皇太后の部屋の前に到着した時、ガンヒョンはチェギョンに言った
『さぁ行ってきなさい。』
『えっ?ガンヒョンとギョン君は?』
『アタシ達は呼ばれていないもの。ここで待っているわ。』
『うん。わかった。じゃあ行ってくる・・・』
本日は棘を抜かれっぱなしのハリネズミは、渋々といった感じで部屋のドアをノックし中に入って行った
中で交わされる会話の想像がついているギョンとガンヒョンは、少し部屋から離れた場所で小声で話し込む
『どうやら皇太子妃は確定のようだな。』
『そうね。まぁ最初から決まっていたことだろうしね。あれっ?ギョン・・・通路の向こうを見て!』
『ああ・・・王族の娘達って本当に行儀が悪いな。品位の欠片もない。盗み聞きにやって来るなんてさ・・・
ガンヒョン・・・これからも未来の妃殿下をしっかり守ってやってくれよ。』
『ええ。でもよく考えたらアタシ・・・幼稚園の頃からチェギョンを守っている気がするわ。』
『あはは~確かにそうだね~♪』
『あ・・・アタシ達に気が付いて逃げて行ったわよ。あのお嬢さん達・・・』
『外見だけ着飾っても、滲み出る性格の悪さは隠せないってやつだね・・・』
暫くギョンとガンヒョンはその場で、近い未来皇太子妃になるであろうチェギョンについて語り合っていた
一方・・・皇太后の部屋に入って行ったチェギョンは、部屋の中には皇太后だけじゃなくシンまでいることに
相当驚いたようだ
『あ・・・あの皇太后様・・・』
『疲れているところ態々すまないな。さぁ・・・そこにお掛けなさい。』
『はい。』
『食事は口に合ったかのぉ。』
『あ・・・多分美味しい料理だったと思うのですが、ドレスを汚してはと思い食べた気がしませんでした。』
『なんと!それは残念なことをさせてしまった。そのドレスはチェギョンの物なのだから、汚しても構わないと
先に言っておけばよかったのぉ・・・』
『えっ?私の・・・物?』
『そうだ。これからドレスなど何着でも・・・』
『えっ?それは一体どういう意味でしょうか?』
『そなたを・・・皇太子妃に任命する。』
『えっ・・・えぇぇぇぇぇぇぇーーーーーっ!もっ・・・もっと意味が解りません。』
顔を強張らせ愕然とするチェギョンに、シンは答えた
『俺が・・・そう決めた。』
『なんで?子供の頃一度逢っただけなんでしょう?なぜそれだけで結婚?』
『本音を言うとその時から決めていた。』
『きぃ~~~っ!どうして勝手に決めるの!』
『勝手に決めたんじゃない。先帝やお前のおじい様も承知の上だ。』
『そんなこと言われても困るし・・・おじいちゃんはもう天国にいるし・・・』
皇太子妃に任命すると言われて相当動揺しているチェギョンは、ありとあらゆる抵抗を試みることにする
『とにかくこれは決定事項だ。明日みんなの前で発表する。』
『ダメだよそんなの!絶対に認めない。』
『お妃候補に志願してきた以上、お前に断ることなどできない。』
『じゃあなに?私は国民の義務だけで・・・愛情のない結婚をしろと?』
強気な態度に出ていたシンだったが、さすがに≪愛情のない結婚≫といわれて口を噤んでしまった
その様子を見兼ねた皇太后は、シンに助け舟を出した
『チェギョン・・・どうだろう。発表は少し先延ばしにしても構わない。太子と一緒に生きていけるかどうか
暫く交際ってやつをしてみてはどうだ?』
『えっ?でも皇太后様・・・』
『もしどうしてもそなたが太子を受け入れられない様なら、私が諦めさせよう。』
皇太后の提案にシンは抗議の声を上げた
『皇太后様!!』
『私の言うことを聞くのだ。太子・・・』
『はい・・・』
『良いなチェギョン。暫く太子と秘密の交際をしてみるのだ。それから改めてそなたの返事を聞こう。』
