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Channel: ~星の欠片~
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陽の当たる場所 28

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『チェギョン・・・そんなんび改まって、一体なんの話だ?』

チェギョンはシンのそんな無責任な口ぶりに一瞬ムッとし、シンを一瞥すると家族に笑顔を向けた

『私からお話ししたいことがあります。』
『まぁ~何かしら?』

ミンはワクワクした顔つきでハヌルを膝に抱くと、チェギョンに視線を向けた

『実は・・・第三子を妊娠しました。』
『えっ?』『えぇっ!』『ええ~~っ♪』
『ピョルの妹~~❤』

驚き方はそれぞれだが、皆一様に嬉しそうな顔をしていた

ただシンだけは、自分に一番先にその重大なニュースを知らされなかったことが少しショックだったらしい

『ピョル・・・まだ性別はわからないの。あなたの期待に応えるかどうかは・・・』
『うんうん。わかってる。でももう一人ピョルに妹か弟ができた~♪』

嬉しそうにピョルが万歳をすると、ミンの膝に座っているハヌルもピョルを真似て万歳をする

『でった~~♪』

そんなハヌルの頭を撫で、チェギョンは話を続けた

『第三子出産に伴い、臨月から暫く・・・私は仕事を離れたいと思います。』
『えっ?お店はどうするつもりなの?』

そう問い掛けたのは、やはりチェギョンが生き生きと働くことを一番よく理解しているミンだった

『お店はチェさんにお任せしようと思います。もちろん手放すつもりはありませんし、
経理の仕事は続けるつもりです。
ですので実質一カ月に一度給与明細を届けに、店に足を運ぶのが仕事になります。
今まで・・・ピョルやハヌルの世話や主婦としての仕事一切をお義母様にお願いしてきましたが
もうさすがにこれ以上お義母様に、甘えっぱなしというわけにはいきません。
この辺りで私もずっと免除されてきた主婦業と子育てを頑張ろうと思います。
ただ・・・それ以外にもやはり店に顔を出さなきゃならない時はあると思うんです。
その時には三人の子を置いていかないとなりません。シン君やお義父様にもその時には協力していただけると
ありがたいのですが・・・』
『そんなこと当たり前だよ。もちろん協力しよう。』
『週末には俺も・・・家事の手伝いをしよう。』
『チェギョンさんがそう決めたのなら、私に異存はないわ。
そうしたらこれからは姑と嫁でお買い物・・・な~んて時間も過ごせるわね。』
『ええ。お義母様。』

本音を言ってピョルが中学に進学してから、クラブ活動などの学校行事も多くなり少し寂しさを感じていたミン

そんなミンにとって第三子の妊娠報告は、願ってもない吉報だった

またしばらくの間チェギョンは家にいるという

これもミンにとって嬉しいことだった

やはり祖母では補いきれない母の温もりを、子供達は今後必要な時に必要なだけ満喫できる

それはミンにとって喜ばしい話だった

『とにかくチェギョンさんは、臨月まで体調第一でしっかり勤め上げなさい。
チェさんへの引継ぎもしっかりしておくのよ。』
『はい。お義母様・・・その辺りは抜かりなく・・・』


チェギョンが専業主婦でいる期間は5年か10年か・・・それはわからない

だがチェギョンにとっても今までずっと子育てしながら店を切り盛りしてきたのだ

この辺りで少し自分を労わる時間があってもよさそうなものである



チェギョンがハヌルを連れて寝室に戻った後、ミンはそのあとを追いかけようとするシンに問い詰めた

『シン・・・あなたの独断で三人目作ったんでしょう?』
『えっ?・・・いや、そんなことは・・・』
『いくらピョルに催促されたからって、ちゃんとチェギョンさんの気持ちを優先させなきゃダメよ。』
『はい。そうします。』

