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Channel: ~星の欠片~
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恋の花咲かせましょ♪ 39

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少し不安になりながら打ち明けた身体の変調。彼は私の不安をすべて払拭する言葉をくれた
 
でも・・・本当にそうなのかどうかわからないのに病院に行こうと言う彼・・・正直産婦人科の敷居は高い

もう少し時間が経ってから・・・そんな私の意見に彼は耳を貸そうともせず、翌日には病院に連れて行かれた

そして医師から告げられた事実は≪妊娠6週目≫

妊娠・・・妊娠したんだ。彼の赤ちゃんが授かったのね・・・

全く実感が湧かないだけに、本当なのか信じられない。苦節30年、デザイナーの夢が叶うと同時に訪れた

私の妊娠に、正直私はこんなにも幸せでいいのかと不安さえ覚えた




お義母様は電話を掛け終えると、まるで踊るような足取りで私の隣に再び腰を下ろし私の手を握り締めた

『良くやったわ。チェギョンさん・・・♪これで第一段階クリアーね。
さて~~お買い物が楽しくなりそうね。お~ほほほほ~~♪
そうよ!チェギョンさん・・・これからお買い物に行きましょう。
好きな物な~~んでも買ってあげる♪ご褒美よ・・・ご・ほ・う・び♪』

お義母様・・・私、ご褒美を頂くようなことしてないんです・・・

それにお買い物が楽しくなる?ひょっとして生まれてくる赤ちゃんの物かしら・・・だとしたら早すぎるわ

まだ形にもなっていない性別も解らない胎児なのに・・・

でもこんなに喜んで貰えるのはすごく嬉しい・・・結婚前からの約束だったものね。

『あ・・あのぉ・・・』

私はなんと返事をしていいのか解らず口ごもった。すると向かいに座る彼が、お義母様を窘める様に言う

『母さん・・・まだ妊娠初期なんだから、あまり連れ回して貰っては困る。』
『えっ?あぁ・・・そうだわ。チェギョンさんは大事な時期だったわね。じゃあ・・・うちでお食事しましょう。
それだったらいいでしょう?キムチの漬かり具合もチェギョンさんに確認して欲しいし。週末はどうかしら?』
『あぁ、まぁそれなら・・・』

渋々と言った口調で彼は承諾をした

『しかし~シン~?まだチェギョンさんのお仕事が忙しいから・・・な~~んて言って置きながら
ちゃっかり作っちゃって~~~ふふふふ♪』

からかう様な笑顔をお義母様はシン君に向ける。シン君はバツが悪そうにチラと一瞬だけ私に視線を向けた

彼が何を言わんとしているのか・・・私はすぐに理解した

大丈夫シン君・・・お義母様に言い付けたりしないから~くすくす・・・

『夫婦ですからそう言う事もあります!!』

妙に強く反論する彼・・・シン君?それじゃあ逆に怪しまれるわ。

お義母様は私の手を更に強く握り締め、私に噛み砕くように言いながら優しい視線を向けた

『とにかくねチェギョンさん、妊娠初期は無理をしちゃあダメよ。重い物を持ってもダメ。
高い場所の物を取ろうとしてもダメ。走ったりなんかしちゃあ絶対にダメよ。
あぁ心配だわぁ・・・・これからデザイナーとしてのデビューイベントがあるんでしょう?』
『はい。もうすぐ新ブランドの発表会があります。』
『私・・・シンに副社長を譲ってから暇なのよね。チェギョンさんのマネージャーになろうかしら。
ほら・・・イベント会場に行く時とか迎えに行ってあげられるし・・・』

お義母様のその気持ちはすごく嬉しかった。でも・・・お義母様をマネージャーになんてできない

『お義母様・・・そんな事までしていただけません~。』
『あら~大事な嫁と孫を守る為ならどんと来いよ!』
『えっ・・・でもぉ・・・・』

困り果てる私。今まで通りシン・アパレルファッションにはバスで行ける。お義母様の手を煩わせるような事は

したくないのだ

だけど・・・シン君の考えは私と違ったみたい

『母さんが時間の合う時はお願いしたらどうだ?バスも揺れたりして危ないし、
俺が来られる時は俺が来るから。』

えっ?なんなの?妊娠がわかった途端この過保護振りは・・・

お義母様はシン君の言葉に更に拍車を掛ける

『そうよぉ~バスで通うなんて危ないわ。急ブレーキで止まった時、転んだりしたらどうするの?』

そんな事は滅多にないと思いますぅ・・・はぁ・・・でも、これがお腹にイ家の子供を宿したってことなのかしら

それ以上断る事も出来ず、私はその好意に甘えることにした

『解りました。お義母様・・・色々お世話になります。』
『いいのよぉ~ポンポンポ~~ンのポンが授かったんですもの、私だって何かお手伝いたいわ♪』

今まで黙って微笑んでいたお義父様が、漸く私に声を掛けてくれた。

しかもお義母様に圧倒されて今まで口を出せなかった、漸く話せると言った雰囲気だ

『チェギョンさん・・・とにかく社会人として仕事を始めた以上、そちらもきちんとこなさねばならないだろう。
疲れた時はちゃんと休んで、体を労わるんだ。いいね。』
『はい!無理をしない様にどちらも頑張ります。』

