財界の大物が催したパーティーで、彼女の本心を知ることが出来た俺は
内心≪もっと早くそう言ってくれたらよかったのに≫と思うものの、そうできなかった理由は俺にある事に気付く
初対面の日・・・≪結婚する気はない。結婚相手には困らない。纏わりつかれて面倒な事になっては困る。≫と
彼女にかなり手厳しい念押しをし、期間限定で彼女の申し出に応じたのはこの俺だった
そのせいで彼女はいつも≪約束は守る≫と強調していたから、俺はてっきりそれを≪俺に気が無い≫と
思い込んでしまっていたのだ
元々彼女はどこか人と違っている・・・もちろんそれが最大の魅力なのだが、故に彼女の気持ちは分かりにくい
俺は彼女の言葉に嬉しさが隠しきれず、また彼女に先を越された様で悔しさもありプロポーズし直した
『俺と結婚するか?』
彼女は俺の肩に顔を埋め必死に涙を堪えていた。そんな仕草が可愛くて思わずしてしまった額へのキス
みるみる真っ赤に染まる彼女。彼女のドレスの色にも負けないほどの赤さだ
我を忘れ彼女と見つめ合っている時・・・ふとたくさんの視線が俺達二人に注がれている事に気が付いた
はっ!!俺はひょっとして・・・財界後継者ナンバー1のオルチャンと噂される身の上でありながら
とんでもなく恥ずかしい事をしでかしてしまったんじゃないか?
彼女はまだ赤く染まったまま自分の世界に浸っている
この状況から早く抜け出さなければ。。。ふと、目の端に俺の両親の姿が映りこんだ
母などは俺に向かって嬉しそうに手を招いている
『チェギョン・・行こう。』
俺は彼女の腰に腕を回すと、腰を抱いて両親の元に歩いて行く
見ていなくてもチェギョンの横顔が益々赤く染まるのを感じ、免疫のない彼女を相手にしていると
妙に意識してしまう自分を感じた
両親の元まで歩いて行くと、俺の両親の横にはシン社長夫妻と若い男が立っていた
恐らくこの若い男はシン・アパレルファッションの重役で、彼女の弟に当たる人物だろう
俺の両親と同じ様にシン家の三人も満面の笑みだ
俺はひとまずシン社長に向けて会釈をする
『シン社長・・・近々ご挨拶にお伺いいたします。』
シン社長は表情をくしゃくしゃにして今にも泣き出しそうだ
『イ・シン君・・・首を長くして待っているよ。』
彼女は初めて逢った俺の父に頭を下げている
『はじめまして。シン・チェギョンと申します。』
『いやぁ・・・妻から話は聞いていたが、可愛らしいお嬢さんじゃないか。
今度私の在宅時に来てくれたまえ。』
『はい。』
父さん・・・29歳の女性に向かって≪可愛らしい≫は無いだろう?と心の中で毒づきながらも
今日の彼女は格別に可愛らしいのだから父の言葉も仕方がない事だと思う
母はチェギョンの手を握り締めると、目を細め嬉しそうに話しかけている
『ほら~~だから言ったじゃない。ねっ♪案ずるより産むが易しでしょう?おほほほほ~~♪』
チェギョンは頬を染めると母に感謝の気持ちを告げている。
『おば様のおかげです~♪』
一体二人の間に何があったんだ?
まぁそんな事は後で彼女に聞けばいい。ひとまず俺は注目を浴び過ぎてバツの悪いこの会場から
彼女と二人逃げだす事にする
『では・・・私達は話し合いたい事もありますのでこれで失礼いたします。』
両家の両親に会釈すると、俺は彼女をエスコートして会場を出た
会場から一歩外に出るなり、彼女は再び顔を赤く染めると俺を攻め立てる
『人前であんなことするなんて・・・もぉっ・・・』
『あぁ、俺もすぐに失敗したなと思った。だがあの時点・・・君しか見えていなかった。』
『私しか…見えていなかった・・・』
益々染まる彼女の顔・・・
『とにかく行こう。』
『どこへ?』
『ジャージャー麺がいいか?』
『えっ・・・さすがにこの格好でそれは・・・』
『くくっ・・・それなりの場所に行こうか。』
『ええ・・・』
彼女をエスコートし車の助手席に乗せた。それから俺は運転席に座ると、本日の格好にふさわしいレストランへ
彼女を導いた
もちろんパーティーから抜け出した俺達だ。正装とは言えかなり目を引く。特に今日の彼女はいつもと同じ様に
並んで歩いているだけで見せびらかしている気分になるから不思議だ
いや・・・見せびらかそうと思わなくても、自然と人目が集まるだろうな。
落ち着いた佇まいの店内に入っていくと、ボーイが恭しく頭を下げた
『いらっしゃいませ。イ・シン様・・・』
『いつもの席・・・空いていますか?』
『はい。ただ今ご案内いたします。』
ボーイに案内され俺の指定席に向かうと、俺は彼女の椅子を引いた
『ありがとう。』
彼女にこんな事をしたのは初めてだ。
『素敵なお店ね。いつも・・・こんなお店に来ているの?』
『いや、年に数回だ・・・』
初対面の時彼女に、≪結婚相手には困らない≫と言ってしまった俺だ。彼女は誰と来ていたのか
気になるのかもしれない
『結婚相手の候補を連れて来たと勘繰っているのか?』
