ヒョンが経営する会社の創立記念パーティーの日・・・
ピョルはイ・シン夫人として出席するチェギョンのお腹に話し掛けている
『あかちゃん、ずいぶん大きくなってきましたね~♪今日はね、パパやグランパの会社のパーティーに行くんだよ。
来年はあかちゃんも一緒に行けるかなぁ?』
チェギョンはそんなピョルに楽しそうに答えた
『それはきっと無理よピョル。来年はまだ一歳にも満たないのよ。ママとお留守番かしらね。』
『え~~っ?そうなのぉ?』
チェギョンのお腹に宿った胎児は妊娠六カ月に入り、順調に成長を続けている
『二人とも準備はできたか?』
『うん♪わぁ~パパ~カッコいいね~♪』
いつものスーツより高級なものを身に着けたのがピョルにもわかるのか、ピョルはシンを見つめ目を細めた
『そうか?』
『うん~~♪ママも惚れ直しちゃうよね~♪でしょ?ママ❤』
『くすっ・・・ええ、とっても素敵だわ。』
『いや・・・君もとても素敵だ。』
長い髪をアップにしてクリーム色のワンピースを纏ったチェギョンに、シンは蕩けそうな視線を向けた
その瞬間・・・
『でぇ~~い!子供の見ている前で~~!』
ピョルは冷やかすような視線をシンとチェギョンに交互に送った
『あっ・・・もぉ・・・ピョルったら・・・///』
『コラっ・・・///ピョル・・・』
仄かに頬を染め二人はピョルを両側から突いた
『あはは~~♪あっ・・・パパ、早く行かないと時間に遅れちゃうよ。』
『そうだな。行こうか。』
車に乗り込んだシンは会場である本社ビルに向かって車を走らせた
後部座席のピョルは運転席と助手席の間から顔を覗かせ、二人に話し掛けた
『でもさ~ママ・・・そのお洋服、あかちゃんがいますって言っているようなものだよ。』
『えっ?ピョル・・・お腹目立つかしら?』
シンは二人のそんなやり取りに構うことなくピョルに注意を促した
『ピョル・・・ダメだろう?後部座席もシートベルトをしなければ・・・』
『え~~っ!でもパパ、ママだってしていないよ。』
『ママは妊婦だからしなくていいんだ。お腹が圧迫されて危険だからな。』
『ふえ~~っ・・・ピョルも妊婦がいいなぁ・・・』
『馬鹿な事を言っていないで早くシートベルトをしなさい!』
『はぁ~い!』
本音シンにとってはピョルが妊娠する姿などあと30年は見たくない気分だった
ただでさえまだ半年足らずの親子の歴史
(ピョル・・・急ぐな。ゆっくりでいいんだ。)
そう願わずにいられないシンだった
本社ビつの到着し最上階のホールにエレベーターで上って行った時、既にヒョンとミンは到着していた
『まぁ~ピョルちゃん、なんて愛らしいのかしら。チェギョンさんも初々しくてとても素敵よ。』
ピョルの頭を撫でチェfギョンのお腹を撫でるミン
すっかり遠慮のない関係になってしまったようだ
『グランマも~すごく綺麗~♪どこかの国の女王様みたい~♪』
『まっ♪ピョルちゃんたらお口が上手ね。誰に似たのかしら~おほほほほ・・・』
紛れもなくミンに似たのだ
『さぁ~そろそろお客様がいらっしゃるわ。チェギョンさんとピョルちゃんは、飲み物でも飲んで
ゆっくりしていてね。』
『『はい。』』
チェギョンとピョルはホールの入り口付近に用意された席に腰掛け、運ばれてきたジュースで喉を潤した
続々と詰め掛ける客・・・中にはヒョンやミンから≪深い事情≫を聞いている客もいて、その度に客の視線は
チェギョンとピョルに向けられた
『おぉ~なんて綺麗なお嫁さんなのだろうか。お嬢さんも利発そうで・・・』
『ピョルはとても頭の良い子です。』
臆面もなく客に愛娘の自慢をするシンに、ヒョンはこっそり呟く
『ですが性格は・・・うちの家内にそっくりなんですよ。ははは・・・・』
『そうなんです。もう私ととても気が合って~~おほほほほ~~♪』
そんな風に嫁と孫自慢を密かにする三人・・・事情を知っている客達は、会場に入ると続々と
チェギョンとピョルの元に挨拶に訪れた
大々的にはできないが・・・やはり親交の深い人には、チェギョンとピョルを改めて紹介したい・・・
そんなヒョンとミンの想いが感じられ、チェギョンとピョルはしっかりと客に笑顔で挨拶を返す
ほぼ招待客達が集まったかと思われる頃・・・やはり一応招待状は出したものの来て欲しくない客が
来てしまったようだ
『イ社長・・・創立記念日おめでとうございます。』
『ミン社長・・・』
『ほぉ・・・あそこに座ってらっしゃるのが、シン君の新しい奥さんですか?』
ミン社長に伴われてやってきたのは、あろうことか娘のミン・ヒョリンだった
『ええ。そうです。』
『うちの娘は破談になったというのに、お宅は随分幸せそうですね・・・』
目つきからして棘のあるミン社長
さらにミン・ヒョリンはシンに向かって嫌味を言い放つ
『噂では聞いていたけど、もう妊娠しているのね?新しい奥さん・・・
でも、連れ子と自分の血を分けた子を同じように愛せるかしら?