責任重大だ。私はイ家シン家共に、自分という存在の責任が急に重くなったのを感じた



その日は午後から彼に送られてチャン家を訪れた

正直言って不安なのだ。やはりガンヒョンに逢いたくなった・・・

帰りは彼が迎えに来てくれると言うので、夕方までゆっくりガンヒョンに習って育児の修行でもしよう

途中ユニの大好きなケーキ屋さんに立ち寄り手土産を調達し、それから私はガンヒョンの住むマンション前で

彼の車を降りた

『チェギョン・・・解っているだろうが、無茶はするなよ。』
『うん。解ったわ。』
『ガンヒョンに報告するんだろう?』
『うん♪』
『よろしく伝えてくれ。』
『は~い。』
『じゃあ帰りに迎えに来るから・・・』
『シン君、運転気をつけてね。』
『あぁ・・・』

やはり彼は以前と違う。優しいのは相変わらずだけど、それに輪を掛けた感じがする

そう言えば昨晩、私とコミュニケーションを取ろうとはしなかった

そうか・・・妊娠したかもしれないって思っての事?彼は私がマンションの入り口に入るのを見届けて

会社に戻って行った


<ピンポ~ン♪>
『は~い!!』
『ガンヒョン久し振り~♪』
『よく来たわねチェギョン。さぁ上がって。』
『うん♪』

リビングに誘われながら、私はガンヒョンの後に続き出迎えてくれたユニと手を繋いだ

『ユニ~♪ユニの好きなケーキ買ってきたのよ。一緒に食べましょう~♪』
『あぁ~い。チェギョンお姉ちゃん大好き♪』

私がソファーに腰を下ろすとユニもちょこんと私の膝の上に座ろうとする。いつもしていることだ

だけど今日はガンヒョンがそれを止めた

『ユニ!ダメよ。チェギョンお姉ちゃんのお隣に座りなさい。』
『は~い・・・』

私を慕ってくれるユニの愛情表現なのになぜ止めるの?そう思った時、ガンヒョンから思いがけない言葉を

先に言われてしまった

『チェギョン・・・アンタ、妊娠してるでしょう?』
『えっ?・・・』

なぜわかるの?そんな事まだ一言も言っていないのに、私は不思議そうにガンヒョンの顔を見つめた

『なぜそう思うかって顔ね?アンタのユニに対する目が今までと違うのよ。
今まではただ可愛いって思う羨望の眼差しだったけど、
今日はそうね・・・すごく優しいお母さんの目をしているからよ。
どう?アタシの勘は間違ってる?』
『・・・参ったなぁ。ガンヒョンに隠し事はできないわね。うん。実は今日病院に行って来たの。6週目だって。』
『ふふふ・・・・そうでしょう?良かったわねチェギョン。』

私はユニにケーキの箱を開けて好きな物を選ばせた

お皿に載せたケーキを無心で食べるユニ。幸せそうな笑顔を浮かべるユニを見ていると、こんな可愛い子が

欲しいなって思う。

『でも・・・新婚早々妊娠はおめでたいけど大変ね。アンタデザイナーデビューもするんでしょう?』
『うん。そうなの。もうすぐ新ブランド発足のイベントがあるから、なかなか忙しいわ。』
『そうでしょう?それに・・・モテる旦那を持つと浮気が心配ってところ?』
『えっ?』

なぜわかってしまうんだろう。ガンヒョンには私の考えている事がすべてお見通しみたい

『どうせアンタの事だから結婚まで待たせたんでしょう?ハネムーンでもお預け食らって・・・ふふふ』

あ・・・それは・・・そうだった。ガンヒョンには話したんだっけ。

『うん。まあね・・・』
『それでいきなり出来ちゃったの?それは大変ね~~。ふふふ・・・』

確実にからかわれている。

『うん。実はその辺りちょっと悩んでいるのよ。コミュニケーションを取りたくても・・・
ダメでしょう?どうしたらいい?』
『ぷーーーっ!!全くアンタと来たら・・・』

ガンヒョンは立ち上がると他の部屋に行き、本らしきものを手に持って戻ってきた

『これ・・・アンタにあげる。』
『なにこれ・・・』

手渡された本を私はペラペラとめくり、顔から火の出る想いで音を立ててそれを閉じた

『いっ・・・いらない!こんなの・・・いらないっ!!』
『そう言わずに持って帰りなさいよ。アタシはもういらないから。ふふふふふ・・・それでお勉強でもしたら?』

あうっ・・・困ったな。困るけど何かの役には立つかも・・・私はその本を真っ赤になりながら鞄の中にしまった

今日は打ち合わせだったから大きな鞄を持って来て本当に良かったと、心から思った

その本のタイトルは≪妊娠中の妻の心得≫

こんなの彼に見せられないわっ!!

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本日の花≪ご近所の薔薇≫

ガンヒョンから頂いた本に関しては
皆様のご想像にお任せします。(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

本日は第二王子お誕生日です❤
あれから15年・・・年とりましたぁ・・・

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