(チェギョンside)
不覚だった。私は妊娠後自分の身体の中で一番変化し、そしてどう足掻こうとも戻らない箇所がある事を
すっかり忘れていた
それは・・・胸だ
現在進行形でギョムに授乳しているのだから、いくら努力したところでサイズダウンするはずがない
他の個所は戻ったというのに、男装用アイテムを新調して貰った理由はそんなところにあった
シン君は知らないだろうけど、結構男装も大変だった
なぜなら胸を締め付けるサポーターには、母乳が滲んできてしまうし・・・胸パットを入れると
サイズが変わってしまうし・・・必死の思いで新調した男性用白のタキシードを着た私
でもやはり胸周りがきつい
支度が整った私を見て、シン君は人の気も知らずに言い放つ
『チェギョン・・・なんだか胸板が厚いな。』
『ま・・・まぁね・・・』
私はほんの一瞬だけシン君を睨み、それから迎賓館に向かった
迎賓館の入り口には既にギョン君とガンヒョン夫妻が到着していた
そう・・・男装の麗人二人とその夫二人で、若手王族メンバーを迎えようというのだ
『ガンヒョン~~♪』
『チェギョン元気そうね。あとでギョム皇子の顔を拝ませてよ。』
『もちろんよ~♪』
『ところで・・・チェギョン胸がパツパツじゃない?』
ガンヒョンまでそれを言う?さすがの私も本音が零れた
『仕方ないわよ~~!!授乳中の胸を必死に締め付けてきたんだもの!』
『あっ・・・そうだったわ。アンタ・・・子供産んだように見えないから・・・。苦労したでしょう?』
ガンヒョンにわかって貰えて、私は漸く機嫌を直した
『さてと・・・ゲストをお迎えに行きますか。その前にガンヒョンはこれを付けてね。』
私はガンヒョン用に用意した仮面をガンヒョンに手渡し、同時にシン君もギョン君に仮面を手渡した
四人同時に仮面をつけた時、どう足掻いても私とガンヒョンは王族のお嬢さんたちに一瞬で
ばれてしまうのが分かった
なぜなら・・・以前そういう役どころを演じたことがあるんだもの
きっとばれるに違いない
『さぁガンヒョン・・・そろそろ王族がやって来る頃よ。お迎えしましょう。』
『そうしよう。』
あ・・・もうガンヒョンは声色を変えている。後れを取ったわ・・・
私達四人は参加者に渡す仮面をそれぞれに持ち、迎賓館の入り口でゲストを待った
(シンside)
もちろん俺はチェギョンの胸がサイズアップしていることを知っていた
そのことをからかうようにちょっと軽口を叩いたら、すっかりチェギョンの機嫌を損ねてしまったらしい
チェギョンは迎賓館に向かうまで、その凛々しい顔に不似合いなアヒル口で俺に抗議する
だがガンヒョンさんを見かけた途端、チェギョンは上機嫌な顔に変わった
ガンヒョンさんも凛々しいタキシード姿だ
しかもオーシャンブルー・・・これはギョンのチョイスかもしれないな
夫の俺たち二人はおとなしく黒のスーツで参戦だ
どうせ俺たち二人は他の女性と踊ることもできず、客の接待役に回るのだ
まぁ・・・王族の娘とダンスを踊ったりして、チェギョンの機嫌を損ねたら敵わないからな
チェギョンは時折胸の辺りに手を当て顔を顰める
恐らく胸が張って痛むのだろう
パーティーの時間もチェギョンの体調を考慮し、短めに設定している
まぁ・・・王族の娘たちが二人を開放してくれたらの話だが・・・くくっ・・・
四人で迎賓館の入り口に並び、ゲストを迎える準備を始めた
続々と押し寄せる王族の娘達
『ようこそ。コ家のお嬢さん・・・』
チェギョンが手に持った仮面を渡すと、コ家の娘は目を見開いてその仮面を持ったままうっとりとした面持ちで
チェギョンとガンヒョンさんを見比べた
『ちぇ・・・チェギョン様!それにガンヒョン様もっ!!』
おい・・・王族でありながら皇太子に挨拶はなしか?
