(なぜ気がつかなかったんだろう・・・)
帰りの電車の中で、チェギョンはドアに凭れかかり漠然と外の景色を眺めた
(そんなこと気が付く筈ないよね。どこかに≪皇太子です≫って印があった訳でもないし・・・
でも不覚だったなぁ・・・。)
行きの電車の中の弾んだ気持ちと比べ、今は真反対の気持ちになってしまっているチェギョン
自分でも何にナーバスになっているのかまったく理解が出来ない
(もう忘れよう。たまたま出逢っただけの人だ。それにもう遭う事もないし・・・)
チェギョンは三度逢っただけのシンを記憶の片隅から追い出そうとしていた
桜の花が満開になる頃・・・チェギョンは高校の入学式を迎えた
真新しい制服に身を包み、元気よくチェギョンは玄関から飛び出した
『お父さん、お母さん~行ってきま~~す♪』
近頃家の前に高級車が停まる様になった。それはきっと父の背負ってしまった借金を
肩代わりしてくれた人の車なのだろうとチェギョンは察していた
(だけど・・・その借金の形がどうして私なのよ!)
半ば怒りの感情も込み上げてくるチェギョン
(シン君も今日王立高校の入学式だね・・・)
心の中でシンの事を思い出してしまい思わず唖然とする
(袖すり合うも多生の縁っていうけど・・・ひょっとして、あれもそうなのかな・・・)
頭の中で否定しながらも心がシンを忘れない
そんな自分を愚かに思いながらチェギョンは韓国芸術高校の門をくぐった
『おぉ~~ガンヒョン!!それにヒスンにスニョン~♪』
中学から一緒の親友三人。高校になっても同じ学科に通える事が嬉しくて堪らないチェギョンである
『チェギョン・・・制服似合うじゃない。』
『ホント?ウエストでスカート折って少し短くしてみたんだ~~♪』
『ははは~~ん。だからウエストがもこもこしているんだ~~♪』
『そんなの・・・めくらなければわかんないもん♪』
今が一番楽しい時期の、溌剌とした高校一年生になった四人
『ねえねえ・・・なんだかすごい人が多くない?今日ってただの入学式だよね?』
『あ~~アンタまだ知らないのね。なんでもね・・・皇太子率いる財閥子息達がこの学校に入学したんだよ♪
アタシ皇太子フリークだからウェルカムよ~♪』
『えっ・・・・皇太子・・・』
(うっ・・・うそっ・・・だって王立高校だって・・・)
チェギョンは動揺のあまりスニョンに問い掛けた
『でも・・・そんな噂、流れていなかったよね?』
『うん。春休みに急遽進路変更したらしいよ。両方の学校も大変だろうね。
なんでも映像技術を学びたいとか?』
(ってことは映像科。良かった~。大人しくしていれば見つからない。)
その後入学式などではまるで借りて来た猫のように静かに振舞うチェギョンである
別に何も疾しいところは無いのだが、まさか同じ高校に通っているだなんて知られたくなかったのだ
ところが・・・
其々に振り分けられたクラスに移動し、全員が席に着いた時担任教諭が現れた
『今日から一年間このクラスを受け持つキム・スンジョンと言う。どうぞよろしく!!
あ・・・あと我がクラスには光栄なことに、この国の皇位継承権第二位のイ・ユル様が入学した。
イ・ユル様は皇太子殿下の従兄弟にあたる。高貴な方だからみんな・・・失礼のない様に!)
(皇太子殿下の・・・従兄弟だとぉ~?それ・・・拙いんじゃないの?もし教室になんか来られたらバレちゃう。)
何の疾しさもない筈なのにチェギョンは身を竦め、そっと辺りを見渡してみる
すると隣に座った男子生徒が担任教諭に抗議の声を上げた
『先生・・・僕は普通の生徒として皆さんに溶け込みたいんです。そう言う紹介はやめてください!
