皇太子殿下イ・シンとシン・チェギョンの親迎の礼は雲峴宮で執り行われ、その場には婚礼を後に控えた
皇子達やその婚約者も参列していた
シン皇子は実に見目麗しく・・・そしてチェギョンはとても愛らしく初々しい妃殿下の姿だった
一通りの儀式が済んだ後、ガンヒョンはシン家の母スンレに問い掛けた
『お母さん・・・私達の婚礼の儀の時には、お父さんとお母さんは参列できないの?』
長く父母と慕って来たシン家の両親である。一世一代の晴れ姿をできる事なら見て欲しい・・・
その場に立ち合って欲しいと願うのは、娘達の心情として当然のことだろう。
スンレは優しく微笑みガンヒョンに答えた
『もちろんよ。私達夫婦は陛下からお許しをいただいているわ。あなた達の婚礼もちゃんと立ち合うわよ。
それよりガンヒョン・・・体調はどうなの?』
『え?アタシ?大丈夫よ。無理しない様にしているわ。』
『大切な時なんだから気をつけなくっちゃ駄目よ。』
『解ったわお母さん。』
『来月のあなたのお嫁入りする日を楽しみにしているわね。』
つい数か月前まで本当に賑やかだったシン家・・・クリスマスの日を境に五人の娘のうち四人は本来の家に帰り
最後に残ったチェギョンも、とうとう本日嫁いで行ってしまう・・・
スンレも・・・そしてナムギルもその寂しさは隠しきれない
やがて皇太子と皇太子妃が婚礼パレードに出掛けて行った後、ユル皇子はヒスンの肩をたたいた
『さて・・・僕達もそろそろ出発しようか。』
『はい。そうしましょう。』
『どうせ一カ月後にまた逢えるんだしね。』
『確かに・・・そのまたすぐ先に帰国命令は出そうですし。ふふふ・・・』
『まったく勉強している暇もないね。ふふふふ・・・』
二人は公用車に乗り込み空港へと向かう。元より予定していたイギリスへと旅立つのだ
より立派な皇族となって帰るために、二人は二年間の修練の地へと・・・またより互いの想いを深めるためにと
宮を後にした
『漸く婚礼の儀が済んだね・・・』
『まだだ。まだ同牢の礼も・・・ある。気を抜くな。』
『あ・・・そうだった。今日は東宮に戻らないんだっけ?』
『あぁ・・・今夜は///義愛閣///だ・・・』
『あ・・・そっそうだったね・・・///義愛閣///・・・』
合房の儀の前に結ばれてしまった二人・・・だが儀式としての初夜には、女官達も傍に控えている
(どうしよう・・・)
シンは女官が身近にいる事に慣れた生活をしてきたが、それでも寝室の様子を知られると言うのは
戸惑っているようである
だがその辺りは皇子として長年生きてきたシンである・・・滞りなくそつなく・・・儀式を済ませた様である
東宮殿で新婚生活をスタートさせたシンとチェギョン。
婚礼後の疲れも見せず地方公務に二人は出掛けて行った
そんな折・・・宮にはめでたいニュースが届いたようである
本殿の両陛下の元にイン皇子とヒョリンが訪れたのである
『皇帝陛下・皇后陛下、ご報告申し上げたい事があります。』
『なんだ?イン皇子…改まって・・・言ってみなさい。』
『はい。ヒョリンが・・・子を宿しました。』
『なんと!!』
驚いた皇帝陛下に皇后はしたり顔で呟いた
『まぁ・・・バレンタインベイビィ~~♪』
皇后のその呟きに即座に顔を赤らめるイン皇子とヒョリン・・・
陛下は驚いたがすぐに平常心を取り戻し二人に告げた
『解った。すぐにでもいい日を選び婚礼の日程を決める事にしよう。
婚約の発表も良い日を選び広報部から発表させる。それでよいな?』
『はい。よろしくお願いいたします。』
皇后ミンはヒョリンに優しく微笑むと語りかけた
『ヒョリン・・・ご両親にはもうお知らせしたのか?』
『いえ・・・まだです。』
『そうか。それはきっと自分からは言い難いだろう。私から連絡してあげよう。』
『皇后様ありがとうございます。』
やはり国母二人の予想通り、皇太子の婚礼の後立て続けの婚礼となりそうである
イン皇子とヒョリンが去っていった後、皇帝陛下は小さく溜息を吐いた
『困ったものだな。懐妊が婚礼の順じゃないなんて・・・』
皇后はそんな陛下に笑いかける
『陛下・・・そんなに上手く順番通りにはいきませんわ。あの子達は若いのですから、その辺りは理解して
差し上げないと・・・おほほほほ。』
『そうは言っても皇后よ、シン達はまだなのだろう?』
『ええ。まだその兆候は見られませんが、心配する事はございません。きっとすぐですわ。』
『そうだと良いが・・・』
『心配ありません。』
夫婦揃っての初公務に向かったシンとチェギョンは、地方のイベントに参加した後宿泊するホテルに入った
初めての地方公務での外泊・・・二人はなんとなく落ち着かない気持ちで、窓の外の遥かり遠く高速道路を走る
車の流れを見つめていた
『綺麗だね・・・車のライトがあんなに煌めいて・・・』
『あぁ綺麗だな。でも・・・今はお前の方がずっと綺麗に思える。』
『くすくす・・・シン君、女心を掴むのが随分上手くなったね。』
『くくっ・・・俺も夫だからな。』
やんわりと抱き締めた腕に、シンは力を込めるとチェギョンの唇を塞いだ
陛下の心配は・・・どうやら杞憂に終わりそうである
いやいや~~長いお休みで退屈した第一王子が
相棒見ているし・・・
なんとも集中できなくってさ。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
相棒見ているし・・・
なんとも集中できなくってさ。
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