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Channel: ~星の欠片~
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パウダースノーの降る夜に 18

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皇子達が分散し実行犯達の取り調べに立ち会っていた頃、皇帝陛下は主犯格ホン・ユリの父親と面会していた

『なぜそなたは、私との約束が守れなかったのだ。
誰にも口外するのではないと・・・あれほど言ったではないか!』
『申し訳・・・ございません。私の親としての情が、つい報われない娘の気持ちに同調してしまったのです。』
『その行為が私に対する裏切りになると・・・考えなかったのか?』
『話したのは娘ですから・・・そこまで考えが及びませんでした。』
『そなたの娘のせいで・・・手を貸した者たちも、そしてその親でさえ罪に問われるのだぞ!!』
『陛下!!お願いがございます。娘のしでかしたことは・・・大罪です。言い逃れなど何もいたしません。
ですが・・・娘の依頼によって動かされた娘さん達やその家族には・・・どうぞ穏便な処分をお願い申し上げます。
私はどのような処分も甘んじて受けます。娘も同様です。
ですが・・・娘が巻きこんでしまった娘さん達には・・・その家族には・・・
どうかお願い申し上げます!!』

座っていた椅子から降り跪いた状態から床に頭を擦りつける様に懇願するホン家の当主

王族の中でも一番可愛がっていたこの男の、考え無しに口にした言葉が娘を暴挙に向かわせた事に

怒りが収まることはない

だが・・・自分の罪を認め責任を感じ・・更には自分の娘が動かした人物の家族を案じるその心は

陛下の長く信頼して来た男の真実の姿だった

『解った。実行犯に関しては罪に問わないわけにはいかないが、その家族に関しては
私がなんとか取り計らってみよう。』
『感謝いたします陛下。長い間・・・お傍に置いていただき、本当にありがとうございました。』
『うむ。。。』

残念だ・・・そう言いたい気持ちを陛下は必死に堪えた

今更言っても仕方のない事である。将来的にこんな騒動になると先帝は予見していたのかと思えるほどの遺言

ホン家の当主を信頼していた陛下にとっては、手痛い離別であった




皇后の部屋をお暇した後、元姉妹達はファン皇子の中宮殿に集い皇子達の帰りを待った

もちろんその目的は・・・ガンヒョンとギョン皇子の恋の進展を追求するためだった

その事に気が付いているガンヒョンは非常に及び腰だったが、他の四人に引き摺られるように

連れて行かれたのである

リビングのソファーに腰掛け五人は顔を寄せ合い・・・女官の目を気にしながらのガールズトーク大会は始まった

まずはヒスンが攻撃を仕掛けた

『ガンヒョン・・・ちょっとちょっと~~さっきのアレはなによぉ!!』
『白状しなさいって!!』

みるみる赤く顔が染まっていくガンヒョン…掛けている眼鏡まで曇りそうなほど顔が火照っているようだ

『ん・・・だからね・・・』
『『だからぁ?』』


もうみんな興味津々で目を輝かせている

『押して押して押しまくられて・・・つい根負けしたって感じ?』
『『ひぇ~~~~っ・・・・』』

チェギョンは不思議そうにみんなに問い掛けた

『でも不思議だよね。ずっと姉妹だった私達にも解らなかったのに・・・
皇后様と皇太后様にはどうしてわかっちゃったのかな?』

ヒョリンはしたり顔でチェギョンに答える

『そりゃあ~亀の甲より年の功って言うでしょ?私達には経験ないからわかんないのよ。』
『そっか~~。』
『そうだよね・・・』
『ところでガンヒョン・・・いち早く経験しちゃった感想は?』

ヒスンがそう問い掛けると、またみんなの視線はガンヒョンに集中する

『痛かった?ねえ~~痛かったんでしょ?』

更に突っ込むヒスン・・・ガンヒョンは一つ咳払いをしながら、冷静を装い答えた

『まあね、確かに最初は痛かったわ。でも次からは平気よ。』
『次から…平気?』
『えっえぇ~~っ・・・まさかガンヒョン。次からって・・・次からって・・・』
『う~~ん。あのね・・・あの坊や、意外と・・・ね。南宮殿に泊まっている間ずっと・・・よ。』
『『『えぇ~~~~っ!!!』』』

姉妹達は言葉を失って行く・・・

『私なんか尚宮さんがずっと部屋の前に居て、ファン皇子が来る事もなかったわ。』
『やっぱり?そうでしょスニョン。私もそうよ。ユル皇子の部屋に行こうと思ったら、外に尚宮さんがいたのよ。』
『私はイン皇子の部屋でしばらくお話していたわ。でもね・・・≪そろそろお休みのお時間ですから。≫って
尚宮さんが迎えに来たのよ!!信じられる?チェギョンは?』
『えっ?あっと私は・・・』

口ごもるチェギョンにガンヒョン以外の三人の視線が刺さる

『なにか・・・あったのね?』

代表するようにヒョリンが聞いてくる

『いやぁ・・・ただ・・・一緒に寝ただけ。ただそれだけだよ~~~!!』
『ちょっと・・・一緒に寝ただって!!はぁ・・・・なんか私達遅れを取ってない?
あ・・・でもヒスンはすぐユル皇子と留学だもの。向こうで・・・楽しそうね。ふふふ・・・』

ヒョリンがそんな風にからかうとスニョンから攻撃を受ける

『あのねヒョリン・・・確かにアタシ達の婚礼時期は決まっていないけど、
アンタの為にイン皇子はレッスン室作るんでしょう?そこでレオタード姿で踊っちゃったりするんでしょう?
どう考えてもアタシの結婚が・・・一番後になりそう~~~!!』

姉妹達は爆笑の渦に巻き込まれる

そんな中チェギョンはこっそり隣に座るガンヒョンに問いかけた

『ねえガンヒョン・・・あのさ・・・大丈夫なの?』
『ん?なにが?』
『だから…赤ちゃん。』
『ふふ・・・皇后様も皇太后様もそれを心配して、婚礼を早めようって言ってくださったのよ。』
『あ~~そっか~~。。。』

少し恥ずかしそうに微笑むガンヒョンの横顔を見て、チェギョンは共に育った姉妹が

先に大人になってしまったような気がして、少し寂しく思うのだった




ガールズトークに花を咲かせていた元姉妹達・・・応接室がノックされファン皇子付きの尚宮は

皇子達が戻った事を知らせる


騒がしかった姉妹達はその口を噤み、皇子達五人がその部屋に入って来るのを待った

やがて姉妹達の前にカップルになる様に座った皇子達

代表してファン皇子が事の顛末について語りだす

『結局・・・今回の誹謗中傷の書き込みに関しては、王族会の娘ホン・ユリの仕業だったと判明した。
ホン・ユリも罪を認めこれから処罰を受けることとなる。
したがってホン家自体も王族会からは抹消されるだろう。
今回の事は非常に遺憾なことだったが、兄弟姉妹の絆が深まった機会でもあったと思い
今後もみんなで力を合わせ、皇室を盛りたてて行こう。
チェギョン・・・大変だったね。でもこれで事件は終結だ。後は婚礼に向けて準備に勤しんでくれ。』
『はい。ファン皇子・・・そして皆さん、今回は私の事で多大なご迷惑をお掛けいたしました。
色々ご配慮いただきありがとうございました。』

一つの事件が・・・兄弟や元姉妹の絆を揺るぎないものに変えた

それから元姉妹達は各々の宮殿で皇子と食事を摂り、それから家へと送り届けられるのだった


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なんか・・・ガールズトークの部分が妙に長くて
シン君とチェギョンの絡みは一切ない
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!


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