『えっ?ちっ違うわっ・・・』
その慌てぶり図星なんだな。
『学生時代の友人の誕生日を祝ったり、その程度だ。
言っておくが女性じゃない。』
『そうなの?』
『俺が・・・結婚相手には困らないなんて言ったから、相当遊んでいるように思っていたようだな?』
『ううん。そんな事はないけど・・・元々私の事は眼中になかったでしょう?だからよ。』
『最初はもちろん眼中になかったが・・・知らないうちに君に囚われていた。
不思議と嵌る女性なんだ。君は・・・』
『嵌る?・・・その理由はよくわからないけど、きっとシン君は変わり者なのね。くすくす・・・』
そんな変わり者に彼女が出逢わずにこの年齢まで過ごしたことを感謝したい気分だった
恐らく彼女に嵌ったら抜け出せない。先に彼女を手にした者は、決して手放せなくなるだろう
そしてそんな魅力がある事すら本人は全く気付いていない
『くくっ・・・とにかく食べよう。』
『ええ。』
テーブルに運ばれた料理を口に運ぶ俺達。ほら・・・そんなエレガントな服装の時ですら
彼女の食いっぷりは豪快だ
『美味しい~~♪このサラダのドレッシング、レモンベースだけど・・・何が隠し味なんだろう。
すごく癖になる味~♪』
そう・・・君がそのドレッシングが癖になって作り方を知りたいと思う様に、俺も君のことがもっと知りたいと思う
豪快であっても品が無いわけじゃない。何よりも一緒に食事していて俺まで食欲をそそられる
一緒に食事して楽しい女性・・・生涯の伴侶に選ぶならこれが第一だろう?
そして彼女はジャージャー麺の時と同じように、紙ナプキンで口を拭いながら食事をする
ドレスに合わせて塗られた口紅はものの見事に落ち、本来の彼女の持つ健康的なピンク色の唇が現れる
肉感的で思わず触れたくなる唇・・・
食事の最中だと言うのに俺の胸の鼓動は跳ね上がった
俺は気が付くとそのおしゃべりでよく食べる唇から目が離せなくなっていた
内心≪もっと早くそう言ってくれたらよかったのに≫と思うものの、そうできなかった理由は俺にある事に気付く
初対面の日・・・≪結婚する気はない。結婚相手には困らない。纏わりつかれて面倒な事になっては困る。≫と
彼女にかなり手厳しい念押しをし、期間限定で彼女の申し出に応じたのはこの俺だった
そのせいで彼女はいつも≪約束は守る≫と強調していたから、俺はてっきりそれを≪俺に気が無い≫と
思い込んでしまっていたのだ
元々彼女はどこか人と違っている・・・もちろんそれが最大の魅力なのだが、故に彼女の気持ちは分かりにくい
俺は彼女の言葉に嬉しさが隠しきれず、また彼女に先を越された様で悔しさもありプロポーズし直した
『俺と結婚するか?』
彼女は俺の肩に顔を埋め必死に涙を堪えていた。そんな仕草が可愛くて思わずしてしまった額へのキス
みるみる真っ赤に染まる彼女。彼女のドレスの色にも負けないほどの赤さだ
我を忘れ彼女と見つめ合っている時・・・ふとたくさんの視線が俺達二人に注がれている事に気が付いた
はっ!!俺はひょっとして・・・財界後継者ナンバー1のオルチャンと噂される身の上でありながら
とんでもなく恥ずかしい事をしでかしてしまったんじゃないか?
彼女はまだ赤く染まったまま自分の世界に浸っている
この状況から早く抜け出さなければ。。。ふと、目の端に俺の両親の姿が映りこんだ
母などは俺に向かって嬉しそうに手を招いている
『チェギョン・・行こう。』
俺は彼女の腰に腕を回すと、腰を抱いて両親の元に歩いて行く
見ていなくてもチェギョンの横顔が益々赤く染まるのを感じ、免疫のない彼女を相手にしていると
妙に意識してしまう自分を感じた
両親の元まで歩いて行くと、俺の両親の横にはシン社長夫妻と若い男が立っていた
恐らくこの若い男はシン・アパレルファッションの重役で、彼女の弟に当たる人物だろう
俺の両親と同じ様にシン家の三人も満面の笑みだ
俺はひとまずシン社長に向けて会釈をする
『シン社長・・・近々ご挨拶にお伺いいたします。』
シン社長は表情をくしゃくしゃにして今にも泣き出しそうだ
『イ・シン君・・・首を長くして待っているよ。』
彼女は初めて逢った俺の父に頭を下げている
『はじめまして。シン・チェギョンと申します。』
『いやぁ・・・妻から話は聞いていたが、可愛らしいお嬢さんじゃないか。
今度私の在宅時に来てくれたまえ。』
『はい。』
父さん・・・29歳の女性に向かって≪可愛らしい≫は無いだろう?と心の中で毒づきながらも
今日の彼女は格別に可愛らしいのだから父の言葉も仕方がない事だと思う
母はチェギョンの手を握り締めると、目を細め嬉しそうに話しかけている
『ほら~~だから言ったじゃない。ねっ♪案ずるより産むが易しでしょう?おほほほほ~~♪』
チェギョンは頬を染めると母に感謝の気持ちを告げている。
『おば様のおかげです~♪』
一体二人の間に何があったんだ?
