『お帰りなさいシン君♪』
いつも通り彼女は玄関まで俺を出迎えに来る。そう・・・いつもとなにも変わらない様子の彼女だ
だが、どこかいつもと違う様な気がしていた。俺の顔を見ては、何か言いたげに口を開き、次の瞬間には
その口をぎゅっと結ぶ
俺が着替えている間も、夕食の為にリビングに入ってからも何か言いたげな様子を見せる
『どうかしたのか?チェギョン・・・』
『え?いや・・・別に・・・』
テーブルの上に温かい食事が並び、二人が向かい合った時・・・彼女は思い切ったように口を開いた
『あのねシン君・・・』
『あぁ・・・』
『結婚式当日・・・私、大失態だったでしょう?』
大失態と言うのは恐らく済州島に向かう機内で怒った不測の出来事を言っているのだろう
『別にあれは失態ではないだろう?』
『うん・・・そうなんだけど・・・あのねシン君。』
『だからなんだ?奥歯に物が挟まったような言い方じゃなく、はっきりと言ったらどうだ?』
『う~~ん・・・・』
躊躇いがちにチェギョンは食事を口に運び、それから顔を俺に向けて一気に話しだす
『結婚式の日から40日でしょう?』
『あぁそうだな。』
『あれきり・・・来ないの。』
『来ない?』
俺の頭の中にその≪身に覚え≫のある日のことが甦る。まさか・・・?そうなのか?
『あ・・・でも、先月が一週間早く来たから、今月は遅れているのかも・・・』
『そんなに君は・・・不規則なのか?』
彼女はまた困った様に俯いた
『ううん・・・いつもきっちりなの。』
『明日病院に行って確認しよう。迎えに来るよ。』
『えっ・・・でも明日は、シン・アパレルファッションで、縫製の上がってきた洋服の最終チェックなの。』
『それはいつ終わる?』
『午前中には・・・』
『だったら終わったら連絡をくれ。通用口付近で待っている。』
『でもシン君・・・一応検査薬で確認してからの方がいいかも・・・明日はやめようよ・・・』
なんとなく及び腰の彼女。俺はそんな状態のまま何日も過ごすのは嫌だった
『いや、検査薬なんかで試すより病院に行った方が早い。明日迎えに行く。』
彼女は恐る恐るという雰囲気を十二分に漂わせ俺に問い掛けた
『もし出来てたら・・・どうするの?』
『どうするって?』
『まだ欲しくないって言ってたでしょう?』
っつ・・・そんな心配をしていたのか?
『君は産みたくないのか?』
『まさかっ!私はお母さんになりたい。ガンヒョンみたいに・・・でもシン君は・・・』
『俺?俺は君と一緒に過ごせる時間が長く欲しかっただけだ。
もし子供が出来ても、君が一緒にいる事には変わりはない。
それに・・・原因は俺だしな。』
『ホント?欲しくない訳じゃないの?』
『あぁ。だから明日病院に行って確認しよう。いいな・・・』
『うん♪』
なんとなくそんな予感はしていた。毎日触れる彼女の様子の変化・・・確かに微妙に違って来ている様な
気がしていた
無意識のうちに俺は、少し加減する様になっていたのかもしれない
まさに俺の蒔いた種だものな・・・
その夜は明日の事を思い、労わり合って眠った。さすがに彼女が妊娠しているかもしれないと思うと、
もっと彼女を大切にしなければと言う想いに満ちる
彼女に対する欲望よりも愛おしむ想いの方が強く、その日彼女を抱く事はしなかった
翌日・・・俺は彼女がシン・アパレルファッション従業員通用口付近に歩いてきた時、停めてある車から降り
彼女に近づいた
『チェギョン!』
『シン君~♪今電話しようと思った所なのに、もう待っていてくれたの?』
『あぁ。』
『すごく待たせたんじゃないの?』
『いや、今来たところだ。』
彼女を助手席に乗せドアを閉めると俺は運転席に回った
時計を見るとまだ午前の診療時間に間に合う。
『まだ間に合いそうだ。病院に向かうぞ。』
『うん。でもどこに行ったらいいのか・・・』
『母が俺を産んだ病院に行こう。』
『シン君の生まれた病院?うん♪』
昨日のおどおどした表情はどこにもなく彼女は満面の笑みを浮かべ頷く
俺は安全運転で母がかかりつけの病院へと車を走らせた
・・・待合室で待っている時間と言うのは実に長い。大きなお腹をした妊婦達からの視線が刺さる
