蛍火 2
小さな家の狭い部屋に、先帝と二人布団を並べ眠っていた筈の俺・・・
深夜に目を覚まし、どうしてもトイレに行きたくなって隣の布団の先帝に手を伸ばしてみる
『お爺様・・・陛下?』
ところが隣の布団には誰もいない。。。
しばらくトイレに行きたいのは気のせいだと我慢していたが、状況は緊迫してくるばかりだ
俺は仕方なく、隣の部屋にチェギョンが眠っている事を思い出し仕切りの襖を開けてみる
すると…俺の部屋と同じ様にチェギョンのお爺様もその場所にはいなかった
もう事態は急を要する
俺は眠っているチェギョンの元に駆け寄り、その肩を揺すった
なぜかって?
この家のトイレは家の外にあるんだ。。。こんな夜中に一人で外になど出られるものか!
『チェギョン…チェギョン…』
何度もその肩を揺すってみる。。。昼間しっかり昼寝したと言うのに、このチェギョンの寝つきの良さには呆れる
漸くチェギョンはその眠そうな目をうっすら開けてくれた
『ん~~?なぁに?シン君…』
今にもまた眠りの国に旅立ちそうなチェギョンを、俺は揺すりながら声を掛けた
『トイレに・・・行きたいんだ。』
『え~~~っ?トイレ?外にあるよ・・・・むにゃむにゃ・・・・』
『外になど一人では行けない!ついて…来い。』
『えぇ~~っ?シン君、男の子でしょ?』
『男でも女でも関係ない!ついて来い!』
チェギョンは両手で目を擦りながら漸く上体を起こした
『んもぉ~~仕方ないなぁ…』
そして俺を先導するように階段を下り、玄関で靴を履くとトイレに向かって歩いて行く
空ではまん丸な月が煌々と照らし、明かり一つないその家の庭でチェギョンの影がたなびいた
俺は遅れを取らない様に、必死でそのあとを追いかける
『ほら、ついた♪シン君どうぞ。』
チェギョンはトイレの灯りをつけると、そのドアを開け俺に入るよう促す
『そこで…待っていろ。』
『えっ?やだ~~眠いもん。』
『いいから待っていろ!』
『ふぅ~っ…解ったよ。』
ぷぅ~っと唇を尖らせて不貞腐れながらも、その場にチェギョンが居てくれる事に安堵し俺はトイレに入った
漸く人心地つきそれでもチェギョンがそこに居るか不安になった俺は、何度も声を掛けた
『いるか?』
『いるよっ!』
その声に安堵し扉を開ける
『シン君っ!電気消してっ!』
『チェギョンが消せ!』
『もぉ~~っ!!』
チェギョンがトイレの灯りを落とすと、また月明かりだけの世界が広がる
ふと・・・
何かが俺の視界を横切った・・・
『なんだあれ・・・?』
呟いたと同時に、また反対方向から不規則な光が漂ってくる
『うわっ!!』
俺はその≪いきなり現れた不気味な光≫に驚き、チェギョンのパジャマをぎゅっと握りしめた
『シン君?どうしたの?』
『何か…光っている。お化け…』
相当俺は強張った顔をしていたのだろう。。。チェギョンは俺の視線の方向に顔を向けると、クスリと笑った
『な~~んだ♪くすくす…シン君知らないのかぁ。』
徐にチェギョンは俺の手を握り締め、月明かりだけの暗い夜道を歩き始めた
俺はあまりにも動揺し、足が上手く動かなくてチェギョンの歩くスピードに追い付けず思わず転んだ
『イテッ…』
女の子の前で転ぶなんて恥ずかしい。。。俺はすぐに立ちあがって、なんでもない振りをしたが
その膝小僧はじんじんと痛かった
『あ~シン君、擦り剥いちゃった~~!』
チェギョンは俺の足元に跪くと、指先に唾を付け俺の膝にちょんちょんと塗り、その後自分の髪を縛っていた
ピンクのリボンを外すと俺の膝小僧を縛った
そんなところを縛られたら歩き難い!・・・そう口に出しそうだったが、なぜか俺は胸の真ん中辺りが煩くて
何も口に出すことが出来なかった
『これでよしっ♪』
チェギョンは再び立つと俺の手を握り締め歩き始めた
俺はもう何が何だか分からなくて、つい口に出して問いかけた
『どこに…行くんだ?』
『ん?シン君にいいもの見せてあげる~~♪』
いいもの?もしかしてさっきのお化けの親戚か?
