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Channel: ~星の欠片~
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≪来夢生花店≫ 34

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オッパからプロポーズされ、それを快諾した私・・・オッパは私を家に送り届け一緒に車を降りた

いつもは車の中から私が門の中に入るのを見送ってくれるオッパ・・・なのに・・・

不思議に思い私はオッパに問い掛けた

『オッパ?・・・どうしたんですか?』
『くっ・・・今日は君もコンテストに入賞した事だし、とてもいい日だ。
お義父さんにご挨拶して行くよ。』

えっ?ご挨拶って?・・・まさか・・・

そう思う間もなくオッパは私の手を握ると家の門をくぐった

あぁぁ・・・お父さんを刺激しない方がいいと・・・思う~~~!!でもそんな心の声はオッパに届かない

躊躇いもなく玄関を開けるオッパ

『こんばんは。』

すると両親がいそいそと玄関に駆けつけた。オッパの声で私が帰ってきた事がわかったらしい

『お帰りなさい。』
『お帰りチェギョン。シン君も今日はお疲れだった・・・ね・・・』

お父さんの視線は繋がれた私達の手に集中している

『さぁさぁ上がって♪』

お母さんは満面の笑みで私達を促したけど、お父さんの視線は私達の繋がれた手から離れない

オッパ・・・そろそろ手を離した方がいいかもよぉ~~~!!

お父さんの何か言いたげな視線が非常に痛い。なのにオッパは飄々とした顔で両親と向かい合った

『本日はチェギョンさんの三位入賞おめでとうございます。』
『本当に良かったわ。冷や冷やしたもの・・・』

母は私に贔屓はしないと言っていたから、やはり結果が心配だった事だろう

≪フラワーアレンジメント協会≫の副理事として立派に務めたと思う

『それで・・・折り入ってお願いしたい事があるんです。』

オッパがそう切り出した時、お父さんはビクンと身体を跳ね上げた

そんなオーバーなリアクションは要らないのに・・・

『なっ・・・なんだね?シン君・・・』
『チェギョンさんと結婚させてください。』
『えっ?』

お父さんは驚きのあまり口を開けたままオッパを凝視している。と言うより睨みつけている感じ・・・

『いや!!まだ君たちは付き合って半年だ。結婚なんて早いだろう?
早い…早すぎる!!いや~~まだ若いんだからもっと青春を謳歌してから・・・』
『結婚してから青春を謳歌します。』
『あ?・・・シン君、なぜそんなに結婚を急ぐんだね?まさかと思うが・・・順番を間違えたとか?』
『順番ですか?順番・・・いえ別に・・・』

なんのことかさっぱり分からず首を傾げるオッパ。私にもお父さんが何を言いたいのか、さっぱりわからない

『まさかと思うが子供が出来たのかと聞いているんだっ!』

こっ・・・子供ぉ?えっ・・・オッパ困ってる。私達はまだそんな関係じゃないのに・・・

『お父さんっ!!』

私はつい声を荒げた

『あ・・・いいえ、断じてそんな理由ではありません。清く正しい交際を続けてきました。
ご両親に恥ずべきところは一つもありません。
ですが・・・もうそれも自分自身限界です。
仕事が忙しくなると同業者なのでなかなか逢えません。
一緒に暮らしてチェギョンさんの顔を毎日見ていたいんです。』
『あ・・・そうだったか。はぁ・・・取り越し苦労だったか。ははは・・・
でもまだ君たちは若いんだから、未婚の内にしたい事がたくさんあるだろうし・・・』
『お父さん、私は結婚するってお返事したの。』
『チェギョン・・・お前はまだ25歳なんだぞ。若いのにもったいない。もっとたくさんの人と出会って
もっと色々勉強してからでも遅くはないだろう?』
『お父さん・・・イ家には大きな温室があって、私にはまるで夢の世界なの。
あの温室のお世話が出来ると思うと嬉しいのよ。』
『チェギョン・・・温室なんかうちにだって作ってあげるよ。だからそれを世話したらいい・・・』
『お父さんったら!!イ家と同じ温室なんか家に作ったら・・・車が入る場所もなくなっちゃう。』
『ちょっと待てチェギョン!もしかしてイ家に同居するつもりかい?』
『だってイ家にはパク先生もいらっしゃるのよ。温室もあるし・・・こんな素晴らしい環境は無いわ。』
『ったく・・・お前は世間知らずな。お母さん言ってやりなさい。同居がどんなに大変かを!!』

お母さんが呆れ顔で漸く口を開いてくれた

『お父さんいい加減にしてください!!イ家はパク先生も素晴らしい方だし
奥様のミンさんも嫁いびりなんかする人じゃありませんよ!!
お父さんが認めてくれない理由で、チェギョンが嫁に行きそびれたらどうするんです?』

