オッパと話をしたり音楽を聴きながらの移動の時間・・・でもやはり視界を遮られていると言うのは
すごく不安でより長い時間に感じられるものだ
『チェギョン・・・到着したよ。』
『到着?じゃあもうこれ・・・取ってもいいですか?』
間髪入れずにアイマスクに手を掛ける私・・・だけどオッパは必死に笑いを堪えながら私に言う
『くっ・・・まだ駄目だ。』
まだダメなんですかぁ?はぁ・・・
やがて後部座席のドアが開き、オッパは私の荷物を取りだしそれから助手席の私を車から降ろした
オッパに支えられながらゆっくり歩いて行く・・・
辺りに人のざわめく声が聞こえるから、きっと招待客はもう到着しているのだろう
だけど・・・こんな変な入場ってないよね?ん~~~・・・・
徐にオッパが立ち止まり一旦私の手を離す。それから私の手を握るとそっと引っ張った
『チェギョン・・・段差だ。結構高い段があるから気を付けて・・・』
大きく足を踏み出しその段差を一段上がると、オッパは私の腰を抱きしめ引きあげた
えっ・・・何やってるんだろう???
『チェギョン座るぞ。』
私の位置を正して腰を下ろすよう促すオッパ
<ヒヒン・・・>
ヒヒン?ヒヒン~~~?まさかここは動物園?
『さて最後の仕上げだ。この花冠を被せて・・・横に付いているピンで固定すればいいんだろう?』
オッパが私の頭に花冠を載せてそれを留めようと頑張っている
『はい。オッパ・・・ちゃんと留められますか?』
『あぁ…多分・・・大丈夫・・・』
多分ですと?落ちたら洒落にならない。心配になって私はそのピンの位置を確認し、
きちんと髪に留まっている事に安堵する。まぁ一応確認の為に頭を振ってみたりしたけどね・・・
『じゃあ…出発しよう。』
しゅっ・・・出発?まさかアイマスクしたまま入場なの?
そう思った時オッパの手は私のつけているアイマスクに掛かり、漸くそれが外された
<パッカパッカ・・・パッカパッカ・・・>
視界を遮られた状態から一転、眩しい光の中に放り込まれた私・・・耳元に響いてくるこの軽快なリズムは・・・
まさか・・・ひずめの音?
あまりの眩しさに目が開けられず、慣れた頃に必死に目を凝らす
【皆様~白馬の引く馬車に乗った新郎新婦の御入場です。大きな拍手でお迎えください~~!!】
ほ…本当だ。馬車に乗っている。そして確かに馬車を引いているのは艶やかな毛並みを持つ白馬だった
そして私はその会場の様子に目を向けた
・・・薔薇園だ・・・元日に二人きりでデートした薔薇園だ!!
あの時はまだ新芽が少し見える程度だったけど、今は薔薇の香りにむせかえるほど満開❤
私はオッパや家族が挙式をシークレットにした意味も、このドレスを選んだ理由もわかった様な気がした
『オッパ・・・』
満開になった薔薇園はそれは見事な景観だった。私はただただ感嘆の溜息を吐き、
少し高い位置の馬車から、薔薇が咲き誇る様子に感動するばかりだった
思えば・・・私達が出逢ったきっかけも一本の薔薇だった
その薔薇を挙式のステージに選ぶなんてオッパはさすがだと思った
『気に入って貰えたか?内緒にしていてすまなかった。だが君を驚かせたかったんだ。』
『すごく気に入りました。オッパ・・・準備大変だったでしょう?ありがとう・・・』
予想もしなかった展開に胸が震える・・・思わず目頭が熱くなる私だった
『さぁ降りよう・・・』
馬車から先に降りたオッパは私に手を差し伸べる。私はしっかりとその手を握り締め地上に降り立った
赤いバージンロードが敷かれたその先には薔薇のアーチが有るだけだった
オッパに促がされオッパの左手に腕を回す。バージンロードを歩く私達に招待客達の惜しみない拍手が
降り注いだ
常識も何もかもぶち壊した俺達の挙式が始まった
俺はチェギョンと共にバージンロードを歩いて行く。その向かう先には薔薇のアーチしか存在しない
神父も・・・いない
つまり・・・俺達を結びつけた薔薇の花の前で愛を誓うつもりなのだ
二人で歩んでいく夫婦としての第一歩・・・それを見守るものは友人達と家族・・・そして薔薇の花があればいい
若干のマスコミ関係者もその噂を聞き付け、ここに向かうバスの後を付けて来たが・・・もちろん俺はその人達を
この薔薇園の中へ快く招き入れた
恐らく明日の経済紙の一面を俺達の結婚記事が飾るだろう
