お妃三次選考会当日・・・チェギョンはいつも通りのジーンズにTシャツ姿でリビングに顔を出した
『お父さん・お母さんおはよう~♪』
『チェギョン・・・あなた今回もそんな恰好で行くつもり?』
『だってお母さん案内状に≪平服で・・・≫って書いてあったもん。』
『だがもう少しお洒落してもいいんじゃないのか?もしかしたらチェギョンが選ばれるかもしれないんだよ。』
『もぉ~お父さん何言ってるの。私が最終的に選ばれるわけないよ。それに万が一船が転覆したらどうすんの?
ヒラヒラした格好なんかで行ったら、一番最初に海の藻屑だよ!』
『もうチェギョンったら、いつもそんな口答えを・・・』
いっそのこと皇太子殿下とは・昔面識があることを話してしまおうかとも思った両親である
だがチェギョンがその辺りの事を覚えていない以上、無駄に混乱させるのはよそうと口を噤んだ
朝食を摂り終えた時・・・ギョンの車がチェギョンを迎えにやってきた
チェギョンは一泊どまりの支度をしたバッグを持って、両親に手を振った
『じゃa・・・行ってきま~~す。』
『チェギョンお行儀よくするのよ。』
『普段通り振る舞うよ。じゃあね~♪』
手を振って出掛けていったチェギョンの背中に向かって両親は溜息を吐いた
『全くあの子ったら、皇太后様もいらっしゃるだろうに、またあんな格好で・・・』
『でも母さん・・・今回皇太后様はいらっしゃらないんじゃないか?ご高齢だし船内一泊だなんて・・・』
『昔お義父さんが言ってなかった?皇太后様はすごくアクティブなお方だって・・・。きっと今日もいらっしゃるわ。』
『そういえばそんな事を言っていたような気がするな。ひょっとしたらチェギョンと気が合うかもしれない。
だと・・・したら困ったな。』
『困るでしょう?』
『昔聞いた夢物語のような話が、現実となってしまうかもしれない。』
『『はぁ~~~・・・』』
二人は娘の行く末を案じ溜息を吐くばかりだった
『ギョン君・ガンヒョンお待たせ~~♪』
荷物をトランクに入れたチェギョンは、ギョンの車の後部座席にのりこんだ
もちろんガンヒョンは助手席に座っている
『アンタ・・・相変わらずいつも通りね。』
『えっ?ガンヒョンだっていつも通りじゃん。』
『アタシはいいのよ。お妃候補辞退したんだから。でもアンタはまだお妃候補よ。』
『大丈夫だって・・・今回で落とされるから。これが最終選考だもんね。
ホント・・ガンヒョンとギョン君が参加してくれてよかったよ。一人じゃ心細いし。』
『何言ってんのよ。アンタが心細いだなんて~~!』
『だってさ・・・私以外はいいところのお嬢さんばっかだよ。なんで私が三次選考まで残ったのかわかんない。
同じ学校の二年生も不合格だったんでしょう?』
『ええ。そう聞いているわ。ひょっとして最終的に残るのはアンタかもよ。』
『ちょっと~冗談はよしてよガンヒョン。』
『冗談なんかじゃないわよ。アンタも最終選考に残ったんだから一応覚悟しておきなって事。』
『覚悟・・・なんかできるわけないよ。だって好きでもない人といきなり結婚するなんて考えられない。』
チェギョンのそんな言葉を聞いて、ハンドルを握っているギョンは小さく溜息を吐いた
(シン・・・これは前途多難だぞ。チェギョンはお前を覚えていないどころか、なんとも思っていないみたいだ。
迫るなら・・・今回のチャンスを逃がすなよ。)
その為には協力を惜しまないとギョンは心の中でシンに告げた
『よく来てくれたな。』
集合場所の港に到着したギョンの車は、荷物と女性二人を降ろすと駐車場に車を停めに行った
いきなりの皇太子からの出迎えに面食らったチェギョンではあったが、通り一遍の挨拶を済ませチェ尚宮に
其々の部屋に案内された
チェギョンとガンヒョンは隣の部屋だ
チェギョンとガンヒョンは部屋に荷物を置き、部屋の中を見て回った
『わぁ~ガンヒョン・・・各部屋にベッドとテレビ・・・小さなソファーもある。』
『さすがにシャワールームはないみたいね。』
『そんな贅沢言いません~♪』
既になぜここに来たのかも忘れ、まるで一泊旅行に来た気分のチェギョンである
部屋から出ていくと・・・どうやら他の合格者も部屋に案内されたようでチェギョンやガンヒョンと鉢合わせをした
『えっ?まさか・・・皇太后様に意見したあなたが合格しているの?』
一人の令嬢の無礼な物言いに、少し気分が悪くなるチェギョンだったが・・・
打たれ強いチェギョンは平然と答えた
『ええ。不思議でしょう?私もすっご~~く不思議。あははは~♪』
軽くかわされ気分を害した令嬢は、次はガンヒョンを問い詰めた
『あなたは確か・・・お妃候補の辞退を願い出たんじゃなかったかしら?なぜここにいるの?』
『アタシ?アタシは皇太子の招待で来たのよ。お嬢様ばかりじゃ、このチェギョンが
退屈すると思ったんじゃないの?』
火花を散らすガンヒョンと王族の娘・・・チェギョンはそんなことは全く気にならないといった感じで、実に楽しそうだ
『ガンヒョン・・・そろそろ船が出るんじゃないの?デッキに行こうよ~♪早く~~♪』
『そうしましょう。』
ガンヒョンはチェギョンに笑顔を向けると頷いた
皇太子妃候補を辞退したにも拘らず、ギラギラした目でライバル意識を向ける王族の娘
(きっとこんな女ばっかりじゃないの?)