俺はもう転ぶような恥ずかしい真似はできないと、おどおどしながらもチェギョンの後に続いた
どのくらい歩いたのだろうか・・・いや5歳にも満たない子供が一人で行ける場所なのだから
家のすぐ近くだったのに違いない
だがその時の俺には、ものすごく長い時間を歩かされた様な気がした
『シン君ついたよ♪早く座って・・・』
なんのことかよくわからず、チェギョンに習って素直にしゃがみ込んだ俺
問いかけようとチェギョンの方に目を向けると、チェギョンは自分の唇に人差し指を当て≪しーーっ!≫という
仕草をする
鬱蒼と茂る草むらの中だ…こんな所で一体何を?そう思った俺の耳に、さらさらろ流れる水の音が聞こえてくる
小川か?そう思いその草の向こうに目を向けた
その時・・・先程と同じ様にふわふわと移動する光が飛び立っていく
いやそれだけではない。。。数限りないほどの光が、夜空を乱舞する
驚いて息をするのも忘れた俺に、チェギョンは笑いながら教えてくれた
『シン君、あの光はね…蛍って言うんだよ。』
『蛍?』
『うん。お水の綺麗なところに住む虫さんだよ。』
『虫だって?』
『うん、本当だよ。ちょっと待ってて♪』
チェギョンはしゃがみこんだままそろそろと移動すると、草むらの中の葉っぱに手を伸ばしそして両手で
何かを捕まえると俺の元に戻ってくる
チェギョンの何かを握る様な手から、点滅する明かりが漏れる
『捕まえた♪』
『捕まえたって?』
『蛍…見てみる?』
チェギョンがそうっと開けてくれた手の隙間から、その手の中で光る物体を確認する
『本当だ。虫だ、これが蛍か?』
『うんそうだよ。とっても綺麗でしょう?』
『うん。』
二人で顔を近づけその手の中の蛍を見つめては微笑み合う
月の光を反射した小川には、さらに蛍の乱舞が映り込み、その時の俺とチェギョンはまるで異次元の世界に
迷い込んでしまったかのようだった
≪使用しているラインは海外サイトからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。?
深夜に目を覚まし、どうしてもトイレに行きたくなって隣の布団の先帝に手を伸ばしてみる
『お爺様・・・陛下?』
ところが隣の布団には誰もいない。。。
しばらくトイレに行きたいのは気のせいだと我慢していたが、状況は緊迫してくるばかりだ
俺は仕方なく、隣の部屋にチェギョンが眠っている事を思い出し仕切りの襖を開けてみる
すると…俺の部屋と同じ様にチェギョンのお爺様もその場所にはいなかった
もう事態は急を要する
俺は眠っているチェギョンの元に駆け寄り、その肩を揺すった
なぜかって?
この家のトイレは家の外にあるんだ。。。こんな夜中に一人で外になど出られるものか!
『チェギョン…チェギョン…』
何度もその肩を揺すってみる。。。昼間しっかり昼寝したと言うのに、このチェギョンの寝つきの良さには呆れる
漸くチェギョンはその眠そうな目をうっすら開けてくれた
『ん~~?なぁに?シン君…』
今にもまた眠りの国に旅立ちそうなチェギョンを、俺は揺すりながら声を掛けた
『トイレに・・・行きたいんだ。』
『え~~~っ?トイレ?外にあるよ・・・・むにゃむにゃ・・・・』
『外になど一人では行けない!ついて…来い。』
『えぇ~~っ?シン君、男の子でしょ?』
『男でも女でも関係ない!ついて来い!』
チェギョンは両手で目を擦りながら漸く上体を起こした
『んもぉ~~仕方ないなぁ…』
そして俺を先導するように階段を下り、玄関で靴を履くとトイレに向かって歩いて行く
空ではまん丸な月が煌々と照らし、明かり一つないその家の庭でチェギョンの影がたなびいた
俺は遅れを取らない様に、必死でそのあとを追いかける
『ほら、ついた♪シン君どうぞ。』
チェギョンはトイレの灯りをつけると、そのドアを開け俺に入るよう促す
『そこで…待っていろ。』
『えっ?やだ~~眠いもん。』
『いいから待っていろ!』
『ふぅ~っ…解ったよ。』
ぷぅ~っと唇を尖らせて不貞腐れながらも、その場にチェギョンが居てくれる事に安堵し俺はトイレに入った
漸く人心地つきそれでもチェギョンがそこに居るか不安になった俺は、何度も声を掛けた
『いるか?』
『いるよっ!』
その声に安堵し扉を開ける
『シン君っ!電気消してっ!』
