『お母さん・・・お料理多すぎませんか?』
リビングのテーブルを埋め尽くすご馳走に驚き、チェギョンは母スンレに問いかけた
『ふふふ・・・確かに三人で食べるには多いわね。でもお客様がいらっしゃるそうだから・・・』
『えっ?どなたですか?』
『イ家の皆さんよ。先程ミンさんから電話をいただいたの。お食事にお誘いしたのよ。』
『そうなんですか?えへへ・・・♪』
微かに嬉しそうな顔をするチェギョンに、スンレは問い掛けた
『シン君と今夜も逢えるのは嬉しい?』
『えっ?・・・はい・・・♪』
『良かったわね。ふふふ・・・』
『はい~♪』
やがてナムギルが大きなケーキの箱を抱え帰宅する
そして同じようにリビングのテーブルを埋め尽くす料理を眺め、驚いてスンレに問いかけた
『こんなに食べられる訳ないだろう?多すぎる・・・』
スンレはナムギルの着替えを手伝いながらその問いに答えた
『イ家の皆さんがいらっしゃるんです。』
『なにっ?イ家の皆さんが?』
一瞬曇るナムギルの表情を見て、スンレはナムギルを諭すように言った
『あなた・・・チェギョンがこの家に帰って来られたのは誰のおかげかお忘れですか?
ミンさんがいなかったらチェギョンは今年もクリスマスケーキを売っていたことでしょう。
その事を考えたら・・・そんな顔はできない筈です。』
『あ・・・ああそうだった。すまない。つい・・・
だがヒョリンも海外に行っていて親子水入らずなんだ。少しはその辺りを察しても・・・』
『クリスマスは今年だけじゃありません。あなた!イ家の皆さんの前で、絶対にそんな顔
なさらないでください。』
『ああ解っている。』
ナムギルが着替えを済ませリビングに入っていくと、チェギョンは満面の笑みでナムギルにお茶を出した
『お父さんお帰りなさい♪』
『ただいまチェギョン。チャン家のパーティーは楽しかったかい?』
『はい~♪すごく楽しかったです。』
『チェギョンから貰ったマフラーを今日も会社にしていったんだが、秘書に褒められたよ。
≪社長・・・素敵なマフラーをされていますね。≫って・・・。
だから≪娘から貰ったんだ。≫と自慢してやったよ。ははは・・・』
『良かった~♪気に入ってもらえて・・・』
その時・・・どうやらイ家の皆さんがやって来たようで、メイドのチョンから報告が入った
『旦那様・奥様・・・イ家の皆様がお見えになったようです。』
玄関に出迎えに行く三人・・・やがてチャイムが鳴り玄関の扉が開くと、ミンを先頭にイ家の面々は大きな荷物を
両手にいっぱいに抱えていた
『メリークリスマース♪お招きいただきありがとうございますぅ~♪』
そのあまりにも高いミンのテンションにシン家の三人は面喰ったが、すぐにスンレは平常心を取り戻し
ミンに問いかけた
『いらっしゃい。ところでミンさん・・・その帽子は?』
ミンは大きなクラッカーを逆さまにしたような紙製の帽子を被っていた
『あら~~これ?ケーキを買ったらくれたものだから、つい・・・被って来ちゃったのよ。おほほほほ~~♪』
ミンのそんな様子に少々呆れながらも、ナムギルはイ家の面々を家に招き入れた
『さぁ~どうぞおあがりください。』
『申し訳ないですナムギルさん。折角水入らずのところ・・・』
『いやいや~お気になさらずに。今夜は思いっきり飲みましょう。』
『そうですね。ははは・・・・』
リビングに入っていった両親達・・・チェギョンは大きな荷物を抱えているシンに問い掛けた
『シン君♪ねえ・・・それ何?』
『あぁ・・・ターキーだそうだ。』
『ターキー・・・(初めて見るかも・・・じゅる・・・)重いでしょう?早くお部屋に入ろう。』
『あぁ。』
既にテーブルの上は料理で埋め尽くされているというのに、大きなワゴンをまだ持って来なければならなくなり
その上にはイ家で持って来たターキーや年代物のシャンパン・・・
そして三段重ねの大きなクリスマスケーキが並んだ
『ミンさん・・・ケーキはもうあったのに・・・』
『そうは思ったんですけどね~足りないより多い方がいいかと思って~。