イ・ユルです。どうぞよろしく。』
教室に居る女子生徒から悲鳴が上がった
あまりにも穏やかな微笑み・・・そして柔らかな物腰でユルは教室中を魅了したのだ
(こ・・・この人がシン君の従兄弟?あ・・・そう言われてみれば笑顔が似ているかも・・・)
ユルと視線がぶつかったチェギョンは、困って視線を逸らした
するとユルはそれを許さないと言う様に、笑顔で話し掛けて来る
『君は?なんて言う名前?』
『えっ・・・えっと私はシン・チェギョンですぅ・・・』
できれば関わり合いになりたくなかったシンの従兄弟。だがユルは屈託のない笑顔で更に話しかけて来る
『僕・・・イギリスから帰国したばかりで、授業で解らない事とかあるかもしれない。
チェギョン・・・教えてくれる?』
『あ・・・私は人に教えられるほどいい成績じゃあ・・・』
『大丈夫さ。よろしくね♪』
そんな風にして運命の歯車は否応なしに、チェギョンをシンに近いところへと導いてしまうのであった
そして・・・入学式のあったその週の日曜日。父からどうしてもと言われ借金の肩代わりをしてくれた家に
チェギョンは行くこととなってしまった
(行ってはっきり宣言してやる!私が社会人になってから働いて全額返しますって・・・)
今回の交換条件である≪将来嫁に欲しい≫という要望を、はっきり断って来るつもりでいた
黒塗りの高級車がチェギョンを迎えにやって来て、それにチェギョンは乗り込んだ
なんだかそんな車に乗るのは初めてで緊張するが、勇気を奮い起してチェギョンはしっかり前を向いた
連れて行かれた先は驚くほどに大きなお屋敷だった
『あの・・・ここですか?』
『はい。こちらでございます。ご主人様も奥様も坊ちゃんもあなた様をお待ちしております。』
(ひぃ~~・・・・なんか私、とんでもないところに来ちゃったのかも・・・)
車から降りその家の玄関に向かう
『いらっしゃいシン・チェギョンさん。』
『今日は急なお願いでごめんなさいね。』
『あ・・・いえ・・・』
『じゃあすぐに着替えていただけるかしら?メイドさんシン・チェギョンさんのお着替えをお願いね。』
『えっ?あのっ・・・』
何も言う間もなく一つの部屋に連れて行かれ、まるでお姫様の様な衣装を着せられたチェギョン
(な・・・な・・・なんなのよぉ。仮装大会?)
動揺している間に髪を結われ薄くリップを引かれた
『まぁ~大変お綺麗ですよ♪』
メイドからそうおだてられ鏡に映る自分の姿を見ると、確かに満更でもない自分が映っていた
着替えを済ませその部屋から出て行くと、その家の息子であるハン・チョルスが満面の笑みで待っていた
『さぁ行きましょう。時間が無い・・・』
『えっ?あのっ・・・』
何も言えないまま再び黒塗りの高級車の後部座席に、ハン・チョルスと座ったチェギョンは
自分の置かれている状況がまるで解っていなかった
『あ・・・あの・・・一体どこに向かっているのですか?』
『おや?お父様から聞いていませんか?今日は若手王族の親睦パーティーでしてね・・・
男性はパートナー同伴と言う決まりなんです。まぁ・・・体のいい皇太子殿下のお見合いパーティーと
言ったところでしょうか。ははは・・・』
『と言う事は行き先は・・・』
『もちろん宮殿ですよ。』
チェギョンは目の前が真っ白になって行くのを感じた
帰りの電車の中で、チェギョンはドアに凭れかかり漠然と外の景色を眺めた
(そんなこと気が付く筈ないよね。どこかに≪皇太子です≫って印があった訳でもないし・・・
でも不覚だったなぁ・・・。)
行きの電車の中の弾んだ気持ちと比べ、今は真反対の気持ちになってしまっているチェギョン
自分でも何にナーバスになっているのかまったく理解が出来ない
(もう忘れよう。たまたま出逢っただけの人だ。それにもう遭う事もないし・・・)
チェギョンは三度逢っただけのシンを記憶の片隅から追い出そうとしていた
桜の花が満開になる頃・・・チェギョンは高校の入学式を迎えた
真新しい制服に身を包み、元気よくチェギョンは玄関から飛び出した
『お父さん、お母さん~行ってきま~~す♪』
近頃家の前に高級車が停まる様になった。それはきっと父の背負ってしまった借金を
肩代わりしてくれた人の車なのだろうとチェギョンは察していた
(だけど・・・その借金の形がどうして私なのよ!)
半ば怒りの感情も込み上げてくるチェギョン
(シン君も今日王立高校の入学式だね・・・)
心の中でシンの事を思い出してしまい思わず唖然とする
(袖すり合うも多生の縁っていうけど・・・ひょっとして、あれもそうなのかな・・・)
頭の中で否定しながらも心がシンを忘れない
そんな自分を愚かに思いながらチェギョンは韓国芸術高校の門をくぐった
『おぉ~~ガンヒョン!!それにヒスンにスニョン~♪』
中学から一緒の親友三人。高校になっても同じ学科に通える事が嬉しくて堪らないチェギョンである
『チェギョン・・・制服似合うじゃない。』
『ホント?ウエストでスカート折って少し短くしてみたんだ~~♪』
『ははは~~ん。だからウエストがもこもこしているんだ~~♪』
『そんなの・・・めくらなければわかんないもん♪』
今が一番楽しい時期の、溌剌とした高校一年生になった四人
『ねえねえ・・・なんだかすごい人が多くない?今日ってただの入学式だよね?』
『あ~~アンタまだ知らないのね。なんでもね・・・皇太子率いる財閥子息達がこの学校に入学したんだよ♪
アタシ皇太子フリークだからウェルカムよ~♪』
『えっ・・・・皇太子・・・』
(うっ・・・うそっ・・・だって王立高校だって・・・)
チェギョンは動揺のあまりスニョンに問い掛けた
『でも・・・そんな噂、流れていなかったよね?』
『うん。春休みに急遽進路変更したらしいよ。両方の学校も大変だろうね。
なんでも映像技術を学びたいとか?』
(ってことは映像科。良かった~。大人しくしていれば見つからない。)
その後入学式などではまるで借りて来た猫のように静かに振舞うチェギョンである
別に何も疾しいところは無いのだが、まさか同じ高校に通っているだなんて知られたくなかったのだ
ところが・・・
其々に振り分けられたクラスに移動し、全員が席に着いた時担任教諭が現れた
『今日から一年間このクラスを受け持つキム・スンジョンと言う。どうぞよろしく!!