薔薇のアーチの前に辿りついた俺達・・・俺はチェギョンと向かい合い両手を握り締めた
『この薔薇の前であなたに永遠の愛を誓います。
そしてイ・コーポレーション≪来夢来人生花店≫の発展の為に、あなたと一緒に力を尽くします。』
長い言葉ではない。チェギョンは一語一句間違えることなく、俺の誓いに答えてくれた
ポケットからリングケースを取りだし、チェギョンの薬指に結婚指輪をはめた
チェギョンもお揃いの結婚指輪を、俺にはめてくれた
誓いのキス・・・なんとなくお義父さんの視線がちくちくと痛くて、俺はほんの少し啄ばむ程度にキスをしただけだ
別に見せつけるものじゃない。その辺りはあとでゆっくり誓えばいいのだ
一応の重大なイベントを終えた後は、祖母やお義母さん・・・キム・アヨンさんや我が社のスタッフが
この日の為に力を注いでくれた、アレンジメントフラワーが飾られたテーブルを囲んでの立食パーティーだ
おばあ様だけは椅子を持参しその横に腰掛けて嬉しそうに俺達を見守る
真夏の暑い時期だ・・・アレンジメントされた花達は、じりじりと照りつける太陽の日差しに負けそうになる
そんな様子を察して、母はドライアイスを持って各テーブルを駆け巡る
ドライアイスが放つスモークが、少しだけ涼しさを演出してくれた
花屋の嫁稼業もなかなか楽じゃないな。くくっ・・・
嬉しそうに微笑んでいるチェギョンに目を向けると、花冠は白のミニバラで作られており・・・
ブーケも白のミニ薔薇とカスミソウ・・・回りを葉で覆っているというシンプルさだ
だが今日のウェディングドレスには丁度いいバランスで、彼女の美しさを引き立てている
『ブーケトス・・するわよ~~♪』
チェギョンがそう未婚女性達に告げると、チェギョンの友人やイ・コーポレーションのスタッフは
我先にと集まって来る
チェギョンの投げたミニ薔薇のブーケは、大きく弧を描いてその女性陣の群れの中に落ちた
キャッチした女性の歓声が響く。どうやらその幸運のブーケを手にしたのは、我が社のスタッフのようだ
無事、薔薇園での挙式も終わり、後片付けは我が社のスタッフに任せ俺達は退場する
さすがに帰りは・・・白馬の引く馬車ではなく徒歩だ
俺達は新婚オーラを存分にまき散らしながら薔薇園を後にした
だが・・・俺にはチェギョンに約束をしたことが一つ残っている
その約束を果たさない限り、チェギョンの気持ちを満足させる事は出来ないだろう
車に乗り込み出発しようとした時に、ドアをノックする音がし・・・俺はサイドブレーキを引くと窓の外に目を向けた
『ユル!!』
『シン・・・チェギョンも結婚おめでとう。』
『なんだよ。招待状送っただろう?中に来ればよかったのに・・・』
『敷居が高くてね・・・終わるのを待ってたんだ。チェギョン・・・僕の母が君にすまなかったと伝えてくれって
言っていた。』
『ユル先生・・・もう済んだ事じゃないですか。』
『どうもありがとう。じゃあ二人でお幸せにね。僕はイ・スンレさんに手紙を預かってきたから
こっそりそれを渡して帰るよ。』
そう言って車から離れ薔薇園の出入口に向かうユル
随分元気になった様な気がするが、まだまだあの事件の後遺症は残っていそうだ
どうかお前も幸せになれ・・・ユルの背中にそう心の中で話し掛け、俺はチェギョンに微笑むと車を発進させた
俺達の新婚初夜の場所で、チェギョンとの約束を果たす為に・・・
すごく不安でより長い時間に感じられるものだ
『チェギョン・・・到着したよ。』
『到着?じゃあもうこれ・・・取ってもいいですか?』
間髪入れずにアイマスクに手を掛ける私・・・だけどオッパは必死に笑いを堪えながら私に言う
『くっ・・・まだ駄目だ。』
まだダメなんですかぁ?はぁ・・・
やがて後部座席のドアが開き、オッパは私の荷物を取りだしそれから助手席の私を車から降ろした
オッパに支えられながらゆっくり歩いて行く・・・
辺りに人のざわめく声が聞こえるから、きっと招待客はもう到着しているのだろう
だけど・・・こんな変な入場ってないよね?ん~~~・・・・
徐にオッパが立ち止まり一旦私の手を離す。それから私の手を握るとそっと引っ張った
『チェギョン・・・段差だ。結構高い段があるから気を付けて・・・』
大きく足を踏み出しその段差を一段上がると、オッパは私の腰を抱きしめ引きあげた
えっ・・・何やってるんだろう???
