ピョルとテヤン君が大学を卒業し、ピョルは古巣であるチェギョンさんの店に勤め始めた
テヤン君はというとどうやらお父様の会社で海外輸入事業部を新たに立ち上げ、そこで優秀な頭脳を生かし
頑張っているってハン家の奥様から聞いていたわ
最初はスーツを着て出勤したピョルだったけど、だんだんカジュアルな服装で出勤するようになっていったの
それはやっぱりあまり堅苦しくならないようにという、チェギョンさんの方針でもあったけど・・・何よりスーツでは
荷物の運搬などの時に動きにくいみたいだから当然ね
店に出勤するようになってから一週間・・・私はチェギョンさんと共にピョルの様子を見に行くことにしたの
もちろんチェギョンさんのお仕事のついでよ
でなければ相当な過保護だとスタッフさんに思われてしまいますからね
ついでとはいってもね~やはり私のサービス精神旺盛な性格は直しようがないみたい
私は店に向かう途中チェギョンさんに車を停めさせて、大量のランチの差し入れを用意したわ
こういったものは少なめよりも多めに持って行くのが無難なの
だって少なかったらバツの悪い思いをするでしょう?誰かが遠慮したりするのは嫌だもの
多い分には、みんなで頑張って食べてしまえばいいのよ~おほほほほ~♪
『お義母様・・・たくさんの差し入れをすみません。』
『あら~いいのよ。私達だって一緒にいただくつもりなんですもの~♪』
あの店で仕事をしていた頃、チェギョンさんはいつもスタッフさんの食事を用意していたのを知ってるわ
店が見えてきたわ
あっ♪ピョルが接客しているわ~♪なんだかとっても様になっている
新人とは思えないほどよ。まぁそれも当然ね・・・幼い頃からこの店にいたんですもの
責任者のチェさんの次に古株なんじゃないかしら~ほほほ
店を通り過ぎ住宅の方の駐車所に車を停めた時・・・私は見慣れた車が道路の向こう側に
停まっていることに気が付いて思わず呟いた
『あら?あれはシンの車じゃないの?』
『えっ?あ・・・本当です。お義母様助手席にはお義父様が・・・』
『まぁ~あの二人ったら何をしているのかしら・・・』
もちろん私と同じようにピョルの社会人ぶりを見に来たんだろうけど・・・
私達は一旦車から降り、二人の乗っている車に近づいていった
<トントン>
ドアをノックするチェギョンさん
その音に驚いた二人は、車の窓を開けながらバツが悪そうな顔をする
あ・・・あら?手にはあんパンと牛乳?まったく・・・昔のドラマに出て来る刑事の張り込みみたい~と
思わず私が苦笑した時だった
『お義父様もシン君も昼食がそれだけじゃあ栄養が偏ってしまいます。
お義母様にたくさん差し入れを買っていただいたんです。すぐに食べられるものですから、車を駐車場に入れて
一緒に昼食にしましょう。』
『あぁっ?チェギョン…本当に余分があるのか?』
『うん。お義母様がたくさん買ってくださったのよ。今お茶を煎れるから・・・』
『じゃあ折角だから・・・いただこうかな。』
とても嬉しそうな顔で車を移動させたシン・・・アンパンと牛乳じゃあね~~!
