窓の外に降り積もった雪に朝日がきらきらと反射する
その窓辺に真っ白な天使が立っているかの錯覚に陥り、目覚めたばかりのシンは寝起きの目を擦り
もう一度目を凝らした
『チェギョン・・・?』
窓辺に立っていたのは天使ではなくバスローブを纏ったチェギョンだった
チェギョンはゆっくりと振り返り、シンにその顔を向けた
『あ・・シン君おはよ♪』
少し照れて頬を染めた顔は、一夜にして少女から大人へと変貌を遂げていた
シンも脱ぎ捨ててあるパジャマのズボンを穿き、上着に腕を通すとチェギョンの立つ窓辺に歩み寄った
『寒いのに何してるんだ?』
問い掛けながらシンはチェギョンの背中をそっと包み込んだ
開いた胸元から伝わるシンの体温に、チェギョンは動揺してしまったのか顔を更に赤らめた
『シン君だって・・・寒そう。』
『お前を抱いていれば寒くない。すごく積ったな・・・雪。』
『うん。。。あ!!そうなの。なんか外で音がするの。』
『どんな音だ?』
『雪かきしている音。』
『雪かき?・・・なんだそれは・・・』
『えっ?知らないの?私・・・お手伝いしなくっちゃ~♪着替えて来るね。』
昨晩の余韻に浸っていたいシンだと言うのに、チェギョンはシンの腕から抜けだすと隣室に向かって行く
呆気に取られたシンは仕方なく着替えを済ませ、部屋の前でチェギョンが着替えて出てくるのを待った
宮中にやってきた時に制服だったのだから、もちろん本日も制服姿である
『さて~~行こう♪』
元気よく歩き始めたチェギョンにシンは問い掛ける
『一体どこに行くと言うのだ?』
『東宮玄関だよ。きっとみんな集まってきてる。』
先導して前を歩いて行くチェギョンにシンは含み笑いを向けた
『くくっ・・・別に張り切って歩くのは構わないが、、お前少し…歩き方変だぞ。
なんだかぎこちない・・・くくっ・・・すごく変だ。』
シンのそんな言葉にチェギョンは目を見開き振り向くと、顔を真っ赤に染めてシンを睨みつけた
『だっ・・・誰のせいよ~~~!』
『くくっ・・・俺のせいか。くくくっ・・・』
拗ねて膨れっ面のチェギョンの頭を撫でながら、シンは玄関口に歩いて行った
そして知った現実。二人も・・・また職員達さえも見た事のないほどの雪に翻弄され、各々がスコップなどを持ち
雪を掻いているのである
シンとチェギョンがその場所に来ている事を知ったコン内官は、慌てて持っていたスコップを置き
二人の元に駆けつけた
『殿下・チェギョン様・・・もうお目覚めでしたか。すぐに朝食の用意をいたしますのでお部屋でお待ちください。』
コン内官がそんな事を二人に話しかけている間にも、チェギョンは雪山の中に立てかけられたスコップを持つと
雪を掻き始めた
『コン内官・・・手が空いてからで構わない。どうやら私の婚約者は、食前にひと仕事するつもりらしい。くくくっ・・・』
『では殿下はお部屋でゆっくり・・・』
なさっていてくださいとコン内官が言う暇もなく、チェギョンは振り向くとシンに向かって催促の言葉を投げかけた
『シンく~~ん!なにぼ~~っとしてるの?早く雪かき手伝って!!か弱い女性やコン内官さんまで
雪かきしているんだよ!!一番若い私達が遊んでいちゃあダメでしょう?』
『あぁそうだな。コン内官・・・スコップはあるか?』
『あ…いえ殿下。それは・・・・』
コン内官が返答に困り果てている間にも、シンはスコップを見つけ出したようで見よう見まねで雪を掻き始めた
そしてそれは東宮ばかりでなく・・・各宮殿で婚約者達が雪かきを始めるものだから、否応なしに
皇子達も積極的に雪かきに参加する形となった
もちろん南宮殿にいたガンヒョンだけは、自分の身を案じ雪かきに参加する事は無かったのだが
上手にギョン皇子を懐柔し自ずから雪かきをさせているようである
本殿から慈慶殿へ皇太后の様子を見に行った皇后は、その宮中の賑やかな雪かき合戦の模様を話している
『皇太后様、宮中が今朝は熱気で溢れ返っております。