あ・・・あと我がクラスには光栄なことに、この国の皇位継承権第二位のイ・ユル様が入学した。
イ・ユル様は皇太子殿下の従兄弟にあたる。高貴な方だからみんな・・・失礼のない様に!)
(皇太子殿下の・・・従兄弟だとぉ~?それ・・・拙いんじゃないの?もし教室になんか来られたらバレちゃう。)
何の疾しさもない筈なのにチェギョンは身を竦め、そっと辺りを見渡してみる
すると隣に座った男子生徒が担任教諭に抗議の声を上げた
『先生・・・僕は普通の生徒として皆さんに溶け込みたいんです。そう言う紹介はやめてください!
イ・ユルです。どうぞよろしく。』
教室に居る女子生徒から悲鳴が上がった
あまりにも穏やかな微笑み・・・そして柔らかな物腰でユルは教室中を魅了したのだ
(こ・・・この人がシン君の従兄弟?あ・・・そう言われてみれば笑顔が似ているかも・・・)
ユルと視線がぶつかったチェギョンは、困って視線を逸らした
するとユルはそれを許さないと言う様に、笑顔で話し掛けて来る
『君は?なんて言う名前?』
『えっ・・・えっと私はシン・チェギョンですぅ・・・』
できれば関わり合いになりたくなかったシンの従兄弟。だがユルは屈託のない笑顔で更に話しかけて来る
『僕・・・イギリスから帰国したばかりで、授業で解らない事とかあるかもしれない。
チェギョン・・・教えてくれる?』
『あ・・・私は人に教えられるほどいい成績じゃあ・・・』
『大丈夫さ。よろしくね♪』
そんな風にして運命の歯車は否応なしに、チェギョンをシンに近いところへと導いてしまうのであった
そして・・・入学式のあったその週の日曜日。父からどうしてもと言われ借金の肩代わりをしてくれた家に
チェギョンは行くこととなってしまった
(行ってはっきり宣言してやる!私が社会人になってから働いて全額返しますって・・・)
今回の交換条件である≪将来嫁に欲しい≫という要望を、はっきり断って来るつもりでいた
黒塗りの高級車がチェギョンを迎えにやって来て、それにチェギョンは乗り込んだ
なんだかそんな車に乗るのは初めてで緊張するが、勇気を奮い起してチェギョンはしっかり前を向いた
連れて行かれた先は驚くほどに大きなお屋敷だった
『あの・・・ここですか?』
『はい。こちらでございます。ご主人様も奥様も坊ちゃんもあなた様をお待ちしております。』
(ひぃ~~・・・・なんか私、とんでもないところに来ちゃったのかも・・・)
車から降りその家の玄関に向かう
『いらっしゃいシン・チェギョンさん。』
『今日は急なお願いでごめんなさいね。』
『あ・・・いえ・・・』
『じゃあすぐに着替えていただけるかしら?メイドさんシン・チェギョンさんのお着替えをお願いね。』
『えっ?あのっ・・・』
何も言う間もなく一つの部屋に連れて行かれ、まるでお姫様の様な衣装を着せられたチェギョン
(な・・・な・・・なんなのよぉ。仮装大会?)
動揺している間に髪を結われ薄くリップを引かれた
『まぁ~大変お綺麗ですよ♪』
メイドからそうおだてられ鏡に映る自分の姿を見ると、確かに満更でもない自分が映っていた
着替えを済ませその部屋から出て行くと、その家の息子であるハン・チョルスが満面の笑みで待っていた
『さぁ行きましょう。時間が無い・・・』
『えっ?あのっ・・・』
何も言えないまま再び黒塗りの高級車の後部座席に、ハン・チョルスと座ったチェギョンは
自分の置かれている状況がまるで解っていなかった
『あ・・・あの・・・一体どこに向かっているのですか?』
『おや?お父様から聞いていませんか?今日は若手王族の親睦パーティーでしてね・・・
男性はパートナー同伴と言う決まりなんです。まぁ・・・体のいい皇太子殿下のお見合いパーティーと
言ったところでしょうか。ははは・・・』
『と言う事は行き先は・・・』
『もちろん宮殿ですよ。』
チェギョンは目の前が真っ白になって行くのを感じた
本日は第一王子と
パスタランチデートおよび多肉パラダイスしてきました❤
美味しかったし楽しかったよ~~♪
パスタランチデートおよび多肉パラダイスしてきました❤
美味しかったし楽しかったよ~~♪