ギョンとガンヒョンがハネムーンに旅立つのを見送ってから、お互いの仕事に戻った俺達
チェギョンは二人の挙式の感動に浸っている場合じゃないようで、次は≪フラワーアレンジメント協会≫主催の
コンテストに向けて週に一度は祖母の元に、そして他の日は母スンレさんの元で修業を積んでいる
また・・・逢えない日々が続くのだ
だがこの俺も、協会理事に任命された以上、ただ美しい物を見る力だけではなく・・・基本的な知識も
少しくらいは頭に入れなければならない
従って・・・恥ずかしながら28歳のいい大人になって、祖母の手ほどきを受けることとなった俺だ
実際にやってみると意外と楽しい・・・
だが傍目に見る以上にそれはなかなか難しく・・・チェギョンの花に心を配る精神は容易ではない事を知った
興味本位で一緒に手ほどきを受けた母も、やはり≪花はアレンジメントされた物を愛でる人≫だったらしく
一度の手ほどきで次からは参加する事は無かった
いや母も花はすごく好きなのだ。だがアレンジメントするという作業に不向きな人種のようだ
そしてそれは俺も同じだった
祖母に叱られながら・・・基本だけを押さえるのに精いっぱいだ
美しく創作することなど出来る筈もない
『シンや・・・』
『何でしょう?おばあ様・・・』
『もうお前は美しい物を美しいと感じる目を持っている。』
『ありがとうございます。』
『だが・・・今回のコンテストで、チェギョンさんに肩入れしてしまうのはいけない。』
『あ・・・それは十分承知しております。』
『そうはいっても二人は恋仲なのだから・・・贔屓したくなる気持ちもわかるがのぉ・・・
理事を一新させたあの理事会の時、お前はユルにチェギョンさんは自分の恋人だと言ってしまった。
それを聞いていた理事も恐らくいる事だろう。いいなシン。公正な目で審査をするのだぞ。
もちろん私やスンレさんも、その辺りで身内贔屓は無い。よいな。』
『解りました。おばあ様・・・』
そうは言ったものの俺には正直自信がなかった
花に対してあれだけ愛情を注げる人を俺は見たことがない
チェギョンの作品が一番だと思えてしまうに違いない
その時は一体どうしたらよいのだろう・・・そんな事を日夜悩んでいるうちにコンテストの日がやってきてしまった
ガンヒョンから貰ったウェディングブーケは、家に持ち帰ってアレンジし直した
そうしてその花の命が尽きるまで、私は幸せな気分を堪能した
でもちょっと待って・・・ウェディングブーケを貰ったら半年以内にお嫁に行かなきゃダメかしら?
半年以内って言ったら秋までよね?う~~ん・・・無理かもよぉ・・・
ガンヒョンの挙式を飾るアレンジメントフラワーの大役を務めあげた後、私にはいまだ入賞すらしたことのない
コンテストの日が迫って来ていた
母に毎晩猛特訓を受け・・・そして週に一度はパク先生の元に通う
その時しかオッパに逢えない。でもオッパは不満を口にする事もせず私の送迎をしてくれた
気持ちにブレーキが利かなくなると困るからと、車を降りる時に軽いキスだけをくれたけど・・・
私の気持ちのブレーキが壊れそうよ
とにかく・・・この先結婚の話が出ようにも、私が一度も入賞していないんじゃあ彼の恥になってしまう
なんとか三位入賞に食い込みたいけど・・・難しいなぁ・・・
花と向き合っている時、私はいつも彼の笑顔を思い出した
出逢ったばかりの頃一本の薔薇の花をラッピングし、彼に手渡した時にくれたあの笑顔
その彼は今私の恋人だなんて信じられない
彼のくれる愛情に報いなければ・・・そんな事を思いながらレッスンを続けているから肩がパンパンだわ
大きなプレッシャーと期待に押し潰されそうになるけど、こんなところで負けるシン・チェギョンじゃない
女の意地を見せてやる!!そんな気分で向かったコンテスト会場
その会場に入ってみて驚いたのは、前回の入賞者が一人も参加していないことだった
その顔触れの中には私と同様に毎回涙をのんでいる人もいた
これからは決して出来レースなんかじゃない。本当の実力が試される時だ
私は緊張しながら今日使用する材料と花器を受け取ると、指定された自分の作業台に向かった
