日も陰ってきた頃・・・リビングのテーブルには、管理人から届けられたご馳走が並べられ
シンとチェギョンは二人きりのクリスマスパーティーを開始した
チェギョンがシン家の娘となって一年と四カ月・・・さすがに料理などに驚くことはなくなったチェギョンであるが
それでも素晴らしいご馳走を目の前にして感謝の気持ちは決して忘れない
『シン君・・・どれもこれもすごく美味しい~~♪どうしてこんなに美味しいんだろう・・・』
『それは・・・母さんの味覚が確かなのと、俺と一緒に居るからじゃないのか?』
『えっ?』
『違うのか?俺はそうだが?』
『くすくす・・・きっとそうだね♪』
料理を取り分けながら、こんな二人きりの時間は初めてで互いに胸をときめかせる
食事が済んだ後はお楽しみのプレゼント交換だ
だが・・・今までの様にビンゴゲームはできない
シンは紙コップと細く切った細長い紙を用意し、その紙に交互に○と×を書き始めた
『シン君?一体何をしているの?』
『○×ゲームさ。お互い順番にこの紙を引いて、×を引いた方は相手の質問になんでも答えるんだ。
今日は二人だしビンゴゲームもできないしな。くくっ・・・』
『おぉ~♪それは面白そう。早速やってみよう~~♪じゃあ…私から引くね。
あ・・・いきなり×だよぉ・・・』
『くくっ・・・くじ運が悪いんだな。じゃあ質問だ。』
『うん。どうぞ♪』
『お前が俺を意識し始めたのは・・・いつからだ?』
『う~~~~~~~~ん・・・・・』
真剣に悩んでしまうチェギョンである
『意識って言うのは異性としてだよね?』
『当然だ。』
『シン家の娘になる前も・・・シン君は私にとても優しかったから、気になる存在ではあった。
でもあの頃って異性どころじゃなかったし、あの頃はシン君とヒョリンはきっと付き合うんだろうと思っていたし・・・
そうだなぁ。ほら・・・あの時!!』
『あの時とは?』
『シン君が私に逢いに来てくれたでしょう?▼■食堂の近くの公園に・・・』
『あぁあの時か?』
『うん。シン君が凄く頼りがいのある人に思えたの。』
『そうか。くくっ・・・』
『じゃあ今度はシン君が引く番だよ。』
『あぁ。お!俺は○だ。くくっ・・・じゃあ次はお前。』
『うん。えっ!!また私は×なの~~~?』
なんてくじ運が悪いのだろうと眉を下げるチェギョン。そんなチェギョンにシンは構うことなく
質問を投げかけた
『あの・・・≪舐めとけば治る≫の事なんだが・・・』
『シン君!まだその話を蒸し返すの?』
『いやそうじゃなくて・・・以前から聞きたかったんだ。あれ・・・誰にでもするんじゃないよな?』
『しっ・・・しないし!!あんな事したの初めてだし・・・シン君唇切れてたし必死で・・・』
『そうか。それならいいんだ。くくっ・・・』
『もぉっ!!』
抗議するように尖らせたチェギョンの唇に、シンは啄ばむようなキスを何度も繰り返した
クリスマスケーキを食べながら、用意したプレゼントを交換する二人
チェギョンからはシンの車専用のキーホルダーが・・・シンからはぶら下がるタイプのピアスを贈られた
チェギョンは即座にそれを耳に装着し、シンは車のキーに取り付けた
お互いの誕生日やクリスマス・・・贈り合った宝物がどんどん増えていく
積み重ねた想いの分だけ、思い出の品は増える
ケーキを頬張りながらじゃれ合う二人は、互いの瞳の中に映る自分の姿に胸を高鳴らせた
クリスマスツリーのイルミネーションが見守る中・・・二人はクリスマスを祝いながら何度も口づけを交わす
シンが自ら持ち込んだシャンパンを口に運び、甘いムードに浸る二人だった
『チェギョン・・・もうそれ以上飲むな。』
『でもこのシャンパン美味しい・・・』
『風呂・・・入れなくなってもいいのか?』
『えっ?それは嫌!!』
先程見た素晴らしい温泉に浸かりたい・・・
その気持ちはチェギョンがそれ以上シャンパンを飲む事をやめさせた
『プレゼント交換も終わったし、風呂行くか?』
『うん♪じゃあ着替えを持って来るね~~♪』
一旦部屋に戻ったチェギョンはバッグの中から着替えを取り出し部屋から出て行った
するとそこには迷わない様に心配してか、シンが同じ様に着替えを持って待っていた
『一緒に・・・入るの?』
『ば・・・馬鹿かっ!俺はお前が出てくるまで、リビングで待っている。』
『そっか・・・』
二人揃って浴室の前まで行った時、チェギョンが大胆な事を言い始めた
『ねっ・・・あのさ、公衆浴場なんかだと、バスタオル巻き付けてお風呂に入るのは禁止だけど
ここもそうかな?』
『まさか!!そんな訳ないだろう?』
