『チェギョンや・・・今日は陛下と皇后の元を訪れる日ではなかったか?』
チェギョンに肩を預けながら、うっとりした様子でそう呟く皇太后・・・
『はい。そうですが、まだ皇太后様の肩は解れておりません。』
皇太后の肩を揉みながらチェギョンがそう言うと、皇太后は部屋の隅にずらっと並びただ唖然として
その様子を見ているだけの
キム・セナ
チャン・チム
カン・ソヨン
チャ・ジュニ
ク・サラ
シム・ウンジュ
の方向に目を向け、言い放った
『二人ほど娘をここに置いて行ってもらえばよい。孝行な王族の娘達だ。きっと肩揉みなどお手のものだろう。』
『そうですか。承知いたしました。では・・・キム・セナさんとチャン・チムさんは、続きをお願いいたします。
他の方は私について来てください。』
そう言い残りの四人を連れ本殿に向かうチェギョン
その間四人からは矢継ぎ早に質問が投げ掛けられた
『ねえあなた!!』
『シン・チェギョンです。』
『シン・チェギョンさん・・・肩揉みまで女官の仕事なの?』
『さぁどうでしょう。私はただ皇后様が酷い肩凝りに悩まされていたのを解消して差し上げたくて
始めてしまったのですが、皆さん喜んでくださいますよ♪』
『バッカみたい。そんなご機嫌取りするなんて・・・』
『肩揉みで人の心が動くものですか。くすくす・・・ご機嫌取りなどしたつもりはありません。
ただ誠心誠意感謝の気持ちを態度で示しただけです。』
『所詮あなたと私達では覚悟が違うのよ。そんなばかばかしい事やっていられないわ。』
(私と同じ様に公平にと言ったくせに・・・。それに覚悟って何?今は女官見習いよ。
何か勘違いしているみたいね。)
呆れ返りながら皇后の部屋に四人を案内するチェギョン。やはり皇后の部屋には
皇帝陛下もソファーに深く腰掛けチェギョン達が来るのを待っていた
『失礼いたします。陛下・皇后様・・・』
チェギョンがそう言い部屋に入っていくと、他の四人はそれで許可を得たかと思い無言のまま部屋に入っていく
そして早速、皇后の手痛い歓迎を受ける
『そなた達・・・人の部屋に入る時に挨拶をする事も教育されておらぬのか?』
チェギョン以外の女官見習いに向けられた冷たい視線・・・王族ご令嬢方は慌てて頭を下げ挨拶をする
『申し訳ございません。』
『陛下・皇后様失礼いたします。』
その様子を見ていたチェギョンは、普段はとても優しい皇后であるのにこのような威圧感のあるの態度は
初めてだと少し臆したが、機嫌を損ねた皇后の気分を浮上させられるのは自分しかいないと
皇后の背後に回り声を掛けた
『皇后様・・・始めてもよろしいでしょうか?』
『おぉ・・・お願いしよう。ほら・・・そこの者達、ただぼぉっとしてつっ立っているのでは芸がない。
陛下の肩をマッサージして差し上げなさい。』
一瞬ぎょっとした顔つきをする四人・・・しかしその中でシム・ウンジュだけは笑顔で陛下の元へ歩み寄った
『陛下・・・私がマッサージさせていただきます。では失礼いたします。』
陛下の背後に回り肩に手を置き力を込めるシム・ウンジュ
しかしすぐに陛下から苦痛の声が上がった
『っつ・・・痛いっ!!痛いではないかっ!!ただやみくもに力を入れればよいというものではない!!
もう良い!他の者に替わるのだ。』
『もっ・・・申し訳ありません。』
すごすごと引き下がったシム・ウンジュ・・・彼女だけは王族の娘であると言うのに体育会系の部活に所属する
珍しいタイプのご令嬢だった
その後・・・他の三人が代わる代わる陛下の肩揉みに挑戦するも、≪最初のチェギョンの時より酷い!≫という
烙印を押され・・・結局陛下の肩もチェギョンが引き受ける結果となった
皇后の部屋から慈慶殿に戻る最中・・・四人は不平不満を募らせているようだった
『ったく・・・やってらんない。』
『こんな事までしなきゃならないの?これが皇太子妃の仕事?』
(違うって・・・今しているのは女官見習いの仕事だって・・・なんか勘違いがあるんだよね。くすくす・・・)
『力の加減が・・・難しいんだよね・・・』
(おっ・・・この人だけは陛下の肩凝りに立ち向かおうとしてる~♪すっご~~!!!)
