美味しそうにイチゴラテを飲むチェギョンの横に座り、ミンのうんちくは続いている
『それでねチェギョンちゃん・・・このフレーバーラテの一番のお勧めは~実はココアラテなのよ。
このココアラテの香りがまた香ばしくて~飲まないと損するわよ。』
『おば様~ココアラテまで特製なんですか?』
『もちろんよ~♪芳醇なココアの香りと~濃厚な生クリームのハーモニーが素晴らしいのよ♪』
『それは是非飲まないと・・・二杯目はココアラテ…いってみますか~♪』
二人が最高に盛り上がっている時・・・とうとう業を煮やしたシンは、二人の会話に割って入った
『チェギョン…ココアラテは後にしろ。部屋に案内する。』
『えっ?』
『お前が先に足を踏み入れたのが、ギョンの部屋だっただけでも面白くないんだ。早くしろ!』
『あ・・・そうだった。おば様、ココアラテは後でいただきます。じゃあこのカップを洗って~。』
『あ~いいのよチェギョンちゃん。セルフなのはドリンクを持ってくる時だけでいいの。
後はこちらでするから平気よ。じゃあまた後でね~~♪』
『はいおば様。では失礼して・・・シン君のお部屋にお邪魔してきます~♪』
その時には既に席を立っていたシンの後に続き、チェギョンはリビングを出て行った
『こっちだ。』
『うん。』
シンの後に続き階段を上がっていく
(ちょっと~うちの階段なんか人がすれ違うのにやっとなのに・・・この家は階段も桁違いに広いんだ。
私が寝転んでも余裕がありそうなほど広い。ひゃぁ~天井には~シャンデリア?
ん~~リッチな家ってすごいんだなぁ・・・)
そのイ家の息子と見合いをし今は交際中だというのに、当のチェギョンには今ひとつ自覚がない
『ここだ。入れ。』
『うん♪』
誘われ入っていったシンの部屋・・・シンが自分で言うように、シンプルで理路整然と片付けられている部屋だった
『おぉ~本当にシンプルで素敵な部屋。』
『ギョンの部屋とは違う。』
『ずいぶん収納が多いんだね。』
部屋の壁に置かれたキャビネットに目をやると、そこにはチェギョンさえも知っているような有名ブランドの
腕時計がずらっと並んでいた
『すごい!あっもしかしてギョン君からのプレゼントも並んでる?』
『あぁこれがそうだ。まだ一度もしていないがな。』
隣りにはベルトが一本一本箱に入って収納されていた
『全く隙がない・・・』
その時チェギョンは部屋に二枚だけ飾られた大きな写にを目を留めた
『わぁ~すごく綺麗な風景。何のポスターなの?』
『ポスターなんかじゃない。俺が撮った写真だ。』
『えっ?シン君が?』
『あぁ。俺は写真専攻だからな。』
『映像科なのは知っていたけど、写真を専攻しているのは知らなかった・・・』
『だろうな。大学ではしもべだったからな。』
『うん。そっか~シン君ってこんな素敵な写真が撮れる人なんだ。』
『たまに人物も撮らされたけどな。』
そう言いながらシンは棚の中から一眼レフカメラを出し、それを構えるとチェギョンに向けてシャッターを押した
『やだ~撮らないでよ。』
眉間にしわを寄せ不機嫌そうな顔をするチェギョンを、更にカメラの中に収めながらシンは言う
『そうか?取り巻きの連中など、自分を撮ってくれって付きまとうぞ。お前は違うんだな・・・』
『だって~~身構えていてもいい表情なんか撮れないでしょう?今すごく身構えてるもん。』
『っつ・・・仕方ないな。』
しかめっ面のチェギョンばかりが、カメラの中に収められてしまった
シンはチェギョンが嫌がるので仕方なくカメラを置いた
『写真を撮りに遠くに行ったりするの?』
『あぁ、行くよ。』
『今度・・・連れてってくれないかな~~♪撮影の邪魔はしないから・・・』
『くっいいよ。いつもギョンと一緒なんだが、恐らくギョンはガンヒョンを連れてくるだろうしな。』
『やった~~♪すごく楽しそう。』
チェギョンはまた部屋の中を歩き、あちこち見て回っている
『あのクローゼットの中にはスーツがいっぱい入っているんでしょう?』
『あぁ。開けてみるか?』
『いい。どんだけ入っているか見たら気絶しそうだもん。あっそうそう!ポケットチーフのコーナーは?』
『あぁそれなら、時計の入っている棚の下の引き出しだ。』
『開けてみてもいい?』
『どうぞ。』
その場所を開けるのは相当な勇気がいった
シンの持っている高価なポケットチーフの中で、自分の贈ったポケットチーフがどのような位置にあるのか
その場所でシンの気持ちが分かるような気がした
(えいっ!)
勇気を振り絞り開けた引き出し・・・するとそこには白をメインとした色とりどりのポケットチーフが並んでおり
その一番手前にきちんとアイロンがけされたチェギョンの贈り物が置かれていた
チェギョンはなんだかシンの想いを知ったような気分になり、胸がいっぱいになった
『私が贈ったのは・・・安物なのに、こんないい場所に置かれているなんて・・・』
『くくっ・・・当然だろう?あの誕生パーティーの日から、こいつの場所は常にここだ。』
『ありがとう。』
『どういたしまして。』
シンはその引き出しを閉めるとチェギョンと向かい合い、そっとチェギョンの背中に手を伸ばした
つまり・・・抱き締めようとしたのだ
ところが・・・
やはりこんないいムードの時にやってきてしまうのはあのお方だ
<トントン>
『シン~~チェギョンちゃ~~ん、お食事なんだけどぉ~~・・・』
シンは忌々し気に部屋のドアを開けると、ミンに告げた
『今行きます。』
『あ~違うのよ~、もう出来上がるところなんだけどね・・・ちょっとチェギョンちゃん、貸して頂戴♪』
『チェギョンをですか?』
『おば様・・・何かお手伝いしましょうか?』
『チェギョンちゃん、あなたの~美的センスが必要なのよ~さぁ来て~~♪』
有無を言わさずチェギョンはミンに手を引かれ部屋から出て行ってしまった
(っつ・・・一体誰の彼女なんだ~~!)
小さく舌打ちをしながらも、棚の中から先ほどの一眼レフカメラを持ったシンはすぐに階下に降りて行った
そして・・・イ家のメインキッチンでは、一流の料理人を前にしチェギョンは困り果てていた
『チェギョンちゃん・・・これが料理長さんの盛りつけよ。チェギョンちゃんも盛りつけてみて~~♪』
『お・・・おば様~~!私は料理の事なんか勉強したこともありませんし、イ家の料理長さんを前に
そんなことできません~~!』
非常に困惑しているチェギョンに向かって料理長は言う
『先日のバイキングの時に、それは素晴らしい盛り付けをなさったとか・・・。
奥様が絶賛してらっしゃいました。是非私も、その盛り付けテクニックを拝見したいのですが・・・』
『えっ…困りますぅ・・・』
そんな様子をシンは助けるでもなく、カメラを構えて写真を撮っている
さて・・・チェギョンの盛りつけは一流料理人を納得させることができるのだろうか・・・
そうだ!よく考えたら今日は祭日だったね。
我が家は皆さんお仕事とバイトです。
コメントの御返事は明日にさせていただきますね~~♪
今日はいいお天気だったけど。つい先ほどから土砂降り~~!
今日、クリームのマンジュシャカが咲いているのに気が付いたのです。
写真撮っておいてよかったなぁ~~♪