月満ちてチェギョンは男の子を出産した。マアムが生まれた時より、俺は少し冷静に彼女を応援することが
出来たと思う。
第二子には≪ジン≫と名付け、俺達家族は再びイ家に世話になる事となった
マアムも一歳を迎え益々可愛さに磨きが掛かってきた。よちよち歩きをするマアムを母か義母が常について回り
今では週末ともなると義父さえ訪れる始末だ
ジンは逢う人ごとに俺に似ていると賞賛される。その目元や口元、通った鼻筋までそっくりだと口々に言われるが
俺にはそうは思えない。なぜなら俺よりも優しい顔つきだからだ
だが・・・面白くないことが一つある。彼女がジンを抱きかかえると、すぐに頬を寄せることだ
それは・・・『パパにそっくりでしゅね~♪』だったり、『ジンは本当にイケメンでしゅね~♪』だったりするのだが
その分俺に対する愛情が目減りしていないか?
結婚して二年・・・俺にとって彼女は子供の母親である以前に、いつまでも色褪せない一人の女性なんだ
再び彼女のウエストは母のスパルタ矯正を受ける事となり・・・ジンが生後一カ月を迎えた頃
俺は再び同じセリフを持ち出し家族を伴いマンションに戻っていった
その頃には20代女性憧れのブランドデザイナーとなっていたチェギョンは常に忙しく、母と義母は交代で
マンションを訪れてくれていた
もちろん同じマンションに住む友人との付き合いもエンジョイしているようだった
そして親子四人の生活が軌道に乗ってきた頃のことだった
『シン君・・・あのね、相談したい事があるんだけど・・・』
どこかで聞いたセリフ・・・いつかと同じ表情
『嘘だろう?』
俺は二の句が継げなかった。なぜならジンの時のことがあるのだ。用心に用心を重ねた筈だ。なのになぜ・・・
翌日、産婦人科を訪ね医師の『おめでとうございます。妊娠7週目に入っています。』と言う言葉を聞いた時
≪策士策に溺れて両親に白旗を上げる≫図が頭に浮かんできた
その週末イ家を訪れた際に、三度目の妊娠報告をした俺達
母は今までにないほどの微笑みを浮かべ『ポンポンポ~~ンだわ~おほほほほ~~~♪』と高らかに笑った
俺はその高笑いがずっと頭から離れなかった
第三子出産前に実家に戻る事を決めた俺達・・・衣類などを運び終えたリビングで戸締りをしながら
チェギョンが言った
『シン君・・・結局ここの子供部屋、使う事はなかったよね・・・』
確かにそうだ。マアムでさえまだ一人で眠ることなどできない年齢だ。結局俺達は、自分達の寝室に
ベビーベッドを二台置いて過ごしてきた訳だ
『くくっ・・・そうだな。』
『ねえシン君、このマンション売っちゃうの?』
寂しそうな顔でチェギョンが問い掛ける。俺は背中から彼女を抱きしめ、大きくなったお腹を持ち上げだ
『いいや。』
『本当?ここはこのままにしておくのね?』
俺は彼女の肩に顔を載せると、首を伸ばして彼女の唇にキスをひとつ落とす
『あぁ。何れここは俺達の密会場所になるだろうな。くくっ・・・』
『///密会…場所?///』
イ家に入ったら彼女と甘い時間など過ごせないだろう。まだ子供達も幼いし・・・何より甘いムードをぶち壊す
母がいる
やはり彼女と愛し合う場所は・・・必要だろう?
だがその時・・・俺の頭の中に母の声が響いた。≪ポンポンポンのポ~~ン♪お~~ほっほっほ・・・≫
いや・・・違う。そんなことはもう絶対にあり得ない。俺は頭の中に巣くう母の声を否定しようと首を横に振った
『くすくす・・・シン君何してるの?
あ・・・そろそろ行かないと、お義父様お義母様と先に行ったマアムとジンが泣いていると困るし・・・』
『そうだな。じゃあ行こうかチェギョン・・・マアムもジンも待っていると可哀想だ。』
妻と手を繋ぎ俺達は三年近く住んだマンションに鍵を閉めた
あの日・・・見合いの席に現れた彼女。俺は端っから結婚する気などなく断りの言葉を口にした
彼女に対して一目惚れした訳ではない
だが、お願い上手な彼女は見事俺との縁を繋ぎとめ・・・俺の心さえも支配し、今では俺の一番の存在へと
なってしまった
彼女と出逢わなかったら、俺は今でも独身貴族を気取り綺麗な造花に囲まれていたことだろう
恋の花は徐々に花開きそして満開の時を迎えた
時には冷たい雨を受け・・・そして時には恵みの雨に濡れ・・・
そうして実った愛の実は俺達の周りに沢山の幸せを運んでくれる
君と出逢えて…本当に良かったよ。シン・チェギョン・・・俺の溺愛するたった一人の女性
出来たと思う。
第二子には≪ジン≫と名付け、俺達家族は再びイ家に世話になる事となった
マアムも一歳を迎え益々可愛さに磨きが掛かってきた。よちよち歩きをするマアムを母か義母が常について回り
今では週末ともなると義父さえ訪れる始末だ
ジンは逢う人ごとに俺に似ていると賞賛される。その目元や口元、通った鼻筋までそっくりだと口々に言われるが
俺にはそうは思えない。なぜなら俺よりも優しい顔つきだからだ
だが・・・面白くないことが一つある。彼女がジンを抱きかかえると、すぐに頬を寄せることだ
それは・・・『パパにそっくりでしゅね~♪』だったり、『ジンは本当にイケメンでしゅね~♪』だったりするのだが
その分俺に対する愛情が目減りしていないか?
