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Channel: ~星の欠片~
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恋の花咲かせましょ♪ 15

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『俺の部屋・・・見に来る?』
『えっ・・・?』

唐突に彼から告げられた言葉に、私は即答できず頭の中でめまぐるしく考えていた

別に勿体付ける気はないし・・・彼とは結婚の約束をしているのだから即答してしまえと言う自分と

デザイン画描かなきゃ~~と焦る気持ちの自分と、二つの心に悩まされていた

何よりも・・・彼の生活している空間を見てみたい。その場に立って、彼の事をもっとよく知りたい

その想いの方が強かったように思える

薔薇の香りに酔い・・・彼の笑顔に酔い・・・すべてが彼が望むままでいいとさえ思えた

だけど・・・私の口をついて出た言葉は、自分でも意外なものだった

『うん。ちゃんと家に帰してくれるなら・・・』

ひぇ~~馬鹿馬鹿っ!!なんてムードの無い返事なの?私は自分で自分の口を抓りたい気分に陥った

でも彼は余裕な顔つきで笑って答えた

『くくくっ・・・心配するな。ちゃんと送るから。』

本当?今夜のうちに送るつもり?≪今夜は帰さない≫って・・・言わないの?

半ば拍子抜けの気分で私は彼のマンションに初めて足を踏み入れた



『わぁ~~~♪広いのね。』

その部屋に入るなり、私は彼とのお給料の格差を感じた

『まぁな。どうぞ上がって。』
『うん。』

彼に促がされリビングのソファーに腰掛けた私。彼はキッチンに入りコーヒーを淹れてくれているみたい

コーヒー豆のいい香りですぐに解ったわ。

初めて訪れた彼の部屋・・・言え、男性の部屋?私は好奇心のあまり、こっそりと探検してみたくなった

『シン君、洗面所お借りするわね。』
『あぁ。その扉を出て右のつきあたりだ。』
『うん。ありがとう~♪』

彼の言う通りリビングに続く扉を開け、そのつきあたりの扉を開けると洗面所があった

男性なのに・・・すごく綺麗にしている。ひょっとして・・・通っている女性がいたとか?

一瞬頭の中にそんな思いが過り、私は洗面所のキャビネットを恐る恐る開けた

あ・・・歯ブラシ一本しかない。よかった~~♪

もしも赤やピンクの歯ブラシが、シン君の物であろう歯ブラシと並んでいたらどうしようと思った

それにその場所に入っている化粧品も男性用ばかり

私はほっとして胸を撫で下ろした

別に用事があって来たわけじゃない。あくまでも好奇心だ

私は言い訳程度に洗面所で手を洗い、その場所を出ていった

と・・・言う事は、隣の扉はバスルームね。

一人納得した私は、リビングから出て左側のつきあたりの部屋に気がついた

むくむくと果てしない好奇心は湧き上がり、私はその気持ちを抑えきれず足音を忍ばせその部屋の前に立った

そしてそっとその扉を開けてみる

あ・・・ここベッドルームだ。広い部屋に机とクローゼットルーム・・・それにベッド

書斎兼寝室って感じかな?

ベッド・・・大きい。私はサイズを測る様にベッドに向かって歩いて行く。

そしてそこにちょこんと腰掛けスプリングを押してみる

まだ新しいみたい。これだったら新しいベッド買う必要ないのかな?それともベッドは別々なのかな?

