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Channel: ~星の欠片~
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Honey Bee 4

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(ちぇっ・・・女心の解らない鈍感な男!!)

チェギョンがぶりぶり怒りながら教室に戻っていくと、隣の席のガンヒョンは興味津々といった風情で

話しかけてくる

『どうしたのよチェギョン、アンタ随分不機嫌そうね。』
『そうよ~~ガンヒョン。あの男…すごい鈍感なのよ!!』
『へぇ~~どんな風に?』
『あ…いやっ、それはちょっと言えないけどさ…とにかく鈍感な男だよ。
女の子いっぱい侍らせているから、相当女慣れしてるのかと思いきや
逆に女心の解らない奴だったよ。』
『そうなんだ。じゃあハーレム解体なんてあっという間ね。』
『恐らくね・・・』

チェギョンとガンヒョンがひそひそ話しながら含み笑いをした時だった

入口の扉を乱暴に開け鬼の形相のミン・ヒョリンが、教室内を見渡しチェギョンを見つけると

真っすぐチェギョンに向かって歩いてきたのだ

『ねえ、あなた!!』

両手で机を叩きチェギョンを見降ろしたヒョリン

チェギョンは怯むことなくその場に立ち上った

『なんでしょう?ミン・ヒョリンさん・・・』

飄々と言ってのけるチェギョンに、ヒョリンの怒りは爆発したようだ

『あなた…一体何様のつもり?なぜ皇太子ルームに入り浸ってるの?
他の子にも聞いたら、毎日の様にあの部屋に居るそうじゃないの。
一体どういうつもり?あなた…とっても不愉快だわ。』

不愉快と言われてもチェギョンは任務を遂行しているだけである。。。

もちろんそれは皇室親衛隊の女生徒達にとっては、密かにダメ出しされているわけであり

そんなことをまったく知らない親衛隊の女生徒達には、ただ目障りなだけの存在であった

なぜなら・・・シンと二人きりになれる時間を邪魔されているからである

皆・・・シンと個人的に親しくなりたいのである

『何って別に。。。何もしていませんけど?
殿下に仰せ付かってあの場所に同行させられているだけです。』

ミン・ヒョリンは目尻を吊り上げヒステリックに言い放つ

『転入して来たばかりのあなたを、殿下がお傍に置くことがおかしいって言ってるのよ。
その理由をどう説明してくれるの?大体、均整を保って来た親衛隊の中で
抜け駆けしようとしているんじゃないの?』

傍に居る理由・・・それは説明が出来ないチェギョンである

極秘任務の二重スパイなのだから。。。しかも女生徒のダメ出しをしているなんて知ったら、袋叩きにされるのが

オチだろう

だがヒョリンのその均整を保って来たという言葉に、チェギョンはカチンと来たようだ

『均整を保って来た?殿下の恋人だと人目も憚らず言ってのけるあなたが
均整を保つなんて言える?』

気がつくとチェギョンとヒョリンの周りには皇室親衛隊の面々が集まって来ていた

最初は毎日の様にチェギョンが皇太子ルームに呼ばれている事を面白くないと思っていた連中も

チェギョンのその一言で日頃からの不満が爆発したようである

『そうよ!!ヒョリン、あなたは・・・いつも殿下の一番のお気に入りの様に振舞っているけど
私達・・・そんなあなたにいい感情は持っていないわ。』
『『そうよそうよ!!』』

一気に攻撃の矛先がチェギョンからヒョリンに向いたことで、ヒョリンはたじろいだようだ

だが持ち前の勝気さですぐに体制を立て直し、キッとチェギョンを睨みつけた

『問題をすり替えないで!!今はシン・チェギョンに事情を説明して貰おうとやって来たのよ!』

チェギョンは親衛隊の面々の顔を見渡し、飄々と言ってのけた

『私の言うことが信じられないのなら、直接殿下にお伺いを立てたらいかがです?
ついでに・・・そこに居るミン。ヒョリンさんが恋人かどうかの真偽もね♪ふっふっふ~~♪』

チェギョンのその言葉にヒスンが同調した

『そうだ!殿下に直接聞いてみたらいいのよ。そうしよう!!みんな・・・』

一同全員が頷いた

だふがミン。ヒョリンだけは、大勢の人間の前で恥をかかされることは堪ったものじゃないとばかりに

チェギョンを睨みつけると踵を返し教室から出て行ったのである


生徒達が席について静まった時、隣の席のガンヒョンはチェギョンに話しかけた

『ねえねえ・・・今日の放課後、殿下の釈明会見ってわけ?』
『うん、そうなりそうだね~♪』
『アタシも面白そうだから見に行っちゃおうかな。ふふふ・・・』
『?ガンヒョン・・・ひょっとして殿下に興味があるの?』
『ふふふ・・・まさか!ただの興味よ。』