結婚して二年・・・俺にとって彼女は子供の母親である以前に、いつまでも色褪せない一人の女性なんだ
再び彼女のウエストは母のスパルタ矯正を受ける事となり・・・ジンが生後一カ月を迎えた頃
俺は再び同じセリフを持ち出し家族を伴いマンションに戻っていった
その頃には20代女性憧れのブランドデザイナーとなっていたチェギョンは常に忙しく、母と義母は交代で
マンションを訪れてくれていた
もちろん同じマンションに住む友人との付き合いもエンジョイしているようだった
そして親子四人の生活が軌道に乗ってきた頃のことだった
『シン君・・・あのね、相談したい事があるんだけど・・・』
どこかで聞いたセリフ・・・いつかと同じ表情
『嘘だろう?』
俺は二の句が継げなかった。なぜならジンの時のことがあるのだ。用心に用心を重ねた筈だ。なのになぜ・・・
翌日、産婦人科を訪ね医師の『おめでとうございます。妊娠7週目に入っています。』と言う言葉を聞いた時
≪策士策に溺れて両親に白旗を上げる≫図が頭に浮かんできた
その週末イ家を訪れた際に、三度目の妊娠報告をした俺達
母は今までにないほどの微笑みを浮かべ『ポンポンポ~~ンだわ~おほほほほ~~~♪』と高らかに笑った
俺はその高笑いがずっと頭から離れなかった
第三子出産前に実家に戻る事を決めた俺達・・・衣類などを運び終えたリビングで戸締りをしながら
チェギョンが言った
『シン君・・・結局ここの子供部屋、使う事はなかったよね・・・』
確かにそうだ。マアムでさえまだ一人で眠ることなどできない年齢だ。結局俺達は、自分達の寝室に
ベビーベッドを二台置いて過ごしてきた訳だ
『くくっ・・・そうだな。』
『ねえシン君、このマンション売っちゃうの?』
寂しそうな顔でチェギョンが問い掛ける。俺は背中から彼女を抱きしめ、大きくなったお腹を持ち上げだ
『いいや。』
『本当?ここはこのままにしておくのね?』
俺は彼女の肩に顔を載せると、首を伸ばして彼女の唇にキスをひとつ落とす
『あぁ。何れここは俺達の密会場所になるだろうな。くくっ・・・』
『///密会…場所?///』
イ家に入ったら彼女と甘い時間など過ごせないだろう。まだ子供達も幼いし・・・何より甘いムードをぶち壊す
母がいる
やはり彼女と愛し合う場所は・・・必要だろう?
だがその時・・・俺の頭の中に母の声が響いた。≪ポンポンポンのポ~~ン♪お~~ほっほっほ・・・≫
いや・・・違う。そんなことはもう絶対にあり得ない。俺は頭の中に巣くう母の声を否定しようと首を横に振った
『くすくす・・・シン君何してるの?
あ・・・そろそろ行かないと、お義父様お義母様と先に行ったマアムとジンが泣いていると困るし・・・』
『そうだな。じゃあ行こうかチェギョン・・・マアムもジンも待っていると可哀想だ。』
妻と手を繋ぎ俺達は三年近く住んだマンションに鍵を閉めた
あの日・・・見合いの席に現れた彼女。俺は端っから結婚する気などなく断りの言葉を口にした
彼女に対して一目惚れした訳ではない
だが、お願い上手な彼女は見事俺との縁を繋ぎとめ・・・俺の心さえも支配し、今では俺の一番の存在へと
なってしまった
彼女と出逢わなかったら、俺は今でも独身貴族を気取り綺麗な造花に囲まれていたことだろう
恋の花は徐々に花開きそして満開の時を迎えた
時には冷たい雨を受け・・・そして時には恵みの雨に濡れ・・・
そうして実った愛の実は俺達の周りに沢山の幸せを運んでくれる
君と出逢えて…本当に良かったよ。シン・チェギョン・・・俺の溺愛するたった一人の女性
本日の花≪雫を受けたアガパンサス≫
素敵な画像は猫友達のKEIさんからお借りいたしました。
お持ち帰りはご遠慮ください。
四周年記念のお話
≪恋の花咲かせましょ♪≫
楽しんでいただけましたでしょうか。
このお話は・・・いいところのお嬢さんでありながら
崖っぷちに立たされているチェギョンを書かせていただきました。
アラサー世代の独身の皆様・・・
これは決して人ごとではございません。
あなたにも・・・チェギョンとシン君の様な
素敵な出逢いがある事を願い
このお話を書かせていただいた次第です。
アラサー世代の皆様への応援歌だと
思っていただけたら幸いです❤
御礼で思わず長編になってしまいました。
お付き合いくださり本当にありがとうございました。
また今後とも
どうぞよろしくお願い申し上げます。
~星の欠片~管理人 ★ emi ★
素敵な画像は猫友達のKEIさんからお借りいたしました。
お持ち帰りはご遠慮ください。
四周年記念のお話
≪恋の花咲かせましょ♪≫
楽しんでいただけましたでしょうか。
このお話は・・・いいところのお嬢さんでありながら
崖っぷちに立たされているチェギョンを書かせていただきました。
アラサー世代の独身の皆様・・・
これは決して人ごとではございません。
あなたにも・・・チェギョンとシン君の様な
素敵な出逢いがある事を願い
このお話を書かせていただいた次第です。
アラサー世代の皆様への応援歌だと
思っていただけたら幸いです❤
御礼で思わず長編になってしまいました。
お付き合いくださり本当にありがとうございました。
また今後とも
どうぞよろしくお願い申し上げます。
~星の欠片~管理人 ★ emi ★