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Channel: ~星の欠片~
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Honey Bee 1

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180万HIT御礼のお話です★
良かったらお付き合いくださいね~~♪
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その日・・・韓国芸術高校美術科には季節外れの転入生が入って来た

高校三年生という受験真っ只中の時期、こんな時期に態々編入試験を受けてまで入学してくるのは

同系大学への推薦枠狙いか、はたまた相当の変わり者かである

シン・チェギョン18歳・・・そのどちらとも言えない、見た目愛らしい風貌の彼女は、

実は父親からの重大任務を担って編入して来たのであった

父親シン・ナムギルは・・・実は宮廷の内官を務める身分である

その父が言うことによると、現皇太子殿下のイ・シンは婚礼時期が差し迫って来ていると言うのにも拘わらず

さっぱりその気が無く、校内では女生徒達をはべらせまるでハーレム学園を作りあげていると言う

チェギョンに課せられた任務・・・それはイ・シンの教育係だったのである

皇太子殿下の行いを正し、婚姻に気持ちを向けさせる・・・それがチェギョンの任務だったのである


『はじめまして♪ソウル美術大学付属高校から編入してきましたシン・チェギョンといいます。
どうぞよろしくお願いしま~す♪』

自己紹介で臆することなく笑顔を振りまくシン・チェギョンは、すぐにクラスの中に溶け込んだ。。。

そしてそのクラスの皇室親衛隊・・・いわゆるハーレム部隊に接触を試みたのである

『ねえ?この学校って、我が国の皇太子殿下も通われているんでしょう?』
『そうよチェギョン!!ひょっとして・・・殿下にお目にかかりたいの?』
『お目に?えっ?ええまぁ…お目にかかりたいかな♪』
『じゃあ放課後、皇太子ルームに連れて行ってあげる。
アンタ・・・ちょっと可愛いから、殿下が気に入るかもよ~~♪』

いや・・・気に入られたくはないと思うチェギョンである

自分は父の命令で殿下の性根を叩き直しにやって来たのだ。。。

気に入られて・・・ついその気になって、ミイラ取りがミイラになってどうする!



皇室親衛隊のヒスン・スニョンに連れられて、その日の放課後チェギョンは皇太子ルームに出向いた

手慣れた様子でヒスンが皇太子ルームをノックすると、中からはそのターゲットである本人らしき声がする

『どうぞ。』
『殿下~~ニューフェイスですよ~~♪紹介します。我が美術科に編入して来たシン・チェギョンです。
親衛隊に入りたいそうです~~♪』

(ニューフェイス?ここは一体どこなの?怪しいクラブ?)

ヒスンとスニョンに促がされてその部屋に入ったまではいいが、既に部屋のソファーには座りきれないほどの

女生徒達が身を縮めて座っている

(なんかとんでもない任務、引き受けちゃったかも・・・)

満員御礼状態の皇太子ルーム・・・座る場所もない

そのまま立っているのは、何か罰を受けた子供の様な気分で非常に居心地が悪い

踵を返しチェギョンが帰ろうとしたその時、背後で皇太子の声が響いた

『君!!初めて来たんだから、こっちへどうぞ。』
『えっ?』

チェギョンが驚いて振り向くと、皇太子イ・シンはさらに奥まった部屋の扉を開けた

その途端・・・女生徒達からざわめきが起こった

『ちょっと…殿下がサロンの扉を開けたわよ。』
『あの場所に女の子を入れるなんてミン・ヒョリン以来じゃない?』
『いや~~ん!殿下・・・私もそこに行きたいですぅ…』

もちろん聞き取れないほどのざわめきである。。。だが、チェギョンの耳にはしっかり届いていた

(ヤバい!そこってひょっとして、イ・シンの酒池肉林ルーム?ちょっとぉ~~勘弁してよ!!)

とか思っている間に女生徒達に背中を押され、チェギョンは敢無くその部屋に招き入れられ背後で扉が閉まる

(う・・・どうするよ!!あれっ?別に普通の部屋だ。
怪しい部屋じゃない。よかったぁ~~♪)

一体どんな想像をしていたのか、コロコロと表情を変えるチェギョンを見てシンは可笑しそうにソファーを勧めた

『どうぞ。そこに掛けて…シン内官のお嬢さん。』
『へっ?』

驚いてシンの顔を凝視するチェギョンに、シンは口角を上げると微笑んだ

『くくっ…皇太子の情報収集能力を侮って貰っては困るね。どうせ陛下から命令されたシン内官が
君をここに送りこんだんだろう?≪皇太子の乱れた私生活を改めさせろ≫とか何とか言われて。』
『えっ・・・?』
『白状したらどうだ?シン内官のお嬢さんのシン・チェギョン!』
『(バレちゃあしょうがない)そこまで情報収集能力に長けたお方が、なぜこんな事なさってるんです?
私だって遊びでやって来たんじゃないんです!父がそんな立場じゃなかったら、こんな任務引き受けませんよ。
殿下・・・行いを改めたらいかがです?』
『嫌だね・・・』
『へっ?』
『嫌だと言っているんだ。』
『だったらどうするんです?この国の未来は、あなたの肩に掛かってくるんですよ!』