それというのも皇子達の婚約者が、職員達に混じり雪かきを始めたせいですわ。
あの皇子達が競う様にして雪を掻いております。』
『まぁまぁ~なんということだろう。ほほほほほ・・・こんな和やかな宮中を先帝は見通していたのかのぉ。』
『シン家の教育方針でしょうが、婚約者達がここまで皇子達を変えるとは思いもしませんでしたわ。おほほほほ。』
『すべて先帝のお導きなのかのぉ。長く生きていると楽しい話を聞くことが出来て喜ばしいのぉ。ほほほほ・・・』
『それと・・・これは尚宮から極秘に入った情報なのですが・・・』
『ふむふむ・・・なんと?』
『どうやらイン皇子も婚礼を急がねばならないようですわ。』
『まぁ~~!今年は祭事が多くなりそうだのぉ。。。』
『東宮もどうやら・・・』
『なんと!そうであったか。まぁだがあの二人は既に婚礼が決まっておるから・・・ほほほ』
『なんでも皇子達は雪で帰れなくなることを見越して、ロマンチックな演出をしたとか・・・』
『さすがそなたの産んだ皇子達だ。ほほほ・・・』
『皇太后様・・・これからますます忙しくなりそうですわ。』
『私達の出番も沢山出てきそうだのぉ・・・ほほほ』
朝日を浴び真っ白に輝く雪の山を見つめ、国母二人はこの国の未来の安泰を感じずにはいられなかった
そして・・・婚約者達の中でチェギョンとヒョリンは、時折顔を顰めながら雪を掻く
近い将来自分達の住まう宮殿の前を、自分達に仕えてくれる職員や愛する人と共に協力し合い
長い時間を雪かきに費やしたのであった
そして宮殿を埋め尽くした雪が解けた頃、シン家の元姉妹達とシン・ユル皇子は韓国芸術高校を卒業した
その日から数日後・・・いよいよ皇太子殿下イ・シンとシン・チェギョンの婚礼の儀が執り行われるのであった
そうよね。シン君が一緒だったら、いくらだって雪かき頑張っちゃうんだけどな。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
なんか…リアル感情ネタで恐縮です。
その窓辺に真っ白な天使が立っているかの錯覚に陥り、目覚めたばかりのシンは寝起きの目を擦り
もう一度目を凝らした
『チェギョン・・・?』
窓辺に立っていたのは天使ではなくバスローブを纏ったチェギョンだった
チェギョンはゆっくりと振り返り、シンにその顔を向けた
『あ・・シン君おはよ♪』
少し照れて頬を染めた顔は、一夜にして少女から大人へと変貌を遂げていた
シンも脱ぎ捨ててあるパジャマのズボンを穿き、上着に腕を通すとチェギョンの立つ窓辺に歩み寄った
『寒いのに何してるんだ?』
問い掛けながらシンはチェギョンの背中をそっと包み込んだ
開いた胸元から伝わるシンの体温に、チェギョンは動揺してしまったのか顔を更に赤らめた
『シン君だって・・・寒そう。』
『お前を抱いていれば寒くない。すごく積ったな・・・雪。』
『うん。。。あ!!そうなの。なんか外で音がするの。』
『どんな音だ?』
『雪かきしている音。』
『雪かき?・・・なんだそれは・・・』
『えっ?知らないの?私・・・お手伝いしなくっちゃ~♪着替えて来るね。』
昨晩の余韻に浸っていたいシンだと言うのに、チェギョンはシンの腕から抜けだすと隣室に向かって行く
呆気に取られたシンは仕方なく着替えを済ませ、部屋の前でチェギョンが着替えて出てくるのを待った
宮中にやってきた時に制服だったのだから、もちろん本日も制服姿である
『さて~~行こう♪』
元気よく歩き始めたチェギョンにシンは問い掛ける
『一体どこに行くと言うのだ?』
『東宮玄関だよ。きっとみんな集まってきてる。』
先導して前を歩いて行くチェギョンにシンは含み笑いを向けた
『くくっ・・・別に張り切って歩くのは構わないが、、お前少し…歩き方変だぞ。
なんだかぎこちない・・・くくっ・・・すごく変だ。』
シンのそんな言葉にチェギョンは目を見開き振り向くと、顔を真っ赤に染めてシンを睨みつけた
『だっ・・・誰のせいよ~~~!』