まぁそんな事は後で彼女に聞けばいい。ひとまず俺は注目を浴び過ぎてバツの悪いこの会場から
彼女と二人逃げだす事にする
『では・・・私達は話し合いたい事もありますのでこれで失礼いたします。』
両家の両親に会釈すると、俺は彼女をエスコートして会場を出た
会場から一歩外に出るなり、彼女は再び顔を赤く染めると俺を攻め立てる
『人前であんなことするなんて・・・もぉっ・・・』
『あぁ、俺もすぐに失敗したなと思った。だがあの時点・・・君しか見えていなかった。』
『私しか…見えていなかった・・・』
益々染まる彼女の顔・・・
『とにかく行こう。』
『どこへ?』
『ジャージャー麺がいいか?』
『えっ・・・さすがにこの格好でそれは・・・』
『くくっ・・・それなりの場所に行こうか。』
『ええ・・・』
彼女をエスコートし車の助手席に乗せた。それから俺は運転席に座ると、本日の格好にふさわしいレストランへ
彼女を導いた
もちろんパーティーから抜け出した俺達だ。正装とは言えかなり目を引く。特に今日の彼女はいつもと同じ様に
並んで歩いているだけで見せびらかしている気分になるから不思議だ
いや・・・見せびらかそうと思わなくても、自然と人目が集まるだろうな。
落ち着いた佇まいの店内に入っていくと、ボーイが恭しく頭を下げた
『いらっしゃいませ。イ・シン様・・・』
『いつもの席・・・空いていますか?』
『はい。ただ今ご案内いたします。』
ボーイに案内され俺の指定席に向かうと、俺は彼女の椅子を引いた
『ありがとう。』
彼女にこんな事をしたのは初めてだ。
『素敵なお店ね。いつも・・・こんなお店に来ているの?』
『いや、年に数回だ・・・』
初対面の時彼女に、≪結婚相手には困らない≫と言ってしまった俺だ。彼女は誰と来ていたのか
気になるのかもしれない
『結婚相手の候補を連れて来たと勘繰っているのか?』
『えっ?ちっ違うわっ・・・』
その慌てぶり図星なんだな。
『学生時代の友人の誕生日を祝ったり、その程度だ。
言っておくが女性じゃない。』
『そうなの?』
『俺が・・・結婚相手には困らないなんて言ったから、相当遊んでいるように思っていたようだな?』
『ううん。そんな事はないけど・・・元々私の事は眼中になかったでしょう?だからよ。』
『最初はもちろん眼中になかったが・・・知らないうちに君に囚われていた。
不思議と嵌る女性なんだ。君は・・・』
『嵌る?・・・その理由はよくわからないけど、きっとシン君は変わり者なのね。くすくす・・・』
そんな変わり者に彼女が出逢わずにこの年齢まで過ごしたことを感謝したい気分だった
恐らく彼女に嵌ったら抜け出せない。先に彼女を手にした者は、決して手放せなくなるだろう
そしてそんな魅力がある事すら本人は全く気付いていない
『くくっ・・・とにかく食べよう。』
『ええ。』
テーブルに運ばれた料理を口に運ぶ俺達。ほら・・・そんなエレガントな服装の時ですら
彼女の食いっぷりは豪快だ
『美味しい~~♪このサラダのドレッシング、レモンベースだけど・・・何が隠し味なんだろう。
すごく癖になる味~♪』
そう・・・君がそのドレッシングが癖になって作り方を知りたいと思う様に、俺も君のことがもっと知りたいと思う
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そして彼女はジャージャー麺の時と同じように、紙ナプキンで口を拭いながら食事をする
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俺は気が付くとそのおしゃべりでよく食べる唇から目が離せなくなっていた
本日の花≪イベリス≫だそうな(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
いや~~昨日は朝早起きで
更新しようにも眠くって・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
さて~皆様GWをお楽しみだと思います♪
私もGW体制に入らせていただきます。
5/5までは・・・お話の更新はお休みして
ふぅめる・マジカル多肉通信をお送りいたします。
どうぞよろしく~~❤
いや~~昨日は朝早起きで
更新しようにも眠くって・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
さて~皆様GWをお楽しみだと思います♪
私もGW体制に入らせていただきます。
5/5までは・・・お話の更新はお休みして
ふぅめる・マジカル多肉通信をお送りいたします。
どうぞよろしく~~❤