チェギョンの部屋の中から上がった男の悲鳴・・・
隣室で眠っていたガンヒョンは、パジャマ姿のまま部屋のドアを開けた
すると・・・暗闇の中、チェギョンの部屋から飛び出した男が捕まえようとするイギサを振り切って
海に飛び込むのを目撃した
『チェギョン!!』
慌ててチェギョンの部屋に入って行ったガンヒョンは、部屋の明かりを点けベッドに腰掛け
呆然としているチェギョンに声を掛けた
『チェギョン一体何があったのよ!』
すぐにイギサ数名もチェギョンの部屋に入って来る
『ご無事ですか?チェギョン様・・・』
『あ・・・はい。』
ガンヒョンが床に目を向けると、点々と血のような赤いシミがある
『チェギョン…アンタ怪我してるんじゃ?』
『ううん違うよ。私じゃない。寝ていたら顔に明かりを照らされて目が覚めて・・・声を上げようとdしたら
口元を手で塞がれたから驚いて嚙みついてやった・・・。
怪我をしているのは逃げた人の方だよ。』
そこにいた全員がチェギョンのその言葉に胸を撫で下ろした
『ただいま殿下に報告しておりますので、間もなくこちらにお越し下さると思います。』
チェギョンは非常に困惑した表情でイギサに言った
『そんな~何もなかったんですから報告なんて・・・』
『いえ・・・これは確実にシン・チェギョン様を狙った者の仕業です。逃げた者はどうやらモーターボートを
この船の近くに停泊させていたようでそれに乗って逃げました。
今他のイギサが後を追っているところです。』
『でもどうして私が狙われたんでしょう。皇室の護衛の方がいらっしゃるんですから、鍵を盗まれたってことは
ないはずなのに・・・』
『はい。合鍵は私達が責任を持って管理しておりました。』
『じゃあどうやってここに入ったんでしょう。』
『それは恐らく・・・そう言ったことに手慣れた者の仕業ではないかと・・・
詳しいことはこれ以上申し上げられません。今、チェ尚宮様が他のお部屋を用意しておりますので・・・』
イギサがそこまで言った時、部屋の中にシンが飛び込んでくる
『チェギョン!!』
そして床の血の痕を見て慌ててチェギョンに駆け寄った
『どこだ?どこを怪我したんだ?』
『私はしてない。怪我したのは侵入者の方だよ。』
『なにっ?よくやった・・・。無事で何よりだ。さぁ・・・他の部屋に案内する。』
その時、先程チェギョンと話をしていたイギサがシンを止めた
『殿下・・・ご一緒に部屋に向かうのは、あまりよろしくないかと・・・』
『なぜだ。』
シンが怪訝そうな顔をした為、そのイギサはそっと耳打ちをした
『殿下・・・ここの部屋割りは、船に乗る時まで私達皇室の人間しか知り得なかったことです。
つまりお客様の中の誰かが、チェギョン様の部屋に危険人物を送ったことになります。
鍵もピッキングで開けられた形跡があります。今はどうか安易な行動はお控えください。』
『あぁそうか。わかった。ではひとまず私は部屋に戻るとしよう。』
シンは心配そうにチェgyンを振り返りながら、部屋から去っていった
そして騒ぎを聞きつけてやってきた王族の娘達も部屋に戻るよう促された
『ではチェギョン様、ご案内させていただきます。』
イギサはチェギョンに荷物を纏めさせると、バッグを持ちチェギョンを誘導する
『あの・・・別にここで構いませんが・・・』
『いいえ、この部屋は明日港に到着しましたら、皇室警察の取り調べがありますので・・・』
『そ・・・そうなんですか?』
『はい。重大事件ですから・・・』
チェギョンにはこの時、自分の命が狙われていたなど夢にも思っていなかった
だが皇室の人間にとっては、皇太子妃に内定しているチェギョンを狙った犯行だと確信していた
『では参りましょう。』
『はい。ガンヒョン・・・起こしちゃってごめんね。あ・・・ギョン君も起こしちゃったんだ。早く休んでね。
また明日ね~~♪』
部屋の中にいるガンヒョンと外にいるギョンに挨拶をし、チェギョンはイギサに連れられて他の部屋に移っていった
ギョンとガンヒョンは一旦ガンヒョンの部屋に入って行った
『一体何があったんだよ。』
『どうやらチェギョンの部屋に暴漢が入ったみたい。』
『あの血の痕は?』
『その犯人のものらしいわ。チェギョンが指を噛んだんですって。』
『チェギョン・・・野獣かよ!』
『馬鹿ねアンタ・・・チェギョンが咄嗟に防御していなかったら、今頃チェギョンは
冷たくなっていたかもしれないのよ。』