『チェギョンが消せ!』
『もぉ~~っ!!』
チェギョンがトイレの灯りを落とすと、また月明かりだけの世界が広がる
ふと・・・
何かが俺の視界を横切った・・・
『なんだあれ・・・?』
呟いたと同時に、また反対方向から不規則な光が漂ってくる
『うわっ!!』
俺はその≪いきなり現れた不気味な光≫に驚き、チェギョンのパジャマをぎゅっと握りしめた
『シン君?どうしたの?』
『何か…光っている。お化け…』
相当俺は強張った顔をしていたのだろう。。。チェギョンは俺の視線の方向に顔を向けると、クスリと笑った
『な~~んだ♪くすくす…シン君知らないのかぁ。』
徐にチェギョンは俺の手を握り締め、月明かりだけの暗い夜道を歩き始めた
俺はあまりにも動揺し、足が上手く動かなくてチェギョンの歩くスピードに追い付けず思わず転んだ
『イテッ…』
女の子の前で転ぶなんて恥ずかしい。。。俺はすぐに立ちあがって、なんでもない振りをしたが
その膝小僧はじんじんと痛かった
『あ~シン君、擦り剥いちゃった~~!』
チェギョンは俺の足元に跪くと、指先に唾を付け俺の膝にちょんちょんと塗り、その後自分の髪を縛っていた
ピンクのリボンを外すと俺の膝小僧を縛った
そんなところを縛られたら歩き難い!・・・そう口に出しそうだったが、なぜか俺は胸の真ん中辺りが煩くて
何も口に出すことが出来なかった
『これでよしっ♪』
チェギョンは再び立つと俺の手を握り締め歩き始めた
俺はもう何が何だか分からなくて、つい口に出して問いかけた
『どこに…行くんだ?』
『ん?シン君にいいもの見せてあげる~~♪』
いいもの?もしかしてさっきのお化けの親戚か?
俺はもう転ぶような恥ずかしい真似はできないと、おどおどしながらもチェギョンの後に続いた
どのくらい歩いたのだろうか・・・いや5歳にも満たない子供が一人で行ける場所なのだから
家のすぐ近くだったのに違いない
だがその時の俺には、ものすごく長い時間を歩かされた様な気がした
『シン君ついたよ♪早く座って・・・』
なんのことかよくわからず、チェギョンに習って素直にしゃがみ込んだ俺
問いかけようとチェギョンの方に目を向けると、チェギョンは自分の唇に人差し指を当て≪しーーっ!≫という
仕草をする
鬱蒼と茂る草むらの中だ…こんな所で一体何を?そう思った俺の耳に、さらさらろ流れる水の音が聞こえてくる
小川か?そう思いその草の向こうに目を向けた
その時・・・先程と同じ様にふわふわと移動する光が飛び立っていく
いやそれだけではない。。。数限りないほどの光が、夜空を乱舞する
驚いて息をするのも忘れた俺に、チェギョンは笑いながら教えてくれた
『シン君、あの光はね…蛍って言うんだよ。』
『蛍?』
『うん。お水の綺麗なところに住む虫さんだよ。』
『虫だって?』
『うん、本当だよ。ちょっと待ってて♪』
チェギョンはしゃがみこんだままそろそろと移動すると、草むらの中の葉っぱに手を伸ばしそして両手で
何かを捕まえると俺の元に戻ってくる
チェギョンの何かを握る様な手から、点滅する明かりが漏れる
『捕まえた♪』
『捕まえたって?』
『蛍…見てみる?』
チェギョンがそうっと開けてくれた手の隙間から、その手の中で光る物体を確認する
『本当だ。虫だ、これが蛍か?』
『うんそうだよ。とっても綺麗でしょう?』
『うん。』
二人で顔を近づけその手の中の蛍を見つめては微笑み合う
月の光を反射した小川には、さらに蛍の乱舞が映り込み、その時の俺とチェギョンはまるで異次元の世界に
迷い込んでしまったかのようだった
≪使用しているラインは海外サイトからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。?
ーーー幼い頃の話は3話くらいまでかな~~♪その後ぶっ飛びます、(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!ーーー
尚・・・明日からD様お休みのため
お盆休みが終わるまでは。ふぅめる通信やマジカル通信など
日常ネタでブログ運営させていただきます★
良かったらお付き合いくださいませ~~★
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