ここでシンを突っぱねても勝ち目はないと考えたチェギョンは、皇太后の提案を呑むことにする
『解りました。皇太后様・・・』
『ではもう部屋に戻ってよい。これから秘密で交際するのだから、太子と携帯電話番号を交換をしてゆくのだ。』
『えっ?あ・・・はい。』
チェギョンは複雑な思いでシンと携帯番号の交換をした
その作業をしながらシンに問い掛けた
『もし私が断ったら・・・どうなるの?』
『あの中の誰かと≪全く愛情のない結婚≫をすることになるだろう。』
『私にはあるってわけ?』
『あぁ。3歳の頃からな・・・』
一瞬にして先程のバッグハグを思い出すチェギョンは、妙に心臓の音が早くなるのを感じながら
皇太后の部屋を後にした
『終わった?』
『うん。』
部屋から出てきたチェギョンをギョンとガンヒョンは笑顔で迎えた
『じゃあ部屋に戻ろうか。』
『うん。』
皇太后の部屋での威勢の良さは消え失せ、また何やら考え込んでいるチェギョンである
部屋に戻ってきた時・・・ガンヒョンはチェギョンに言った
『疲れたでしょう?早く休みなさい。』
『うん。少し考え事して・・・寝るね。今日はどうもありがとう。おやすみギョン君・ガンヒョン。』
『『おやすみ・・・』』
チェギョンが部屋の鍵を掛けるのを確認し、ガンヒョンは隣の部屋に入って行った
『ギョン・・・じゃあおやすみ。』
『うん。何かあったらすぐに連絡して。』
『ええ。そうするわ。』
ギョンは更に隣りの部屋へと入って行った
チェギョンの部屋の反対側には、イギサが二名詰めている
つまりチェギョンの部屋の両サイドは、しっかり守られた形だった
チェギョンが部屋に入り着替えを済ませ、混乱の多い一日を振り返っていた頃・・・
王族の娘の一人は父親に連絡をしていた
『お父様・・・私です。』
『どうだ?三次選考会は・・・。なあに王族の娘の中ではお前が一番位が上だ。お前が選ばれるに決まっている。』
『それが・・・お父様何だか変なんです。』
『変とは?一体何があったのだ?』
『民間人が一人三次選考会に来ているんです。それも二次選考会に、とんでもない服装で現れた娘なんです。
なぜかその娘が・・・皇太后様や皇太子殿下と食事の席を一緒にしていたんです。
なんだか私・・・とても面白くありませんでした。』
『なにっ?皇太后様も耄碌したものだ。一体何をお考えなのか・・・
良いだろう。その娘は私が排除しよう。お前は何も心配しなくてよい。』
『お父様のお言葉を信じていますわ。』
ある王族の父娘の間で、そんな会話が交わされたとは知らず・・・参加者達は夜も更けて
静かなさざ波をゆりかごに眠りに落ちていった・・・
そして・・・月が煌々と波間を照らす頃、チェギョンの部屋の中で悲鳴があがった
『ぎゃ~~~~っ!!』
それはとても甲高い男の悲鳴だった
大変恐縮です。
世間がそうなように管理人も
明日からGWに突入いたします。
まだ8話までしか書けていないのですが
お話の更新はGW明けまで待っていてくださいね♪
どうぞよろしく~~★
通信や日記は更新させていただきますので
良かったら遊びに来てくださいね~~❤
ところでさ・・・昨日から右耳に
トライアングルの音が響くんですよぉ・・・
なんだこりゃ!と思って調べたら
耳鳴りなんだって~~!
誰か治す方法知りませんか~?
世間がそうなように管理人も
明日からGWに突入いたします。
まだ8話までしか書けていないのですが
お話の更新はGW明けまで待っていてくださいね♪
どうぞよろしく~~★
通信や日記は更新させていただきますので
良かったら遊びに来てくださいね~~❤
ところでさ・・・昨日から右耳に
トライアングルの音が響くんですよぉ・・・
なんだこりゃ!と思って調べたら
耳鳴りなんだって~~!
誰か治す方法知りませんか~?