あの連れ子を疎ましく思うに違いないわ。そうなった時が見ものね。』
結婚している時さえ・・・離婚を申し渡された時さえ・・・ただの一度としてミン・ヒョリンに怒りの感情を
抱いたことがなかったシンは、元妻に初めて憎悪の感情をもった
両手の拳が震えだすほどの怒り憎しみ・・・愛娘を蔑みチェギョンを冒涜したその物言いに
我慢がならなくなったシンはミン・ヒョリンを睨みつけはっきりとした口調で言い放った
『ピョルは・・・俺の娘だ!』
会場内でその怒りの声を聞いたピョルは、すぐに椅子から立ち上がりシンの元へ駆け寄った
そしてシンの手を握り締め、ミン・ヒョリンを睨みつけた
『そうです。ピョルのパパに≪なってくyれた≫んです。おばちゃん・・・パパを幸せにしてくれなかったくせに
どうしてそんな意地悪言うんですか?
今パパは、ママとピョルとお腹のあかちゃんとすごく幸せなんです。』
ピョルがミン・ヒョリンに向かって抗議しているのに気が付いたチェギョンは、すぐにピョルの元に向かった
『ピョル・・・いつも言っているでしょう?目上の人に失礼な言い方はやめなさい。』
それを聞いたミン・ヒョリンは、チェギョンに食って掛かった
『あなたの躾がなってないから、こんな悪い子に育つんだわ。』
『でしたらあなたのその無礼な物言いは、お隣にいらっしゃるお父様の躾の問題ですか?
確かにうちのピョルの言葉も褒められたものではありませんが、元はといえばあなたがうちのピョルを
侮辱したんじゃありませんか?』
チェギョンの本心を言えば、ピョルを叱るどころか褒めたい気分だった
なぜなら公然とシンはピョルを自分の娘だと言ってしまったのだ
それを誤魔化すためにピョルは機転を利かせただけなのだ
もちろんイ家の両親も、そんなことは百も承知だった
ヒョンはミン社長に告げた
『はぁ・・・申し訳ありませんが、お引き取り願います。折角の祝いの日なのに、親子揃って水を差すような行動は
慎んだ方がよいですな。』
『本当に・・・お宅との縁が切れてせいせいしましたわ。どうぞお帰り下さい!」
ミン親子は顔を赤らめ踵を返すとその場を去っていった
パーティーが始まって・・・事情を知っている来客の視線はチェギョンとピョルに集中した
『なんて賢い子なんだろう。父親のピンチを救うとは・・・』
『それにあのお嫁さんもすごい。娘を叱りながら前妻を黙らすんだから・・・』
イ家の家族も同様、シンに非難は集中しピョルは褒め称えられた
『まったくシン・・・あなたって人は・・・』
『ピョルちゃんが機転を利かしていなかったらどうなっていたことか・・・』
『すみません。でも我慢できませんでした。ピョル・・・ありがとう。』
ピョルは満面の笑みでシンの腕に絡みつきながら言う
『いいの♪ピョルはすごく嬉しあったよ。でも・・・あのおばちゃんは危険そうだからね~。』
『ピョル・・・私も叱りつけちゃってごめんね。』
『解ってる~♪ママは私を叱る振りをして、あのおばちゃんを撃退したかったんでしょ?』
『ばれたかしら?』
『バレバレ~♪あはははは~~♪』
『最高だわ~おほほほほ~~♪』
その後滞りなく創立記念パ0ティーは進み、イ家と親しい人達にはイ家の幸せな様子と・・・初孫のピョルが
無事披お露目できた
もちろんそのこと公言できないのだが、見ていた人達にもイ・シンが現在如何に幸せであるかを
十二分に知って貰うことができたようだ
客の中には二人の友人であるチャン・ギョン夫妻も訪れていた
『すごいなシン・・・お前、ピョルと本当の親子みたいだ。』
『ギョン・・・実は俺も結婚してから知ったんだが、ピョルは俺の本当の娘だ。』
『えっ・・・えぇぇぇぇ~~~~っ!!』
『ガンヒョンにはチェギョンが報告したそうだが・・・』
『し…知らなかった。マジか。』
『あぁ。本当だ。』
『良かったな~シン。いつも俺のうちに来て、羨ましそうにしてたもんな。』
『あぁ、とても羨ましかったさ。だが今は自分が一番幸せだと思える。』
そう言って両親と共に笑っているチェギョンとピョルを見つめ、シンは嬉しそうに目を細めた
マジカルキューティーを育てている皆様
大変です。急に寒くなりまして・・・
管理人地方も今朝は最低気温11度
マジカルキューティーの適正温度は15度以上です。
それ以下に下がる地域の皆様・・・
室内に移動させましょう~~!
私もしまいますぅ・・・