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Channel: ~星の欠片~
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恋の花咲かせましょ♪ 13

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彼から貰った二度目のキスは、恋愛不適合体質の私にとって相当刺激の強いものだった

私の部屋から彼が去っていった後、思わず私はその場にへなへなと崩れ落ち・・・あの≪妖怪蛇女≫の時の様に

その場でただ茫然と時を過ごした

彼のくれるキスは甘くて優しくて・・・そして情熱的で、私には手に負えないものだった

いつになったら彼に追いつくのだろう



その後数日・・・忙しいらしく彼からの連絡はなかった

もうれっきとした恋人なんだから、待つだけじゃなく自分から連絡しなきゃ・・・とも思ったが

やはり彼の出方を見てしまう弱気な私・・・

そんな私の元に・・・その日、ある女性が訪ね来てた

受付カウンターに座っている時、入口から入ってきた女性・・・それは紛れもなくあのパーティーで

彼に腕を絡めていた人だった

『こんにちはシン・チェギョンさん。』
『こんにちは。どちらの部署にお繋ぎしましょうか?』

一応通り一遍の対応をしてみる私。でもその裏で彼女がここに来た理由は直感的に解っていた

『あなたに逢いに来たのシン・チェギョンさん。少しお時間いただけるかしら?』
『かしこまりました。少々お待ち下さい。』

こんな場所で・・・後輩の前で、修羅場になるのも非常に困る。

私は受付業務の他の後輩にカウンターを任せ、その女性と共に会社から少し離れたカフェに向かった

席に着くなり彼女は私に向かって宣戦布告を申し出た

『はっきり言っておきたいのだけど・・・シンと私は大学時代からの長い付き合いなの。
あなた・・・シンとどういう関係?』

どういう関係も何もあの時彼が私の手を取った時点で勝負はついている筈だ

『恋人です。』
『恋・・・人?誰がそう決めたの?』
『彼が・・・シン君がそう決めたんです。』
『後からしゃしゃり出て来て私と彼の間に割り込むつもり?』
『あなたと彼・・・お付き合いしていたんですか?私はそうは聞いていませんけど・・・』
『お付き合い?これからするのよ!』
『それは残念ですね。彼は私とお付き合いしているんです。』
『ふふふ・・・なんの取り柄もない、ただ社長令嬢と言うだけのあなたと、世界的に名前を知られた私とで
勝負になるかしら?』
『世界的に・・・名前を知られた?あなたはそんなにすごい方なんですか?』

彼女はプライドを傷つけられたと言う顔で私を睨みつけた。でも本当に・・・あなたの顔なんてあのパーティーで

見たのが初めて

『あなた・・・クラシックバレエも知らないの?意外と教養が無いのね。だから受付嬢なんかしているのね。』

これは私に対する侮辱だ。受付業務の何が悪いっ?受け付けは会社の顔なのよ

本当は≪デザイン部≫を希望したのだけど・・・父の考えで落されたのよ悪かったわねっ・・・

それに私だってクラシックバレエくらい観に行くし雑誌だって目を通しているわ

でもあなたの顔なんて知らないもの・・・

『存じ上げませんでしたわ・・・』

彼女は益々お怒りのご様子・・・

『ミン・ヒョリンで検索したら一発で出て来る筈よ。
とにかく私は、あなたの様ななんの取り得もないお嬢さんにシンは渡さない。覚えていて頂戴!!』

怒り心頭で席を立った彼女のおかげで、私は飲みたくもないコーヒーを二杯も飲む羽目になった

もちろんお会計は私・・・なんだか納得できない

仕事に戻ると後輩が私に問い掛けて来る

『チェギョン先輩~~ミン・ヒョリンと知り合いなんですか?』
『あなた・・・あの人を知っているの?』
『知っていますとも海外で名声を手に入れて帰国した有名なバレリーナでしょう?』

う~~ん・・・後輩でさえ知っている有名人だったか。私の情報収集力は大したことないわね

でも…本当に知らなかったんだもの

彼女に勝手に宣戦布告されちゃったけど、言われっぱなしじゃあ癪に障る

彼女の積み重ねた実績に勝てる筈はないけど、彼に対する想いは負けないわ

なんの取り柄もない・・・そんな事絶対に言わせない!