いや、俺は妻の診察に付き合って来ただけだ。不埒な火遊びの後始末に来たのではない
胸を張っていればいい・・・そう思うのだが、やはり実に居心地は悪い
あ・・・彼女が出て来た。なんだか真剣な顔つきだ。まさか・・・何か重大な病気でも見つかったのでは・・・
そんな不安に駆られた時、彼女は真剣な表情を崩し子供の様な笑顔で俺にVサインを送ってよこした
『チェギョン・・・出来ていたのか?』
『ん・・・今、6週目だって・・・えへっ♪』
『そうか・・・』
彼女の笑顔につられ俺も笑顔になる
『じゃあ・・・ミンヒョン産業に行こう。今日は母も出社しているから・・・』
『うんそうだね。報告しなくっちゃね♪』
彼女のお腹に・・・新しい命が宿っている。それはとても神秘的で不思議な出来事だ
外見彼女は結婚した当初と何も変わっていない。だが、その身体の奥底では命を育んでいるのだ
今まで以上に・・・大切にしなければ・・・
両親の元に報告に向かいながら、俺は父親になる決意を心に刻んだ
二人揃ってミンヒョン産業の社長室に出向く
両親は二人で仲良く昼食を摂っている最中だった
『失礼します。』
『シン・・・チェギョンさんも一緒じゃないか。昼食は食べたのかな?』
『いえ、まだですが・・・少しばかり報告が・・・』
『まぁ~なにかしら~♪』
俺は父の隣に、チェギョンは母の隣に腰掛けると、俺はなんだか心臓の鼓動が高鳴るのを感じた
いや・・・結婚したのだから別に悪い事ではない。だがやはりなんだか気恥かしい思いはあった
『チェギョンが・・・妊娠しました。』
『うんまぁ~~~~~♪♪♪』
母は徐に立ち上がると何を思ったか社内電話を持ち電話をかけ始めた
『ユン秘書さん、社長室に大至急≪超特上お祝い弁当≫を二つお願いね。
大至急よ~~おほほほほ~~~~♪』
ソファーに向かって母が戻って来る。母の狂喜乱舞振りが少し怖い俺だった
いつも通り彼女は玄関まで俺を出迎えに来る。そう・・・いつもとなにも変わらない様子の彼女だ
だが、どこかいつもと違う様な気がしていた。俺の顔を見ては、何か言いたげに口を開き、次の瞬間には
その口をぎゅっと結ぶ
俺が着替えている間も、夕食の為にリビングに入ってからも何か言いたげな様子を見せる
『どうかしたのか?チェギョン・・・』
『え?いや・・・別に・・・』
テーブルの上に温かい食事が並び、二人が向かい合った時・・・彼女は思い切ったように口を開いた
『あのねシン君・・・』
『あぁ・・・』
『結婚式当日・・・私、大失態だったでしょう?』
大失態と言うのは恐らく済州島に向かう機内で怒った不測の出来事を言っているのだろう
『別にあれは失態ではないだろう?』
『うん・・・そうなんだけど・・・あのねシン君。』
『だからなんだ?奥歯に物が挟まったような言い方じゃなく、はっきりと言ったらどうだ?』
『う~~ん・・・・』
躊躇いがちにチェギョンは食事を口に運び、それから顔を俺に向けて一気に話しだす
『結婚式の日から40日でしょう?』
『あぁそうだな。』
『あれきり・・・来ないの。』
『来ない?』
俺の頭の中にその≪身に覚え≫のある日のことが甦る。まさか・・・?そうなのか?
『あ・・・でも、先月が一週間早く来たから、今月は遅れているのかも・・・』
『そんなに君は・・・不規則なのか?』
彼女はまた困った様に俯いた
『ううん・・・いつもきっちりなの。』
『明日病院に行って確認しよう。迎えに来るよ。』
『えっ・・・でも明日は、シン・アパレルファッションで、縫製の上がってきた洋服の最終チェックなの。』
『それはいつ終わる?』
『午前中には・・・』
『だったら終わったら連絡をくれ。通用口付近で待っている。』
『でもシン君・・・一応検査薬で確認してからの方がいいかも・・・明日はやめようよ・・・』
なんとなく及び腰の彼女。俺はそんな状態のまま何日も過ごすのは嫌だった
『いや、検査薬なんかで試すより病院に行った方が早い。明日迎えに行く。』
彼女は恐る恐るという雰囲気を十二分に漂わせ俺に問い掛けた
『もし出来てたら・・・どうするの?』
『どうするって?』
『まだ欲しくないって言ってたでしょう?』
っつ・・・そんな心配をしていたのか?