そんな事を考えているうちに、私は一人妄想の世界に入り込み照れてしまい真っ赤に染まっていく

そんな自分がなんだか情けない

『何をしている?』
『ひっ?』

いきなり背後から聞こえてきた彼の声に驚き、私はベッドから転がり落ちた

『あっ・・・あのっ・・・探検してたら道に迷っちゃって・・・』

非常に苦しい言い訳だ

彼は足早に私に近づくと私を起こし再びベッドに座らせた

<ドサリ・・・>

座らされたと思ったのもつかの間、私は彼に組み敷かれ彼と一緒にベッドの上に引っくり返った

・・・さっきまで頭の中で余裕な事を考えていたのに、もう何も考えられないほど頭の中は真っ白だ

『チェギョン・・・俺を刺激するなって言ったよな?』

はい。確かに聞きました・・・

『誘われているのか?』
『ちっ・・・違うわっ・・・私そんなんじゃ・・・』

そんなんじゃないならなぜ、一人暮らしの男性の寝室になど入ったのだろう

恋愛不適合体質のなせるわざなのかもしれない

シン君の顔が・・・間近にある。私は極度に緊張しギュッと目を閉じ黙っていた。

その緊張は彼にも容易く伝わったみたい

『チェギョン・・・そんなに警戒するな。キスさえできない。』
『ごめん・・・なさい・・・』

警戒なんかしていない・・・でも・・・ダメダメな私

恥ずかしい・・・恥ずかしすぎる。自分で掘った穴に首まで埋まった気分だ

私の身体の上に感じた彼の重さは、スッと軽くなり・・・彼は向かい合った状態で胸元に私を抱き締めた

『チェギョン・・・来週、君の家に挨拶に行く。』
『えっ?本当に?じゃあ私も行かなくっちゃ・・・』
『君が来なくてどうする。くくっ・・・。両親も一緒だが、君のマンションに迎えに行こうか?』
『ううん。私は先に行って準備とか手伝ってるわ。』
『そうか。その時に言うつもりだが、君の誕生日よりも前に結婚したいと思ってる。』
『えっ?そんなに早く?もう・・・時間が無いわ。』
『世代が一つ上がる前に結婚した方がいいだろう?』
『あ・・・私を気遣ってくれているの?』
『まあな。くくっ・・・』
『じゃあ・・・家具とか用意しなくちゃ。ここにあと必要な家具ってなあに?』
『新居を用意するよ。もっとセキュリティの万全なところに引っ越そう。』
『じゃ・・・じゃあ・・・ベッドとかも買い替える?』
『あぁ。これじゃあ狭いだろう?』
『狭くない・・・』
『いや絶対に狭い。君は寝相が悪そうだから、もっと大きいのに替えよう。落ちたら大変だ。』

まるで見ていたかのように言うのね・・・確かに私はベッドからよく落ちるわ。

彼と近い将来の事を話しているうちに・・・私はその温もりにすっかり安心しきってしまい

気が付いたら・・・



『ん・・・あれっ?』

うっすらと目を開けると、彼は私の顔を見つめ苦笑していた

『よく眠っていたよ。』
『今・・・何時?』

彼に腕時計を見せられるともう深夜の二時だった

『ごっ・・・ごめんなさい。シン君は眠ってないの?』
『あぁ。君の顔をずっと眺めていた。』

そんなこと言わないで欲しい。ここ寝不足が続いていたのよ。相当間抜け面で眠っていたに違いない

『帰らなきゃ・・・』

そう帰らないといけない。同じ服で出勤なんて事になってしまう。そうしたら昨日の光景を見ていた後輩たちに

何を言われるか・・・

『送っていくよ。』
『ううん。もうこんな時間だものシン君は休んで。私はタクシー拾うから。』
『こんな時間にタクシーは拾えない。』

ベッドから起きあがった私達・・・折角淹れてくれたのにすっかり冷めてしまったコーヒーを一気に飲み干し、

私はシン君に送られてマンションに戻っていった

部屋の前まで送ってくれた時、抱いた花束を潰さない様におやすみのキスをくれた彼だった

いよいよ結婚が近づいてきた♪私の恋は・・・ただいま5分咲き♪


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本日の花≪ナデシコ(地面を覆っているのはセダム)≫

更新が大変遅くなってしまいました~♪
すまぬ❤
しかも天然チェギョンでごめんあそばせ~♪





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