ウナが成長していくうちに気が付いたことがある
ギョムは嬉しい時・悲しい時・・・実に感情豊かに自分の想いを表現する
でもウナは違うのだ
私と瓜二つの顔つきをしながら、笑顔はどこかぎこちなく・・・そして怒った時などは、シン君に負けず劣らずの
睨みを利かせるのだ
ん~~女の子なのだからもおうちょっと愛想がよくてもいいのに・・・そう思う気持ちも少々あるけど
これは間違いなく二人の遺伝子を受け継いだ証拠だと思う事にする
兄妹仲は非常によく・・・ウナが不満に思っていることなどは、すぐにそれを察したギョムが先回りしていた
そんなギョムに対してウナは絶対的な信頼を寄せていた
そしてホン・ジュソン君には、ウナは非常に懐いていた
ギョムは誰に対してもフレンドリーに接する性格だけど、ウナは違った
女官の中でも一部の人にしか懐かない
お姉ちゃんとチョン女官さん・・・そしてイム世話係さん以外には、あまり心を許していないように思えた
まぁシン君の娘だもん当然か。あはは~♪
イム世話係さんはとてもよくウナの面倒を見てくれている
ウナとの会話の中で自身の事を≪ばあや≫と言っていたものだから、物心がついた頃から≪ばあやさん≫と
ウナは呼ぶようになった
決して甘やかすだけではなく、いけないことはいけないと叱ってくれるイム世話係さん・・・
あの時の事件が縁でこんな素晴らしい逸材がウナの傍にいることに、私は感謝さえ覚えるようになった
思えばミン・ヒョリンも、この人がお世話していた筈よね
なのになぜあんなにも自己中心的に育ってしまったのだろうか
やはりそこは人間の本質が物を云うということなのだろう
ギョムが学校に通うようになった頃から、ギョムの送り迎えはホン・ジュソン君の仕事となった
だけど厄介なことに毎朝ギョムが出かけようとすると、ウナがやってきて一緒に行くと駄々をこねる
もちろん私もシン君もコン内患さんやお姉ちゃんも、その場でウナを抱え一緒に乗り込もうとするのを阻止した
そして車が行ってしまうと、ウナは涙を溜めた瞳で自分の部屋に逃げ込んでしまった
兄妹仲が良いのは嬉しいのだけど、自我に目覚めた頃からウナは東宮の中で一番手を焼く人間となっていった
そんなある日・・・登校しようとしたギョムにウナはしがみついた
『おにいたん・・・わたしも行きたい。』
『ダメだよウナ。学校は遊ぶところじゃないからね。』
『わたしも・・・行きたい・・・』
今にも泣きだしそうな顔付で必死に涙を堪えるウナ
その時ホン・ジュソン君がウナに提案したのだ
『ウナ様・・・ギョム様を一緒にお見送りいたしますか?』
『えっ?』
『ギョム様と一緒に車に乗っても構いません。ですがひとつお約束してください。
ウナ様はまだ学校に通える年齢ではありません。学校に到着したら≪行ってらっしゃい。≫と
ギョム様を見送ってくださいますか?