スタートの合図が会場内に鳴り響く
私は材料となった花束を開き・・・中を確認する
大好きな薔薇をメインに、その材料は構成されていた
よし!!まず私は薔薇の棘を一つ一つ丹念に取り除き始めた
お客様に提供する大事な品を作り上げる気持ちで、お客様の立場に立っていつも通り花に鋏を入れる
花器に合わせ長さを確認し・・・自分の中のイメージを膨らませる
『出来ました。』
会場のあちこちから既に完成したとの声が上がる
うそっ・・・私はまだ全然よ。時計を確認し、まだ時間の余裕がある事を知った私は落ち付いて創作に取り掛かる
もう・・・オッパがどこに居るかとか、母やパク先生の居場所を確認する様な気もない
とにかく目の前にある花器に与えられた材料を最大限に生かし作り上げるだけ・・・
花と向き合い心の中で会話をしながら、自分の作品を完成に近づける
出来た・・・一つ溜息を吐いたその時
『はいそこまで!!』
時間終了の声が響いた
出来るだけの事はやった。自分の持てる力すべてを出し切った
もし・・・入賞を逃したとしても悔いはない
そう思いながら・・・私は他の参加者の作品に目を向けた
あ・・・あぁ・・・同じ材料を使ったと言うのに、目を奪われるほど素敵な作品が私を愕然とさせた
やっぱり・・・ダメかも
今まで入賞すらしたことが無かったけれど、その時はその入賞作品に魅力を感じなかった
でも今回・・・同じ方向性を持ち秀でた人は大勢いる事を知らされた私
自分の作り上げた作品には悔いがない・・・でも・・・
気弱になりながら・・・私は他の参加者と共に審査の発表を待った
チェギョンは二人の挙式の感動に浸っている場合じゃないようで、次は≪フラワーアレンジメント協会≫主催の
コンテストに向けて週に一度は祖母の元に、そして他の日は母スンレさんの元で修業を積んでいる
また・・・逢えない日々が続くのだ
だがこの俺も、協会理事に任命された以上、ただ美しい物を見る力だけではなく・・・基本的な知識も
少しくらいは頭に入れなければならない
従って・・・恥ずかしながら28歳のいい大人になって、祖母の手ほどきを受けることとなった俺だ
実際にやってみると意外と楽しい・・・
だが傍目に見る以上にそれはなかなか難しく・・・チェギョンの花に心を配る精神は容易ではない事を知った
興味本位で一緒に手ほどきを受けた母も、やはり≪花はアレンジメントされた物を愛でる人≫だったらしく
一度の手ほどきで次からは参加する事は無かった
いや母も花はすごく好きなのだ。だがアレンジメントするという作業に不向きな人種のようだ
そしてそれは俺も同じだった
祖母に叱られながら・・・基本だけを押さえるのに精いっぱいだ
美しく創作することなど出来る筈もない
『シンや・・・』
『何でしょう?おばあ様・・・』
『もうお前は美しい物を美しいと感じる目を持っている。』
『ありがとうございます。』
『だが・・・今回のコンテストで、チェギョンさんに肩入れしてしまうのはいけない。』
『あ・・・それは十分承知しております。』
『そうはいっても二人は恋仲なのだから・・・贔屓したくなる気持ちもわかるがのぉ・・・
理事を一新させたあの理事会の時、お前はユルにチェギョンさんは自分の恋人だと言ってしまった。
それを聞いていた理事も恐らくいる事だろう。いいなシン。公正な目で審査をするのだぞ。
もちろん私やスンレさんも、その辺りで身内贔屓は無い。よいな。』
『解りました。おばあ様・・・』
そうは言ったものの俺には正直自信がなかった
花に対してあれだけ愛情を注げる人を俺は見たことがない
チェギョンの作品が一番だと思えてしまうに違いない
その時は一体どうしたらよいのだろう・・・そんな事を日夜悩んでいるうちにコンテストの日がやってきてしまった
ガンヒョンから貰ったウェディングブーケは、家に持ち帰ってアレンジし直した
そうしてその花の命が尽きるまで、私は幸せな気分を堪能した
でもちょっと待って・・・ウェディングブーケを貰ったら半年以内にお嫁に行かなきゃダメかしら?