力が強すぎると陛下に叱られたシム・ウンジュだけは、なぜかチェギョンには特別な存在に思えた
結局慈慶殿に戻っても置いて行ったキム・セナとチャン・チムはなんの役にも立たず、皇太后の肩を揉み直す
チェギョンなのだった
『あぁ・・・漸く終わったわ。』
其々が自分の部屋に引きあげて行った後、チェギョンは着替える間も惜しみ勉強道具だけ持つと
皇太后の部屋へと向かった
『遅かったな。』
部屋には既にシンがソファーに腰掛け待っていた
『うん。色々時間が掛かっちゃって・・・あっ、こんな格好でごめん。』
『いや・・・』
そう言いながらなんだか嬉しそうな顔をするシン
『初めてチェギョンのメイド服姿を見たな・・・』
『もおっ・・・着替える時間なかったんだもん。』
『いいよ。なかなか似合ってるな・・・』
『そっ・・・そんなにじろじろ見ないでっ///』
『猫耳着けたらもっと可愛いかもな・・・』
『つっ・・・///着けませんっ///』
真っ赤に染まるチェギョンの頬・・・そんなチェギョンを余りからかってはいけないと、シンは話題を変えた
『それで?今日は肩揉みに行ったのか?』
『うん、行ったよ~~♪』
『王族の娘達は役に立ったのか?』
『う~~ん初めてだったみたい。人の肩を揉むなんて・・・結局三陛下フルコースだよ。』
『そうか。それは相当疲れただろうな。』
すくと立ち上がったシン・・・どこに行くのだろうかとシンが移動する方向に視線を泳がすと、シンは自分の背後に
回りこみチェギョンの肩に手を掛けた
『また根を詰めて疲れてしまうと大変だからな・・・』
大して力は入っていないが、チェギョンを癒そうとするシンの手の温もりはしっかりチェギョンの肩に伝わってくる
『皇太子殿下に肩を揉んで貰うなんて・・・きっと私だけだよね。』
『くっ・・・当たり前だ。他の人間にこんなことする訳ないだろう。』
『へへっ♪』
『いつも俺がして貰っていたからな。』
『練習台だけどね・・・』
『でも俺はすごく気分が良かった。お前は?今どんな気分?』
『へへ・・・幸せな気分♪』
照れて肩を竦めるチェギョン。そんな仕草に我慢が出来なくなったシンは身を屈めると
背後からチェギョンを抱きしめた
『これは?』
『ん・・・へへへっ♪』
チェギョンの右頬にシンの唇が触れる。その唇が移動しようとした時だった
<トントン>
『失礼いたします。はっ///』
皇太后の部屋で繰り広げられていた甘い雰囲気に気がついたチョン女官は、慌てて眼を逸らした
『もっ申し訳ございません。チェギョンさんあの・・・ク・サラさんを見掛けませんでしたか?』
慌ててその姿勢を起こし、自分が座っていたソファーに戻ったシンは誤魔化すように足を組む
チェギョンも頬を染めたまま質問に答えた
『ク・サラさんですか?いいえ存じません。どうかしたんですか?』
『どうやら宮殿を抜け出したようです。先程門番のイギサから女性が出て行ったという報告が入り
ご令嬢方の部屋を見て回ったところ、ク・サラさんだけが居ないのです。』
『そうですか・・・』
『チェギョンさんも勉強が終わったら、早めにお部屋にお戻りください。』
『は・・・はいぃ~~~///』
王族会令嬢ク・サラ・・・荷物はそのまま残されているようだ
果たしてこの娘は一体いずこに行ってしまったのだろうか・・・
第一王子の遠距離恋愛中の彼女が(鹿児島)発熱中でね・・・
お見舞い物資を送った人の良い親子なのです。
季節の変わり目・・・皆様も風邪にご用心くださいね。
管理人も早く治したいと思います。
そうそう!!お休みは明後日からになります。
明日は更新いたしますね~~★
多分・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
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