『君は産みたくないのか?』
『まさかっ!私はお母さんになりたい。ガンヒョンみたいに・・・でもシン君は・・・』
『俺?俺は君と一緒に過ごせる時間が長く欲しかっただけだ。
もし子供が出来ても、君が一緒にいる事には変わりはない。
それに・・・原因は俺だしな。』
『ホント?欲しくない訳じゃないの?』
『あぁ。だから明日病院に行って確認しよう。いいな・・・』
『うん♪』
なんとなくそんな予感はしていた。毎日触れる彼女の様子の変化・・・確かに微妙に違って来ている様な
気がしていた
無意識のうちに俺は、少し加減する様になっていたのかもしれない
まさに俺の蒔いた種だものな・・・
その夜は明日の事を思い、労わり合って眠った。さすがに彼女が妊娠しているかもしれないと思うと、
もっと彼女を大切にしなければと言う想いに満ちる
彼女に対する欲望よりも愛おしむ想いの方が強く、その日彼女を抱く事はしなかった
翌日・・・俺は彼女がシン・アパレルファッション従業員通用口付近に歩いてきた時、停めてある車から降り
彼女に近づいた
『チェギョン!』
『シン君~♪今電話しようと思った所なのに、もう待っていてくれたの?』
『あぁ。』
『すごく待たせたんじゃないの?』
『いや、今来たところだ。』
彼女を助手席に乗せドアを閉めると俺は運転席に回った
時計を見るとまだ午前の診療時間に間に合う。
『まだ間に合いそうだ。病院に向かうぞ。』
『うん。でもどこに行ったらいいのか・・・』
『母が俺を産んだ病院に行こう。』
『シン君の生まれた病院?うん♪』
昨日のおどおどした表情はどこにもなく彼女は満面の笑みを浮かべ頷く
俺は安全運転で母がかかりつけの病院へと車を走らせた
・・・待合室で待っている時間と言うのは実に長い。大きなお腹をした妊婦達からの視線が刺さる
いや、俺は妻の診察に付き合って来ただけだ。不埒な火遊びの後始末に来たのではない
胸を張っていればいい・・・そう思うのだが、やはり実に居心地は悪い
あ・・・彼女が出て来た。なんだか真剣な顔つきだ。まさか・・・何か重大な病気でも見つかったのでは・・・
そんな不安に駆られた時、彼女は真剣な表情を崩し子供の様な笑顔で俺にVサインを送ってよこした
『チェギョン・・・出来ていたのか?』
『ん・・・今、6週目だって・・・えへっ♪』
『そうか・・・』
彼女の笑顔につられ俺も笑顔になる
『じゃあ・・・ミンヒョン産業に行こう。今日は母も出社しているから・・・』
『うんそうだね。報告しなくっちゃね♪』
彼女のお腹に・・・新しい命が宿っている。それはとても神秘的で不思議な出来事だ
外見彼女は結婚した当初と何も変わっていない。だが、その身体の奥底では命を育んでいるのだ
今まで以上に・・・大切にしなければ・・・
両親の元に報告に向かいながら、俺は父親になる決意を心に刻んだ
二人揃ってミンヒョン産業の社長室に出向く
両親は二人で仲良く昼食を摂っている最中だった
『失礼します。』
『シン・・・チェギョンさんも一緒じゃないか。昼食は食べたのかな?』
『いえ、まだですが・・・少しばかり報告が・・・』
『まぁ~なにかしら~♪』
俺は父の隣に、チェギョンは母の隣に腰掛けると、俺はなんだか心臓の鼓動が高鳴るのを感じた
いや・・・結婚したのだから別に悪い事ではない。だがやはりなんだか気恥かしい思いはあった
『チェギョンが・・・妊娠しました。』
『うんまぁ~~~~~♪♪♪』
母は徐に立ち上がると何を思ったか社内電話を持ち電話をかけ始めた
『ユン秘書さん、社長室に大至急≪超特上お祝い弁当≫を二つお願いね。
大至急よ~~おほほほほ~~~~♪』
ソファーに向かって母が戻って来る。母の狂喜乱舞振りが少し怖い俺だった
本日の花≪サンサルさんち経由 姫代さんちのサボテン≫
さぁ~次回はミン様の狂喜乱舞振りを
チェギョンに語っていただきましょう♪
このお話40話で終わるの無理そうです。
もうしばらくお付き合いくださいね❤
さぁ~次回はミン様の狂喜乱舞振りを
チェギョンに語っていただきましょう♪
このお話40話で終わるの無理そうです。
もうしばらくお付き合いくださいね❤