ファン皇子の住まう中宮殿を後にし東宮に戻っていった二人
食事の前に一旦応接室に入った時、チェギョンはシン皇子を見上げその高い背丈の彼の頭に手を伸ばす
『シン君・・・辛かったね。大丈夫?』
シンは予想以上に元気な様子でチェギョンの頬に手を添え、自分を心配そうに見つめるチェギョンに微笑み返した
『あぁ。大丈夫だ。』
『もし・・・何かのタイミングが違っていたら、シン君のお妃になっていたのはあの子だったかもしれないのにね。』
『いやそれはあり得ない。お妃候補の中にホン・ユリがいたとしても、俺は恐らく彼女を選ばない。』
『えっ?どうして?そんな事わからないでしょう?』
『解るんだよ。妹は・・・愛情や結婚の対象にはならない。』
『そう・・・なの?』
『あぁ、だからあの五人の中でお前に選ばせた振りをして、本当は俺がお前を選んだんだ。』
『えっ・・・?』
『つまりお前の提案をのんだ振りをしたが、元々興味を持ったのはお前しかいなかったというわけだ。』
『じゃあ・・・最初から私が好き?』
『最初はとんでもないじゃじゃ馬だと思っていたが、気になって仕方のない存在だった。
『えっ?じゃじゃ馬?・・・それで今は?』
『好きでもない女の為にこんなに必死にはならない。』
『じゃあ・・やっぱり・・・私が好き?♪』
『あ~~もうここまで言えば後は解るだろう?』
『解らないよ・・・・ちゃんと言葉に出して言ってくれなきゃ・・・
私だって不安なんだから・・・』
不貞腐れた様に唇を尖らせ、いじけて自分の肩を揺するチェギョン・・・シンはそのゆらゆら揺れる肩を掴むと
チェギョンの顔を覗きこんだ
『チェギョンが・・・好きだ。これでいいか?』
『ぷうぅ~~っ!!これでいいかは余計。』
『くっ・・シン。チェギョン、お前が好きだ。』
シンの告白を嬉しそうに聞き、もう一度愛の言葉を催促しようとした時・・・その言葉は
優しく重なる唇に阻止された
<トントン>
『皇太子殿下・チェギョン様お食事の用意が整いましたので食堂までお越しください。』
そのノックの音に慌て、触れ合った唇を離した二人
なんとなく頬を赤らめながら共に廊下を歩いて行くと、触れ合った指先は自然に互いの手を握り締める
そしてさらに照れたように俯きながら、食堂に向かう二人だった
席に腰掛け用意された夕食を摂り始めた二人
シンは今日初めて聞いた事実をチェギョンに教えてやろうと口を開いた
『チェギョン・・・ギョンがな。くくっ・・・』
『えっ?何笑っているの?ギョン皇子がどうしたの?』
もしかして南宮殿でここ数日起こっている事を聞いたのではないかと、チェギョンは頬を染めながらも目を輝かす
だが・・・シンから返ってきた答えは、チェギョンの予想もしない言葉だった
『お前の漫画…面白いって誉めてた。くくっ・・・
取調室でホン・ユリに≪シン・チェギョンの描いた漫画読んだことがあるの?もしあったら、
こんな真似はしなかっただろうに・・・≫って熱く語っていたぞ。』
『え~っ・・・どうしてギョン皇子が?私の漫画を読んだのかな・・・・』
『ギョンにお前の漫画を見せる人間は一人しかいないだろう?』
『あぁ~~っ!!ガンヒョンかぁ・・・』
『ギョンもすっかりお前の漫画のファンらしいぞ。よかったな宮にファンがいっぱいできて。
この先ホームページを立ち上げたとしても、身内だけでも大盛況は間違いないな。くくっ・・・』
『良くないよぉ。折角新しいペンネームで描こうとしているのに、元姉妹達に教えたら
皇子達も読んじゃうんでしょ?嫌だ~~~!!』
『まぁそう言うな。ファンが増える事はいいことだろう?くくっ・・・』
皇后や皇太后からも読ませて欲しいと言われ戸惑っているチェギョンである
今後はうっかりした物は描けないと、襟を正す気分になっていく
『あ・・・そうだ!!ギョン皇子って言えば・・・』
チェギョンはもう一つのビッグニュースを思い出したようである
『ギョンがどうかしたのか?』
『うん、ギョン皇子とガンヒョンの婚礼・・・早まるそうだよ。
それも私達が婚姻したらすぐ婚姻の儀になるみたい。すぐにでも婚約発表があるんじゃないのかな?』
『えっ?なぜそんなに急に?俺はそんな話は聞いていないぞ。』
『うん、シン君達が皇室警察署に行っている間に、皇后様と皇太后様がそう決められたの。』
『理由は・・・なんと?』
『り・・・理由ですかぁ?理由は・・・///(赤面)///あ・・・私にもよく・・・解らない。』