その日・・・授業が終わった後、皇室親衛隊はミン。ヒョリンを除いて全員が皇太子ルームに集まった

その中に一人・・・≪ただの興味本位≫でその場所に現れたガンヒョンは、新米親衛隊員のチェギョンと共に

部屋の隅に立っていた

もちろん全員が集結したわけだから、皇太子ルームは熱気で蒸し返すほどの暑さである

『それで?俺に聞きたいこととは?』

親衛隊員を代表して一人の女生徒が問い掛けた

『殿下は最近、一人一人隊員を呼びだしておりますが…その席に必ずシン・チェギョンさんが
同席しているその理由をお聞かせください。』

シンは何の躊躇いもなくチェギョンにちらと視線を向けると、そのあと全員を見渡し答えた

『シン。チェギョンは置物と一緒だと説明したが?
まぁ・・・納得できないのなら説明しよう。親衛隊一人一人をもっと知ろうと思ってな。
それで先入観のないシン・チェギョンに、転入初日に依頼し毎日同席して貰うことになっただけのことだ。
君達が気に病むほどの存在ではない、置物だ置物!!くくくっ…』
『では殿下、ミン・ヒョリンさんを特別扱いしているという疑惑があるのですが
本当の事を教えてください。』
『ミン・ヒョリン?君たちと何ら変わりはないが?』
『でも彼女の態度は親しげです。それに以前サロンにも入室したことがありますよね?』
『サロン?あぁ…奥の部屋の事か?あの時はちょっと頼みたいことがあって呼んだだけだ。
ここに居る≪置物≫と同じと考えたらいい。』
『そうでしたか。殿下・・・安心いたしました。。』

非常に解りやすい説明に、不機嫌そうな顔をしたのはチェギョンだけだった

親衛隊のメンバーの顔には再び笑顔が戻った

だがそのメンバーの半分が、既に≪愛すべき人失格≫の烙印を押されていることなど

知っているのはシンとチェギョンだけである



教室に戻りながらガンヒョンは笑いを堪えきれない顔でチェギョンに問い掛ける

『ねえチェギョン・・・アンタ≪置物≫って呼ばれてたわよ~~ふふふ』
『そう・・・私はどうせ置物よ。ふんっだ!!』




その後もヒスンやスニョン・・・親しい女の子のダメ出しをするのは少し心が痛みながらも、任務を遂行する

チェギョンである

そしてチェギョンが部屋を出て行く時、シンは必ずチェギョンに問い掛けた

『お前の方が細いのか?』
『当たり前ですっ!!』

毎回の様にチェギョンは答えたのである



そんなある日、隣の席のガンヒョンがとんでもない真実を暴露してきたのである

『チェギョン・・・実を言ってアタシ、アンタに協力したのには理由があるのよ。』
『えっ?理由って?』
『アンタが転入してくる少し前、皇帝陛下付きの内官さんがうちに来られてね。』
『えっ?まさかと思うけど…うちのお父さん?』
『うん。多分そうだと思う。シン内官って名乗っていたから。』
『そっそれで…ガンヒョン…一体どんな話で来た…の?』
『王族会の会議で私が皇太子妃候補に挙がってるって。』
『えっ…そっそうなの?』
『だからアンタに協力して、皇太子のハーレムとやらを壊滅させたかったのよ。
結婚相手になるかもしれない男が、女の子に囲まれてでれでれしているなんて耐えられなかったのよ。』
『そっ・・・そっか~~。だったらガンヒョン、今すぐ皇室親衛隊に入って!』
『えっ?それは嫌だわ。』
『そう言わずに入ってよ!どうせなら…恋愛結婚になった方がいでしょ?』
『そりゃあそうだけど・・・』
『親衛隊に入って殿下の事。もっと詳しく知ったらいいよ。協力する。
殿下は確かに女心の解らない鈍感なやつだけど、それでも優しいところはあるんだよ。』
『ホント?あまり気乗りしないけど・・・チェギョンがそこまで言うなら入ろうかな。』
『うん、そうしなよ!!』

なんとなく運命の糸に操られるように、皇太子殿下イ・シンとイ・ガンヒョンの仲を取り持つ立場と

なってしまったチェギョン

シンは≪愛する人≫を探している≫。。。そんなシンに、今までとは一転ガンヒョンを褒めちぎればいい


内官である父が訪ねて行った以上・・・恐らく二人の間を纏めることも父や皇帝陛下の願いだろう

だけどなぜだろう・・・胸の奥がしくしく痛む

チェギョンがその痛みの理由に気がつくのは、もう少し先の話の様である





『チェギョン…今日はこの女生徒のデータに目を通しておけ。』
『はいっ!』
『今日は家柄もいいし、容姿端麗の女生徒だ。』
『ん~~確かにそうですけど、この人おデブちゃんですよ。』

もうチェギョンの中にイ・ガンヒョン以外褒める相手はいない

『そうか?ぽっちゃりさん体型って言うんじゃないのか?』
『あぁ~~~。。。その言葉に騙されちゃあダメですっ!ぽっちゃりさん…すなわちおデブさん。』
『でも抱き心地は良さそうだ。』
『ちっ…殿下のお隣に並んだ時、この方だとサマになりません。
やっぱりスレンダーじゃないとね♪』
『お前ほど細いウエストの女なんているのか?』
『きっといますとも~~♪どうぞ楽しみにしていてください。』

体型もさることながらガンヒョンならば容姿端麗である

家柄も王族会が認めるだけの申し分の無さだ

置物は置物らしく・・・内官の娘はそれらしい働きをすればいい

チェギョンはガンヒョンの順番が来るまで、ひたすらダメ出しを続けるのであった



≪使用しているラインは海外サイトからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。≫

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ーーーまさかまさかのガンヒョンがお妃候補~~~!!さて、どう進展して行くのかな♪ーーー

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