シン・アパレルファッションのシン社長に拝み倒されて、出向いて行った気乗りしない見合い
幸か不幸か見合い話はうんざりするほど来る俺だ。もちろんまだ結婚する気など全くない俺は
シン・チェギョンという女性と出逢っても、特別な第一印象を受けることは無かった
もちろんその場で話を終わらせるつもりで、彼女からこの話を断ってくれるよう頼んだのだが・・・
逆に数カ月の付き合っている振りを依頼された。親子と言うのは実に変なところまで似るものだな。
まぁ数カ月の事だし害の無さそうな女性だから、お茶を飲むくらいの時間は作れる
そう思って二度・・・お茶だけ付き合った。
あまり深入りされても困る。まだ結婚する気はないものでね・・・
だが、仕事で彼女の会社に出向いた事から、彼女から合コンの話を持ちかけられた
29歳だろう?いつまでそんな子供じみた真似をしているつもりだ?半ば呆れながらも≪お願い上手≫な彼女の
依頼を断る事も出来ず、結構な人数を集め合コン会場に出向いた俺・・・
だからシン・チェギョン、俺は結婚相手も付き合う相手も苦労はしないと言っただろう?
望んでいないのに気が付けば俺の周りは彼女の後輩でいっぱいだ・・・
彼女は?・・・ふと気が付くと彼女の隣に座っていた部下は、他の女性の隣に座っている
俺は部下に問い掛けた
『彼女は?シン・チェギョンさんと話をしていただろう?』
『あ~イ課長、いくら若く見えると言っても、さすがに五歳も年上じゃあ・・・』
なんとなく彼女の行動が見える様な気がして、俺はVIPルームを出るとクラブの出口に向かった
いた!!彼女だ・・・オイオイ、なんだ?その寂しそうな背中は・・・
今まさに出て行こうとする彼女の手首を俺は掴んだ。彼女は驚いて振り返り・・・俺の顔を確認して更に
目を丸くした
『シンさん・・・』
『どういうつもりだ?幹事が一人で逃げるとは卑怯だな。』
『あ・・・後輩にちゃんとお金は渡して来たわ。』
『そう言う事を言っているんじゃない!』
なにを怒っているんだ?俺は・・・別に彼女が帰ろうが帰るまいが彼女の自由だろう?
『いや・・・お局が居ない方が場が盛り上がるから、私はそそくさと撤退よ。それに用事もあるし・・・』
『お局?・・・』
『うん。こう言う場所が似合うのは若い子よ。でもシンさんはきっと盛り上がれるだろうから楽しんで♪
ごめんね・・・お先に。』
やめろ!その隠居の様な口ぶりは・・・俺は彼女の手を離そうとはしなかった
『俺は別に合コンがしたかった訳じゃない。君に頼まれたから人を集めただけだ。それに言っただろう?
結婚相手には困らないって・・・・。』
そう言うなり俺はポケットからスマホを取り出し、部下に連絡を入れた
『俺だ。すまないが急用が出来たから失礼する。支払いはお前が仕切ってくれ。明日俺が清算するよ。』
電話を切った俺は彼女の手を引いて店外に出ると、人で溢れ返る街中を歩き始めた
『用事があるんだろう?送って行くよ。どこまで送ったらいいんだ?』
『えっ?でもシンさんお酒飲んだでしょう?』
『飲んでない。どこへ送ったらいいんだ?』
『えっと・・・見たいテレビドラマがあってうちに・・・』
はぁ?それは用事とは言わないだろう?彼女の返答に半ば呆れながら、俺達は駐車場まで歩き
俺の車に乗り込んだ
あまり助手席に女は乗せない主義だが、まぁ仕方ないだろう
彼女はなんだか落ち着きなく俺の横顔をチラチラと見ている
『君の家って高級住宅街の一角だよな?』
『えっ?あ・・・そこは実家。今住んでいるのはマンションよ。』
『一人暮らししてるのか?』
『うん。』
彼女の告げた住所方面に向かって俺は車を走らせた
『しかし何も食べて来なかったから空腹だ。君は?あ・・・見たいドラマがあるから食事は無理か?』
『えっ?・・・いや録画して来たから大丈夫。』
『それなら急ぐ事もないだろう?食事して行こう。』
『あ・・・うん♪じゃ・・・じゃあさ・・・この近くにジャージャー麺の美味しい店があるの。そこに行かない?
私がご馳走する♪今夜はジャージャー麺を作って食べようと思っていたから、
気分がすっかりジャージャー麺なの。』
はぁ?ジャージャー麺?普通の社長令嬢は・・・≪ジャージャー麺を食べに行こう≫とは言わないよな。
それにだ・・・普通だったら≪ジャージャー麺作るから、家に食べに来ない?≫って誘うもんだろう?