シンは溜息をひとつ吐くと憂いを帯びた瞳でチェギョンを見つめる

『はぁ~…シン・チェギョン、この国を担って行くために、好きでも無い女を宛がわれる
俺の気持ちが解るか?』
『いや…それは大層お気の毒だとは思いますが、それでもそう言う星の下に生まれてしまったんですから
諦めてください!!』
『無理だな。ただでさえ重責を背負う立場だ。隣に置く女くらい自分の自由であってもいいとは思わないか?』
『はぁ…確かに。いやっ!それでもこの国の皇太子妃となるお方は、
やはりきちんとしたお家柄でありませんと。。。』
『はぁ…お前、父親にそっくりだな。その融通の利かないところもそっくりだ。
だがシン・チェギョン・・・俺にお前の素姓がばれてしまった以上、お前は任務を遂行できないよな?』
『っつ・・・(痛いところを突いてくるイヤな奴!)』
『そこでだ!お前には俺の協力者になって貰おうと思う。』
『協力者…とは?』
『つまり…俺が本当の恋愛感情を持った相手と結婚するための、お相手選びの協力者だ。』
『えっ>そんなことできませんっ!』

チェギョンにとっては本末転倒である。。。皇太子を然るべく家柄の女性に興味を持たせるのが

本来のチェギョンの使命なのである

『できない?そうか・・・だったら、皇室警察に連絡をし、お前とシン内官を≪不敬罪≫に処して貰うか?』
『ちょっ・・・ちょっと待ってください!そんなの困ります!!父にだって長年宮に勤めあげたプライドもありますし
何より私の未来は真っ暗です!!』
『くくっ・・・なら、俺の命令に従った方が良さそうだな。よろしくな。シン・チェギョン。』
『かっ…かしこまりました皇太子殿下。』

(つっ…つまりは私に二重スパイになれと?)

シン・チェギョン・・・花も実もある18歳。。。父親からの命により殿下を更生させつつの

さりげなく殿下の選んだ女性にダメ出しをし、殿下の味方をする振りをして善に導く日々が始まるのである

まかり間違ってもミイラにならない様、自分を戒めるチェギョンであった

『では、殿下これで私は失礼します。』

女生徒からサロンと呼ばれる場所を出て行こうとすると、即座にシンに呼びとめられた

『シン・チェギョン!明日から一人ずつ女生徒をここに呼ぶから、お前も品定めに来い!』
『は~い。かしこまりましたっ!』

若干自棄気味なチェギョンではあるが、それは難しい任務ではない

明日からやってくる女生徒一人一人に、すべて難癖をつけお勧めしないと言えばいい。。。

ただそれだけの話である

しかし問題は、父親にもこの一件がばれたとは言えないことにある

父親には逐一報告をせねばならない

(う~~ん…上手く立ち回れるかな・・・)

頭を抱えながらその扉を開けた時、扉の向こうではものすごい形相をした女生徒が一人・・・

まるで聞き耳を立てるかのように立ち尽くしていた

チェギョンがその女生徒を避ける様に身体を移動させると、その女生徒は詰め寄るように

チェギョンの前に立ちはだかった

『あなた・・・誰?』
『今日編入して来たシン・チェギョンといいます。そう言うあなたは?』
『私?私は舞踏科のミン・ヒョリン。皇太子の恋人よ。あなた・・・シンにちょっかい出さないでね。』
『(くすくす・・)は~~~い。』

恋人とは聞いて呆れる。。。皇太子の言い分によると、目の前に居る女生徒も

他の女生徒と寸分違わないのだ

だが、この強気の姿勢が気にかかる

(まぁ…明日から大変そうだ。人の粗探しするのも苦労しそう・・・)

少し憂鬱な気分で、チェギョンはヒスンやスニョンと共に教室に戻っていく

『ねえ~~殿下と何をお話したの?』
『教えなさいよ~~チェギョン!!』

そのサロンと呼ばれる奥の部屋には、足を踏み入れるどころかその部屋の内装さえ知らない二人は

チェギョンを問い詰めた

『お父さんの仕事のこととか・・・』
『えっ?身分調査されたの?』
『いや、そう言うんじゃないと思う。』
『特別な関係になろうとか言われたの?』
『特別な…関係?(まぁある意味、これは特殊な関係だよね。)まさか~~♪くすくす』

チェギョンのあっけらかんとした口調に胸を撫で下ろすヒスンとスニョン・・・

実は親衛隊全員がライバルなのであった

さて・・・この二重スパイ生活の幕は切って落とされた

チェギョンはイ・シンという花に群がる蝶になってしまうのか。。。はたまた毒をもつ蜂であり続けられるのか

次回乞うご期待♪


≪使用しているラインは海外サイトよりお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。≫

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ーーーこのお話とシン・シンと交互に書かせていただきますね~~♪ーーー
でもこのお話が短編ですまなくなったら
ごめんなさ~~い(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

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