お母さんの大きな声にお父さんはがっくりと肩を落とした


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手強い・・・手強いぞチェギョンのお義父さんは・・・

だがここで引く事は出来ない。イ・スンレさんが助け船を出してくれたのをきっかけに、俺は追撃に出た

『あの・・・私は家を出て二人で暮らしたいと考えていましたが、
もしチェギョンさんがイ家に住む事を望んでくれるなら、母や祖母はものすごく彼女を可愛がると思うんです。
お互い仕事を持っているのもありますし、家事などは母が喜んで引き受けると思います。
それに温室の管理も・・・祖母はもう高齢なので大変だと思うのです。
チェギョンさんが喜んでくれるなら、きっと任せてくれると思います。』
『だがシン君・・・蓋を開けてみたらそんなに上手くはいかないのが結婚生活だ。
それに・・・≪来夢生花店≫は何れチェギョンに継がせたいんだ。』
『お義父さんのそのお気持ち解っていました。チェギョンさんには結婚後も今まで通り≪来夢生花店≫で
仕事をして貰います。なので嫁いだとはいっても・・・毎日の様に彼女に逢える訳です。
どうか結婚を認めてくださいっ!!』
『う~~ん・・・』

彼女のお義父さんは項垂れて唸っている

娘を嫁に出すと言うのは父親にとってこんなに辛い事なのか?

だとしたら娘は欲しくないなと俺は少し思ってしまった

『シン君・・・』

漸く項垂れていた顔をお義父さんは上げた

『はい。』
『本当は嫁になんかやりたくないんだ。だけど君は同業者で、チェギョンとも解り合えるだろう。
だから・・・仕方がないから嫁にやる。
だけど・・・いいか?シン君・・・よく聞いてくれよ。
酒と女と博打・・・この三つは絶対にダメだ。
もしそんな噂が耳に入ったら、すぐにチェギョンを連れて帰るからな。
うちには大事な娘なんだ。大切にしてくれ・・・』

こころなしか彼女のお義父さんの目は潤んでいた

『もちろんです。彼女を泣かせるような事は決してしません。約束します。
大切にします。お許しいただき・・・感謝いたします。』

チェギョンとイ・スンレさんは微笑み合っていた。お義父さんだけが涙ぐんでいる

父親って娘の前では複雑な存在だな・・・



手を離すのが名残惜しい・・・だが俺も家に戻って報告をしなければならない

門を出たところでお休みのキスを交わし、俺は車に乗り込むと自宅に向かってアクセルを踏み込んだ

バックミラーを見るとチェギョンはずっと手を振ってくれていた


家に到着すると祖母はもう休んでいたが、祖母から話を聞いた母がテンション高く出迎えてくれた

『シン~~お帰りなさい♪
チェギョンさん堂々の三位入賞だって?すごいじゃないの~♪おほほほほ・・・』
『あぁ彼女も嬉しそうだった。ところで母さん、父さんは帰っている?』
『ええリビングにいらっしゃるわ。』
『二人に話があるんだ。』
『まぁ~何かしら~~?』

母はいそいそと俺の前を歩くとリビングに向かっていく

俺も母に続いてリビングに入っていった

『父さん、ただいま。』
『お帰りシン。初めての理事の大役・・・ご苦労だったな。』
『いや~審査員と言うのも難しかったよ。』
『そうか。ははは・・・これでイ・コーポレーションも≪来夢来人生花店≫もフラワー業界で安泰だな。』
『あぁ。ところで・・・話したい事があるんだが・・・』
『なんだい?かしこまって・・・』
『チェギョンさんと結婚しようかと思う。』
『なにっ?そうか・・・それはよかったじゃないか。チェギョンさんの家には行って来たのか?』
『あぁ。お許しを貰って来たよ。それで・・・俺は、マンションでも借りて一緒に住もうと思っていたんだが
どうやらチェギョンさんは、この家に住みたいらしいんだ。どうかな?』
『うんまぁ~~~❤』

突然上がる母の奇声。まぁ想定内の反応だ

『願ってもない事よぉ~~。お嫁さんウェルカム~♪』
『でも母さん、彼女は結婚しても仕事を続ける。家事はなかなか手伝えないと思うが
それでも構わないのか?』
『いいわよ。そんな事~~♪』

もう何を言っても承諾しそうな母だ

『父さんも構わないか?』
『ああ。二人が決めたのならそれが一番いい。向こうのお父様はお寂しいだろうがな。』
『あぁ・・・娘の父親ってのは辛いものなんだなって、目の当たりにして来たよ。』
『じゃあ・・・イ・スンレさんと打ち合わせをして、早速式場を押さえましょう~♪』
『あぁ。その辺りは両家の母に任せるよ。仕事の事も解っているしね。』

どうせ母の事だからあっという間に式場を決め、彼女はこの家に嫁いで来ることだろう

憧れの温室の主になるのを彼女自身楽しみにしているようだしな。くくくっ・・・


(薔薇の画像は薔薇の奥様こと『花が好き』のkakoさんからお借りしております。
お持ち帰りはご遠慮ください。)

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さて~~いよいよラストスパートに入ります。
今日あたり10万コメ達成かも♪
誰が踏んでくれるのか
楽しみにしております~~❤

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