そう言う事が恋愛に発展するきっかけになったりしないか?
俺は漸く気が付いてしまった。彼女は恋の駆け引きとか全くできない不器用なタイプだ
だからこんなにも男慣れしていないんだ。くくっ・・・俺は今まで出逢った事のないタイプの彼女の行動が
面白くて堪らなかった。次にどんな行動を取るのか・・・何を言い出すのか全く予測不能なのだ
彼女に連れられて行った店で、俺達はジャージャー麺とサラダを頼んだ
普通の女の子だったら≪一皿のサラダをあなたと半分こ♪≫・・・なんて言うだろうに・・・
彼女はしっかり一人で食べると言う
同じメニューがテーブルに並んだ時、彼女はスーツを汚さないようにと自分のハンカチを俺に手渡した
『これ・・・胸元を覆った方がいいわ。飛んだら落ちないから・・・』
確かにそうだなと思い俺はそれを受け取ると、自分の首から下げ慎重に食べ始めた
彼女は店の紙ナプキンで俺と同じ様に胸元を覆い、豪快に食べ始めた
『ね?美味しいでしょう?』
『あぁ。とっても美味い。』
口の周りを汚しては、その都度ナプキンで拭い取りまた食べる。上品なのか豪快なのかさっぱり分からないが
実に気持ちのいい食いっぷりだ。
すべて食べ尽くす頃には彼女の口紅はすっかり剥がれ落ち・・・何も塗られていない彼女の唇を見てしまった時
なんだか逆に新鮮で胸が変な音を立てた
普通は・・・そう言うのをセクシーとは言わない筈なのに、俺って変わっているのかもしれない
支払いの段になって財布を取り出した彼女は、俺に哀願するような視線を向けてきた
『し・・・シンさん、あ・・・・あのね・・・・ご馳走するって言ったのに、後輩にお札全部渡しちゃった。
今日のところは・・・・・・・申し訳ないっ!!』
『くくくっ・・・いいよ。高いものじゃないし気にしないで。』
いや・・・その時の彼女の困った顔がまた面白く、俺は彼女と居るとどうしてこんなにも笑ってしまうのだろうかと
自分が不思議だった。
クールビューティーが売りの俺なのにな・・・
彼女をマンションの前まで送り届けた時、彼女はその三階部分を指差した
『あの角部屋が私の部屋なんです♪シンさん・・・今日はどうもありがとう。』
ほらやっぱりな。男に縁がないのはきっとその彼女のキャラクターに問題があるんだ。くくっ・・・
顔だって美人の部類だし、スタイルだって良く見てはいないがいい筈だ。
きっと部屋に戻ってから、彼女は録画してあるドラマを見るんだろうなとか思うと、帰り道もまた
笑いが止まらない俺だった
そして・・それから二日後、仕事で彼女の職場近くまで来た俺は、ついでに彼女の顔でも拝んでやろうと思って、
シン・アパレルファッションの受付を訪れた
生憎彼女はその場にいなくて、先日合コンに居たかもしれない女性が二人座っていた
『こんにちは。シン・チェギョンさんはいらっしゃいますか?』
すると一方の彼女が答えた
『イ・シンさん♪この間はどうも~~♪チェギョン先輩ですか?先輩・・・珍しい事に風邪ひいたみたいで
本日お休みなんです。』
『風邪?そうですか。どうもありがとう。』
なんだろう・・・良く解らないが妙に気になって彼女の電話を鳴らしてみる。
だが何度鳴らしても彼女は出ない。ひょっとして病院にでも行っているのか?
俺は気になって仕方がなく・・・気が付いたら彼女のマンション前まで来ていた
マンションの向かいにあるコンビニで、口当たりのいい物を買いこみ・・・彼女が一昨日指差した三階の角部屋を
目指した
元気だったらこれを渡して帰ればいい。元気だったら・・・
その部屋の前に立つとその部屋には≪シン・チェギョン≫と彼女の名前があった
俺はインターフォンを押す・・・押す・・・しかし何度押しても返答がない
そこでもう一度携帯を鳴らしてみる・・・だが電話に出ない
仕方がない。俺はそのドアノブに買って来たデザートを掛けて帰ろうと思った
ところが・・・鍵が掛かっていなかったらしくそのドアは呆気なく開いた
『チェギョン・・・さん?』
部屋の中を覗くと、驚いた事にすぐ足元に毛布を被った彼女が座りこんでいたのだった・・・
幸か不幸か見合い話はうんざりするほど来る俺だ。もちろんまだ結婚する気など全くない俺は
シン・チェギョンという女性と出逢っても、特別な第一印象を受けることは無かった
もちろんその場で話を終わらせるつもりで、彼女からこの話を断ってくれるよう頼んだのだが・・・
逆に数カ月の付き合っている振りを依頼された。親子と言うのは実に変なところまで似るものだな。
まぁ数カ月の事だし害の無さそうな女性だから、お茶を飲むくらいの時間は作れる
そう思って二度・・・お茶だけ付き合った。
あまり深入りされても困る。まだ結婚する気はないものでね・・・
だが、仕事で彼女の会社に出向いた事から、彼女から合コンの話を持ちかけられた
29歳だろう?いつまでそんな子供じみた真似をしているつもりだ?半ば呆れながらも≪お願い上手≫な彼女の
依頼を断る事も出来ず、結構な人数を集め合コン会場に出向いた俺・・・
だからシン・チェギョン、俺は結婚相手も付き合う相手も苦労はしないと言っただろう?