『えっ?じゃあまさか・・・さっきのお嬢さん達の回し者?』
『そうとしか考えられないわ。チェギョンの部屋をピンポイントで狙ってきたんだもの・・・』
『しかし・・・シンの慌てぶりにも驚いたよな。そんなに初恋の相手って大事かな。』
『初恋は綺麗な思い出で終わることが多いからよ。皇太子の場合は
それを実らせようとしているんだから必死よ。』
『それだけチェギョンに惚れてるって事?』
『だと思うわ。』
『俺もガンヒョンが心配だし、今夜はここのソファーに泊まろうかな。』
『馬鹿言ってんじゃないわよ。イギサさんがもう警戒態勢に入って、巡回しているわよ。
安心して部屋に帰んな!』
『ちぇっ・・・』
あわよくばガンヒョンと同室に泊まろうと目論んだギョンだったが、その思いは簡単に却下された
一方・・・イギサに案内されて新しい部屋の前に立ったチェギョンは、そこが皇太后の部屋のすぐ近くだと知った
『送っていただきありがとうございました。ではおやすみなさい。』
『ゆっくりお休みください。』
部屋に入って行ったチェギョンは、ソファーに悠々と腰掛けているシンに気が付き動揺する
『なっ・・・なぜここに皇太子が?』
『あの場では禄に話もできなかったからな。』
『だっ・・・だからって今は深夜だよ。』
シンはソファーから立ち上がると、チェギョンに近づき全身を凝視した
『なっ・・・なによ!』
『本当に怪我がないか、確認しようと思って・・・。痛いところとかないのか?』
『ないよ!』
『本当にか?』
『嘘ついてどうする。嘘なんかつかないよ。』
『だったらよかった。』
シンの顔から不安が消えていく・・・
『ねえ・・・ひとつ聞きたいんだけど・・・』
『なんだ?』
『そんなに私が好き?』
『あぁっ?・・・あぁ。』
『でも15年も逢っていなかったんだよ。』
『正確には12年だ。俺は高校に入学してからお前をずっと見ていた。』
『えっ///そういう歯の浮くセリフをさらっと言わないで!』
『本当の事だから仕方がない。』
『でも・・・皇太子が逢った三歳の私と今の私じゃ別物かも・・・』
『あぁそうだな。昔のお前はヒラヒラしたワンピースを翻して花のように俺に笑いかけた。』
『ヒラヒラしたワンピース?そんなの着ないよ私・・・』
『昔は着ていたはずだ。だが今は・・・パジャマ姿も実に色気がないな。』
『私は他のお嬢さんと違って、皇太子に色目を使おうなんて思ってないし!
それにヒラヒラしたワンピースなんて、自分を可愛くないと思った幼稚園の頃から着てないよ。』
『これからは着るようになる。着たくなるように俺が毎日何度でも可愛いと言ってやる。』
『結構です!』
『そうだ。秘密とはいえ交際する以上、もっと一緒にいる時間は必要だろう?
昼休みは一緒に過ごそう。俺の部屋に来い。』
『え~~っ?』
『あと俺から要請があった場合は東宮にも来い。迎えの車をよこす。』
『え~~っ?』
『あと一日一回俺から電話する。もし出られない場合は、後でチェギョンから掛けろ。』
『え~~っ・・・』
『文句ばかりだな。』
『だって・・・』
『ひとまず交際してみることに承諾したのはお前なんだ。ちゃんと責任は取れ。』
『はあ~~い。』
『とにかくどこも怪我がなくて安心した。この部屋はイギサが警護している。
後は安心して休め。』
『うん。』
『じゃあおやすみ。』
そういってシンはチェギョンを抱き寄せた
『なっ何を・・・』
『何ってただお休みのハグをしてるだけだ。何ならお休みのキスも追加しようか?』
『遠慮しておきます。』
口ではそう言ってシンの胸を押しのけながらも、チェギョンの心臓はいつになく速い鼓動を刻んでいた
大変長らくお休みを頂戴いたしました~★
そうそう!お友達の『ゆぱ』さんが
このお話にイラストを描いてくださったんです。
書庫に貼っておきましたので
良かったら見てやってください~~❤
今の状況の二人が浮かんできそうなイラストです。
ゆぱさん、どうもありがとうございました~~★
ふぅちゃんが・・・季節の変わり目か
体調が悪いんです。
カエルの刑と雷の刑
同時に来るなんて・・・心配です。
そうそう!お友達の『ゆぱ』さんが
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ゆぱさん、どうもありがとうございました~~★
ふぅちゃんが・・・季節の変わり目か
体調が悪いんです。
カエルの刑と雷の刑
同時に来るなんて・・・心配です。