コ家の娘は俺の鋭い視線に気が付いたのか、慌てて俺とギョンに向かって頭を下げた
『あ・・・すみません。皇太子殿下本日はお招きいただきありがとうございます。
チャン航空副社長のチャン・ギョンさん、本日は奥様もご同伴いただきとても嬉しいです。』
なんだか支離滅裂なコ家の娘・・・いや、この娘が特別だったわけではない
後から続々とやって来る娘たちも、皆同じようなものだった
まぁ仕方がなかろう。今日俺とギョンは壁の花だ
一方王族の子息たちはチェギョンの事がわからないらしく、俺とギョンに挨拶しながら怪訝な顔をする
『あの・・・殿下、妃殿下は今日…お見えにならないのですか?』
『いや・・・同伴しているが?くくっ・・・』
俺は可笑しそうに視線をチェギョンに向けた
すると王族の子息は口をあんぐりと開けたまま、深々とチェギョンに挨拶をするのだ
『た・・・大変失礼をいたしました。妃殿下・・・。あの・・・お隣の方は・・・』
『そちらにいらっしゃるチャン・ギョンさんの奥様です。』
『お・・・奥様でいらっしゃいますか?』
『チャン航空のポスターを見たことはありませんか?その方です。』
『おぉ・・・・・』
そのポスターに見覚えがあるのだろう。あまりの変貌ぶりに驚いた王族の子息は、やはり深々とガンヒョンさんに
頭を下げた
『そうでしたか。失礼いたしました。まさかあのポスターの女性とは・・・考えが及びませんでした。』
皆渡された仮面をつけ、迎賓館の中に入って行く
娘たちは華やかに着飾り、子息たちも一張羅のスーツを着ているのだろう
チェギョンが言う通り、出逢いの少ない若い王族たちがこの舞踏会で縁を結ぶのかもしれない
そうなったら俺とチェギョンは縁結びの神様だ
なんだか楽しくなってくる
会場内に招待客たちが全員集結し、華やかな音楽が流れ始めた
そして予想通りハン目の娘がチェギョンの前に立った
『チェギョン様・・・あの・・・恐れ多い事ですが一曲踊っていただけませんか?』
『もちろん♪』
チェギョンがハン家の娘の手を取りホールの中央に出ていく
それと同時にガンヒョンさんの前にもダンスのお相手を願い出る娘が立ち、無事交渉成立となったのか
チェギョンと同じようにホールの中央に向かった
王族の子息の何人かは娘たちをエスコートしてダンスの輪に加わった
俺とギョンの元にもダンスを申し込む娘がいたのだが、俺とギョンはそれをやんわりと断り
チェギョンとガンヒョンさんが女性をエスコートして踊る凛々しい姿を、うっとりと眺めていた
立て続けに数人の娘たちと踊ったチェギョンとガンヒョンさん
さすがに疲れたらしく椅子に腰かけ飲み物を飲んでいる時、一人の王族子息がチェギョンの元に近づいた
俺は嫉妬心なのかその様子がとても気になり、こっそりその背後に回り二人の会話に耳を傾けた
一体俺の妻に、何を話そうというんだ?
(画像は薔薇の奥様ことkakoさんからお借りしております。お持ち帰りはご遠慮ください。)
暑い・・・梅雨明け宣言したら
いきなり暑いですね~~!!
今日は多肉棚を家の北東に移動したんです。
日焼け防止に長袖着用で
死ぬかと思った・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
暑い・・・梅雨明け宣言したら
いきなり暑いですね~~!!
今日は多肉棚を家の北東に移動したんです。
日焼け防止に長袖着用で
死ぬかと思った・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!