そうしていただけるのなら、これから毎日ウナ様もお連れいたしますが?』
『えっ?・・・いってらっしゃいって・・・いえばいいんですか?いえます。だからいっしょに・・・』
『それでしたらどうぞ車にお乗りください。』
『は・・・はい!!』
その様子を見ていたシン君は、呆れながら私に話した
『チェギョン・・・ウナはそんなにギョムが好きなのか?俺が公務で出掛ける時など、
あんなに駄々をこねたことがない。
あの一本気なところはお前に似ているな。』
『そ・・・そう?』
確かに私は頑固だけど、私にしてみればウナはシン君によく似ていると思うけどな。あはは~
常識を逸したブラコン・・・私達はそれか長い間、そう思い込んでいた
ギョムが学校に通うようになり、ウナが三歳を迎えた頃・・・親友チャン・ギョンとイ・ガンヒョンの間に
第一子が生まれた
俺達と同じように第一子は男児だった
その頃にはギョンも重要なポストを任され、またガンヒョンも編集者として脂がのっている時期でもあり
出産からわずか一か月後職場復帰したとギョンから聞かされた
生まれた男児はガンウと名付けられたそうだ
『じゃあギョン・・・ガンウの面倒は誰が見ているんだ?託児所に預けているのか?』
チャン航空の後継者となるガンウ・・・そのようなことは絶対にないなと思いながらも、一応俺は問い掛けた
『いやぁ~俺の母が面倒見ているよ。てか・・・ガンヒョンの妊娠が発覚してから実家に入ったんだ。
その方が何かと都合がいいし、ガンヒョンの負担も減らせるからね~♪』
『そうか。だが今度はお前のお母様が、大変じゃないのか?』
『それも心配ない。実家は使用人がたくさんいるからさ、母は楽しみながら第二の子育てしているよ。』
『ガンヒョンの仕事に関して・・・理解されているのか?』
『それがさ~~ガンヒョンはかなりやり手でさ、ガンヒョンの手掛けた書籍や絵本はみんなベストセラーなんだ。
母もそんな嫁さんに鼻高々ってわけ。』
『そうか。同居して家の中も上手くいっているんだな?』
『もちろん♪父も家に帰れば孫と嫁がいるんだもん。帰宅が早くなったって社内でも有名さ。』
『くくっ・・・お前もそうじゃないのか?』
『俺~?当然だろう?』
危惧していた共働き夫婦も円満な日々を送っていると知り安堵する
それからしばらく時間が経った頃、俺のパソコンにアメリカに渡ったインからのメールが入った
【親愛なるシンへ
ご無沙汰して申し訳ない。こちらは変わりなく元気に過ごしている。
実はこの度家族が増えたので報告したくてメールした。
つい最近ヒョリンに女児が生まれたんだ。生まれた子供が女の子だったのも、
もしかしたら罰なのかもしれないな。
ヒョリンは子供を産んで以来、チェギョンの言った処罰の意味を思い知ったらしく
子供をあやしながら涙することが多い。
ヒョリンが帰国できないならと、俺の両親が孫の顔見たさにアメリカまで来てくれたんだ。
シンとチェギョンのおかげで人並みに幸せな時間を過ごしている。
俺には言わないけどヒョリンは自分の犯した罪の重さを噛みしめながら育児をしている。
今、俺はとても幸せだ。ヒョリンは幸せと背中合わせの自分の罪にいつも怯えている。
こうしてヒョリンに後悔を促しながら、俺達は生きていくよ。
ウナ様は元気にお過ごしだと両親から聞いた。どうかウナ様の未来が誰よりも幸福であるように
俺は・・・そしてヒョリンは祈っている。
また連絡する。元気でな・・・】
添付された写真に視線を向けると、ミン夫人だけは夫が終身刑で服役していることなど想像もできないほど
幸せそうな笑顔を浮かべている
インもそこそこ幸せそうに微笑んでいる
だがミン・ヒョリンだけは非常に緊張した面持ちで生まれた娘を抱いていた
そのメールと写真を俺はすぐチェギョンに見せた
『シン君・・・少しお灸が過ぎたかしら。子供を産んだばかりなのに、ヒョリンは不幸せそうね。
でも・・・あまりにも幸せそうに微笑んでいたら、堪らない気持ちになっていたかも・・・』
『あぁ。これでよかったんだ。ヒョリンはこの罪の重さを噛みしめながら生きていくだろう。』
『そうね。イン君は幸せそうでよかった。』
そうだな。更生施設のヒョリンに面会に行っていたというだけで、ヒョリンの人生を押し付ける形になってしまったが
インはインできっと幸せなのだろう
長く思い続けた女を妻にできたのだから・・・
季節は移り替わっていく・・・
誰とでも一瞬にして友達になれるギョムと、どこか人を寄せ付けない雰囲気を持つウナ
同じ親から生まれた筈なのにこんなにも性格の違うふたり・・・だがそれでも兄妹仲はとてもよかった
皇帝陛下が皇位を退かれ、俺が皇帝になることが決まった時・・・東宮に・・・いや宮殿内に
大きな問題が勃発した
さて~大きな問題とは一体何でしょうね。
きっと予想外の展開が
起こりそうな予感がしますぅ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
しかし暑いなぁ・・・
豪雨被害の地域の皆様
どうぞ体調を崩されませんように・・・
きっと予想外の展開が
起こりそうな予感がしますぅ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
しかし暑いなぁ・・・
豪雨被害の地域の皆様
どうぞ体調を崩されませんように・・・