『?理由が解らないのになぜそんなに顔を赤くする?』
『いっ・・・いやっ・・・その辺りはギョン皇子に聞いて!』
耳年増で知識ばかりは豊富なチェギョンであるが、さすがにその辺りの話題を口にすることは恥ずかしくてできず
言葉を濁したのであった
そしてその日公用車でチェギョンをシン家に送り届けた後、宮に戻る間・・・その事を思い出したシンは
ギョン皇子に電話を掛けてみる
『ギョンか?』
『あ~~シン兄貴?』
『あぁ。今日はお疲れ様。取り調べがスムーズに進んだのもお前のおかげだ。』
『いいやぁ。お役に立てて良かった♪』
『ところで聞きたいことがあるのだが?』
『あ~~もぉ・・・どうせガンヒョンとの婚礼が早まった事についてでしょう?』
『あぁそうだ。』
『シン兄貴が最後だったよ。』
『あぁ?』
『兄貴たち全員に今まで電話攻勢さ。ははは・・・』
『それで・・・どうして婚礼が早まったんだ?』
『あぁ・・・それはねぇ・・・』
『あぁ・・・・・・』
『つまりは・・・・』
『なんだ!!勿体付けないで早く言え!』
『御子が。。。出来ちゃったかもしれないから♪』
『・・・御子・・・はぁ?』
呆れた様に大声を上げるシン・・・電話の向こうではギョンがスマホを耳から遠ざけた
『シン兄貴も男なら解るだろう?つまり・・・俺の我慢が足りなかったってことだね~~♪』
『お前・・・我慢が足りないってまさか!!』
『うん。そのまさかだよ~♪てかさ・・・他の兄貴たちにも叱られたんだけど、俺には到底理解できないね!
だって好きな女が自分の家に居るんだぜ。そりゃあ据え膳食わぬは・・・でしょ?』
『っつ・・・』
『とにかくシン兄貴も遅れをとらないよう頑張ってね~~♪』
屈託なく言ってのけたギョンとの電話を切った後、シンは大きく溜息を吐いた
チェギョンが顔を赤らめ、言葉を濁した理由が良く分かった
そしてもしそれが事実となったとしたら、婚姻が先の自分やチェギョンは世間からもきついプレッシャーを
掛けられることとなるだろう
婚姻まで二カ月・・・世継ぎ問題で既に頭を悩ますシンであった
食事の前に一旦応接室に入った時、チェギョンはシン皇子を見上げその高い背丈の彼の頭に手を伸ばす
『シン君・・・辛かったね。大丈夫?』
シンは予想以上に元気な様子でチェギョンの頬に手を添え、自分を心配そうに見つめるチェギョンに微笑み返した
『あぁ。大丈夫だ。』
『もし・・・何かのタイミングが違っていたら、シン君のお妃になっていたのはあの子だったかもしれないのにね。』
『いやそれはあり得ない。お妃候補の中にホン・ユリがいたとしても、俺は恐らく彼女を選ばない。』
『えっ?どうして?そんな事わからないでしょう?』
『解るんだよ。妹は・・・愛情や結婚の対象にはならない。』
『そう・・・なの?』
『あぁ、だからあの五人の中でお前に選ばせた振りをして、本当は俺がお前を選んだんだ。』
『えっ・・・?』
『つまりお前の提案をのんだ振りをしたが、元々興味を持ったのはお前しかいなかったというわけだ。』
『じゃあ・・・最初から私が好き?』
『最初はとんでもないじゃじゃ馬だと思っていたが、気になって仕方のない存在だった。
『えっ?じゃじゃ馬?・・・それで今は?』
『好きでもない女の為にこんなに必死にはならない。』
『じゃあ・・やっぱり・・・私が好き?♪』
『あ~~もうここまで言えば後は解るだろう?』
『解らないよ・・・・ちゃんと言葉に出して言ってくれなきゃ・・・
私だって不安なんだから・・・』
不貞腐れた様に唇を尖らせ、いじけて自分の肩を揺するチェギョン・・・シンはそのゆらゆら揺れる肩を掴むと
チェギョンの顔を覗きこんだ
『チェギョンが・・・好きだ。これでいいか?』
『ぷうぅ~~っ!!これでいいかは余計。』
『くっ・・シン。チェギョン、お前が好きだ。』
シンの告白を嬉しそうに聞き、もう一度愛の言葉を催促しようとした時・・・その言葉は
優しく重なる唇に阻止された
<トントン>
『皇太子殿下・チェギョン様お食事の用意が整いましたので食堂までお越しください。』
そのノックの音に慌て、触れ合った唇を離した二人
なんとなく頬を赤らめながら共に廊下を歩いて行くと、触れ合った指先は自然に互いの手を握り締める
そしてさらに照れたように俯きながら、食堂に向かう二人だった
席に腰掛け用意された夕食を摂り始めた二人
シンは今日初めて聞いた事実をチェギョンに教えてやろうと口を開いた
