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Channel: ~星の欠片~
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パウダースノーの降る夜に 27

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大学に通いながら妊婦の為かなりの免除はあるが、公務をこなすガンヒョンとヒョリンは日に日に大きくなる

お腹を抱える様にして宮中を歩き回った

二人が安産の為にと宮中を散歩する際は、心配そうにチェギョンも付き添っていた

そしてまだ暑さの残る9月・・・ガンヒョンは母親となり、後を追う様に10月・・・ヒョリンも母親となった

生まれてきた御子は二人共女児で、ガンヒョンの子は≪ガンジュ≫ヒョリンの子は≪ヒョリ≫と名付けられた

そんな二人の元姉妹の出産を目の当たりにしながらも、チェギョンにはまだその≪タイミング≫が訪れずにいた

だがチェギョンは落ち込むでもなく、手の空いた時には中宮殿と北宮殿を訪れ子守りを引き受けたりもしていた

そうやって生まれたばかりの赤ちゃんに親しむことで、未来の自分の糧にしようとしていたのである



ヒョリンはと言うと産後一カ月もするとレッスンを再開し、妊娠中になまった体を矯正し始めた

しかし熱が入るとレッスン室に連れてきた我が子さえ忘れてしまうほどで、その度にチェギョンはベビーカーに

≪ヒョリ≫を乗せ散歩させるようになった

その様子は皇帝陛下や皇后陛下の耳にも入るところとなり、ギョン皇子とイン皇子は陛下に呼び出されると

皇太子夫妻に懐妊の知らせが入るまでは、第二子の懐妊を控えるよう固く申し渡された

それは・・・ただでさえプレッシャーの多い皇太子夫妻への気配りであり、また未婚の二皇子への配慮でもあった

そして東宮に仕える者たちも皇太子夫妻が気分を害さないようにと、必要以上に話題などに気を配っていた

そのような気遣いとは、当の本人達を時には残酷に追い詰めてしまうものである




季節が初冬になったある夜・・・チェギョンは上着も羽織らずに東宮に続く庭を眺めていた

執務室で決裁書類に目を通し終えたシンは、窓の外にぼんやり佇んでいるチェギョンに気が付き

執務室を出るとチェギョンの元へと向かった

シンシンと冷え込む夜だった。なのに彼女は薄着のままそんな場所にただじっと立ち尽くしている

シンは自分の着ていた上着を脱ぎ、静かにチェギョンに近づくとその小さな肩に上着を掛けた

『寒いのにこんな薄着で・・・何か考えごとか?』
『えっ・・・?シン君♪』

肩から背中に掛けて伝わってくるシンの温もり・・・チェギョンはそのまま振り向くとシンの顔を見上げた

『うん。ちょっと考え事してた。』
『なにを考えていたんだ?こんな寒いところで…しかもこんなに薄着で。』
『うん・・・あのね、このままじゃあ・・・私、離縁されちゃうかなって。』
『離縁?・・・馬鹿だな。そんなこと考えていたのか。』
『うん。考えても仕方のない事なのにね・・・』
『離縁なんかする筈ないだろう?お前が俺を選んだんだから。くくっ・・・』
『うん・・・』
『寒いから部屋に戻ろう。』
『うん・・・』

シンはその冷え切ったチェギョンの手を握り締めると、自分の頬に押し当てた

『こんなに冷たい手をして・・・早く温まろう。』
『温まろう?・・・』
『あぁ温めてやる。』
『///うん///』

そのようにチェギョンの不安も葛藤も包み込んできたシンだった

一日も早く二人のタイミングが来るといいなと願いながら・・・




そしてその年の暮れ・・・チェギョンのHPを覗いた宮中の面々は色めきだった

≪遅れているみたい・・・≫

ヒロインのそんな心の呟きが、漫画の中に書かれていたのである

これには皇太后・皇后・・・元姉妹達はもとより、女官達も一斉に東宮に駆けつけた

そして・・・チェギョンの意見も聞かず、強引に侍医の診察を受けさせたのである

確かチェギョンはHPに書いた漫画をフィクションだと明言しているのだが・・・その診察の結果

見事懐妊が発覚したのである

いつにない騒がしさを見せる宮中。それは東宮ばかりでなく・・・現在主が留学中の西宮殿の女官達さえも

大騒ぎだった

一方とうのチェギョンは、願望的に描いてしまった漫画が現実のこととなり・・・

なんだかまだ夢の中にいる様な気分でいた

正確にはまだ遅れている自覚もない頃だったのである

二人はその夜手を握り合い喜んだ。

二人と共に喜ぶように、天からも初雪が静かに舞い降りた

そして・・・そんな喜びの時間もつかの間の事で、チェギョンには他の元姉妹には訪れなかった悪阻に

悩まされるようになって行ったのである

『チェギョン・・・起きられるか?』

大学にも行けない状態になったチェギョンを、シンは日に何度も見舞った

『ごめん・・・ちょっと起きられそうに・・・ないよ。』
『いいよ。寝てな。』

大きな重圧の中で漸く授かった命

シンはそんな大変な想いをしてまで体内の奥でチェギョンが命を育んでいる事に感動を覚え、

チェギョンが静かに眠りにつくまでそっとチェギョンの髪を梳いた

心配になり侍医や皇后に今のチェギョンの状態を相談してみたが、≪時間が解決する≫としか

教えては貰えなかった

その期間中は何度も点滴を受け、栄養を強制的に補給したチェギョンである。

そしてそんな状態から徐々に抜けだした頃・・・高校を卒業したギョン皇子とガンヒョンに

第二子が授かったとの知らせが宮中を駆け巡った

食事を普通に摂れる様になったチェギョンは、春の暖かい日差しを浴びながらシンと共に

散歩を楽しむようになった

『チェギョン・・・あまり無理はするな。疲れたら部屋に戻ろうな。』
『ううん大丈夫だよ♪お日様が気持ちいいね~~♪』
『そうだな。あぁそうだ・・・体調も良くなって、また・・・描いているんだろう?』
『えっ?うん・・・まぁね。』
『もう自分でも解っているだろうが・・・お前の漫画は皆が注目している。
だからその・・・妊娠中の事とか・・・夫婦の事は描くなよ。解ったな?』
『えっ・・・・もう描いちゃった・・・えへへ~~♪』
『えへへじゃないーーーー!!』

シンはチェギョンの描く漫画に相変わらず悩まされているようであり、また今後のチェギョンの描く漫画は

子育て日記になりそうであった


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このお話は30話で完結させていただくために
お話ぶっ飛ばしますが
どうぞよろしく~~♪

あと・・・俺様も更新しておりますので
良かったらどうぞ❤




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