『チェギョン座るぞ。』
私の位置を正して腰を下ろすよう促すオッパ
<ヒヒン・・・>
ヒヒン?ヒヒン~~~?まさかここは動物園?
『さて最後の仕上げだ。この花冠を被せて・・・横に付いているピンで固定すればいいんだろう?』
オッパが私の頭に花冠を載せてそれを留めようと頑張っている
『はい。オッパ・・・ちゃんと留められますか?』
『あぁ…多分・・・大丈夫・・・』
多分ですと?落ちたら洒落にならない。心配になって私はそのピンの位置を確認し、
きちんと髪に留まっている事に安堵する。まぁ一応確認の為に頭を振ってみたりしたけどね・・・
『じゃあ…出発しよう。』
しゅっ・・・出発?まさかアイマスクしたまま入場なの?
そう思った時オッパの手は私のつけているアイマスクに掛かり、漸くそれが外された
<パッカパッカ・・・パッカパッカ・・・>
視界を遮られた状態から一転、眩しい光の中に放り込まれた私・・・耳元に響いてくるこの軽快なリズムは・・・
まさか・・・ひずめの音?
あまりの眩しさに目が開けられず、慣れた頃に必死に目を凝らす
【皆様~白馬の引く馬車に乗った新郎新婦の御入場です。大きな拍手でお迎えください~~!!】
ほ…本当だ。馬車に乗っている。そして確かに馬車を引いているのは艶やかな毛並みを持つ白馬だった
そして私はその会場の様子に目を向けた
・・・薔薇園だ・・・元日に二人きりでデートした薔薇園だ!!
あの時はまだ新芽が少し見える程度だったけど、今は薔薇の香りにむせかえるほど満開❤
私はオッパや家族が挙式をシークレットにした意味も、このドレスを選んだ理由もわかった様な気がした
『オッパ・・・』
満開になった薔薇園はそれは見事な景観だった。私はただただ感嘆の溜息を吐き、
少し高い位置の馬車から、薔薇が咲き誇る様子に感動するばかりだった
思えば・・・私達が出逢ったきっかけも一本の薔薇だった
その薔薇を挙式のステージに選ぶなんてオッパはさすがだと思った
『気に入って貰えたか?内緒にしていてすまなかった。だが君を驚かせたかったんだ。』
『すごく気に入りました。オッパ・・・準備大変だったでしょう?ありがとう・・・』
予想もしなかった展開に胸が震える・・・思わず目頭が熱くなる私だった
『さぁ降りよう・・・』
馬車から先に降りたオッパは私に手を差し伸べる。私はしっかりとその手を握り締め地上に降り立った
赤いバージンロードが敷かれたその先には薔薇のアーチが有るだけだった
オッパに促がされオッパの左手に腕を回す。バージンロードを歩く私達に招待客達の惜しみない拍手が
降り注いだ
常識も何もかもぶち壊した俺達の挙式が始まった
俺はチェギョンと共にバージンロードを歩いて行く。その向かう先には薔薇のアーチしか存在しない
神父も・・・いない
つまり・・・俺達を結びつけた薔薇の花の前で愛を誓うつもりなのだ
二人で歩んでいく夫婦としての第一歩・・・それを見守るものは友人達と家族・・・そして薔薇の花があればいい
若干のマスコミ関係者もその噂を聞き付け、ここに向かうバスの後を付けて来たが・・・もちろん俺はその人達を
この薔薇園の中へ快く招き入れた
恐らく明日の経済紙の一面を俺達の結婚記事が飾るだろう
薔薇のアーチの前に辿りついた俺達・・・俺はチェギョンと向かい合い両手を握り締めた
『この薔薇の前であなたに永遠の愛を誓います。
そしてイ・コーポレーション≪来夢来人生花店≫の発展の為に、あなたと一緒に力を尽くします。』
長い言葉ではない。チェギョンは一語一句間違えることなく、俺の誓いに答えてくれた
ポケットからリングケースを取りだし、チェギョンの薬指に結婚指輪をはめた
チェギョンもお揃いの結婚指輪を、俺にはめてくれた