ガンヒョンは皇太子であるシンが憐れに想えた
デッキに出た二人は海風を頬に受けて髪をそよがせた
『気持ちいいね~~♪』
『ホント・・・いい風が吹いてるわ。』
『紙テープでも持ってくればよかったな。』
『どうすんの?そんなもの持ってきて・・・』
『港に向かって投げるんだよ~~♪』
『アンタね・・・誰も見送りになんか来てないじゃないの。』
『あはは~~そうだった~♪』
その時・・・船内にアナウンスが流れた
『皆さん・・・本日はよくお越しくださった。ひとまずお茶を用意したのでな。船内中央のホールに集まっておくれ。』
チェギョンとガンヒョンは顔を見合わせた
『今の声って皇太后様だよね?』
『そうね。皇太后様のお声だったわ。』
『行こう。私・・・皇太后様に聞きたいことがあるんだ。』
ホールにチェギョンとガンヒョンが入って行った時、既に他の候補者は席に着きお茶を出されそれを飲んでいた
チェギョンとガンヒョンもチェ尚宮に促され席に着いた
目の前にお茶とお菓子が用意され、チェギョンとガンヒョンはそれを美味しく頂いた
シンやギョンも上座の席で美味しそうにお茶を頂いている
『さて皆さん・・・三次選考なのだが・・・』
皇太后が何かを言いかけた時、チェギョンは早速手を挙げた
『皇太后様・・・ひとつ質問があります。』
『なんだ?言ってみるがよいぞ。シン・チェギョンさん・・・』
『あの・・・恐らくこの選考会が最終なのですよね?』
『ああそうだ。』
『もし・・・この選考会で不合格になった場合、皇太子殿下の人とみなされ生涯結婚できないとか・・・
そういう仕来りは・・・』
非常に困惑した顔のチェギョンである
皇太后は目を真ん丸くしてそれから愉快そうに声を上げた
『まっ・・・まぁ~おほほほほ・・・・そのようなことはない。安心してよいぞ。』
『あ~安心しました~♪』
そんな皇太后とチェギョンのやり取りに、王族の娘たちはくすくすと笑い始めた
チェギョンは自分の質問があまりに時代錯誤だったと、肩を竦めた
『では話の続きをしようかの。候補者の皆さんをこれから尚宮が呼びに行く。
一人一人私の部屋に来ていただこう。それ以外は夕食時間までフリータイムだ。
思うままに過ごしておくれ。』
再びチェギョンが手を挙げた
『皇太后様・・・』
『なんだ?』
『あの・・・二次選考会の時も思ったのですが、選考委員の方達はどこにいらっしゃるのですか?』
『選考委員会?お・・・おぉそれは・・・このホールの様子をカメラが撮っておる。
その様子は宮殿にいる選考委員会の面々に、リアルタイムで流れておるのだ。』
『そ~~でしたか~♪』
チェギョンはシメタト思った
ここで思い切り行儀の悪いシン・チェギョンを見せつければ、今回こそ不合格間違いないのだ
『では・・・シン・チェギョンさんから、私の部屋に来て貰おうかの。』
『あ・・・はい!!』
チェギョンは皇太后の後に続き、皇太后の部屋に入って行った
今日・・・毎日のお楽しみドラマの最終回だったんだけど
久し振りに後味の良いドラマを観ました。
青い海の伝説・・・すごくよかったです~❤
そうそう・・・ご近所の奥様からね
ファンデの売り込みをされたんです。
でも・・・お高いの~~!
アタクシ・・・頑張って断ったわ。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
や~ね~近所で営業するなんて・・・
そう思わない?