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Channel: ~星の欠片~
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孤独な皇子に愛の手を 37

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チョン女官が皇太后の部屋を去った後、チェギョンは慌てて勉強道具を片づけ始めた

『チェギョン・・・まだ今日の宿題が終わっていないだろう?』
『うん。そうなんだけど・・・やはり気になるし、今日のところは部屋に戻るよ。』
『あぁっ?どうせ家に逃げ帰ったとかじゃないのか?お前が気にする事はない。』
『うん。確かに私の気にする事じゃないけど・・・でもやっぱり気になるもん。』

言い出したら聞かないチェギョンの事だ。折角の宿題タイムが呆気なく切り上げられる寂しさを感じながらも

今チェギョンは王族の娘達を指導すると言う名目の元、もう既に自分と一緒に歩いて行く心構えがあるのだと

悟ったシンは苦笑しながらもチェギョンのその気持ちに賛同し、渋々自分も勉強道具を片づけた



女官宿舎に戻っていったチェギョンは、やはりチョン女官と尚宮がク・サラの行方を捜しているのを知り

自分も一緒に探すことにした

『チョンお姉さん・・・お家に帰った可能性はありませんか?』
『それが無いのよ。家には戻っていないそうよ。』
『じゃあ携帯は?連絡してみましたか?』
『電源が切られていたわ。』
『電源が切られている?・・・一体どこに行ったんでしょう。』
『初日からこれじゃあ先が思いやられるわ。』
『本当に困っちゃいます。とにかくお姉さんはもうお休みください。私は部屋が隣なので注意しておきます。』
『でも部屋に戻っても、どうせ眠れないわ。』
『こうしていても疲れが取れません。眠れなくても横になっていてください。』
『わかったわ。チェギョンさん・・・部屋に戻るわね。』
『はい♪』

皇帝陛下にお願いしたものの・・・やはり女官や尚宮のチェギョンの呼び方は以前の様な≪チェギョン≫と

呼び捨てではなく、≪チェギョンさん≫に変化しているが・・・それはきっと仕方のないことなのだろうと受け入れ

チェギョンは自室に戻るとメイド服を普段着に着替え、隣の部屋のク・サラが戻ってくるのをじっと待った



どのくらい時間が経ったのだろう・・・待ちくたびれたチェギョンはベッドに横になり、

ついうとうとと眠ってしまったようだ

だが神経はやはり高ぶったままで、隣の部屋のドアが開く音でチェギョンは目を覚ました

(んっ?何時?)

咄嗟に枕元に置いてある目覚まし時計を凝視する

(さ・・・三時半?)

チェギョンは慌ててベッドから飛び起き、自分の部屋を出て隣室をノックする

<トントン>
『誰?』
『シン・チェギョンです。』

言うなり扉を開けたチェギョンは、ク・サラがおおよそ王族の令嬢とは思えない格好をしている事に驚く

『こんな時間まで何をしていたんです?皆・・・心配していたんですよ!!』
『仕方がないでしょう?ここに来る前から約束があったんだもの・・・』
『それにその格好・・・高校生とは思えません。』
『どんな格好をしようと私の自由でしょ?あなたになんの関係があるの?』
『今は同じ女官見習いです!!』
『煩いわね・・・もう眠いのよ。早く出て行って!!』
『どこに行っていたのか答えていただけなければ出て行きません!!』
『クラブよクラブっ!!これでいいでしょ!!』

そう答えチェギョンを部屋から追い出したク・サラ

チェギョンはドアの外で溜息を吐き、それから自分の部屋に戻る

(ひとまず無事戻った事だし、早く私も寝ようっと。
しかし・・・王族のご令嬢がクラブ通い?世も末だ・・・親の顔が見てみたい・・・
むにゃむにゃ・・・)

怒りの気持ちはあまりの眠さにかき消され、チェギョンは漸く熟睡することが出来た



だが・・・そんなチェギョンの目覚まし時計は無情にもいつもと同じ5時半に鳴り響く

(うおぉ・・・ふわぁぁぁ~~~っ・・・もう朝。眠いけど早く着替えなくちゃ。
女官のお姉さん方も昨日の報告を待っているだろうしね・・・)

着替えて部屋から出て行ったチェギョンを、やはりチョン女官は待ち構えていた

『チョンお姉さん・・・ク・サラさんは昨晩帰って参りました。』
『何時に?』
『えっと・・・』

さすがに即答できないチェギョンである

『チェギョンさん!庇いだてしないのよっ!』
『あ・・・はい。三時半でした。』
『三時・・・半?信じられないっ・・・子供が一体何をしているの?それで?どこに居たんだって?』
『えっ・・・あの・・・それがぁ・・・』

自分の事ではないのだが、やはり正々堂々と言えないチェギョンである

『チェギョンさんっ!!』
『はいぃ~~~っ・・・クラブだそうです。』
『く・・・クラブ~~?未成年がそんなところに出入りしていいと思ってるの?』
『ダメですよね・・・』

