もう~・・・こんな嬉しいことはないわ
その晩私は自室に戻った後、ハン家の奥様に電話を掛けたのよ
『ハン家の奥様・・・遅い時間にごめんなさいね。』
『いいんですのよイ家の大奥様・・・それより・・・先ほどテヤンから報告がありましたわ。
ピョルちゃんと結婚するって~~♪』
まっ、あぁ~もう耳に入ってしまったのね。私の口からお伝えしたかったのにぃ・・・
仕方がないわね
『そうなんですの。ようやく私達の想いが実を結びそうですわね。』
『ええ。苦節何年だったかしら・・・。あ・・・そうですわ。今週末に家族で大奥様のお宅へ
結婚のご挨拶に伺いますわ。』
『そうですか。楽しみにしていますわ。そうそうハン家の奥様・・・今度こそあの計画を実行に移さないと・・・』
『そうですわね。では次回お逢いした時にまた地図を持って行きませんとね♪』
『ええ~そう致しましょう~♪』
テヤン君とピョルの新居は・・・ピカピカの素敵なマンションじゃないと~~私達は、今度こそ果たせなかった夢を
実現させるつもりでいた
ところが・・・
その週末一家揃って我が家にやってきたテヤン君は、夫やシンの前でキチンとピョルをお嫁さんに欲しいと
お願いしてくれた
夫もシンも長くお付き合いしてきたテヤン君に何の不満もなく、また長年にわたって
ピョルの仕事をサポートしてくれたと感謝の思いでいっぱいだった
ハン家のお嫁さんも以前とは人が変わったように穏やかな表情で、とても嬉しそうに笑顔を浮かべていたわ
ただ一人・・・テヤン君のお兄さんは、弟に先を越されたことが少し悔しかったみたいで冗談めかしてその想いを
口にしたけれど・・・ほほほ・・・そのうち私がいい人を紹介してあげようかしら~♪
両家の間で話し合いが行われ、挙式は来春ピョルのお誕生日前に・・・ということになった
そしていよいよ新居は・・・私とハン家の奥様は思わずソファーから立ち上がり思いの丈を告げようとした
時の事だった
テヤン君がいきなり口を開いたのよ
『新居に関して・・・俺たち二人でよく話し合いました。ピョルの願いもあって住みたい場所があるんです。』
その続きはピョルが話したわ
『ママ・・・昔住んでいた家を、私に譲って貰えない?あの家に住みたいの。』
『えっ?お店の二階の家?』
『うん。あの家には私の幼い頃の思い出がいっぱい詰まってるの。』
『でもピョル・・・テヤン君には狭いんじゃないかしら。』
うっ・・・うそでしょ・・・私達の計画はどうなってしまうの?
『おばさ・・・いやお義母さん、俺は次男です。結婚したら家を出るつもりでした。
ピョルにあの家を見せて貰いましたが、広さは十分です。あとはお許しさえいただければ、俺が改装します。』
ちょ…ちょっと待って~~~!もう黙っていられなかった
『だったら・・・改装費くらいは私達が受け持ちますからね!!』
ハン家の奥様も黙っていられなかったみたい
『そうよテヤン・・・あなたたちはこれからお金がかかるのよ。改装にかかる費用くらいは
大奥様と私が負担するわ。元々・・・新築マンションをプレゼントする予定だったんですもの。』
長年の想いが込み上げてしまったみたい
私はハン家の奥様の元に駆け寄って手を握り合った
『そうよ。ピョル・・・そのくらいは私達に任せて頂戴~~!でないと・・・寂しくなっちゃうわ。』
『あ・・・はい。でもグランマ・・・ママのお許しが出ない事には・・・』
みんなが一斉にチェギョンさんを見つめた
チェギョンさんは目を細めて口角を上げたわ
『テヤン君が構わないのなら、ママは一向に構わないわ。家は人が住んでこそ生きるものなの、
だからママはお店に顔を出す度に、あの家の窓を開けて空気を入れ替えていたわ。
あの家に住んでくれるなんて…こんな嬉しいことはないわ。喜んでピョルに・・・譲るわ。』
『ありがとうママ。』
『ありがとうございます。お義母さん・・・』
その後順調に話し合いは進んだわ
婚約式は年内に家族だけで行うことにし、ハン家の皆さんは席を立ったわ
帰り際、テヤン君に勝るとも劣らないいい男のお兄さんの肩を叩き
『お兄さんはもう心に決めた方がいらっしゃるの?』
『いいえ僕はまだ・・・』
『そう!でしたら私がいい人をお世話しますからね~♪』
『グランマ…是非お願いいたします。』
あら・・・ハン家でもグランマが定着しているのね~おほほほほ~
でも長男であるお兄さんのお嫁さんを見つけるのは大変かも・・・
だってうちよりいい家柄のお嬢様を探さなきゃならないんですもの~骨が折れそうだわ
私とハン家の奥様は、次の約束の日・・・チェギョンさんから昔住んでいた家の鍵を借り店舗の住居スペースに
お邪魔したのよ
それはなぜかというと~家電製品なんかのサイズを大体把握するためよ
もちろん決めるのは改装後になるわ
マンションを買う夢は断たれたけれど、今度私達は改装後のこの家に納まる新しい家電を吟味することに
楽しみを見出すわ
転んでも・・・ただでは起きないのよ
もちろん最終的な選択権はテヤン君とピョルに任せることにするわよ
だって使うのは当人たちですものね~~♪
その後チェギョンさんはピョルにあの住居兼店舗の建物を譲り、同時に店の権利もピョルに譲った
ピョルに赤ちゃんができた時には・・・またお手伝いに行けばいいんですもの
ハン家の奥様や若奥様もいらっしゃるし~人手はたくさんある・・・何の憂いもないわ
ただ・・・テヤン君のお兄さんに早くお嫁さんを見つけてあげないと・・・お兄さんが可哀想よね
頑張らなくちゃ・・・私!!
そうしてそれから一か月後には、住居部分の工事が始まった
ピョルの新居はどんな素敵なおうちになるかしら~とても楽しみだわ
今日はふぅちゃんが家に来て
14回目の記念日です❤
14年ってあっという間だったなぁ~。
それにじう様ご結婚おめでとうございます。
溜息が出るほど美しかったですね~❤