『チェギョン・・・ギョンがな。くくっ・・・』
『えっ?何笑っているの?ギョン皇子がどうしたの?』
もしかして南宮殿でここ数日起こっている事を聞いたのではないかと、チェギョンは頬を染めながらも目を輝かす
だが・・・シンから返ってきた答えは、チェギョンの予想もしない言葉だった
『お前の漫画…面白いって誉めてた。くくっ・・・
取調室でホン・ユリに≪シン・チェギョンの描いた漫画読んだことがあるの?もしあったら、
こんな真似はしなかっただろうに・・・≫って熱く語っていたぞ。』
『え~っ・・・どうしてギョン皇子が?私の漫画を読んだのかな・・・・』
『ギョンにお前の漫画を見せる人間は一人しかいないだろう?』
『あぁ~~っ!!ガンヒョンかぁ・・・』
『ギョンもすっかりお前の漫画のファンらしいぞ。よかったな宮にファンがいっぱいできて。
この先ホームページを立ち上げたとしても、身内だけでも大盛況は間違いないな。くくっ・・・』
『良くないよぉ。折角新しいペンネームで描こうとしているのに、元姉妹達に教えたら
皇子達も読んじゃうんでしょ?嫌だ~~~!!』
『まぁそう言うな。ファンが増える事はいいことだろう?くくっ・・・』
皇后や皇太后からも読ませて欲しいと言われ戸惑っているチェギョンである
今後はうっかりした物は描けないと、襟を正す気分になっていく
『あ・・・そうだ!!ギョン皇子って言えば・・・』
チェギョンはもう一つのビッグニュースを思い出したようである
『ギョンがどうかしたのか?』
『うん、ギョン皇子とガンヒョンの婚礼・・・早まるそうだよ。
それも私達が婚姻したらすぐ婚姻の儀になるみたい。すぐにでも婚約発表があるんじゃないのかな?』
『えっ?なぜそんなに急に?俺はそんな話は聞いていないぞ。』
『うん、シン君達が皇室警察署に行っている間に、皇后様と皇太后様がそう決められたの。』
『理由は・・・なんと?』
『り・・・理由ですかぁ?理由は・・・///(赤面)///あ・・・私にもよく・・・解らない。』
『?理由が解らないのになぜそんなに顔を赤くする?』
『いっ・・・いやっ・・・その辺りはギョン皇子に聞いて!』
耳年増で知識ばかりは豊富なチェギョンであるが、さすがにその辺りの話題を口にすることは恥ずかしくてできず
言葉を濁したのであった
そしてその日公用車でチェギョンをシン家に送り届けた後、宮に戻る間・・・その事を思い出したシンは
ギョン皇子に電話を掛けてみる
『ギョンか?』
『あ~~シン兄貴?』
『あぁ。今日はお疲れ様。取り調べがスムーズに進んだのもお前のおかげだ。』
『いいやぁ。お役に立てて良かった♪』
『ところで聞きたいことがあるのだが?』
『あ~~もぉ・・・どうせガンヒョンとの婚礼が早まった事についてでしょう?』
『あぁそうだ。』
『シン兄貴が最後だったよ。』
『あぁ?』
『兄貴たち全員に今まで電話攻勢さ。ははは・・・』
『それで・・・どうして婚礼が早まったんだ?』
『あぁ・・・それはねぇ・・・』
『あぁ・・・・・・』
『つまりは・・・・』
『なんだ!!勿体付けないで早く言え!』
『御子が。。。出来ちゃったかもしれないから♪』
『・・・御子・・・はぁ?』
呆れた様に大声を上げるシン・・・電話の向こうではギョンがスマホを耳から遠ざけた
『シン兄貴も男なら解るだろう?つまり・・・俺の我慢が足りなかったってことだね~~♪』
『お前・・・我慢が足りないってまさか!!』
『うん。そのまさかだよ~♪てかさ・・・他の兄貴たちにも叱られたんだけど、俺には到底理解できないね!
だって好きな女が自分の家に居るんだぜ。そりゃあ据え膳食わぬは・・・でしょ?』
『っつ・・・』
『とにかくシン兄貴も遅れをとらないよう頑張ってね~~♪』
屈託なく言ってのけたギョンとの電話を切った後、シンは大きく溜息を吐いた
チェギョンが顔を赤らめ、言葉を濁した理由が良く分かった
そしてもしそれが事実となったとしたら、婚姻が先の自分やチェギョンは世間からもきついプレッシャーを
掛けられることとなるだろう
婚姻まで二カ月・・・世継ぎ問題で既に頭を悩ますシンであった
うーーん。バレンタインのお話を、ここで書くか
それとも銀の糸で書くか
少し悩んでいる管理人です。
俺様は季節が違うから書けないしね~~♪
どんなもんでしょう?
それとも銀の糸で書くか
少し悩んでいる管理人です。
俺様は季節が違うから書けないしね~~♪
どんなもんでしょう?