チョン・ユミを直感的に悪い人間ではないと感じていても、やはりどこか不安の残る私達三人は
その日学校から戻ると慈慶殿の皇太后様に逢いに行った
皇太后様もやはりユル君が心配なのだろう。三人が揃って御部屋を訪れたことで、皇太后様は大層嬉しそうな
顔をされた
『おや・・・三人揃ってどうしたのだ?』
私はチョン・ユミと本当に遊んだことがあるのかどうか、皇太后様に質問してみる
『あの・・・皇太后様。確か始めて私がこのお部屋に伺った時、幼い頃ユル君と遊んだことがあると
仰ってましたが・・・ひょっとしてその時に、他にも一緒に遊んだ子がいませんでしたか?』
『他にも・・・?う~~ん・・・』
皇太后様は暫く考え込んでいた。私達三人の中にある直感は間違いだったのか・・・ユミは嘘をついたのか・・・
落胆の想いが徐々に胸の中に広がっていった時、皇太后様は目を大きく見開き両手をパチンと打ち鳴らした
『おぉぉ~~~!!そうじゃ・・・忘れておった。チョン家の・・・孫娘だったのぉ・・・なんと言う子だったかのぉ。』
『チョン・ユミですか?』
『おぉそうじゃ!!確かそんな名前だった。お?そういえば・・・ユル宛ての釣書の中に
そんな名前もあった気がするのぉ・・・』
皇太后様は沢山の釣書の中からチョン・ユミの名前を探しだし、私達の前に持って来るとそれを徐に開いた
『おぉーーーっ!!』
開けるなり驚いて一歩退いたのは皇太后様ばかりではない
私達三人はその釣書の中にあるプロフィール写真のインパクトの強さに思わず目と口を大きく見開いた
チョン・ユミはなんと・・・お見合い写真であるにも拘らず、脚を大きく開き手を大きく空に広げ
満面の笑みを浮かべていた
その驚きは次第に笑い声に変わった
『インパクトの強い娘だとは思ったが、まさかこれほどとは・・・くくくっ・・・』
『まったくだ。一体あの子は何を考えているのだろうね。あははは・・・』
『すごすぎる・・・くすくす・・・』
お腹が捩れそうな程笑いがこみ上げた
だけど・・・こんなインパクトの強い子なのに、なぜ印象に残っていないんだろう
同じ事をユル君も不思議に感じたようだ
『ですが皇太后様・・・僕もチェギョンも彼女のことが全く記憶にないのですが・・・』
『チョン・ユミと知り逢う機会でもあったのか?』
『はい。そうなんです。本日僕とチェギョンのクラスに転校して来たんです。』
『おぉそうであったか。ほら・・・私でさえ咄嗟に思い出せないほどだからのぉ。
確かあの子は自己主張することが苦手な子で、おやつを貰うのにもユルとチェギョンの後から
ついて来るような子だった。ユルはチェギョンが気に入って、チェギョンの事ばかり見ていたしな。おほほほほ』
『コホン・・・皇太后様、妃宮は私の妻ですから、その様な事は言わないでください。』
あ・・・シン君がちょっと不貞腐れている
『おぉ~そうだった太子や、すまないのぉ。おほほほほ・・・』
皇太后様はシン君を窘めながら、可笑しくて堪らないと言った表情で微笑んだ
私もユル君も思い出せない昔の話。ユミはその時にユル君に恋をして、そのまま想いを
膨らませてきたという訳?15年もの間逢う事もなかったのに?
