大学の駐車場前にあるベンチに、シンはチェギョンを腰掛けさせると自動販売機で買ってきた
ミネラルウォーターを蓋を取って手渡した
『ほた…飲めよ。』
『うん。喉が渇いてたんだ~~♪』
『全く…飲み過ぎだ。』
『そんなに飲んでないもん。』
『そんなに飲んでいないのに酔っぱらうのか?女二人で危ないだろう?』
チェギョンは手渡されたミネラルウォーターを美味しそうに飲み、それから深く溜息を吐いた
『だって~あまりに悔しくて・・・』
『ちゃんと食事はしたのか?料金は大したことなかったようだが・・・』
二人が寄っていたため、ギョンが会計を済ませてくれていた
シンはチェギョンを支えながらその様子を見ていたのだ
『ちょっとおつまみを食べたくらい・・・』
『何か食事したほうがいいんじゃないのか?』
『ううん。悔しくて食べたいっていう気分じゃないよ。どうしてかなぁ・・・一体何がいけなかったんだろう。』
すっかり落ち込みモードに入ってしまったチェギョンの髪をシンはそっと撫でた
『人それぞれとらえ方は違う。また・・・自分が上質な人間だと思っている奴に限って、いけ好かない行動を
取ることがある。俺だってそうだっただろう?最初・・・』
『あっ・・・イチゴラテ事件の時?』
『普通ならクリーニングで済む話が、俺はお前をしもべにしただろう?』
『まぁ確かに・・・』
『でも今は違う。お前やガンヒョンを見て、自分がどうあるべきかを悟った。』
『悟った結果が・・・この関係?あははっ♪』
『あぁそうだ。悟った上で俺にはお前が必要だと心底思った。』
『えへへっ♪』
取り巻きたちの仕業だと確信が持てない限り、憶測でチェギョンの気持ちを乱すようなことはできない
シンは以前の自分を引き合いに出して、今のチェギョンがどれだけ素敵な人であるかを話し
チェギョンのささくれ立った気持ちを癒した
『そろそろ酔いはさめたか?』
『うん。』
『送っていく。』
その日シンは以前のように駐車場に車を停め、シン家までチェギョンを送り届け・・・両親にチェギョンを引き渡した
珍しく酒を飲んで帰ったチェギョンは、両親に半年間勤めたアルバイトをクビになってしまったことを告げた
シン家の両親に礼を言われ、そのまま家に帰宅したシンは・・・遅くなった夕食を食べながら
ミンに相談を持ち掛けた
『もぉ~シンったら、今日はギョン君と食事するんじゃなかったの?いらないって聞いていたから、
ありあわせの物しか出せないじゃないの~!』
『あっ・・・すみません。ちょっと今日は予定が狂ってしまって・・・』
『そうなの?それに…スーツに臭いを付けて帰るなんて珍しいわね。』
『あ・・・そうなんです。居酒屋にいたものですから。』
『い・・・居酒屋?』
『はい。チェギョンを迎えに行ったんです。』
『居酒屋とは・・・あまり聞き慣れない言葉だわ。今度チェギョンさんに連れて行ってもらおうかしら~♪』
『くっ・・・お母様の行かれるようなところではありませんよ。』
『そ・・・そうなの?でも興味があるわ~♪あらっ?でもチェギョンさん・・・今日はアルバイトの日じゃあ?』
『ええ。そうだったんですが・・・。』
シンはとても言い難そうにその先の言葉を継げた
『あのファミレスのバイトをクビになってしまったものですから・・・』
『えっ?チェギョンさんがクビ?一体どうして・・・あんなに一生懸命働く子をクビにするなんて
経営者の気持ちが全く理解できないわ!一体どうして・・・』
『あのファミレスの本部に名指しでクレームの電話が入ったそうなんです。
しかもイ・ガンヒョンと二人同時に・・・』
『なんですって?そんなことあり得ないでしょう?』
『ええ、私も何か引っかかる点がありまして・・・』
『引っかかる点とは何かしら?』
『先日私やギョンの取り巻きたちに、チェギョンとガンヒョンが囲まれたんです。』
『ま・・・まぁ~~~!なんてことしてくれるの?あの娘達・・・いたいけなチェギョンちゃんとガンヒョンさんを
捕まえて文句を言うなんて~~!』
『私やfギョンの交際宣言が、面白くなかったからこんな手段に出た・・・そうとしか考えられないのです。』
『そうね。あの娘達ならやりかねないわ。』
『そこでお母様にお願いがあるのですが・・・』
『お願い?何でも言ってちょうだい~♪』
『チェギョンとガンヒョンにいいアルバイトを紹介して欲しいのですが・・・』
『チェギョンさんやガンヒョンさんだったら、欲しがるお店はいくらでもある筈よ。』
『ええそうなんですが・・・一般の店では、また同じことが起こらないとは限りません。
お父様の傘下にある店舗や企業で…いいアルバイト先はないでしょうか?』
『あ~そういう事なのね。わかったわ。後でお父様に相談してみましょう。』
『よろしくお願いします。』
『可哀想に・・・チェギョンちゃんは相当ショックを受けたのでしょうね。』
『ええ。だから珍しく酒なんか飲んで・・・』
『ちゃんと送り届けてきたんでしょうね?』
『もちろんです。先方のご両親に引き渡して参りました。』
『だったらいいわ。そういうことはちゃんとしておかないとね。』
『はい。』
『とにかく少し時間を頂戴ね。チェギョンちゃんとガンヒョンさんにはそう伝えてね。』
『解りました。』
シンと話した後ミンはチェギョンがアルバイトをしていた店の本部の電話番号を調べた
『おかしいわよ。真面目に働いている子が、そんな電話の一本でクビにされるなんて~~!』
チェギョンの生き生きとした働きぶりが今もミンの目に浮かぶ
ミンはどうしてもそのような卑怯な手口が許せなかった
その晩・・・接待で遅い時間に帰宅した夫を捕まえて、ミンはチェギョンとガンヒョンのアルバイト先を
相談するのだった
あ~んすまん。
気圧の関係か頭が痛くて~~
短めだけど許してね。
台風の被害はありませんでしたか?
今日は良く晴れたけど
風は結構強い管理人地方。
今回の・・・被害が象
明日お見せいたしますぅ・・・
お返事も明日にさせてください~!