チェギョンさんは店舗の方に差し入れを届け、後でまた顔を出すと言って一旦店を出たわ
そして住居の方のキッチンテーブルに四人分の昼食を置いたの
『もぉ~あなたたちったら、いくらピョルが心配だからって・・・食事くらいはちゃんとしていただかないと~』
『そうなんだが母さん・・・今日はたまたま役員との昼食会がなかったから、シンと一緒に来てしまったんだよ。
ピョルは・・・私達が見ている間に何人も接客をしていて・・・大したものだなと感心したよ。』
『そりゃあピョルはしっかり者ですもの~♪』
食事をしながらシンはチェギョンさんに話しかける
『そういえばさっきハン・テヤンが店に来ていた。どうやら店に品物を卸しているみたいだった。
何か聞いているか?』
『あ・・・うん、聞いてるわ。テヤン君はお父様の会社の輸入品部門を任されたみたいで、
ピョルが仕入れたい商品をどこよりも安価で卸してくれるそうよ。』
『そうか。仕事でもよいパートナーなんだな。』
そういって少し寂しそうに微笑んだシン
ひょっとしたら既に未来を予測して、花嫁の父気分になっているのかもしれないわね
大急ぎで食事を済ませ、席を立った夫とシン
『ピョルの顔を見て行かないの?』
『そうしたいのは山々なんだが、午後一番で会議があるんだ。会社に戻るよチェギョン・・・』
『わかったわ。気を付けて行ってらっしゃい。』
正直…午後一番の会議があるなら、それに備えなさいという気分だったけど・・・寸暇を惜しんで
その上食事をあんパンで済ませてもピョルに逢いたかったのね
本当にピョルは人気者だわ
二人を見送った後私達はゆっくりお茶を飲んだ
あまり早く店に行くと、スタッフさんがゆっくり休憩が取れないかもしれないもの
『ピョルは幸せ者ですね。お義母様・・・』
『ええ。本当に・・・みんなに愛されているわね。』
『お義母様・・・昔、シン君は今日みたいに昼食も摂らずにピョルに逢いに来ていたんですよ。』
『えっ?そうだったの?』
『ええ。私がシン君に気が付いて声を掛けるまで、スタッフさんのお昼交代に入っていたピョルを
見初めたらしくって。くすくす・・・もちろん自分の娘だなんて思いもしなかった頃です。』
『そういうところ…まったく変わってないのね。シンは・・・おほほほほ~♪』
『本当に呆れる程昔と同じ行動をしますね。くすくす・・・』
二人が結婚してからもう12年・・・なのに第一子が22歳というのはやはり不思議な気がするけど、
その間の10年間の空白を埋めるくらい、二人は愛し合っているわ
まぁ時には喧嘩もするけどね~おほほほほ~♪
その時はもちろん、私はチェギョンさんの味方よ
そろそろいい頃かと店に向かった私達・・・
スタッフさんに丁寧な食事のお礼を言われ、なんだか気恥しいわ
ピョルはキビキビと商品の在庫をチェックし、足りないものを業者に注文する
その中にはテヤン君もいるみたい
声が・・・若干違うから分かってしまうのよ
ひと段落ついた時、ピョルは私達に頭を下げたわ
『グランマ・ママ・・・お昼ごはんご馳走様でした。とっても美味しかったですぅ~♪
グランマとママはどこかでランチしてきたんですか?』
『えっ?いいえ~こちらの二階で食事していたのよ。グランパとパパも一緒にね。』
『えっ?グランパと・・・パパ?』
『ピョルの仕事ぶりを見に来たみたい。とても褒めていたわ。』
『あ~んお店に顔出してくれたらいいのに~~!』
『お仕事の邪魔したくなかったのよ。』
チェギョンさんはピョルに教えてあげた
『グランパがピョルのことすごく褒めてくださったわよ。』
『え~~っ褒めてくれたの?グランパ・・・』
『ええ。パパも褒めていたわ。ピョルが頑張っているのが嬉しかったみたいよ。』
『へへっ♪』
ピョルが念願の店で生き生きと働けて、また家族も一丸となってそんなピョルを応援している
こんな素敵なことってないわね
後はテヤン君との関係が今後どう変化していくのか・・・楽しみな半面一抹の寂しさを感じるわ
ん~昨日の猫さん・・・
『似てね~~よ!』と家族中から言われ
しょぼんな管理人ですぅ。
ところで・・・次男君、自動車教習所の申し込みをしてきたのですが
実は今ハマっているのはロードバイク
マニアックなヘルメットを被って
ぴっちりのスーツを着て
毎日のように走りに行ってるんですけど~!
母は心配でかないません。
『似てね~~よ!』と家族中から言われ
しょぼんな管理人ですぅ。
ところで・・・次男君、自動車教習所の申し込みをしてきたのですが
実は今ハマっているのはロードバイク
マニアックなヘルメットを被って
ぴっちりのスーツを着て
毎日のように走りに行ってるんですけど~!
母は心配でかないません。