常日頃すべてが自分中心で回っているミンだったが、やはりそういうことに関しては嫁を庇いたいミンだった

寝室に向かったシンはチェギョンがハヌルを寝かしつけている間に入浴を済ませ、ハヌルが眠った後チェギョンに

詫びを入れた

『チェギョン・・・君の気持ちも考えず勝手に行動して済まなかった。』
『シン君・・・まさか後悔しているの?』
『いや・・・後悔はしていないが・・・君が怒っているんじゃないかと思って・・・』
『妊娠を実感して正直少し戸惑ったわ。でも病院である人と出逢って、そんな気持ちはどこかに行っちゃったわ。』
『ある人・・・とは?』
『あなたの前妻よ。』
『なにっ?ミン。ヒョリンに逢ったのか?』
『ええ。産婦人科でばったりね。』
『それで・・・何か嫌なことでも言われたんじゃ・・・』
『いいえ。三年前にお逢いした時より、ずいぶん丸くなっていたわ。
なんだか悩み相談みたいな話をされちゃって・・・』
『ヒョリンが君に弱みを見せたのか?』
『ええ、あの人と話をpしていたら、私の心の中にあった戸惑いはどこかに行っちゃったわ。』
『そうか。人は随分変わるものだな。』
『あの人と話をしていて、私は如何に家族に恵まれているかわかったの。
だからこそ暫く仕事を休むことを決意したの。』
『そうか。ミン・ヒョリンもたまには役に立つな。』
『くすっ・・・そうね。いいお母さんしていたわよ。自分の陽の当たる場所を作れるかどうかは
あの人の心がけ次第じゃないかしら。』
『俺は賢い嫁さんをもって幸せ者だ。』

ミン・ヒョリンと別れた時、引き寄せられるようにチェギョンの店に行ってしまったのも

やはりシン自身が幸せになりたかったからに違いない

虫がいいと思いながらも、あの時店を訪れる勇気を持てた自分にどこか感謝するシンだった



『私の妹~早く大きくなあれ~♪』

玄関を出ていきながら、まだ何の手応えもないチェギョンのお腹を撫でるピョル

『お義母様~行ってまいります♪ハヌルをお願いします。』
『グランマ~私も行ってきまぁ~す♪』
『はいはい行ってらっしゃい。ハヌルも行ってらっしゃいしなさい~♪』
『ママ~ピョ~いってら~~♪』

満面の笑みで手を振るミンとハヌルに見送られ、チェギョンは車にピョルは自転車に乗った

『ピョル~なるべく早く帰るのよ。グランマが心配するからね。』
『うん。わかったよ~♪ママも気を付けてね~♪』

チェギョンの車とピョルの乗った自転車が見えなくなった時、ミンはハヌルに話しかけた

『ね~~♪グランマの勘ってすごいでしょ~。
だって子供部屋三つ作ったんですもの~おほほほほ~♪』
『しゅ~ご~い!!きゃっきゃっ♪』



その日店に着いたチェギョンは朝一番にチェを店の奥の部屋に呼び出し、向かい合た

『オーナーどうかしましたか?』
『チェさん・・・相談したいことがあるんです。』
『なんでしょう?』
『実は三人目がお腹にできたんです。』
『えっ。じゃあ昨日の外出は病院でしたか。おめでとうございます。』
『どうもありがとうございます。それで・・・相談なんですけど、お腹の子が臨月に入る頃から
私は暫く仕事をお休みしようかと思います。』
『えっ?まさか閉店されるおつもりですか?』
『まさか♪そんなことはしません。ここは両親が遺してくれたお店ですから・・・。
チェさんは両親が一番信頼していた人です。それは私も同じ気持ちです。
産休に入ってから職場復帰できるまで5年先か10年先かわかりませんが、
その間この店をあなたにお願いしたいんです。』
『えっ?そんなに長い間・・・私が・・・』
『もちろん経理は今まで通り私がします。給料日には明細をもって参上します。』
『そんな大役、私で務まるでしょうか。』
『チェさんにしか…任せられません。』
『私をそこまで信頼してくださりありがとうございます。オーナーの代理は荷が重いですが
私なりに精一杯務めさせていただきます。』
『ありがとうございます♪感謝します。』

仕入れから海外の買い付けに至るまで、今後はチェに任せるよう少しずつ仕事の引継ぎを

していくつもりのチェギョン

非常に責任重大な仕事だが、それでも恩のある先代夫婦と現オーナーの信頼に応えるべく

チェはきっと頑張ってくれることだろう




それからチェとチェギョンは、以前勤務していたスタッフに声を掛け再び仕事に戻る気はないかと打診をした

隣りのビルの工事の健康被害を訴え辞めた元スタッフたちは、喜んで職場復帰を受け入れた

チェギョンの店はまた以前のような活気を取り戻し、売り上げも順調に伸びていった



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皆様~台風の被害はありませんでしたか?
テレビのニュースなど観ると
各地で大変な被害が出ています。
心よりお見舞い申し上げます。

管理人宅は・・・確かに風も雨も強かったですが
盆地の為、何も被害はありませんでした。
強いて言えば車のシートカバーが飛んでいったこととか
庭中に苔が生えたことくらいでしょうか。
被害というほどの事ではありません。

こちらはお天気になりまして・・・
あまりに嬉しくてルンルンお掃除していたら・・・
ちょっとしたはずみで
腰が・・・グキッ・・・
ただいま湿布貼って安静中です。(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!



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