『まぁ~このアイスロイヤルミルクティーは美味しいわ~♪
まさか・・・・うちと同じ機械を使っているんじゃ?』
カフェで注文した飲み物を飲みながらミンがそんなことを呟くと、シンは即座に否定する
『お母様・・・良く見てください。あちらのカウンターでマスターが自ら淹れたものですよ。』
『あ・・・あら~~♪とっても美味しいからつい勘繰っちゃったわ。おほほほほ~~♪』
その時思い出したようにチャン夫人がミンに報告をした
『あっ!イ家の奥様・・・ご紹介いただいたメーカーの機械を導入しましたの。
とっても便利で家族やメイドさん達にも大好評ですわ。ありがとうございました。』
『まぁ~チャン家にもドリンクバーが入ったんですね~♪我が家と同じものですの?』
『あ~いいえ~。奥様のところより1ランクお安いものですわ。とてもお高いんですもの~。ふふふ・・・』
本当は高いからランクを下げたわけじゃない
負けず嫌いのミンを気遣ってランクを下げたものを購入したのだ
そうしておけば・・・ミンの自尊心が守られることをギョンの母は知っていたのだ
『まぁ~そうなんですの?あれって…楽しいですわよね?』
『ええ・とっても楽しいですわ。おかげでお茶を飲む回数が増えてしまいました。』
『そうでしょう~♪おほほほほ・・・』
そんな風にミンとチャン夫人がドリンクバーの話で盛り上がっている時、シンとギョンは互いに持参した写真を
チェギョンとガンヒョンに渡した
『シン君・・・なあに?これ・・・』
『見てごらん。』
『あっ!昨日の写真だ~♪すごい・・・もう現像したの?』
『あぁ、』
『すごくよく撮れてる~~♪』
すかさずギョンが口を挟む
『それは~~カメラマンの腕がいいからに決まってるぅ~♪』
『でもギョン・・・こっちの写真もとてもいいわ。』
『それは~~モデルがいいからさ~♪あはははは~~♪』
四人のそんな楽しそうな様子を、黙って見ているミンとチャン夫人ではない
『なあに~何かしら~~♪どれどれ見せて~~♪』
ミンとチャン夫人はチェギョンとガンヒョンの手から写真を受け取ると目を丸くした
『まぁ~♪』
『なんてすごい・・・』
二人のその声に一瞬躊躇する二組のカップルたち
チェギョンとガンヒョンはあまりにも仲睦まじく写っていた為、ひょっとして顰蹙を買ってしまったのではないかと
困惑した表情を浮かべた
ところが・・・
『なんて美味しそうなお弁当なのかしら~♪』
『本当に・・・これはどうなさったの?』
益々困惑するチェギョンとガンヒョンはおずおずと答えた
『あ・・・あの私が・・・』
『作りました。』
『『まぁ~~~♪』』
声を揃え感嘆の叫びをあげるミンとチャン夫人
一体何が≪まぁ~≫なのかわからず、益々戸惑うチェギョンとガンヒョン
だがすぐにそんな戸惑いは払拭された
『美味しそうな家庭料理がたくさん♪』
『これをチェギョンさんとガンヒョンさんで作ったなんて素晴らしいですわね。』
『お母様も手伝ってくださったの?』
ミンからそう問い掛けられチェギョンは首を横に振った
『えっ?いいえ。母は仕事に出かけるのに忙しいので、手伝ってなど貰いませんでした。』
チャン夫人はガンヒョンに問い掛けた
『ガンヒョンさんは?』
『アタシも一人で作りました。母が手伝ってくれるといったんですが、このくらいなら自分一人でも・・・』
『なんて素晴らしいの~~~♪』
『本当ですわ。イ家の奥様・・・』
『チャン家の奥様・・・財界のパーティーがひと段落したら、是非我が家でホームパーティーをしませんこと?』
『まぁ~それはいい考えですわ。』
『チェギョンちゃんとガンヒョンさんはどうかしら?あなたたちの腕の見せ所よ。』
『えっ?』
『腕の見せ所?』
『そうよぉ~二人に我が家のキッチンで、美味しい家庭料理を作っていただきたいのよぉ~~♪』
『そっ…そんな~~おば様、無理ですぅ。』
『イ家のおば様・・・アタシ達の料理はおば様方のお口に合うような・・・』