半年以内って言ったら秋までよね?う~~ん・・・無理かもよぉ・・・
ガンヒョンの挙式を飾るアレンジメントフラワーの大役を務めあげた後、私にはいまだ入賞すらしたことのない
コンテストの日が迫って来ていた
母に毎晩猛特訓を受け・・・そして週に一度はパク先生の元に通う
その時しかオッパに逢えない。でもオッパは不満を口にする事もせず私の送迎をしてくれた
気持ちにブレーキが利かなくなると困るからと、車を降りる時に軽いキスだけをくれたけど・・・
私の気持ちのブレーキが壊れそうよ
とにかく・・・この先結婚の話が出ようにも、私が一度も入賞していないんじゃあ彼の恥になってしまう
なんとか三位入賞に食い込みたいけど・・・難しいなぁ・・・
花と向き合っている時、私はいつも彼の笑顔を思い出した
出逢ったばかりの頃一本の薔薇の花をラッピングし、彼に手渡した時にくれたあの笑顔
その彼は今私の恋人だなんて信じられない
彼のくれる愛情に報いなければ・・・そんな事を思いながらレッスンを続けているから肩がパンパンだわ
大きなプレッシャーと期待に押し潰されそうになるけど、こんなところで負けるシン・チェギョンじゃない
女の意地を見せてやる!!そんな気分で向かったコンテスト会場
その会場に入ってみて驚いたのは、前回の入賞者が一人も参加していないことだった
その顔触れの中には私と同様に毎回涙をのんでいる人もいた
これからは決して出来レースなんかじゃない。本当の実力が試される時だ
私は緊張しながら今日使用する材料と花器を受け取ると、指定された自分の作業台に向かった
スタートの合図が会場内に鳴り響く
私は材料となった花束を開き・・・中を確認する
大好きな薔薇をメインに、その材料は構成されていた
よし!!まず私は薔薇の棘を一つ一つ丹念に取り除き始めた
お客様に提供する大事な品を作り上げる気持ちで、お客様の立場に立っていつも通り花に鋏を入れる
花器に合わせ長さを確認し・・・自分の中のイメージを膨らませる
『出来ました。』
会場のあちこちから既に完成したとの声が上がる
うそっ・・・私はまだ全然よ。時計を確認し、まだ時間の余裕がある事を知った私は落ち付いて創作に取り掛かる
もう・・・オッパがどこに居るかとか、母やパク先生の居場所を確認する様な気もない
とにかく目の前にある花器に与えられた材料を最大限に生かし作り上げるだけ・・・
花と向き合い心の中で会話をしながら、自分の作品を完成に近づける
出来た・・・一つ溜息を吐いたその時
『はいそこまで!!』
時間終了の声が響いた
出来るだけの事はやった。自分の持てる力すべてを出し切った
もし・・・入賞を逃したとしても悔いはない
そう思いながら・・・私は他の参加者の作品に目を向けた
あ・・・あぁ・・・同じ材料を使ったと言うのに、目を奪われるほど素敵な作品が私を愕然とさせた
やっぱり・・・ダメかも
今まで入賞すらしたことが無かったけれど、その時はその入賞作品に魅力を感じなかった
でも今回・・・同じ方向性を持ち秀でた人は大勢いる事を知らされた私
自分の作り上げた作品には悔いがない・・・でも・・・
気弱になりながら・・・私は他の参加者と共に審査の発表を待った
(薔薇の画像は薔薇の奥様こと『花が好き』のkakoさんからお借りしております。
お持ち帰りはご遠慮ください。)
さて~~次回はコンテストの審査発表です。
40話までに完結できるといいなとは思っておりますが・・・
まだ解らない(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
お持ち帰りはご遠慮ください。)
さて~~次回はコンテストの審査発表です。
40話までに完結できるといいなとは思っておりますが・・・
まだ解らない(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!