『じゃあ一緒に入ろうよ。広すぎて怖いじゃん。』
『広すぎて・・・怖いだと?』
そんな大胆な言葉を発するチェギョンの方がもっと怖いとシンは感じたが、チェギョンが風呂を上がるまで
じっと待っているのも、ただ要らぬ妄想を膨らませるだけだと意を決し返事をする
『解った。じゃあ・・・お前が先に身体を洗って湯船に入ったら、声を掛けてくれ。』
『うん~~~♪』
脱衣所に入っていき着衣をすべて脱ぎ去ると、チェギョンは二枚持ってきたうちの一枚のバスタオルと
フェイスタオルを持参し風呂場に入っていった
熱いシャワーを浴び身体と髪を洗い上げ、髪にはフェイスタオルを・・・そして身体にはバスタオルを巻き付けた
『シン君~~もういいよ~~♪』
まるでかくれんぼでもしているようだと笑いながら、浴室に入っていき着衣を脱いだシンは擦りガラスを開け
風呂場に入っていく
チェギョンはシンに背を向け湯に肩まで浸かっている
『湯加減はどうだ?』
『すごくいい~~♪最高だよ~♪シン君も早くおいでよ。』
『あ?あぁ・・・』
普段は非常に純粋なのに、なぜか時々とんでもなく大胆な発言をするチェギョン
その度にシンは翻弄されっぱなしである
慌てて身体と髪を洗ったシンは、腰にフェイスタオルを巻き付け湯の中に入っていく
『ほぉ・・・本当にいい湯だな。』
『でしょう?ね・・・ね♪シン君♪上のゲート開けて~~♪』
『ゲート?あ・・・あぁ、くくくっ・・・』
シンはチェギョンの要望通りに開閉式の天井のスイッチを押す
<ゴゴーーーーーーッ!!>
温まった浴室内に冷気が入り込む・・・それと同時に白くフワフワした雪の粒が湯の表面に落ちて溶けた
『雪だ。雪だね?シン君。』
『あぁ。降るなんて言ってなかったのにな。』
『すごい綺麗~~♪メチャクチャ寒いけど・・・くすくす・・・』
『チェギョン、湯冷めしたら大変だから、ちゃんと肩まで浸かってろ。』
『うん~♪』
暫く雪が湯の中に落ちていくのを感慨深く見つめる二人
ふとチェギョンは思い出したかのようにポツリと呟く
『あの時・・・おば様に出逢って居なかったら、きっと私達は今こうしていないね。』
『そうだな。母さんに感謝しないとな。』
『ミンおば様にもだけどヒョンおじ様にも・・・シン君にも感謝しているよ。
私の心の帰る場所になってくれたもの。』
『途中どうなる事かと冷や冷やしたけどな。』
『ずっとこうしてシン君と仲良く付き合っていきたいな。』
湯で温まってピンクに染まった頬をチェギョンはシンに向けうっとりと見つめた
シンは一瞬見つめ返したが、すぐに困ったような表情になり視線を雪が舞い降りてくる夜空に向け返事をする
『あぁ、もちろん。』
『はぁ~~♪もう十分温まったから、私は先に上がって髪を乾かしたらコーヒーを淹れておくね。』
『あぁ。早く髪を乾かせよ。風邪をひいたら大変だ。』
『うん。じゃあシン君お先に♪』
シンはチェギョンが湯からあがっていく後ろ姿をじっと眺めた
長時間湯に浸かっていた為にピンクに染まったタオルから出ている部分に、必然的に目を奪われた
だが・・・自分を戒めるように首を横に振り、チェギョンの後姿から目を逸らすのだった
シンが湯からあがりシルクのパジャマを纏ってリビングに入っていくと、なんとなく違和感を覚える後ろ姿が
今まさに淹れたてのコーヒーを運ぼうとしていた
『あ!シン君~~♪』
振り向いたのはやはりチェギョンだった
『な・・・なんだそのパジャマは・・・』
『えっ?可愛いでしょう?それにすごく暖かいんだよ~~♪』
白地に黒の模様が施された着ぐるみパジャマと思えるほど、モコモコしたパジャマを纏ったチェギョンは
まるで何かの縫いぐるみがいるかのようないでたちだった
(くっ・・・良かった。これでチェギョンがセクシー系のパジャマなど纏っていたら
さすがの俺も危なかったかもしれないな。チェギョン・・・おばさんの想いに応えてくれてありがとう。)
少し残念な気もしたが、チェギョンと自分を信用し送り出してくれたスンレの気持ちを思うと
どこかほっとした気分のシンだった
ところが・・・
本日・・・非常に環境が整わず
ここで話を切らせていただきやす(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
年末の掛け込み更新ということで
続きは明日ね~♪
ここで話を切らせていただきやす(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
年末の掛け込み更新ということで
続きは明日ね~♪