望んでいないのに気が付けば俺の周りは彼女の後輩でいっぱいだ・・・
彼女は?・・・ふと気が付くと彼女の隣に座っていた部下は、他の女性の隣に座っている
俺は部下に問い掛けた
『彼女は?シン・チェギョンさんと話をしていただろう?』
『あ~イ課長、いくら若く見えると言っても、さすがに五歳も年上じゃあ・・・』
なんとなく彼女の行動が見える様な気がして、俺はVIPルームを出るとクラブの出口に向かった
いた!!彼女だ・・・オイオイ、なんだ?その寂しそうな背中は・・・
今まさに出て行こうとする彼女の手首を俺は掴んだ。彼女は驚いて振り返り・・・俺の顔を確認して更に
目を丸くした
『シンさん・・・』
『どういうつもりだ?幹事が一人で逃げるとは卑怯だな。』
『あ・・・後輩にちゃんとお金は渡して来たわ。』
『そう言う事を言っているんじゃない!』
なにを怒っているんだ?俺は・・・別に彼女が帰ろうが帰るまいが彼女の自由だろう?
『いや・・・お局が居ない方が場が盛り上がるから、私はそそくさと撤退よ。それに用事もあるし・・・』
『お局?・・・』
『うん。こう言う場所が似合うのは若い子よ。でもシンさんはきっと盛り上がれるだろうから楽しんで♪
ごめんね・・・お先に。』
やめろ!その隠居の様な口ぶりは・・・俺は彼女の手を離そうとはしなかった
『俺は別に合コンがしたかった訳じゃない。君に頼まれたから人を集めただけだ。それに言っただろう?
結婚相手には困らないって・・・・。』
そう言うなり俺はポケットからスマホを取り出し、部下に連絡を入れた
『俺だ。すまないが急用が出来たから失礼する。支払いはお前が仕切ってくれ。明日俺が清算するよ。』
電話を切った俺は彼女の手を引いて店外に出ると、人で溢れ返る街中を歩き始めた
『用事があるんだろう?送って行くよ。どこまで送ったらいいんだ?』
『えっ?でもシンさんお酒飲んだでしょう?』
『飲んでない。どこへ送ったらいいんだ?』
『えっと・・・見たいテレビドラマがあってうちに・・・』
はぁ?それは用事とは言わないだろう?彼女の返答に半ば呆れながら、俺達は駐車場まで歩き
俺の車に乗り込んだ
あまり助手席に女は乗せない主義だが、まぁ仕方ないだろう
彼女はなんだか落ち着きなく俺の横顔をチラチラと見ている
『君の家って高級住宅街の一角だよな?』
『えっ?あ・・・そこは実家。今住んでいるのはマンションよ。』
『一人暮らししてるのか?』
『うん。』
彼女の告げた住所方面に向かって俺は車を走らせた
『しかし何も食べて来なかったから空腹だ。君は?あ・・・見たいドラマがあるから食事は無理か?』
『えっ?・・・いや録画して来たから大丈夫。』
『それなら急ぐ事もないだろう?食事して行こう。』
『あ・・・うん♪じゃ・・・じゃあさ・・・この近くにジャージャー麺の美味しい店があるの。そこに行かない?
私がご馳走する♪今夜はジャージャー麺を作って食べようと思っていたから、
気分がすっかりジャージャー麺なの。』
はぁ?ジャージャー麺?普通の社長令嬢は・・・≪ジャージャー麺を食べに行こう≫とは言わないよな。
それにだ・・・普通だったら≪ジャージャー麺作るから、家に食べに来ない?≫って誘うもんだろう?
そう言う事が恋愛に発展するきっかけになったりしないか?