『おぉそうだ!!あの子が転んて膝をすりむいたのを、ユルが手当てしてあげたなんて事があったな。』
そっか・・・つまりユミにとってユル君は、白馬に乗った王子様って事ね
ふとシン君が何か疑問に思ったみたい。皇太后様に問い掛けた
『皇太后様・・・ユルに届いた釣書の写真って・・・他の娘も皆、こんな雰囲気の写真なのですか?』
『いや・・・そんなことはない筈だ。見て御覧。』
沢山の釣書の上から数枚を皇太后様は私達に見せた
どの釣書の写真も、ちゃんとした写真館で撮られたと思しき物ばかりで、皆体裁よく微笑んで上品なポーズ
修正だってバンバン入っていると私でも解るほどだ
なのに彼女はなぜ・・・あの写真なのかな・・・私とシン君は頭を悩ませながら東宮に戻った
世間体も王族の娘であるプライドも、何もかもかなぐり捨てたあの写真
一体なぜなんだろう?ユルと婚姻したいと本気で願っていたら、もっと体裁よい写真を撮った筈だ
東宮に戻りながらチェギョンは何か閃いた様に大きな声を上げた
『あ!!そうか~♪』
『なんだ?チェギョン・・・』
『チョン・ユミだけなぜあの写真なのか解ったの♪』
『なんだ?それは・・・』
『理由は簡単だよ。私達と一緒♪』
『俺達と一緒とは?』
『笑わなくなったユル君を笑顔にしたいんだよ。』
『あ・・・そうか!そうだったのか。あの写真だったら笑わずにはいられないものな。』
『でしょ~~♪』
見栄も体裁も関係ない。失意のどん底に居るユルを勇気づけようとしているチャン・ユミ
俺達は本格的に彼女の協力者となって行った
なぜなら・・・俺達もチョン・ユミもユルに幸せになって欲しいと思う気持ちは一緒なんだ
目標が一緒なのだから手を組むのは当然だろう
チョン・ユミは学校では俺達と一緒に食事をするようになり、休みの日などは宮殿に押し掛けてくるようになった
鬱陶しそうにしているユルをチャン・ユミが追い掛けている形だが、実はユルも満更でもない表情をしているのを
俺は気が付いていた
ユルの表情が日に日に明るくなっていく
そんなある日・・・チョン・ユミが慈慶殿の帰りに東宮に立ち寄った
『チェギョン・・・』
珍しく落ち込んだ表情のチョン・ユミは、チェギョンに泣きそうな顔で哀願する
『ど・・・どうしたの?ユミ・・・』
『ユル君がね・・・私の髪型可愛くないって言うの・・・。噂で聞いたんだけどチェギョンって、
イケメンメーカーなんでしょ?』
『あ・・・それは結婚前の話だよ。今は・・・シン君で手いっぱい。』
『イケメンが作れるなら、≪イケウーメン≫だって作れる筈でしょ?』
『えっ・・・・』
『お願い私を変身させて!』
『待ってユミ・・・私、男の子しかしたことがない。』
『そんなこと言わないで~~~!!チェギョンみたいに可愛くカールした髪がいいのぉ~~~!!』
チョン・ユミはガンヒョンほどではないが、ストレートな黒髪を肩より少し下まで伸ばしている
『仕方がないなぁ。やってみるか。』
久し振りに見るチェギョンの魔法の手により、チョン・ユミの髪にカーラーが巻きつけられていく
それが固定する間にチェギョンはユミの前髪を少し梳いた
このカーラーを取れば、ふんわりゆるやかカールが出来上がる筈・・・
チェギョンはもちろんの事見守っている俺や女官達もそう予感し、なんだか胸がわくわくする思いだった
ところが・・・
『じゃあ取るよ~♪』
カーラーを取るなり≪ちゅるん・・・≫と髪はまっすぐストレートに戻ってしまい、これには皆唖然とした
カールを固定させるためのスタイリング剤も使用しているにも拘らずにだ・・・
『えっ・・・・?』
『あ・・・どうしようユミ。時間が短か過ぎたのかもしれない。』
