を知ってから、それでも好きになれないなら断ればいい。
近々また芝居を見に行く。』
『お願いですからVIP席にしてください。この間の様な席では目立ちすぎますから・・・。』
『解った。じゃあまた逢おう。シン・チェギョン・・・』

満面の笑みで電話を切った俺

蟻地獄に嵌った俺は、もがくどころか嬉々としてスケジュール帳を眺め次にチェギョンに逢える日を考えていた

イメージ 1

(画像は近所の薔薇屋敷の薔薇)

もぉ~聞いて下さいよぉ~~!
昨日は家事ハッスルデー(なんだそりゃ)でして
浴室の窓ガラスをデッキブラシで洗っていたんですけど
バスタブの縁から・・・チュルって
落ちましてん・・・
本日あちこち打撲で~~
鎮痛剤飲むアタクシ

皆様もどうぞ家事をする時には
気を付けてくださいね~~(超激爆)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1451

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>