誓いのキス・・・なんとなくお義父さんの視線がちくちくと痛くて、俺はほんの少し啄ばむ程度にキスをしただけだ
別に見せつけるものじゃない。その辺りはあとでゆっくり誓えばいいのだ
一応の重大なイベントを終えた後は、祖母やお義母さん・・・キム・アヨンさんや我が社のスタッフが
この日の為に力を注いでくれた、アレンジメントフラワーが飾られたテーブルを囲んでの立食パーティーだ
おばあ様だけは椅子を持参しその横に腰掛けて嬉しそうに俺達を見守る
真夏の暑い時期だ・・・アレンジメントされた花達は、じりじりと照りつける太陽の日差しに負けそうになる
そんな様子を察して、母はドライアイスを持って各テーブルを駆け巡る
ドライアイスが放つスモークが、少しだけ涼しさを演出してくれた
花屋の嫁稼業もなかなか楽じゃないな。くくっ・・・
嬉しそうに微笑んでいるチェギョンに目を向けると、花冠は白のミニバラで作られており・・・
ブーケも白のミニ薔薇とカスミソウ・・・回りを葉で覆っているというシンプルさだ
だが今日のウェディングドレスには丁度いいバランスで、彼女の美しさを引き立てている
『ブーケトス・・するわよ~~♪』
チェギョンがそう未婚女性達に告げると、チェギョンの友人やイ・コーポレーションのスタッフは
我先にと集まって来る
チェギョンの投げたミニ薔薇のブーケは、大きく弧を描いてその女性陣の群れの中に落ちた
キャッチした女性の歓声が響く。どうやらその幸運のブーケを手にしたのは、我が社のスタッフのようだ
無事、薔薇園での挙式も終わり、後片付けは我が社のスタッフに任せ俺達は退場する
さすがに帰りは・・・白馬の引く馬車ではなく徒歩だ
俺達は新婚オーラを存分にまき散らしながら薔薇園を後にした
だが・・・俺にはチェギョンに約束をしたことが一つ残っている
その約束を果たさない限り、チェギョンの気持ちを満足させる事は出来ないだろう
車に乗り込み出発しようとした時に、ドアをノックする音がし・・・俺はサイドブレーキを引くと窓の外に目を向けた
『ユル!!』
『シン・・・チェギョンも結婚おめでとう。』
『なんだよ。招待状送っただろう?中に来ればよかったのに・・・』
『敷居が高くてね・・・終わるのを待ってたんだ。チェギョン・・・僕の母が君にすまなかったと伝えてくれって
言っていた。』
『ユル先生・・・もう済んだ事じゃないですか。』
『どうもありがとう。じゃあ二人でお幸せにね。僕はイ・スンレさんに手紙を預かってきたから
こっそりそれを渡して帰るよ。』
そう言って車から離れ薔薇園の出入口に向かうユル
随分元気になった様な気がするが、まだまだあの事件の後遺症は残っていそうだ
どうかお前も幸せになれ・・・ユルの背中にそう心の中で話し掛け、俺はチェギョンに微笑むと車を発進させた
俺達の新婚初夜の場所で、チェギョンとの約束を果たす為に・・・
(薔薇のアーチの画像は『花が好き』のkakoさん薔薇園からお借りいたしました。
お持ち帰りはご遠慮ください。)
お持ち帰りはご遠慮ください。)
あわわ・・・自分でハードル上げといてその程度?
あ~~ん・・・そんな声が聴こえて参りますぅ・・・
この程度・・・すまん!!
なお土日は『多肉通信』をお送りいたします。
雪は・・・大したこと無くて済んでよかったよぉ~♪
雪かきしたけどね・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
あ~~ん・・・そんな声が聴こえて参りますぅ・・・
この程度・・・すまん!!
なお土日は『多肉通信』をお送りいたします。
雪は・・・大したこと無くて済んでよかったよぉ~♪
雪かきしたけどね・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!