俺は漸く気が付いてしまった。彼女は恋の駆け引きとか全くできない不器用なタイプだ
だからこんなにも男慣れしていないんだ。くくっ・・・俺は今まで出逢った事のないタイプの彼女の行動が
面白くて堪らなかった。次にどんな行動を取るのか・・・何を言い出すのか全く予測不能なのだ
彼女に連れられて行った店で、俺達はジャージャー麺とサラダを頼んだ
普通の女の子だったら≪一皿のサラダをあなたと半分こ♪≫・・・なんて言うだろうに・・・
彼女はしっかり一人で食べると言う
同じメニューがテーブルに並んだ時、彼女はスーツを汚さないようにと自分のハンカチを俺に手渡した
『これ・・・胸元を覆った方がいいわ。飛んだら落ちないから・・・』
確かにそうだなと思い俺はそれを受け取ると、自分の首から下げ慎重に食べ始めた
彼女は店の紙ナプキンで俺と同じ様に胸元を覆い、豪快に食べ始めた
『ね?美味しいでしょう?』
『あぁ。とっても美味い。』
口の周りを汚しては、その都度ナプキンで拭い取りまた食べる。上品なのか豪快なのかさっぱり分からないが
実に気持ちのいい食いっぷりだ。
すべて食べ尽くす頃には彼女の口紅はすっかり剥がれ落ち・・・何も塗られていない彼女の唇を見てしまった時
なんだか逆に新鮮で胸が変な音を立てた
普通は・・・そう言うのをセクシーとは言わない筈なのに、俺って変わっているのかもしれない
支払いの段になって財布を取り出した彼女は、俺に哀願するような視線を向けてきた
『し・・・シンさん、あ・・・・あのね・・・・ご馳走するって言ったのに、後輩にお札全部渡しちゃった。
今日のところは・・・・・・・申し訳ないっ!!』
『くくくっ・・・いいよ。高いものじゃないし気にしないで。』
いや・・・その時の彼女の困った顔がまた面白く、俺は彼女と居るとどうしてこんなにも笑ってしまうのだろうかと
自分が不思議だった。
クールビューティーが売りの俺なのにな・・・
彼女をマンションの前まで送り届けた時、彼女はその三階部分を指差した
『あの角部屋が私の部屋なんです♪シンさん・・・今日はどうもありがとう。』
ほらやっぱりな。男に縁がないのはきっとその彼女のキャラクターに問題があるんだ。くくっ・・・
顔だって美人の部類だし、スタイルだって良く見てはいないがいい筈だ。
きっと部屋に戻ってから、彼女は録画してあるドラマを見るんだろうなとか思うと、帰り道もまた
笑いが止まらない俺だった
そして・・それから二日後、仕事で彼女の職場近くまで来た俺は、ついでに彼女の顔でも拝んでやろうと思って、
シン・アパレルファッションの受付を訪れた
生憎彼女はその場にいなくて、先日合コンに居たかもしれない女性が二人座っていた
『こんにちは。シン・チェギョンさんはいらっしゃいますか?』
すると一方の彼女が答えた
『イ・シンさん♪この間はどうも~~♪チェギョン先輩ですか?先輩・・・珍しい事に風邪ひいたみたいで
本日お休みなんです。』
『風邪?そうですか。どうもありがとう。』
なんだろう・・・良く解らないが妙に気になって彼女の電話を鳴らしてみる。
だが何度鳴らしても彼女は出ない。ひょっとして病院にでも行っているのか?
俺は気になって仕方がなく・・・気が付いたら彼女のマンション前まで来ていた
マンションの向かいにあるコンビニで、口当たりのいい物を買いこみ・・・彼女が一昨日指差した三階の角部屋を
目指した
元気だったらこれを渡して帰ればいい。元気だったら・・・
その部屋の前に立つとその部屋には≪シン・チェギョン≫と彼女の名前があった
俺はインターフォンを押す・・・押す・・・しかし何度押しても返答がない
そこでもう一度携帯を鳴らしてみる・・・だが電話に出ない
仕方がない。俺はそのドアノブに買って来たデザートを掛けて帰ろうと思った
ところが・・・鍵が掛かっていなかったらしくそのドアは呆気なく開いた
『チェギョン・・・さん?』
部屋の中を覗くと、驚いた事にすぐ足元に毛布を被った彼女が座りこんでいたのだった・・・
本日の花『源平桃』
まったく・・・もうちょっと引っ張りたかったのに
なんでうちのシン君はクールに徹しきれないのかしら・・・
や~~ね~~!!
土日はお話の更新はお休みさせていただきますね。
ふぅめる通信・多肉通信は日曜日に❤
明日はカルトクイズの粗品発送に勤しみます♪
まったく・・・もうちょっと引っ張りたかったのに
なんでうちのシン君はクールに徹しきれないのかしら・・・
や~~ね~~!!
土日はお話の更新はお休みさせていただきますね。
ふぅめる通信・多肉通信は日曜日に❤
明日はカルトクイズの粗品発送に勤しみます♪