『ひぃ~~~っ・・・・どんなブサメンもイケメンに変えるチェギョンの手に掛かっても、何も変わらないなんて~!』
いや・・・素材が悪いわけじゃない。むしろいい方だと思う
ただ髪質が超強情だっただけだ
とぼとぼと帰って行ったチョン・ユミ
だがそのユミはとんでもない姿になって、翌日学校に現れたのだった・・・
まだまだ続くチョン・ユミの暴走
サイドストーリーに入っちゃったけど
どうぞお付き合いくださいね❤
もう少ししたらシンチェに戻るから(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
その日学校から戻ると慈慶殿の皇太后様に逢いに行った
皇太后様もやはりユル君が心配なのだろう。三人が揃って御部屋を訪れたことで、皇太后様は大層嬉しそうな
顔をされた
『おや・・・三人揃ってどうしたのだ?』
私はチョン・ユミと本当に遊んだことがあるのかどうか、皇太后様に質問してみる
『あの・・・皇太后様。確か始めて私がこのお部屋に伺った時、幼い頃ユル君と遊んだことがあると
仰ってましたが・・・ひょっとしてその時に、他にも一緒に遊んだ子がいませんでしたか?』
『他にも・・・?う~~ん・・・』
皇太后様は暫く考え込んでいた。私達三人の中にある直感は間違いだったのか・・・ユミは嘘をついたのか・・・
落胆の想いが徐々に胸の中に広がっていった時、皇太后様は目を大きく見開き両手をパチンと打ち鳴らした
『おぉぉ~~~!!そうじゃ・・・忘れておった。チョン家の・・・孫娘だったのぉ・・・なんと言う子だったかのぉ。』
『チョン・ユミですか?』
『おぉそうじゃ!!確かそんな名前だった。お?そういえば・・・ユル宛ての釣書の中に
そんな名前もあった気がするのぉ・・・』
皇太后様は沢山の釣書の中からチョン・ユミの名前を探しだし、私達の前に持って来るとそれを徐に開いた
『おぉーーーっ!!』
開けるなり驚いて一歩退いたのは皇太后様ばかりではない
私達三人はその釣書の中にあるプロフィール写真のインパクトの強さに思わず目と口を大きく見開いた
チョン・ユミはなんと・・・お見合い写真であるにも拘らず、脚を大きく開き手を大きく空に広げ
満面の笑みを浮かべていた
その驚きは次第に笑い声に変わった
『インパクトの強い娘だとは思ったが、まさかこれほどとは・・・くくくっ・・・』
『まったくだ。一体あの子は何を考えているのだろうね。あははは・・・』
『すごすぎる・・・くすくす・・・』
お腹が捩れそうな程笑いがこみ上げた
だけど・・・こんなインパクトの強い子なのに、なぜ印象に残っていないんだろう
同じ事をユル君も不思議に感じたようだ
『ですが皇太后様・・・僕もチェギョンも彼女のことが全く記憶にないのですが・・・』
『チョン・ユミと知り逢う機会でもあったのか?』
『はい。そうなんです。本日僕とチェギョンのクラスに転校して来たんです。』
『おぉそうであったか。ほら・・・私でさえ咄嗟に思い出せないほどだからのぉ。
確かあの子は自己主張することが苦手な子で、おやつを貰うのにもユルとチェギョンの後から
ついて来るような子だった。ユルはチェギョンが気に入って、チェギョンの事ばかり見ていたしな。おほほほほ』
『コホン・・・皇太后様、妃宮は私の妻ですから、その様な事は言わないでください。』
あ・・・シン君がちょっと不貞腐れている
『おぉ~そうだった太子や、すまないのぉ。おほほほほ・・・』
皇太后様はシン君を窘めながら、可笑しくて堪らないと言った表情で微笑んだ
私もユル君も思い出せない昔の話。ユミはその時にユル君に恋をして、そのまま想いを
膨らませてきたという訳?15年もの間逢う事もなかったのに?