ほら・・・こちらのお宅のメイドさん達にも一緒に食べていただければねっ~おほほほほ~~♪』
『ところで・・・いつまでその帽子を被っているんです?』
『あらやだ!恥ずかしいわ~。』
ミンはピンで留めてある紙製のクリスマス帽子を外すと、照れ臭そうにシン家の控えめなクリスマスツリーの
てっぺんに飾り付けた
『さぁさぁ~皆さん、席に着いてください♪』
スンレに促がされ両家は向かい合って座ると、クリスマスのご馳走を食べ始めた
途中・・・ミンが自ら大きなターキーを切り分け皆に振舞った
シン家に仕えるメイド達もキッチンで、クリスマスのご馳走にあやかったようだ
食事が済んだ時・・・ミンは大きな三段重ねのケーキを指差し、チェギョンに告げた
『ケーキは・・・チェギョンさんに切っていただこうかしら~♪
あ・・・これ大きいから、シンも一緒に手伝ったらいいわ♪』
母ミンの言い放った言葉の意味にピンときたシンは、ミンを窘めた
『母さん・・・チェギョン一人で切れる!!』
ただでさえ親子水入らずを邪魔されたナムギルの心証を、これ以上悪くしたくないと考えたシンである
大きなケーキをカットするチェギョンの隣に立ち、そのケーキを受け取って振舞う役目を受け持ったシン
イ家が持ってきたケーキとナムギルが買ってきたケーキ
さすがに多すぎる量のケーキは・・・やはりメイド達に振舞われ、キッチンではシン家に仕える者皆が
幸せそうにクリスマスを堪能していた
もちろんチェギョンに至っては、ナムギルの買ってきたケーキもミンの買ってきたケーキも
両方食べることにした
お腹は一杯だったが、どちらも食べたかったのである
今までこんな幸せなクリスマスは無かったのだから・・・
そして・・・シャンパンで酔いの回った両家の男親達は、酔いも手伝って本音を吐き出した
もちろん本音が出てしまうのはナムギルの方である
『シン君!!チェギョンは嫁にやらないからな!!』
(いや・・・おじさん、まだ付き合ってもいませんから・・・)
『あなた!飲みすぎじゃないですか?ヒョンさんが呆れていますよ。』
『いやいやスンレさん、男親なんてそんなものです。』
『あら~~でもチェギョンさんが我が家と縁があることは確かよね~~♪
だって・・・≪私が≫チェギョンさんと先に出逢ったんだもの。おほほほほ~~♪』
『『母さん!!』』
ミンの暴走を止めようとイ家の男二人は、母を諭すのに必死な様子である
酔ったナムギルを煽るような発言は、これ以上させてはならないと必死になって止めた
やがて・・・ナムギルは酔い潰れてしまい、パーティーはお開きとなった
帰り間際ミンは見送りにきたチェギョンにそっと小さな包みを手渡した
『チェギョンさん・・・素敵なショールをどうもありがとう。
メリークリスマス♪』
本当に小さな包み・・・それを渡すとイ家の面々は去っていった
メイド達やスンレと後片付けを済ませたチェギョンは、部屋に戻って椅子に腰掛けるとその包みを開けてみる
包みの中には小さな箱があり・・・その箱を開けると目が眩むほど輝く指輪が入っていた
『えっ・・・』
ミンの選んだものだから決して安価な物ではないと察したチェギョンは、そのキラキラ光る指輪を掌に載せ
どうしたらいいのか解らず戸惑っていた
既に母スンレも寝室に引き上げてしまった
(どうしよう。こんな高価な物いただいちゃって・・・。
明日お母さんに相談してみようっと。)
もう夜も遅い時間である。シンに電話する事も出来ない
チェギョンは戸惑いながらもその指輪を右手の中指にはめてみた
『綺麗・・・』
こんなに贈り物に囲まれたクリスマスがあっていいものだろうか・・・
幸せすぎて逆に不安になってくるチェギョンだった
期待させた割りに・・・どうってことなかったわ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
なんたって書き手が庶民だから(激爆)
さてこの先はガンガンお話がぶっ飛びます❤
なんたって書き手が庶民だから(激爆)
さてこの先はガンガンお話がぶっ飛びます❤