『くくっ・・・俺のせいか。くくくっ・・・』
拗ねて膨れっ面のチェギョンの頭を撫でながら、シンは玄関口に歩いて行った
そして知った現実。二人も・・・また職員達さえも見た事のないほどの雪に翻弄され、各々がスコップなどを持ち
雪を掻いているのである
シンとチェギョンがその場所に来ている事を知ったコン内官は、慌てて持っていたスコップを置き
二人の元に駆けつけた
『殿下・チェギョン様・・・もうお目覚めでしたか。すぐに朝食の用意をいたしますのでお部屋でお待ちください。』
コン内官がそんな事を二人に話しかけている間にも、チェギョンは雪山の中に立てかけられたスコップを持つと
雪を掻き始めた
『コン内官・・・手が空いてからで構わない。どうやら私の婚約者は、食前にひと仕事するつもりらしい。くくくっ・・・』
『では殿下はお部屋でゆっくり・・・』
なさっていてくださいとコン内官が言う暇もなく、チェギョンは振り向くとシンに向かって催促の言葉を投げかけた
『シンく~~ん!なにぼ~~っとしてるの?早く雪かき手伝って!!か弱い女性やコン内官さんまで
雪かきしているんだよ!!一番若い私達が遊んでいちゃあダメでしょう?』
『あぁそうだな。コン内官・・・スコップはあるか?』
『あ…いえ殿下。それは・・・・』
コン内官が返答に困り果てている間にも、シンはスコップを見つけ出したようで見よう見まねで雪を掻き始めた
そしてそれは東宮ばかりでなく・・・各宮殿で婚約者達が雪かきを始めるものだから、否応なしに
皇子達も積極的に雪かきに参加する形となった
もちろん南宮殿にいたガンヒョンだけは、自分の身を案じ雪かきに参加する事は無かったのだが
上手にギョン皇子を懐柔し自ずから雪かきをさせているようである
本殿から慈慶殿へ皇太后の様子を見に行った皇后は、その宮中の賑やかな雪かき合戦の模様を話している
『皇太后様、宮中が今朝は熱気で溢れ返っております。
それというのも皇子達の婚約者が、職員達に混じり雪かきを始めたせいですわ。
あの皇子達が競う様にして雪を掻いております。』
『まぁまぁ~なんということだろう。ほほほほほ・・・こんな和やかな宮中を先帝は見通していたのかのぉ。』
『シン家の教育方針でしょうが、婚約者達がここまで皇子達を変えるとは思いもしませんでしたわ。おほほほほ。』
『すべて先帝のお導きなのかのぉ。長く生きていると楽しい話を聞くことが出来て喜ばしいのぉ。ほほほほ・・・』
『それと・・・これは尚宮から極秘に入った情報なのですが・・・』
『ふむふむ・・・なんと?』
『どうやらイン皇子も婚礼を急がねばならないようですわ。』
『まぁ~~!今年は祭事が多くなりそうだのぉ。。。』
『東宮もどうやら・・・』
『なんと!そうであったか。まぁだがあの二人は既に婚礼が決まっておるから・・・ほほほ』
『なんでも皇子達は雪で帰れなくなることを見越して、ロマンチックな演出をしたとか・・・』
『さすがそなたの産んだ皇子達だ。ほほほ・・・』
『皇太后様・・・これからますます忙しくなりそうですわ。』
『私達の出番も沢山出てきそうだのぉ・・・ほほほ』
朝日を浴び真っ白に輝く雪の山を見つめ、国母二人はこの国の未来の安泰を感じずにはいられなかった
そして・・・婚約者達の中でチェギョンとヒョリンは、時折顔を顰めながら雪を掻く
近い将来自分達の住まう宮殿の前を、自分達に仕えてくれる職員や愛する人と共に協力し合い
長い時間を雪かきに費やしたのであった
そして宮殿を埋め尽くした雪が解けた頃、シン家の元姉妹達とシン・ユル皇子は韓国芸術高校を卒業した
その日から数日後・・・いよいよ皇太子殿下イ・シンとシン・チェギョンの婚礼の儀が執り行われるのであった
そうよね。シン君が一緒だったら、いくらだって雪かき頑張っちゃうんだけどな。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
なんか…リアル感情ネタで恐縮です。