ホワイトデー当日・・・チェギョンは外出先から小さな家に戻り、買ってきた食材を冷蔵庫にしまった
『ん~~今日はシン君の好物にしようかな。えへっ♪
シン君のプレゼントって四つ葉のクローバーモチーフが多いんだよね。
今年は・・・何をくれるのかな~♪』
相変わらず不格好なトリュフを贈った割に、シンからの贈り物に期待を膨らませるチェギョン
左手の薬指に輝く指輪は婚約の時に贈られた、小さなハート型のダイヤモンドが四つ組み合わさった
四つ葉のクローバーだ
それはマリッジリングと一緒にいつもチェギョンの左手薬指にある
『そういえば・・・始めて貰ったホワイトデーのプレゼントも、四つ葉のクローバーの携帯ストラップだったっけ。
あれがきっと・・・私に幸せを運んでくれたのね♪えへへ~~♪』
バレンタインデーに挙式した二人・・・今がまさに幸せの絶頂期だろう
『さぁ~食事の支度に取かかろうっと。なんか今日は実家の両親やお義父様お義母様も
やって来そうな気がするし~♪』
チェギョンは一旦収納した食材を冷蔵庫の中から取り出し、食事の準備を始めた
『さて準備ができた。』
チェギョンが一息入れようとしたその時、玄関のチャイムが鳴った
『あれ?シン君かな?まさかね・・・シン君ならチャイムなんか鳴らさないし・・・』
玄関に備え付けられたモニターを見ると、そこにはチェギョンの父ナムギルの姿が映っていた
『お父さん♪』
チェギョンはすぐに扉を開けた
『チャイムなんか鳴らさずに入ってきたらいいのに~~。』
『そうはいかないさ。あ・・・チェギョン・・・今日はホワイトデーだろう?
ケーキを買ってきたんだ。シン君と食べなさい。』
『わぁ~ありがとう。』
『じゃあな。』
ケーキだけ渡すと去っていった父・・・だが手渡された箱の中にはホールのデコレーションケーキが入っていた
『さてはお父さん・・・あとで呼ばれるのを待つつもりね~♪お父さんらしいや。』
そのケーキの箱を冷蔵庫にしまった時、また玄関のチャイムが鳴った
『あ・・・お義父様。』
チェギョンは慌てて玄関のドアを開けた
『お義父様。お帰りなさい。』
『チェギョンさんただいま。今日はホワイトデーだろう?何を贈ろうか迷ったんだが、母さんがこれがいいというから
これにしたんだよ。』
手渡された袋の中を確認し、チェギョンは一瞬たじろいだ
それはイ家の女主人に代々伝わるフレグランスだった
『ありがとうございます。ちょうど無くなるところだったんですよ~♪』
『そうか。それは良かった。じゃあチェギョンさんまた。』
『はい。お義父様どうもありがとうございます♪』
義父が去っていった後、チェギョンは寝室のドレッサーの引き出しにそれをしまった
『シン君・・・この香りに弱いから隠しておいた方がいいかも~くすくす♪』
リビングに戻っていったチェギョン・・・そろそろ夫のシンが帰宅する筈だとキッチンに向かう
今日はきっと母屋からもシン家からも両親たちが駆け付けてくる筈・・・そう思い
サムギョプサルの準備をしたチェギョンは、洗った野菜や肉などをテーブルに並べ始めた
その時・・・急に首元にひんやりした感触を覚え、チェギョンは首を竦めた
『ひゃっ!・・・シン君♪いつ帰ったの?』
『今だ・・・ただいまチェギョン。』
シンはチェギョンの頬にただいまのキスをする
『お帰りシン君♪これは?』
『ホワイトデーのプレゼントだ。』
首元に目を向けると婚約指輪と同じデザインのネックレスが揺れていた
『あ~四つ葉のクローバーだ。』
『あぁ。婚約指輪を作った店で作らせたんだ。』
『どうもありがとう。すごく可愛い~♪』
『ところで随分食材が多いようだが?』
『あ~うん。母屋もシン家も来るかもと思って・・・ご飯もたくさん炊いてあるんだ♪』
『そうなのか。』
『うん。お父さんからケーキもホールで届いているしね。』
『そうか。』
結婚して初めてのホワイトデー・・・本当は親にさえ邪魔をされたくないと思ったのか、
シンは少し不満げな顔をする
『くすっ・・・シン君不機嫌になってる。』
『そんなことはない。』
『眉間に皺が寄ってるよ。くすくす・・・
シン君がご機嫌になる贈り物が、私にもひとつあるんだけどな~♪』
『俺がご機嫌になる贈り物?それはどこにあるんだ?』
『ここ♪』
チェギョンはシンの手を取ると自分の腹部に当てた
『な・・・なにっ?・・・』
シンはチェギョンの腹部を凝視し、信じられないという顔で問い掛けた
『本当・・・か?』
『うん。本当だよ。今日お医者さんに行ってきたもん♪』
『あぁ・・・一体いつ・・・』
『いつ?いつできたかなんてわからないよぉ。先生はハネムーンベイビーじゃないかって仰ってたけど?』
『あ・・・あぁそうか。』
シンは徐にスマホを取り出すと電話をかけ始めた
『と・・・父さん!チェギョンが妊娠したそうです。』
『なにっ?すぐにそっちに行く。』
そしてもう一件電話をかけ始めた
『お義父さん・・・チェギョンに子供ができたそうです。』
『な・・・なんだって~~!すぐに行くよ。』
電話を切った後シンは脱力したようにキッチンの椅子に座り込んだ
『ねっ♪だからみんな来るって言ったでしょう?』
『あぁ…そういうことだったのか。今夜は・・・お祝いだな。』
『うん♪』
程なくして母屋の両親とシン家の両親は小さな家に集結し、6人でチェギョンの妊娠を祝うどんちゃん騒ぎとなった
みんな幸せそうにサムギョプサルを頬張り、チェギョンの父が買ってきたケーキに舌鼓を打った
イ家とシン家の間にある小さな家・・・そこは四つ葉のクローバーに導かれ愛を育んだ二人の愛の巣だ
新婚一カ月で早々と妊娠が発覚し、両家は益々賑やかになっていくことだろう
ホワイトデーのお話❤
名残雪・春霞・夏色キャンパスの二人の
挙式から一か月後の姿を
見ていただきました~❤
またこういったリクエストを頂けると
嬉しいかもしれません❤
読んでいただきありがとうございました★
名残雪・春霞・夏色キャンパスの二人の
挙式から一か月後の姿を
見ていただきました~❤
またこういったリクエストを頂けると
嬉しいかもしれません❤
読んでいただきありがとうございました★