なんだか自分が悪い事をした様な気になってくるチェギョン

そんなチェギョンの困惑の表情を目の当たりにし、チョン女官は自分が感情的になってチェギョンに八つ当たり

してしまっている事に気がついた

『あ・・・ごめんね。チェギョンさんが悪いんじゃないの。いけないのはク・サラさんよ。
さぁ~~片っ端からお嬢様方を起こしに行きましょうか。ふふふ・・・』

チョン女官は王族会ご令嬢が、一人も起きていないだろうと見越し・・・意地悪そうに口角を上げ女官見習いの

部屋をノックして歩く

もちろんほとんどがまだ夢の中の住人だったのだが、一人だけ体育会系女子のシム・ウンジュだけは

既に着替えが終わっていた

『あら・・・あなた起きていたの?』
『はい。チョン女官さん、起床は5時半と聞いていましたから・・・』
『『・・・(おぉ~~っ♪)・・・』』

チェギョンもチョン女官も思わず内心≪見込みがある≫とシム・ウンジュに驚き好感を持った

だが・・・見込みがあると言う事は、≪皇太子妃候補としてチェギョンと一騎打ち≫になる可能性もあり

チェギョンはひょっとしたら強力なライバル出現になるかもしれないと、背筋を伸ばし気を引き締めた


続々と身なりを整え廊下に整列するお嬢様方・・・ところがやはりク・サラだけは起きられる筈がない

皇太后付きの尚宮はチョン女官に問い掛けた

『ク・サラさんがいませんね。確か昨晩宮殿から抜け出したのもその方でしたね?』
『はいそうです。』
『どこに行っていたのか確認できましたか?』
『尚宮様・・・大変申し上げにくいのですが、クラブだそうです。』
『クラブ?つまり遊びに行っていたと言う事ですね?』
『はいそうです。』
『ク・サラさんの家に支給連絡をし、すぐに彼女を迎えに来るよう伝えてください。
皇太后様から私は、今回の≪女官見習い≫の進退を一任されています。
ク・サラさんを私の一存で解雇します。』
『かしこまりました。』

残った五人のご令嬢方は、皆目を見合わせライバルが一人減った事を内心喜んでいたのかもしれない


しかし・・・朝のお茶を皇太后に届けるお役目を言いつかったカン・ソヨンは、あろうことか皇太后の腕に

お茶を零してしまうと言う大失態を演じてしまった

それによって皇太后は軽い火傷を負う羽目になり・・・もちろんカン・ソヨンは解雇を申し渡された

宮殿に入ってから一日も経たないうちに、二人の脱落者を出した王族のご令嬢方

残った四人の元へは家から≪気を引き締める様に≫とのお達しがすぐに入ったようだ



『火傷した腕がジンジンして眠れそうにないのぉ・・・』

そんな不満を口にしながら皇太后が寝室へ向かった後、チェギョンは一旦自室に戻り本日はちゃんと

着替えを済ませ私服で皇太后の部屋を訪れた

『今日は・・・着替えて来たのか?』
『うん。いけない?』
『いやいけなくはないが・・・』

シンが自分の前に座るチェギョンの姿を、少し不満そうに見つめた時だった

<トントン>
『えっ・・・誰だろう・・・』
『また誰か居なくなったとか?』

そんな事を二人が言っていた時、扉が開いたと同時に残った王族会のご令嬢方は、

皆夏休みの宿題を手に持って満面の笑みで微笑んでいた

『夜のお勉強会があるなら・・・やはり公平じゃないと・・・』
『失礼いたしま~す♪』
『殿下・・・私達の宿題も教えてください。』
『お邪魔します・・・』

招かざる客が四人・・・二人の憩いの時間の≪宿題タイム≫を邪魔しにやって来たのだ

もちろん邪魔をすると言うより、シンと少しでも近づきたいと言う気持ちが強いのだろう

四人はシンとチェギョンを挟み込む形で、二人ずつソファーに腰掛けた

(だからってメイド服のままここに来るなんて・・・シン君に色仕掛けで迫る気?)

少し膨れっ面になっていくチェギョン・・・向かいのシンは困惑気味だ

チェギョンの左隣に座ったシム・ウンジュだけが・・・チェギョンに向かって小さく≪ごめんね・・・≫と呟いた



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なんともまぁ邪魔が入ったところで
明日からGW期間中・・・
猫記事だの多肉記事だの日記だのの
更新になってしまいます。

そうそう・・・この連休前に
我が家の強力化した風邪ウィルスが
Dさんに憑依しましてね・・・
今日は早く帰って来て
寝込んでおります。
あぁぁ・・・連休がぁ~~~っ・・・・

では❤皆様楽しい連休をお過ごしくださいね♪

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