そんな私の目に飛び込んできたのは、≪新ブランド立ち上げ!デザイン画募集!≫の社内報だった・・・



久し振りに彼に逢えた日・・・私は彼に彼女の事を聞いてみる

『シン君・・・あのパーティーの時一緒に居たミン・ヒョリンさんとはどんな関係だったの?』
『あぁ?ヒョリン?彼女は俺の入っていた写真サークルのマドンナ的存在だった。』
『好き・・・だったの?』
『いや、そうじゃない。チェギョン・・・どうしてそんな事を聞く?ひょっとしてヤキモチか?』

私は頬を膨らませ運転中の彼を睨みつけた

『違うわ!!彼女が会社に来たから・・・』
『えっ?君の会社に来たって言うのか?一体何の為に・・・』
『解るでしょ?あの時のパーティーでシン君が大胆な事したから、彼女から≪シンは渡さない≫って
宣戦布告をされちゃったわ。』
『君のところにそんな事を言いに来たのか?彼女とはなんでもないよ。
君が心配する様な関係じゃない。』
『なんの取り柄もないお嬢さんって言われて悔しかったの。私ね・・・会社で新ブランドを立ち上げる為の
デザイン画募集に応募する!!そしてフリーのデザイナーになる!!』
『デザイン画って・・・君・・・』
『言ってなかったけど大学時代から服飾デザインの勉強していたの。学生時代は将来を有望視されていたの。
会社も本当はデザイン部受けたのよ。でも・・・父に落されて・・・』
『じゃあ君は本当はデザイナー職に就きたかったのか?』
『うん。実を言うとそうなの・・・』
『だがもし君のデザインが採用されてしまった場合、寿退社の夢は?』
『デザイン部だったら≪外注≫と言う形で仕事が出来るでしょう?この年になって言うのもなんだけど
何もない・・・なんてやっぱり寂しい。それに彼女になんの取り柄もないって言わせたくないの。』
『くくっ・・・・また一つ君の知らない一面を知ったな。』
『知らない一面?』
『意外と負けず嫌いなところ・・・』
『くすくす・・・そうかもね♪』

シン君は私の挑戦を応援してくれると言った。私も彼女にシン君の恋人はシン・チェギョンと認めさせたい

頑張らなきゃ・・・その日から私は、家に帰るとデザイン画を描き続けた

≪あんな女がイ・シンの妻?≫と後ろ指さされるのは嫌だった



それからまた数日後・・・ここ数日早く帰る私を、従業員通用口から出ながら後輩はからかった

『チェギョン先輩~~彼が出来たなんてやっぱり嘘なんでしょう?
今夜飲みに行きましょうよ。最近飲みに行ってないでしょう?』

私は早く帰ってデザイン画を描かなければ・・・と闘士に燃えていた

『ごめんなさいね。本当に忙しいのよ・・・』
『もぉ~~また嘘ばっかり。』

そんな後輩を少し鬱陶しいと思っていた時だった

『チェギョン!!』

道路の端に停まった車から彼が降りて来たのは・・・

『シン君・・・どうしたの?』

驚いた事に彼は後部座席から抱えきれないほどの大きな花束を手に持つと、満面の笑みで私に近づいて来る

『今日は100日記念日だろう?』
『えっ?』
『早く乗って・・・』

彼は私に花束を抱かせると後輩に会釈をし、私を助手席に誘導した

後輩の呆気に取られた顔・・・見ものだったわ・・・くすくす・・・

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本日の花≪多肉植物・白牡丹≫

いや~~第一王子テスト前の早い帰宅週間になりまして
相棒をBGMに書いた次第
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

チェギョンがなぜ受付業務になったのか
理由が判明しましたね~~♪
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!



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