『おぉそうだ!!あの子が転んて膝をすりむいたのを、ユルが手当てしてあげたなんて事があったな。』
そっか・・・つまりユミにとってユル君は、白馬に乗った王子様って事ね
ふとシン君が何か疑問に思ったみたい。皇太后様に問い掛けた
『皇太后様・・・ユルに届いた釣書の写真って・・・他の娘も皆、こんな雰囲気の写真なのですか?』
『いや・・・そんなことはない筈だ。見て御覧。』
沢山の釣書の上から数枚を皇太后様は私達に見せた
どの釣書の写真も、ちゃんとした写真館で撮られたと思しき物ばかりで、皆体裁よく微笑んで上品なポーズ
修正だってバンバン入っていると私でも解るほどだ
なのに彼女はなぜ・・・あの写真なのかな・・・私とシン君は頭を悩ませながら東宮に戻った
世間体も王族の娘であるプライドも、何もかもかなぐり捨てたあの写真
一体なぜなんだろう?ユルと婚姻したいと本気で願っていたら、もっと体裁よい写真を撮った筈だ
東宮に戻りながらチェギョンは何か閃いた様に大きな声を上げた
『あ!!そうか~♪』
『なんだ?チェギョン・・・』
『チョン・ユミだけなぜあの写真なのか解ったの♪』
『なんだ?それは・・・』
『理由は簡単だよ。私達と一緒♪』
『俺達と一緒とは?』
『笑わなくなったユル君を笑顔にしたいんだよ。』
『あ・・・そうか!そうだったのか。あの写真だったら笑わずにはいられないものな。』
『でしょ~~♪』
見栄も体裁も関係ない。失意のどん底に居るユルを勇気づけようとしているチャン・ユミ
俺達は本格的に彼女の協力者となって行った
なぜなら・・・俺達もチョン・ユミもユルに幸せになって欲しいと思う気持ちは一緒なんだ
目標が一緒なのだから手を組むのは当然だろう
チョン・ユミは学校では俺達と一緒に食事をするようになり、休みの日などは宮殿に押し掛けてくるようになった
鬱陶しそうにしているユルをチャン・ユミが追い掛けている形だが、実はユルも満更でもない表情をしているのを
俺は気が付いていた
ユルの表情が日に日に明るくなっていく
そんなある日・・・チョン・ユミが慈慶殿の帰りに東宮に立ち寄った
『チェギョン・・・』
珍しく落ち込んだ表情のチョン・ユミは、チェギョンに泣きそうな顔で哀願する
『ど・・・どうしたの?ユミ・・・』
『ユル君がね・・・私の髪型可愛くないって言うの・・・。噂で聞いたんだけどチェギョンって、
イケメンメーカーなんでしょ?』
『あ・・・それは結婚前の話だよ。今は・・・シン君で手いっぱい。』
『イケメンが作れるなら、≪イケウーメン≫だって作れる筈でしょ?』
『えっ・・・・』
『お願い私を変身させて!』
『待ってユミ・・・私、男の子しかしたことがない。』
『そんなこと言わないで~~~!!チェギョンみたいに可愛くカールした髪がいいのぉ~~~!!』
チョン・ユミはガンヒョンほどではないが、ストレートな黒髪を肩より少し下まで伸ばしている
『仕方がないなぁ。やってみるか。』
久し振りに見るチェギョンの魔法の手により、チョン・ユミの髪にカーラーが巻きつけられていく
それが固定する間にチェギョンはユミの前髪を少し梳いた
このカーラーを取れば、ふんわりゆるやかカールが出来上がる筈・・・
チェギョンはもちろんの事見守っている俺や女官達もそう予感し、なんだか胸がわくわくする思いだった
ところが・・・
『じゃあ取るよ~♪』
カーラーを取るなり≪ちゅるん・・・≫と髪はまっすぐストレートに戻ってしまい、これには皆唖然とした
カールを固定させるためのスタイリング剤も使用しているにも拘らずにだ・・・
『えっ・・・・?』
『あ・・・どうしようユミ。時間が短か過ぎたのかもしれない。』
『ひぃ~~~っ・・・・どんなブサメンもイケメンに変えるチェギョンの手に掛かっても、何も変わらないなんて~!』
いや・・・素材が悪いわけじゃない。むしろいい方だと思う
ただ髪質が超強情だっただけだ
とぼとぼと帰って行ったチョン・ユミ
だがそのユミはとんでもない姿になって、翌日学校に現れたのだった・・・
まだまだ続くチョン・ユミの暴走
サイドストーリーに入っちゃったけど
どうぞお付き合いくださいね❤
もう少ししたらシンチェに戻るから(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!