新婚旅行から帰ってきたと同時に妊娠が発覚したチェギョン
イ家の中には過保護な人間で溢れかえっていた
シンは仕事に行ってしまうのでその間は干渉されずに済むが、姑のミンは常にチェギョンの動向に目を光らせ
絵筆を握っているとストップウォッチを片手に、時間を区切って休憩させるほどだった
しかしこれでは画家としての創作活動に支障をきたす
ひとまずチェギョンは安定期に入るまでは、ミンお言うことを聞き仕事をセーブすることにした
妊娠発覚からひと月ほど経った頃・・・ミンはチェギョンの代わりにギャラリーに顔を出すようになっていた
『チェギョンは安定期に入るまではダメよ。』
お腹に大事な孫を身籠ったチェギョンが大勢の人と接することを、ミンは相当恐れているらしい
『はい。』
最初の出逢いが主従関係であっただけに、ミンに逆らえるチェギョンではない
だが・・・ミンがイ財閥一階に作られたギャラリーに出かけてしまうと、チェギョンはコソコソと部屋から出ていき
メイド頭のチェに言ってみる
『チェお姉さん・・・あのっ・・・何かすることはありませんか?お庭の掃き掃除とか、何でもします。』
『若奥様・・・』
『チェお姉さん…そんな呼び方は・・・』
『いいえ、今はもう立派にイ家の若奥様でいらっしゃいますから。何かすることですか?
いくらでもございます。
ですが・・・奥様から若奥様様を≪しっかり見張っておくように≫と命じられておりますので・・・』
『チェお姉さん・・・私、お義母様からいつも美味しい物ばかり食べさせていただいているので、
いくら妊娠初期といっても、このままではフォアグラになってしまいます。
お願いです。内か冴えてください!』
チェギョンの困惑した顔に、チェは思わず笑みを浮かべた
『ふふふ…確かにそうですね。じっとしてばかりなのも決していいとは言えません。
では少しだけお庭の掃き掃除をお任せいたします。』
『本当ですか?』
『はい。ですが・・・寒くない格好で無理をなさらないとお約束してくださったらの話ですが・・・』
『あ・・・わかりました。寒くないようにしてきます。それに絶対に無理はしませんから~♪』
上着を羽織って嬉々として庭に出て行ったチェギョン
メイドのチョンはチェに心配そうに話し掛けた
『チェさん・・・若奥様に掃き掃除などさせていいのですか?奥様に知られたらどんなに叱られるか・・・』
『奥様がお帰りになる前には、若奥様の事だから終わらせてしまうでしょう。
若奥様もあまり過保護にされると却ってストレスが溜まりますから。』
『そうなんですよ。奥様や若旦那様の過保護ぶりは凄いですよね。』
『そうですね。でもそれだけ若奥様は大切にされている証拠でしょう。
私達が上手く・・・若奥様のストレスを発散させて差し上げないといけませんね。』
シンやミンの驚くほどの過保護ぶりは、この家でメイドとして働いていた頃のチェギョンが
どれほど辛い思いをしていたか・・・その償いのようにチェやチョンには思えた
『チェギョン~ただいま~♪』
庭掃除を終えて何事もなかったかのように絵筆を持っていた時、どうやらミンは帰宅したようだ
『お義母様お帰りなさい。ギャラリーはいかがでしたか?』
『ん~~あなたが来ていないって、お客さんはがっかりしていたけど・・・
≪なあに~あと二月もしたら顔出しますわ。なんたって…今が一番大事な時期ですし~♪≫って
言いふらしてきちゃったわ。おほほほほ~~♪』
『お義母様ぁ・・・お客さんにも言っちゃったんですか?』
『もう当然よぉ~♪こんなおめでたい事、黙っていられないわ~おほほほ~♪
まぁ・・・会社の方は、主人とシンが言いふらしているから私じゃなくってよ。
あのビルの中にいる人たちで、あなたの妊娠を知らない人はいないわ~おほほほほ。』
『お義母様・・・恥ずかしいです。』
『恥ずかしい事なんかじゃないのよ。あなたは胸を張ってギャラリーに行ったらいいわ。
あ・・・でも、安定期に入ってからよ。』
『はい。お義母様。』
こんな風に愛情ゆえに過保護になりすぎるシンとミン・・・そしてチェギョンのストレスを心配し
適度にストレス発散させてくれるメイドたちに囲まれ、チェギョンの妊娠生活は順調に過ぎて行った
臨月間近シンに付き添われ検診に行ったチェギョンは、医師からお腹の胎児の性別を告げられた
チェギョンは家に帰る車の中でそれをシンに話した
『シン君・・・どうやら女の子みたいよ。お義父様とお義母様に今夜話す?』
『いや・・・お母様は女の子を欲しがっているから、万が一生まれてきた時に違っていたら
ぬか喜びさせてしまう。生まれるまでのお楽しみにしておこう。』
『そうだよね。その方がいいね。』
『もうすぐだな。』
『うん。なんだかドキドキする。』
『会議中は携帯を取れないが、もし産気づいたら秘書に電話して伝えてくれ。すぐに駆けつけるから。』
『うん。でもきっとお義母様もいてくださるから大丈夫だよ。』
『ダメだ!必ず連絡をくれ。』
『うん、わかった。』
臨月に入ったチェギョンは、思うように動けなくなってしまったが身一つでいられるのは今の内と
ギャラリーに毎日顔を出し、そして絵筆を握った
チェギョンの絵は順調に売り上げを伸ばし、気が付くとギャラリーの中に売り物ではない絵しか
残っていないことも多くなった
チェギョンは折角ギャラリーを訪れた客が、落胆して帰るのを見るのは忍びなく・・・
安定期に入ってから描き溜めた絵を出産予定日前に一斉に展示した
そしていよいよその時が訪れ、ギャラリーで陣痛を感じたチェギョンはミンと共に病院へと向かった
もちろんチェギョンかレア連絡を受けたシンとヒョンも、イ家の一大に病院へ駆け付けるのだった
二話じゃ終わらなかった。
もう一話お付き合いくださいね❤
今日週間天気予報観たら
今週・・・最低気温1度になる日があって~~
アタクシ慌てて日に0ル温室替えビニール購入。
明日届くなんて・・・さすがアニャゾンだ❤