『何を言ってるの~~!チャン家の奥様・・・たまにはトッポギとか~食べたいですわよね?』
『本当に…そういった料理をもう長く食べておりません。』
『いい?チェギョンちゃんガンヒョンさん、凄い物なんか作る必要ないのよ。
このお弁当箱の中に入っているようなお料理が・・・私達は食べたいの♪ねっお願い~~!』
いつも本当に良くしてくれているミンとチャン夫人に拝み倒され、チェギョンとガンヒョンは頷くしかなかった
どうやら財界のパーティーでシンとギョンの取り巻きたちをぎゃふんと言わせた後日、
イ家ではホームパーティーが開かれることになってしまった
その日シンに送ってもらう車の中、チェyゴンはポツリとつぶやいた
『はぁ~プレッシャーだなぁ・・・』
『何がだ?』
『イ家でお料理するのがだよ。』
『くくっ・・・あの弁当のおかずをそのまま作ったらいい。お母様方はそういった料理に飢えていらっしゃるからな。』
『そうなの?』
『当然だ。きっと食べたのも結婚前くらいじゃないのか?チェギョン・・・面倒だろうがいつも通りでいい。
お母様の相手をしてやって貰えるか?』
『喜ばれるのかなぁ・・・』
『それは間違いない。俺とギョンをあんなに幸せな顔にした手料理だ。』
『わかった。気負わずに頑張るよ~~♪』
その日チェギョンはブラックハイヒールだけ家に持ち帰り、パーティーで着用するドレスとハイヒールは
シンに預けた
当日はイ家とチャン家で着替えを済ませ、パーティー会場に出かけることにしたからだ
その方がチェギョンやガンヒョンの両親も、余計な心配をせずに済むと思われた
翌日・・・大学の講義が終わった後、シンとギョンはイ財閥本部ビルに向かった
もちろんチェギョンとガンヒョンを送り届けるためもあったが、シンに至ってはその日は父親の下で
仕事を学ぶ日だった
チェギョンとガンヒョンはイ財閥一階にあるカフェに就業10分前に入っていった
『本日からお世話になるシン・チェギョンです。』
『イ・ガンヒョンです。』
『『どうぞよろしくお願いいたします。』』
カフェの責任者は満面の笑みで女子大生の二人を迎えた
『イ会長直々にお話を伺っています。どうぞよろしくお願いします。ではこちらで制服に着替えてください。』
『『はいっ!!』』
そこのカフェはイ財閥に勤務する者が商談用に使われることが多い為、メニューはそれほど多くない
ソフトドリンクとちょっとした軽食があるだけだ
チェギョンとガンヒョンは難なくそのメニューをすべて覚え、そしてその店での接客ノウハウを伝授される
立ち仕事に慣れているとはいえ、慣れないハイヒールにチェギョンもガンヒョンも緊張感を募ら得た
そうしてカフェに客が入ってきたベルの音が鳴り、責任者から背中を押されたガンヒョンはホールに出て行った
『いらっしゃいませ。メニューをどうぞ。(げっ!ギョンじゃないの!!)』
『ガンヒョ~ン来ちゃった~♪』
このカフェでの最初の客がまさかギョンだとは夢にも思わなかったガンヒョンは、素っ気ない態度で告げた
『ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。』
『は~~い♪』
ペコリと頭を下げ戻っていったガンヒョン
イ財閥の会長の紹介でアルバイトに入った以上、シンの父に恥をかかすような真似はできない
ファミレスなどと違ってとても静かな店内では、私語など話したらすぐ聞こえてしまう
(全くギョンの奴~どういうつもりよ~~!アタシは初日なのよ。)
そんな風にガンヒョンが胸の内を叫んだ時・・・また客が店内に入ってきたようだ
まぁほのぼのと話が進んでおりますね(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
一昨日と昨日の記事のお返事は、明日にさせていただきますね。
どうぞよろしくお願いいたします❤